天皇賞当日の阪神で
昨日は府中、今日は仁川。JRAジョッキーのような週末を過ごしている。
入場門をくぐって何気なくパドックを覗けば、驚くことに武豊騎手の姿があるではないか。昨日は府中のパドックでその姿を見かけた。ということは私と同じように移動してきたわけだ。
言うまでもなく今日は府中で天皇賞(秋)が行われる。デビュー2年目の1989年に初出場で初優勝という離れ業を演じて以来32年間、秋の天皇賞の出馬表には必ず「武豊」の名前があった。今日彼が阪神で乗る姿を見るということは、すなわち32年間続いた偉大な記録が途絶えたことを目撃していることに他ならない。私自身、事情があって天皇賞(秋)を観ることができず、仕方なく阪神に来ているわけだが、そんなちっぽけなことでクヨクヨしていたことが恥ずかしくなった。
阪神9レースの古都Sは、例年なら京都芝2400mで行われる3勝クラスの条件特別。阪神で行われた今年も「古都」というレース名はそのまま使われたが、距離が大きく変更になった。一気に600mの延長である。つまり先週行われた菊花賞と同じ阪神芝3000m。条件戦で3000mは珍しい。かつての嵐山ステークスに思いを馳せたオールドファンもいたのではあるまいか。
勝ったのはメロディーレーン。菊花賞馬タイトルホルダーの姉にして自身も菊花賞5着の実績がある。小柄な牝馬でいつも馬体重が話題になるが、今日は10キロ増の354キロとデビュー以来初めて350キロを超えてきた。そのおかげか直線の坂を脚取りもいつもより力強い。3000mも合うのであろう。ゴールの瞬間はスタンドから歓喜の拍手が沸き起こった。条件戦では珍しい。白毛馬以外では初めて見た光景だ。
武豊騎手が手綱を取ったキタサンバルカンは5番人気で8着。3000mなら騎手の技量がモノを言うとばかりに単勝を買い込んだが、それが仇になったか。そもそも走るのは馬である。今日の武豊騎手は阪神で9鞍に騎乗。すべて1~5番人気だったが、カシオペアSなどの3着が最高という成績に終わっている。私のように馬を見ずに単勝を買ったファンもいたのかもしれない。その気持ちは痛いほど分かる。
***** 2021/10/31 *****
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