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2021年8月30日 (月)

葵Sの価値

5月29日付「格付けの壁を越えろ」で葵SがGⅢ格付けを得られないことを嘆き、「レイハリア、ヨカヨカ、オールアットワンス、ファルヴォーレの今後のさらなる活躍に期待しよう。」と書いた。

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まさかそれに触発されたわけではあるまいが、オールアットワンスがアイビスサマーダッシュを、ヨカヨカが北九州記念を、そしてレイハリアが昨日のキーンランドCを勝ってみせた。ついでに書けば函館スプリントSを勝ったビアンフェは昨年の葵S優勝馬である。来年の葵SのGⅢ格付けは確実。重賞となった葵Sの上位馬から、ついにチャンピオンが現れるかもしれない。ともあれ葵Sの価値は、この夏一気に高まった。

亀田温心騎手にとって「初重賞」制覇となった葵Sが嬉しい勝利であったことは間違いあるまいが、今回の「初GⅢ」制覇も格別なはずだ。やはり「重賞」と「GⅢ」は違う。かつてゴールデンアイで東京新聞杯を制した田中剛元騎手(現調教師)は、降雪ダート変更に伴ってこの年の東京新聞杯のGⅢ格付けが消えたことをいたく嘆いていた。「G外」という扱いは寂しい。

一方で葵Sの未格付けが功を奏した面もある。亀田騎手はメンバー最軽量の51キロを勝因に挙げた。キーンランドCの負担重量は「3歳53キロ。牝馬2キロ減。牝馬限定GⅡ競走またはGⅢ競走(牝馬限定競走を除く)1着馬1キロ増」と定められているから、もし葵SがGⅢだったら52キロを背負っていたことになる。ゴール寸前猛然と追い込んだエイティーンガールとの着差はアタマ。1キロの恩恵が勝負を分けた可能性は否定できない。

葵Sは日本グレード格付け管理委員会によるGⅢ格付けが認められなかった。グレードレースの格付けおよび昇格申請が承認されない初めてのケースである。それで5月29日付であのようなことを書いたわけだが、仮にGⅢ認定を受けていたら、葵Sの結果はともかくキーンランドCの結果は変わっていたかもしれない。

 

 

***** 2021/8/30 *****

 

 

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2021年8月29日 (日)

復活の朱鷺

今日の新潟準メインは古馬オープンの朱鷺ステークスだった。

トキは「朱鷺」以外にも「桃花鳥」という当て字を持つ。トキは全身を白い羽で覆われているが、翼の裏側は独特の淡い桃色をしている。単なる薄い桃色ではない。少しくすんだ、しかし見方によってはなんとも鮮やかなその桃色は、「朱鷺色」という呼び名で一般的に使われていた。ということは、かつては日本のどこにでもいる、ごくありふれた鳥だったのである。江戸時代の風俗画に、空を飛ぶトキの姿が頻繁に登場するのがその証だ。

私自身は実物のトキを見た経験を持たない。が、親戚に友禅の職人がいるおかげで、幼いころから朱鷺色には馴染みがあった。だから、「トキは赤い鷺だから朱鷺ステークスは3枠で勝負」という寺山修司の一文をどこかで読んだ時に、強烈な違和感を覚えた記憶がある。それならせめて8枠であろう。だいたいが、寺山にしても実物のトキを見ていた可能性は低い。現在の新潟県佐渡市にトキ保護センターが開設されたのは、1967年のこと。そのとき既に日本国内のトキは絶滅寸前だった。

朱鷺Sはこの当時から行われている。当時は芝2000mの条件戦だったが、1989年にオープン特別に格上げとなった。一方、佐渡島のトキは、この時点で高齢の雄雌1羽ずつが残るのみ。こうなってしまっては絶滅を食い止める術はない。日本中の注目を集つつ、絶滅へのカウントダウンが始まる。

最後のトキが死んだのが2003年。すると間もなく朱鷺Sも実施されなくなった。トキと共に、このまま朱鷺Sも消えてしまうのだろうか。まあ、それも仕方あるまい。新潟にトキがいてこその朱鷺Sである。

だが、関係者は諦めていなかった。トキの野生復帰を目指し、中国から借り受けたトキを人工繁殖させることに成功。そしてついに2008年、佐渡の空に再びトキが帰ってきたのである。

すると、その翌年には朱鷺Sも新潟競馬場に戻ってきた。おかえりなさい。別の生き物の生息状況によってその名称が変動するレースなど、朱鷺Sをおいてほかになかろう。こういうレースを関係者とファンは大事にしたい。

条件戦だったころの朱鷺Sは、減りゆくトキの命運を象徴してか、5頭立てとか6頭立てという少頭数のレースばかりだった。当然8枠桃帽を見る機会も限られる。ひょっとしたら、寺山修司も「朱鷺色」を知っていながら、敢えて「赤」と書いたのかもしれない。そうしなければ予想が成り立たなかった―――そう思うことにしよう。

