記憶の彼方のJC
先日訪れた「ジャパンカップとその時代」の会場でもらったパンフレットをパラパラとめくってみた。ジャパンカップも迎えて今年が41回目だという。競馬中心の生活を送っていると、月日の経つのがことのほか早い。
第1回ジャパンカップの1着賞金は6500万円。当時の東京芝2400mのレコードタイムは、その4年ほど前のAJCCでグリーグラスが記録した2分26秒3だった。それがいまや1着賞金3億円。レコードタイムもジャパンカップの舞台で繰り返し更新され、今では2分20秒6まで縮まっている。次の40年先は果たしてどうなっているだろうか。なんて、2分半先も見通せないのに、そんな先のことが分かるはずもない。
いや、先のことはまだしも、覚えているはずの昨日のことすら怪しいのである。今日も地方競馬に詳しい新聞記者とロッキータイガーがシンボリルドルフの2着した1985年の思い出話に花が咲いた。「パドックにロッキータイガーの横断幕が3枚も出ていた」。「桑島騎手の風車ムチは凄かった」。……等々。なのに、去年のジャパンカップに話題が移った時に、その勝ち馬がこない。あれ? 去年勝ったのは……?? 誰だっけ???
昔のレースは覚えていても、最近のレースが思い出せない。私と同年代の方々なら思い当たるフシもあろう。競馬は記憶のゲームであるから、記憶力の衰退は競馬をつまらなくしかねない。でも、トシには勝てないから、最近ではメモを残すようになった。このブログもそのひとつかもしれない。
だけど大事なことはどんどん忘れていく。寝しなに大事なことを思い出すことが多いので、枕元にメモとエンピツを常備してあるのだが、そのメモが中途半端だったりして朝になって首をかしげることもしばしば。つい先日も、朝目覚めたら枕元のメモ用紙に、
「コーヒーの原理」
と書いてあった。
「コーヒーの原理」っていったい何だ?
このメモを書いた時の私は、これだけ書いておけば思い出すはずと思ったに違いない。だが、朝起きた私はその時とは違う自分である。とりあえずコーヒーを飲めば何か思い出すかもしれないと思い、慌てて飲んでみたが、何も出てこなかった。かようにひとたび眠ってしまえば、私の記憶は掟上今日子さんの如く忘却の彼方に飛んでいってしまう。しかも忘れたいような嫌なことはしっかり覚えているから始末に困る。嗚呼、眠るのが怖い。
***** 2021/11/9 *****
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