« 対面 | トップページ | シルバーウィーク »

2021年9月21日 (火)

ダンゴの味

今宵は十五夜。月見の風習は奈良時代ごろに中国から伝わり、平安時代には貴族の遊びとして流行、鎌倉時代には武士や庶民にも広がった。その後は豊作への感謝祭として日本人の生活にすっかり定着し、稲穂に見立てたススキと、満月のように丸い団子や里芋を供える風習が各地に残っている。

実は昨日、父親宅のある埼玉から品川に向かう道中、日暮里に立ち寄って大好物を仕入れていたのである。江戸っ子には馴染み深いお団子屋さん。その名も「羽二重団子」。創業は文政二年(1819年)だから、その歴史は200年を超える。夏目漱石の「吾輩は猫である」や正岡子規の俳句などに登場することでも知られる老舗だ。驚くことに、ひと晩経ってもキメの細かさと柔らかさを失っていない。

Habutae

競馬予想に使われる◎○▲×△の印を「ダンゴ」と呼ぶのをご存じだろうか。由来はもちろん、予想欄に並んだその形状が串に刺した団子の形に似ているから。ゆえに競馬記者は「ダンゴ打ち」とも呼ばれる。

Dango

競馬専門紙に予想の印があるのは日本独自とされる。欧米の競馬新聞では馬ごとの単勝配当が記載されている程度。だが、この日本が世界に誇る文化も、考案者や始まりの時期はよく分かっていない。JRAの物知りに聞けば、こうした記号は学校の通信簿をヒントにしたという説があるそうだ。もしそうだとすれば予想欄の印を見る目も変わってくる。己の通信簿を客に曝される馬たちは、なんとも気の毒でならない。

◎が本命、○が対抗、▲か×が単穴(1着か着外)、△が複穴(2、3着候補)とするのが、おおまかな約束事。だが、馬券の種類が増えた昨今では△が4~5個に★とか△を二つ重ねたような(二重△)記号も増えた。なにせ3着まで予想しなければならないご時世である。予想欄に印が増えた現状をほくそ笑んでいるのは、間違いなく主催者であろう。どうしたって買い目は増える。

昼間は青空も覗いていた大阪の空だが、夜にはすっかり雲に覆われてしまった。残念ながら月無しのお月見。しかし、それではただ団子を食べるだけになってしまうので、この3日間の競馬予想紙のダンゴを見ながら団子を食べた。予想紙のダンゴは十個十色の味わい。特に「外れダンゴ」は苦味の奥に複雑な思いが絡み合う。それらもひとつひとつ味わいつつ、秋の夜は更けてゆくのである。

 

 

***** 2021/9/21 *****

 

 

|

« 対面 | トップページ | シルバーウィーク »

競馬」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 対面 | トップページ | シルバーウィーク »