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佐渡のトキはその後も順調にその数を増やしている。ここ数年は毎年30~40羽のペースでヒナが巣立った。そんなトキの生息状況と歩調を合わせるかのように、朱鷺Sの出走頭数もここ数年は毎年2桁をキープしている。となれば注意すべきはやはり8枠桃帽。オセアニアボスが勝った2011年の8-8を含め、ここ10年で8枠は3勝、2着3回、3着3回の好成績を収めているのである。それに気づいた私はシメシメと思いつつ新聞も見ずに8枠総流しを敢行。すると大外の人気薄ルッジェーロが2着に飛んできた。

やったやった。ラジオはルッジェーロを8番人気と伝えている。これは太い。果たして配当は……と息を吞んだら380円であった。8枠に2番人気のヴェスターヴァルトがいたせい。ともあれ豪快なトリガミである。来年は8枠に人気馬が入りませんように。

 

 

***** 2021/8/29 *****

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2021年8月28日 (土)

二刀流コンビ

熊沢重文騎手のアサクサゲンキが小倉サマージャンプ(J・GⅢ)を勝った。レース途中から堂々先頭。アサクサゲンキを完全にマークする形でレースを進めたマサハヤドリームに1馬身半を付ける完勝劇。アサクサゲンキは小倉2歳Sも勝っており、史上14頭目の平地・障害それぞれの重賞ウイナーとなった。写真は小倉2歳S。モズスーパーフレアを破っての勝利はダテではない。

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馬が二刀流なら、騎手も二刀流。平地と障害のレースで100勝を挙げている騎手は熊沢騎手を含め史上3人しかいない。ほかは横山富雄元騎手と田中剛調教師。中でも熊沢騎手は平地GⅠとJ・GⅠの両方を制しているという点で群を抜いている。

熊沢騎手は今回の勝利が星野忍元騎手に並ぶ歴代最多記録の障害通算254勝目。単独トップに向けて騎手生活36年目の53歳の挑戦は続く。JRAの現役騎手で50代の騎手は柴田善臣騎手、横山典弘騎手、武豊騎手、小牧太騎手、そして熊沢騎手の5人。一部では「5G(ファイブ爺)」と呼ばれている。つい先日も柴田善騎手は2日連続で重賞を勝ったばかり。秋競馬でも5Gの手綱から目が離せそうもない。

 

 

***** 2021/8/28 *****

 

 

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2021年8月27日 (金)

57キロの不思議

せっかく地元に帰っているので「tvk川崎競馬中継」を久しぶりに観た。金曜だから重賞は行われない。しかしパドックにはリッカルドの姿がある。

宮前オープンは平場のオープン特別。しかも5頭立て。そんなささやかな舞台にダートグレードウイナー(2016年エルムS)にして南関東S1優勝馬(2018年大井記念)、通算13勝の猛者が出ていた。となれば負担重量は65キロくらい背負わされるのかと思いきや、ごく普通に57キロだという。当然とばかりにリッカルドが勝った。10歳とはいえ、さすがにここでは地力が違う。

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ここでチャンネル変更。グリーンチャンネルのパラ馬術・規定のダイジェスト番組を観る。解説は元JRA馬事公苑職員の篠宮寿々海氏とリファイン・エクインアカデミー校長の大木道子氏。番組進行は五輪から引き続き林正浩アナが務めている。

バーの落下や走破タイムという分かりやすい指標で競う障害飛越とは異なり、馬場馬術はどこで優劣が決まるのかが今ひとつ分かりにくい。パラ馬術ではなおさら。そこを審判の視点から解説する大木氏のコメントはとても良かった。元JRA調教助手の宮路満英選手の演技が終わって、「あぁ~、ホッとしたぁ~」と呟かれたのも微笑ましい。大木氏は宮路選手のコーチでもある。

宮路選手は右手が使えない。なので、手綱には棒状の持ち手が付いていて、左手だけで操作できるようになっている。このようにパラ馬術では長鞭を2本使ったり、手綱や鐙を改良することが許されている点が特徴。篠宮氏は、より正確な指示を伝えられるよう色々工夫しているとおっしゃった。それが競技を面白くとし、注目を集め、ひいては質の向上に繋がる。ルールや伝統に厳しい面が強調されがちな馬術にも、一方でこうした枠に捕らわれない自由な発想が許される一面がある。

翻って競馬はどうか。前走59キロでオープン特別を勝ったリッカルドが、同じ条件に57キロで出てくる不思議。小頭数になること必至のレース設定。そこに工夫や自由な発想はあるか。ネットによる売上好調の波がいつまでも続くとは限らない。

 

 

***** 2021/8/27 *****

 

 

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2021年8月26日 (木)

夏休みの過ごし方

つかの間の夏休みを頂いて神奈川に帰っている。競馬場にもサマーセールにも行くことはできない。ならば久しぶりの自宅でのんびり過ごそう。そう思っていたのだが、いざ帰ってみるとそうもいかない事実が明らかになった。

食器棚を買い替えたい。トイレのドアノブが壊れた。上の娘のワクチン接種に付き添わなくてはならない。下の娘の進学のアレコレにマンションの管理組合のアレコレ。たくさんの仕事たちが私の帰宅を待ち受けていたのである。さらに己の通院だってこの機会に済ませなければならない。こうして私の夏休みは種々雑用に費やされてゆくことになる。これなら普段の仕事の方がよっぽどのんびりしてるじゃないか。

