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2021年9月11日 (土)

2代目うなぎ登り

大阪に来たら、一度きちんとした鰻屋さんに行かねばと思っていた。

何を隠そう私の母の実家は目黒で鰻屋を営んでいた。ゆえに私は幼少の頃から日々三度の食事に鰻重を食べて育ってきた……というのは真っ赤な嘘だが、母の実家が鰻屋なのはホントです。毎日とは言わないけど、鰻が珍しいメニューではなかったのもたしか。自宅にはあの鰻のタレビンがたくさんあったし、学生時代の弁当も週イチでウナ弁だった。いま思えば贅沢な話だが、当時は「また鰻かよ~」と文句ばかり言っていた気がする。

ともあれ、関西の鰻はパリっと歯応えがあるらしい。関東の柔らかい鰻に慣れ切った私が、その違いを身をもって味わってみたいと思うのは自然の成り行きであろう。

鰻職人の世界には「割き三年、串打ち七年、焼き一生」の言葉がある。

まずは「裂き」。関西では腹から包丁を入れるが関東では背からが常識。「武士の町、江戸では切腹を嫌った」という説が有名だが、どうやらそれは俗説らしく、単なる見栄えの問題だと聞いたことがある。関西風に裂くと身の薄い腹が両端になり、焼いた際に丸まりやすい。端に分厚い背中の身がくる関東風は逆に丸まりにくい。実質の関西に対し見た目を尊ぶ江戸気質ということか。

「串打ち」も東西で異なる。関西では頭を付けたまま5~6尾をまとめて金串に刺す。関東は頭を除き二つに切り分け竹串に刺す。

風味に影響するのが「焼き」の違いだ。どちらも最初に素焼きをしてから、たれをかけて焼くが、関東風は焼く前に蒸すので脂が抜け、ほろほろと柔らかい。関西風は蒸さない「地焼き」が主流。だから皮がパリッとする。

近年は関西でも、関東風の柔らかいかば焼きを出す店が増えたらしいが、今日訪れた「高良」は、関西伝統の地焼きにこだわっているという。タレも控えめでこの色合い。味付けは「関西はあっさり、関東はこってり」の印象があるが、こと鰻に関しては逆なのが面白い。

Unagi

この鰻にありつけたのは今日の中京5Rが当たったおかげ。4番人気で勝ってくれた馬には感謝せねばなるまい。その名も「ウナギノボリ」だからよくできてる。

ドレフォン産駒の2歳牡馬。そのユニークな馬名から察しがつく通り小田切有一オーナーの所有馬である。直線で馬群を割る勝負根性には目を見張るものがあった。

実はこのウナギノボリは2代目。先代はキングカメハメハ産駒の牡馬で、やはり小田切オーナーの所有馬だった。しかし、デビュー4戦目の新潟で競走中止。予後不良の憂き目に遭う。同じ名前を託した2代目の新馬勝ちはオーナーにとっても格別の思いがあろう。鰻重をご馳走してくれた一頭だから、私も個人的に応援する。今後の成績も鰻登りになることを願おう。

 

 

***** 2021/9/11 *****

 

 

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