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2021年9月14日 (火)

奇跡の血

日曜中京9Rの長久手特別は2勝クラスによる芝2000mのハンデ戦。単勝1番人気のロバートソンキー(57キロ)が、道中4~5番手追走から直線外目を豪快に駆け抜けて3勝目を挙げた。2着のノースザワールド(53キロ)に付けた着差は2馬身。4キロの斤量差を思えば圧勝と言ってよかろう。

9r

昨年の神戸新聞杯で14番人気ながら3着に食い込んだ、あの馬である。直前に出走した新潟の1勝クラスでは敗れていたことを思えば、14番人気も無理はない。200万円の追加登録料を支払って出走した菊花賞も6着なら健闘の部類だ。

その後3か月の休養を経て出走した1月中京の1勝クラス。GⅡでコントレイルの3着に入り、今をときめくディープボンドに先着した実績からすれば1.6倍の単勝支持も頷ける。ところが意外にもクビ差の辛勝だった。原因は不良馬場か、あるいは16キロ増の馬体重か。いずれにせよ、レース後に陣営は再休養を選んだ。

迎えた長久手特別。調教師は「きっちり立て直した」と胸を張る。それならばと単勝オッズは一時1.5倍あたりまで下がった。しかし、発表された馬体重はなんとマイナス20キロ。それをどうとらえるか。そもそもハンデ戦でもある。ファンの逡巡がオッズを1.8倍にまで押し上げたのかもしれない。

ロバートソンキーが注目を集めるのは、その強さからだけではない。祖母トウカイテネシーの全兄は奇跡の名馬トウカイテイオー。もはやその走りをライブで観ていた人は少数派だろうか。父シンボリルドルフに続き無敗で2冠を制したのは1991年。30年前となれば昔話に近い。

トウカイテネシーの7代母は伝説の牝馬ヒサトモ。1937年の日本ダービーを制し、古馬になってからも天皇賞の前身にあたる帝室御賞典を勝った女傑だが、15歳の時に繁殖生活に別れを告げ、浦和競馬場に戻って現役復帰を強いられた。そのまま浦和で非業の死を遂げたため、その血を伝える牝馬の産駒はたった1頭しかいない。それが平成の世に甦り、トウカイテイオーやロバートソンキーを送り出した。そう思えば、ロバートソンキーの走りを見ることができること自体がもはや奇跡のように思えてならない。

ロバートソンキーを管理する林徹調教師は、中学生当時に観たトウカイテイオーの有馬記念の興奮が今も忘れられないと言う。晴れて調教師となり、その血統を預かることになったのも何かの縁。ぜひこの馬で初GⅠタイトルを狙ってほしい。

 

 

***** 2021/9/14 *****

 

 

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