今日は朝から地元の耳鼻科を受診したのち、2時間かけて埼玉まで行き父親の通院に付き添うことに。検査結果の説明を受けるにあたり、主治医から家族の同席を求められたため。穏やかな話ではないが、かといって格段に深刻な話でもない。フンフンと話を聞いたのち、再び2時間かけて神奈川に戻る。今度は自分の眼科。新型コロナまん延のご時世に決して褒められた行状とは言えぬが、病院絡みとあっては仕方あるまい。「要」にして「急」。かくして貴重な夏休みの1日が病院3軒のハシゴで終わった。単身赴任の中年男の夏休みにはよくある風景なのかも知れないが、さすがに気が滅入る。

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ただそんなこともあろうかと、埼玉への長旅には本日4日目のセリが行われているサマーセールのカタログを携行。ブラックタイプを眺めながめつつスマホでの結果確認を繰り返した往復4時間の車中は、実に有意義だった。ひと昔前に比べれば落札率がハネ上がっているので、見守るだけの外野も楽しい。サマーセールは明日が最終日。どうぞ積極的なご購買をお願いします。

 

 

***** 2021/8/26 *****

 

 

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2021年8月25日 (水)

夏の便り

スマホメールの着信音で目が覚めた。

相手は日高の牧場主。毎年顔を合わせる相手だが、コロナですっかり連絡が途絶えていた。なんでも身体を壊して入院したらしい。命に別状はないが、なにせサマーセールの真っ只中である。色々困ることもあろう。以前なら、なんでも手伝うぞとばかりにすぐさま北海道に飛んでいた。人助けと言えば聞こえが良いが、実は己が北海道に行きたいという下心もある。ともあれ、そんなワザもコロナの世では禁じ手。人助けが仇となる。つくづくおかしい。

サンデーの会員さんからもメールが届く。愛馬クリデュクールが残念ながら引退だという。

未勝利の3歳春に骨折。半年の休養が必要となれば、JRAの未勝利戦終了には間に合わない。そのまま園田に移籍。2連勝して◯地としてJRAに復帰するも、今度は屈腱炎で1年半の休養を余儀なくされる。今年7歳になるハーツクライ産駒はその競走生活の大半を故障との戦いに費やした。7歳の時点夏で18戦というキャリアが苦悩の跡を裏書きしている。それでも掲示板を外したのは3回のみ。5千万円を超える賞金を稼ぎ出したのは立派の一言に尽きよう。

帰宅すると吉川良氏から長い手紙が届いていた。社台グループの会報誌「繋」にも書かれていたが、今年に入ってから大きな手術を二度経験されたとのこと。84歳という年齢を考えれば予断は許されない状況だった。だが術前と変わらぬ難読な筆跡で「生き残った」と書かれていることにひとまず安堵。ただその先にはコロナの世の中に生き残ることへの戸惑いも読み取ることができる。競馬場に行けず、酒場にも行けず、軽々しく人とも会えない。吉川氏の生き甲斐すべてを奪うような新型コロナは、生き残って戸惑う世界を作り出した。つくづくおかしい。

 

 

***** 2021/8/25 *****

 

 

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2021年8月24日 (火)

癒しのうどん

ボートレース鳴門は2016年にリニューアルされたばかり。日帰り温泉施設とスケボー&ボルダリング施設に挟まれる立地。そして広大な無料駐車場。となればボートレース場が家族連れで賑わっているのも不思議ではない。若者同士のグループも目立つ。スタンドは競馬場に比べれば狭いが、木目を強調したシックなデザインはJRA顔負け。大手コンビニも入っている。もしいきなりここに連れてこられたら、少なくとも私は競艇場だとは気付かぬにちがいない。

以前訪れた多摩川競艇では、客を見渡す限り私が最年少で、コンクリートむき出しのスタンドに、昭和感まる出しの売店が営業していた。これが同じ競技なのかと思わず目を疑う。四国の底力を感じた。

デッキに出ると潮風が心地良い。こちらも子供、若者、カップルの姿が目立つ。むしろ年配者より多いのではないか。鳴門の将来は明るい。

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1マークの向こうに広がるのは渦潮で有名な鳴門海峡……ではなく「小鳴門海峡」。そこにかかる吊り橋も大鳴門橋ではなく「小鳴門橋」。対岸は淡路島ではなく大毛島。それでも雰囲気はある。ボートの航跡が描く引き波が渦潮のようにも見えた。

その小鳴門橋を渡って大毛島へ渡る。車を走らせること10分。店などなさそうな閑静な住宅街の中に「うどん」の幟が見えた。「舩本うどん」は鳴門のご当地うどん「鳴ちゅるうどん」の名店として知られる。

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麺は細い部分もあり太い部分もあり。薄い部分があれば太い部分もある。さらに一本が短かったり長かったり。あらゆる面で不揃いだ。しかもコシは皆無。そういう意味ではコシ命のストレート麺の讃岐うどんの対極にあると言って良い。

