GⅠ馬の日
阪神競馬場で京都大賞典の発走を待っていたら、東京競馬場の中継モニタからGⅠレースの本馬場入場曲「グレート・エクウス・マーチ」が聞こえてきてひっくり勝った。
今週はGⅠは行われない。京都大賞典と毎日王冠というGⅡの中でも格上のレースが行われる日として、むしろ「GⅡの日」という意識を強く持っている。そこにGⅠの入場曲が流れてくれば驚くのも無理はなかろう。もちろんJRAが選曲を間違ったわけではない。先日亡くなった作曲家すぎやまこういちさんを偲ぶJRAの粋な演出。しかし私は馬券のことしか考えぬ不届きものであるから、「グレート・エクウス・マーチ」を聞きながらこう思った。
「今日はGⅠ馬が勝つってコトだ」
結果的にその読みは間違っていなかった。だが、そのひらめきを毎日王冠だけに適用した私はまだまだ甘い。シュネルマイスターとダノンキングリーの単勝馬券を買っただけで満足してしまったのである。ああ、オレのバカバカ。
席に戻って「はっ!」と気づいたが、時すでに遅し。毎日王冠を勝ったシュネルマイスターの単勝配当は260円。対して目の前で京都大賞典を勝ったマカヒキは3210円である。ダービー優勝後の単勝配当としては、過去最高額ではあるまいか。逃した魚はデカい。劇的な勝利を挙げたマカヒキを賞賛する拍手が鳴りやまぬ中、私は机に突っ伏してシクシク泣いていた。
一部にはダービー馬が8歳秋になってなお現役を続けていることへの賛否があるようだが、現役続行も現役引退するのも陣営が決めること。外からとやかく言うものではない。今日の勝利はそういった声に一石を投じたのではないか。そもそも年齢は重ねていいるとはいえ、ダービー以降の出走回数は今日の京都大賞典を含めて19戦に留まる。6歳3月に引退したウオッカはダービー後に20戦を積み重ねていた。年齢だけで物事を図るのは良くない。トシを取ると切実にそう思うようになる。
そういう意味ではマカヒキの単勝に3210円という配当を付けてしまった多くの競馬ファンは、反省の余地があろう。むろん私もそのひとり。マカヒキのGⅡ出走はおととしの京都記念以来。そのときはクビ+クビ差の3着だったからたいして負けてない。ダービー馬ともなれば自ずと使えるレースも限られるものだが、今日のレースを含め芝2400mに限れば①①⑭④④⑨①着。大きく負けたのは凱旋門賞⑭着と半年の休み明けだった昨年のジャパンカップ⑨着だけ。4年連続の出走となるであろう来月のジャパンカップが、今から楽しみだ。
***** 2021/10/10 *****
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