ゴミ馬券
大阪は秋晴れ。ただし予報は夏日。しかも夜は雨だという。ならば散歩は早い方が良い。自宅前の堺町筋を道頓堀目指して歩く。難波橋を渡って、北浜を通り抜け、堺筋本町で朝から営業しているうどん屋さんを見つけた。
「Udon Kyutaro (うどん・キュータロー)」は讃岐の名店で修行した店主が4年前にこの地に開店。一見してうどん屋に見えない外見も、朝営業というスタイルも、コシとエッジの麺の打ち方も、どれも大阪のうどん文化とは大きく異なる。それでも店内は満席。しっかり受け入れられている証拠であろう。
と、ここで意外なカミングアウトをするが、今日10月16日は筆者の誕生日だったりする。今日で53歳。ならば多少の贅沢は許されよう。それで天ぷらを3つも取ってしまった。米ナス、高知産ししとう、香川産のちくわ。彩りも良く1個100円均一。これくらいの贅沢なら許されよう。どれも出色の美味さ。もちろんうどんも美味い。
店を出てさらに歩く。道頓堀を渡って、たどり着いた先はこちら。
まあ、いつものことですわ。
ただし、買う馬券はいつもと異なる。誕生日にJRA開催があるのも何かの縁であろうから、年齢にちなむ馬券を買いたい。ならば全レースの馬単5→3を買ってやろう。でも裏目で悔しい思いをしたくないから馬連3-5にしようか。いや、いっそのことワイドか。いやいや、そもそもこういうケントク買いの基本は枠連だよなぁ。などとしょうもないことで悩んだりしたが、まあ結局は馬単にしました。それにしても36枚のマークカードを塗る作業というのはたいへんですね。ようやく塗り終えて券売機に入れたら、読み取りの途中で「いったん投票券を受け取りください」とか言って、競馬粋から馬券の束が吐き出された。こんなの初めて。53年生きてても知らないことはまだたくさんある。
帰宅してグリーンチャンネルを観る。阪神8レースで⑤ニューフロンティアが逃げて、③チェックメイトが2番手のまま残り1ハロンまで粘った時は思わず声が出た。当たり前の話だが、そんなに都合よく5→3にはならない。「あ~、73歳だったら当たってたぁ」なんて呟くうち、目の前に並べた馬単5→3馬券は、次々と「ゴミ(53)馬券」へと姿を変えていく。
3番と5番が上位人気だと「おっ! これは期待できるかな?」と思ったりするけど、よく考えたら堅い馬券が当たったところで意味はないのである。人気薄でこその企画なのに、「当たりたい」という気持ちが勝るようではダメ。53歳になるというのに、そういうところの成長がない。
「中村屋」で仕入れた1個80円のコロッケをかじりながら、10分おきに発走するレースをのんびり眺める。予想に追われる競馬も楽しいが、こういうのんびりした競馬も良いですね。最終的に36枚の馬券は文字通り「ゴミ馬券」と化した。しかし、こういうささやな幸せを噛みしめる一日というのも誕生日としては悪くない。
夜は関西在住の競馬仲間が私の誕生日を祝ってくれるという。―――というのは冗談で明日の秋華賞大予想会。果たしてソダシ1強の構図は正しいのか。私はスルーセブンシーズとアナザーリリックが気になって仕方ない。ではこれより私の生誕祭会場に向かうことにする。
***** 2021/10/16 *****
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