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ダシは透き通った黄金色であっさりした醤油味だが、なぜかほんのり甘い。そこはお赤飯にもお砂糖をかけるお土地柄。徳島ラーメンのスープが甘いのと同じであろう。これはこれで悪くない。ちくわに、刻みに、そして不揃いの麺にしみた甘いダシが、ボートで負けた身体をじんわり癒してくれる。

松山には「鍋焼きうどん」があり、そして徳島には「鳴ちゅるうどん」がある。讃岐は言うまでもない。四国の底力を感じた。

 

 

***** 2021/8/24 *****

 

 

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2021年8月23日 (月)

野間馬に会いに

愛媛県今治市は、かつて日本在来の小型馬「野間馬」の産地として知られた土地。今治ICのほど近くにある「のまうまハイランド」という施設を訪れた。園内には3つの放牧地と厩舎、さらに子ども用の遊具施設や乗馬用の広場などが揃っており、野間馬と触れ合える市民憩いの場となっている。

木曽馬や道産子など、在来種というのは総じて小柄だが、野間馬はその中でももっとも小さい。体高が120cm以下で、体に比べて頭が大きく寸胴な体型をしている。しかし力は強く、粗食に耐え、おまけにツメが非常に丈夫で蹄鉄を必要としない。

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野間馬の起源は江戸時代に遡る。藩主の方針で瀬戸内海に浮かぶ馬島で戦に使う馬を育てたことが嚆矢。最盛期には300頭を超える個体がいたとされる。しかし明治政府は大型馬の生産を馬政方針の柱とした。野間馬の軍馬としての役割は事実上ここで消えることになる。

それでも農耕馬として地元の農家に重宝されていた野間馬だが、農耕機械が普及した戦後には今治からもすっかり姿を消してしまった。一時期は日本国内でも6頭にまで減少。絶滅の瀬戸際に立たされる。そこから現在の53頭にまで回復させたのは、ひとえに「のまうまハイランド」に象徴される今治の人々の熱意と情熱の賜物であろう。ここでで生まれた野間馬は、全国の動物園や馬事施設にも貸し出されている。そのうちのひとつが根岸馬の博物館。ここに行けば野間馬に会える。運が良ければ巨大なマイネルキッツとのツーショットを見ることができるかもしれない。

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2017年。えひめ国体に合わせて来県された秋篠宮ご夫妻の長女・眞子さまが「のまうまハイランド」を視察され、野間馬が一躍脚光を浴びる機会があった。実は眞子さまと野間馬との間には過去にも繋がりがある。その数年前、眞子さまにとって初の一人公務が、野間馬が上野動物園に寄贈された際の記念式典だった。むろんその野間馬もこの「のまうまハイランド」からやってきた一頭。翌年の歌会始の儀で、眞子さまが詠まれた「野間馬の小さき姿愛らしく蜜柑(みかん)運びし歴史を思ふ」という歌に、今治の皆さんもきっと喜ばれたことだろう。

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新型コロナの影響で子どもを対象とした体験乗馬などのイベントは再開の目途が立っていない。だが、馬たちは何事もなかったように木陰でのんぶりと過ごしている。

 

 

***** 2021/8/23 *****

 

 

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2021年8月22日 (日)

仕事の合間に

仕事の合間にうどんを食べる。高松のうどん屋さんは早朝から営業してくれるのでありがたい。

まずは挨拶代わりに高松駅前の「めりけんや」。かけ(温・小)注文。「小」と言うのに勇気が必要だったが、このあとも他の店を回るのだから、ここで満腹にするわけにはいかない。

「ナスの天ぷらが揚がりました~」という声に思わず取ってしまったのだが、丼からはみ出さんばかりのビッグサイズ。とり天も舞茸天も私が思う標準サイズの3倍はある。駅前という立地上、食べ歩きの先頭バッターになりがちな店だが、天ぷらでお腹をいっぱいにしないよう注意が必要だ。うどん240円+なす天120円。

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続いて「中西うどん」。元・読売ジャイアンツ投手で現在は埼玉県ふじみ野市で讃岐うどん店を経営する條辺さんが、現役引退後に修行したお店だと聞き、ぜひ一度訪れたいと思っていた。ぶっかけ(温・小)を注文。370円。不揃いの麺が混ざっているのは、まごうことなき手打ちの証。ひと口すすれば小麦の香りが鼻腔にぷんと立ち込める。風味、のど越し、ホスピタリティ、どれを取っても申し分ない。今日のベストワンを選べと言われれば、迷わずこの店に一票。條辺さんが弟子入りするだけのことはある。

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ここで早くも腹がいっぱいになってしまった。朝食で食べ歩きはさすがに無理があったかもしれない。なので腹ごなしにウインズ高松へ。中西うどんさんからウインズまでは車で2~3分の距離。昨日付けで「買い」だと書いたタマモパッションの単複を仕入れる。

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次は「大島うどん」で肉ぶっかけ(温・小)。440円。麺が美味いので見失しないがちなのだが、この具材の美味いこと。牛肉、玉ねぎ、ごぼう、キノコ、きざみ、おろし、ねぎ、海苔。これをぐりぐり混ぜて食べたら、これまでに味わったことのないうどんになった。讃岐の底力と言うべきか。

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ちょっと郊外に車を走らせて「宮武うどん」へ。「ひやひや」「あつあつ」「ひやあつ」の元祖として知られるこちらでは「ひやあつ・小」をオーダー。290円。ほどよくぬるいので1分で食べ終わる。コロナ禍で長居は無用。次の店へと向かおう。

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上田製麺所は琴電太田駅前という立地。駐車場が4台分と狭いので電車の方が便利だ。店内も決して広いとはいえない。そこはあくまで製麺所である。かけ(温・小)220円を注文すると、丼にうどんをぽいと1玉入れて渡してくれる。これを自分で湯掻いて、自分で湯切りして、自分でダシを注いで、自分でネギを散らす。東京や大阪の「セルフうどん」より「セルフ」の範囲が広い。3軒目の「大島うどん」も同じシステムだった。こちらでは珍しくない。と言うか、むしろ多い。

Ueda

次に訪れた「さか枝うどん」もそう。ただ、今回は「しょうゆ(温・小)」250円を注文したので湯掻きはせず。受け取ったうどんに生醤油を1往復半。ずるずるっと啜って長い長い朝メシを締めた。今回はここまで。「仕事の合間」と呼ぶには若干長過ぎた感もある。むしろ「うどんの合間に仕事」が正解。うどんはしばらく見たくもない。

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―――と思ったのは束の間、これを書いている夜には、また食べたくなっているから不思議だ。高松にあれほど多くのうどん屋さんがひしめいている理由が分かった気がする。タマモパッションは8番人気で4着。惜しかった。

 

 

***** 2021/8/22 *****

 

 

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2021年8月21日 (土)

玉藻よし讃岐の国にて

昨日からまん延防止措置の対象となった高松にやってきた。リモートでは賄えぬ仕事のため。とはいえ、仕事だから楽しみなどないと書けばウソになる。まん延防止措置対象とはいえ香川県が「うどん県」であることに変わりはない。あとは仕事にどれだけ「合間」を作れるか。幸いそこは得意分野だ。

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岡山から乗ったマリンライナーを高松駅で降りて、琴平電鉄に乗り換える。写真の左奥は琴電・高松築港駅。線路の向こうそびえる石垣は、かつての高松城の名残らしい。今では公園として市民の憩いの場となっている。ならば私も憩いたいと思ったが残念ながら閉鎖の看板が出ていた。理由は言うまでもない。そう、新型コロナ対策。周辺には人っこひとりいない。土曜10時のターミナル駅周辺とは思えぬほどの静けさ。これが自粛の現れなのが、それともまん延防止以前ならこんな感じに寂れていたのかまでは分からない。

公園の名前は「玉藻公園」という。その昔、この辺りの海は玉藻浦と呼ばれており、高松城には玉藻城の別称があり、かの柿本人麿も「玉藻よし  讃岐の国の  ~」と歌った。競馬ファンならピンと来たかも知れない。水色、赤二本輪、赤袖でお馴染み。高松市出身の三野道夫オーナーが使われている冠名「タマモ」は、ここから来ている。

すぐさま今週のJRA出走馬にタマモの馬を探した。すると明日の小倉8レースにタマモパッションが出走するではないか。これは買わねばなるまい。せっかくだからウインズ高松で紙の馬券を買ってやろう。ウインズの近くに美味しいうどん屋さんはあるだろうか。そのためにも仕事の合間をたくさん作らねばなるまい。

 

 

***** 2021/8/21 *****

 

 

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2021年8月20日 (金)

凱旋門に集え

英国北部のヨーク競馬場の8月開催は「イボア開催」の名で呼ばれる伝統の夏競馬。秋のビッグタイトル、とりわけ凱旋門賞を目指す有力馬が集まる舞台として近年はその重要性がさらにましている。グリーンチャンネルが2夜連続で無料放送の生中継を組んだのはダテではない。注目はインターナショナルSとヨークシャーオークス。どちらも凱旋門賞を目指す有力馬が圧巻のパフォーマンスを見せた。

日本時間の水曜夜に行なわれたインターナショナルSは、1番人気に支持されたミシュリフが6馬身差の圧勝。エクリプスS3着、キングジョージ2着と勝ちきれない競馬が続いていたが、ドバイでクロノジェネシスを破った実力を見せつけるのに十分な圧巻の競馬だった。それでもブックメーカーの凱旋門賞のオッズは5番人気。今年の凱旋門賞戦線はレベルが高い。

続いて昨夜行われたヨークシャーオークスに日本でも話題の3歳牝馬スノーフォールが登場。日本で生まれたディープインパクト牝馬の古馬初挑戦に注目が集まったが、終わってみれば4馬身差の楽勝である。英オークスを18馬身差、愛オークスを8馬身差でぶっちぎってきた彼女にすれば「古馬の壁」はさほどの障壁ではなかったらしい。

手綱を取ったR・ムーア騎手は、「あっという間にレースが終わった」という独特の言い回しで彼女の強さを表現した。TVで観た限りだが、最後まで全力で走っていたようには思えない。まさに遊ぶように、飛ぶように。途中からムーア騎手は手綱を抑えていた。そういう意味ではお父さんに似ている。凱旋門賞を勝つにはそういった並外れた力が欠かせない。ただ、これほどの強さを発揮していながら、エイダン・オブライエン調教師は凱旋門賞の前にもう一戦挟む可能性が高いことを示唆した。

凱旋門賞は休み明けでは勝てないと言われる。近年の勝ち馬で前走との間隔が最も空いていたのは、1965年シーバードの「2か月と29日」。宝塚記念から直行したディープインパクトが敗れた時も、ローテーションを指摘する声は少なくなかった。とはいえ、たとえ前哨戦であっても大敗が許されない立場。ぶっつけで臨むしかなかったのであろう。

昨今の日本では、休み明けでいきなりGⅠを勝つケースも増えた。しかし、過去の凱旋門賞で2着だった日本調教馬4回の挑戦では、いずれもフォア賞を前哨戦に使っていた事実は見逃せまい。ディープボンドはそのフォア賞を使う前提で昨夜関空から飛び立った。一方クロノジェネシスは前哨戦を使わずに凱旋門賞に直行。伝説のシーバード超えを狙う。

昨年、凱旋門賞に挑んだ日本調教馬は欧州に拠点を置くディアドラのみにとどまった。コロナ禍で遠征もままならない状況だったことを思えば致し方ない。一年経った今年もコロナは続いているが、それでも年度代表馬と天皇賞馬が勇躍海を渡る。それだけでもじゅうぶん素晴らしいこと。2頭とその関係者にエールを送りたい。

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***** 2021/8/20 *****

 

 

 

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2021年8月19日 (木)

ぜんぶ雨のせいだ

大阪は8日連続の雨。関西ではこの8日間で今日の午前中がもっともひどかったのではないか。おかげで大阪市にある私の仕事場では朝から雨漏り対応にてんやわんや。園田競馬では逃げた馬が(9,3,0,0)と連対パーフェクトを達成。甲子園では第一試合が5回裏2アウトまで進んだところで、雨が強まり中断。2時間以上待たされた挙句にノーゲームの悲哀を味わっている。

甲子園の雨と言えば、2日前の大阪桐蔭vs東海大菅生の一戦が記憶に新しい。大阪桐蔭が3本塁打などでリード。だが東海大菅生も負けてない。東海大菅生が3点を追う8回、1死一、二塁としたところで中断となり、そのまま試合終了となった。降雨コールドゲームはプロ野球では珍しくないが、夏の甲子園では28年ぶりの出来事らしい。

最後は本塁打がでればたちまち同点という状況だっただけに、あと味の悪さを指摘する声が上がった。日本高野連は「審判の判断」を強調するが、それで納得した人が果たしてどれだけいたか。TVの前の多くの視聴者が、中断のタイミングが遅いと感じていたに違いない。

高校野球では7回で試合が成立する。大阪桐蔭vs東海大菅生のケースでも7回で試合を止める手はあったが、あの雨で止めたら再開はまず無理。コールドゲームという非情通告をためらう気持ちがあったとしても不思議ではないし、仮にそうだとしても私にはそれを責めることもできない。今日のようなノーゲームの宣告はなおさらであろう。リードしていながら「なかったこと」にされるナインの動揺はいかほどか。

なぜ高校野球には継続試合、いわゆるサスペンデッドゲームの規定がないのだろうか。

甲子園でノーゲームや降雨コールドが珍しく、プロ野球でそうではないのは、トーナメント戦とリーグ戦の違いも影響しているように思う。負けたら終わりのトーナメントにおけるノーゲームや降雨コールドは、リーグ戦よりはるかに影響が大きい。それだけに今日のような5回裏2アウトまでの経過抹殺には問題が残る。

ノーゲームにするくらいなら、サスペンデッドゲームの方が合理的だと思うのだがどうだろか。同じ状況からの再試合なら双方とも納得がいくはず。審判も決断しやすい。選手にしてみても雨の中ベンチで2時間以上も待たされるよりは、心理的負担は軽かろう。

本来、サスペンデッドゲームは興行ではないアマチュア向きのルールだ。今大会のように無観客であればなおさら。そもそも雨の多い日本の夏に好天続きを期待する方に無理がある。青春に悔いやしこりを残さぬよう、合理的で公正ともいえるサスペンデッドゲームの導入に一考を促したい。

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ちなみに競馬には「続行競馬」の規定がある。むろんレースを途中で止めて、後日再開するわけではない。最近では昨年3月29日の中山競馬が季節外れの大雪で第3レース以降が実施困難となり、2日後の火曜に続行競馬として第3レースから再開された。

 

 

***** 2021/8/19 *****

 

 

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2021年8月18日 (水)

訃報相次ぐ

レガシーワールドとトーシンブリザード。訃報が相次ぐ一日だった。

1993年のジャパンCを制したレガシーワールドの重賞初勝利は、その前年のセントライト記念。このとき既に去勢されている。それでも真っ白に発汗し、馬場入り後もなかなか返し馬に移れない姿を見て、相当煩そうな印象を受けた。

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レースではハナを切って直線坂下まで先頭。しかしダービー2着のライスシャワーが満を持して襲い掛かる。いったんはライスシャワーの方が前に出たように見えた。しかし、そこから差し返してアタマ差勝利。この粘り腰こそ戸山調教師流ハードトレーニングの為せる業であろう。当時はちょっとしたブームにもなった記憶がある。

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セン馬だから当然種牡馬になることはできない。生まれ故郷のへいはた牧場で余生を過ごしていた彼だが、牧場では穏やかな好々爺だったと聞く。引退後、彼に会う機会はなかったから、私の中のレガシーワールドは気性の危うさを内包していた若き日のままだ。

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トーシンブリザードは2001年の南関東3歳4冠馬。東京王冠賞が廃止となった今となっては、空前にして絶後の記録である。全日本3歳優駿を含めれば「5冠」。それを無敗で達成したのだから凄い。

Toshin2

そんな素晴らしい記録を打ち立てた彼も、古馬との対戦が始まると思うように勝てなくなった。東京大賞典で初黒星(3着)を喫すると、フェブラリーSはアグネスデジタルに及ばず2着、ダイオライト記念はまさかの5着。かしわ記念(当時はGⅡ)でようやく古馬相手に初勝利を挙げたものの、結局これが最後の勝利となる。そこから18連敗で現役引退となった。

Toshin3

ともに北海道日高の牧場で余生を過ごしていた2頭。レガシーワールド32歳、トーシンブリザード23歳。それぞれの年齢にも様々な思いが過る。2頭の名馬の冥福を祈りたい。合掌。

 

 

***** 2021/8/18 *****

 

 

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2021年8月17日 (火)

雨天中止

大阪は6日連続の雨。日曜の午後に雲の隙間からチラッと青空が見えたのを除けば、毎日降り続いている。とくに今日の雨はひどかった。午後にはお笑いコンビ「雨上がり決死隊」が解散を発表したが、雨が上がる気配はまったくない。

甲子園も気の毒だった。大阪桐蔭vs東海大菅生の強豪同士の一戦は、4回あたりから雨が激しくなり、選手が手を滑らせるシーンが見え始めた5回にはノーゲームもやむなしと思わせたが、審判に試合を止める様子は伺えない。

それからというもの投手はコントロールを欠き、野手はフライの目測を誤り、打者は強振したバットを滑らせて相手ベンチに飛び込ませてしまう始末。文字通り泥仕合になりかけたが、泥だらけになりながらも懸命にプレーする選手の姿に救われた。そこはやはり高校野球である。少しでも日程を消化しておきたいという大人の事情など関係ない。こうなったら最後までやり切れ!と思い始めた8回表、なんでもないショートゴロが水たまりで勢いを失い内野安打になったところで、さすがに審判が試合を止めた。コールドゲームが宣告されたのは、その30分後。さすがの阪神園芸さんでも今日の雨では歯が立つまい。

小倉競馬場では、8月11日の降り始めから14日までに400ミリを超える膨大な雨量を観測した。それでも雨がやんだ15日は芝コース「重」でスタートし、メインの小倉記念を迎えた頃には「稍重」にまで回復していたから驚く。雨への強さという点で阪神園芸とJRAは甲乙つけがたい。だが少なくとも競馬の世界においてJRA競馬場の水はけの良さは世界一であろう。欧米では大雨で競馬が中止になることは珍しくない。

有名なところでは、2008年にヨーク競馬場のイボア開催が雨で全番組を中止した例がある。看板レースのインターナショナルSは舞台をニューマーケットに移して行われた。GⅠ4連勝中のデュークオブマーマレードと、この年のダービー馬・ニューアプローチの対決で話題になったから覚えておいでの方も多いはず。結果はデュークオブマーマレードの勝利。レース当日のニューマーケットはパンパンの良馬場だったため、堅い馬場を好むデュークオブマーマレードとソフトな馬場を好むニューアプローチの明暗を分かつ雨となった。

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日本でも地方競馬では雨による中止が稀に発生する。2016年は金沢競馬で、2011年には大井で雨を理由とした中止があった。とはいえ、中止となったのは雨が強くなった2~3レースだけ。先週土日に行なわれる予定だった佐賀競馬は、大雨の影響で2日間の全レースが中止になったが、台風を除けば極めて稀な出来事である。裏を返せば今回の雨はそれだけ特異だということであろう。大阪は明日も雨予報。あれだけうるさかったセミの声が、今となっては懐かしい。

 

 

*****2021/8/17 *****

 

 

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2021年8月16日 (月)

パラ馬術放映決定

パラリンピックの開幕を1週間後に控えた今日、グリーンチャンネルでパラ馬術の競技の模様が放映されると発表があった。いやあ、ありがたい。五輪の馬術競技の中継が意外なほど注目を集めただけに、パラ五輪の扱いが気になっていたのである。

パラ五輪の馬術競技は3種目が行われる。規定競技の「個人チャンピオンシップ」と団体戦に相当する「チームテスト」、そして音楽に合わせて演技を組み合わせる「フリースタイル」。いずれも人馬一体で技の正確性、芸術性を競い合う。オリンピックの馬術とは異なり、障害を飛んだり速さを競うことはしない。障害によって特殊馬具の使用が認めらるのが特徴だ。

競馬ファンの注目は元JRA騎手の高嶋活士選手であろう。競馬学校騎手課程27期生として11年に美浦・柴崎勇厩舎所属でデビュー。同期には横山和生騎手、藤懸貴志騎手などがいる。2013年2月の東京競馬場で落馬負傷。2年余りのリハビリの末、やむなく騎手免許を返上した。騎手として勝利を挙げることはできなかったが、パラリンピックの舞台で大きな勝利を掴んでもらいたい。武豊騎手も注目しているという。

Kingman

競馬ファンであれば注目すべき選手がもう一人いる。リオデジャネイロ・パラリンピックにも出場した宮路満英選手は元調教助手。かつて所属していた森秀行厩舎ではスターキングマンを担当し、レガシーワールド、シーキングザパール、シーキングザダイヤにも携わった腕利きだ。だが、2005年7月に脳卒中を発症。右半身が麻痺し、会話もままならない。手探りのまま始まったリハビリの日々。中でも最も大きな効果を得られたのは、やはり馬だった。

まずはポニーの散歩から。そして乗馬に挑戦。馬とリハビリを重ねるにつれ、さらなる意欲が湧いてきた。それがパラ馬術だった。障碍者競技といえど、演技の正確さと美しさが求められる点は通常の馬術と同じ。だが宮路さんは右手と右足が動かせない。両手を使っても難しい操作を、宮路さんはなんと左手一本でこなしてみせる。左手だけで手綱を操作しながら、同じく左手に持った長手綱で「右ムチ」を入れる技を観たときは私も思わず舌を巻いた。

宮路さんがもっとも頭を悩ますのは、脳の機能障害のせいで規定競技の経路を覚えるのに苦労すること。それを補うために、経路を指示する「コマンダー」として馬場の脇に立つのは妻の裕美子さんだ。夫婦二人三脚のチャレンジを応援せずにはいられない。そういう意味でもグリーンチャンネルでの放映はよかった。東京パラリンピックは8月24日に開幕。馬術競技は27日から行われ、下記の通りグリーンチャンネルで無料放映される。注目しよう。

◆8月27日(金) 20:30~23:00
馬術 個人グレードII・IV・V【ダイジェスト】

◆8月28日(土) 21:00~23:30
馬術 個人グレードI・III【ダイジェスト】

◆8月29日(日) 17:00~18:00 / 18:00~21:00
馬術 団体1日目【ダイジェスト】/馬術 団体2日目【生放送】

◆8月30日(月) 17:00~22:30
馬術 個人 フリースタイル【生放送】
グレードIからV

◆8月31日(火) 13:00~18:30
馬術 個人 フリースタイル【再放送】
グレードIからV

 

 

***** 2021/8/16 *****

 

 

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2021年8月15日 (日)

格上を討て

小倉記念をモズナガレボシが勝った。4角では最後方。そこから短い直線だけで前を行くすべての馬を刺し切ってみせた。軽量に加え、外が伸びる馬場だったとはいえ、「やっと届いた」というレベルではなく、完全に突き抜けてみせたのだから凄い。

これでも3勝クラスの条件馬。いわゆる格上挑戦である。だが、小倉記念での下克上は珍しいことではない。下記の通り過去10年の勝ち馬のうち4頭が条件馬だった。夏のローカルの格言「格より調子」を裏打ちしている。

2013年 メイショウナルト
2015年 アズマシャトル
2017年 タツゴウゲキ
2020年 アールスター

ただ、それは3歳以上の古馬の話。デビューしたばかりの2歳馬に調子云々は似つかわしくない。それでも昨日は小倉と札幌の2歳オープン特別をいずれも未勝利馬が勝ってみせた。

小倉のフェニックス賞を勝ったのは新馬戦3着から挑んだナムラクレア。札幌のコスモス賞は3戦未勝利のトーセンヴァンノ。未勝利馬の出走が珍しくない以上、決して有り得ないことではないが、それが2場同時で起きるとなると珍しい。フェニックス賞を未勝利馬が勝ったのは2011年メイショウハガクレ以来10年ぶり。コスモス賞に至っては、札幌芝1800mで行われるようになって以来初の出来事。それでも人気を見れば2番人気と4番人気だから波乱というわけでもない。起こるべくして起きた下克上といったあたりか。

今日の小倉記念を勝ったモズナガレボシは、未勝利脱出も格上挑戦の1勝クラスで果たしている。だから下克上はお手のもの。新馬、未勝利を15戦しながら勝ち上がることができなくても、1勝クラスを勝ち上がり、その翌年には重賞を勝つまでになれる。未勝利脱出のラストチャンスに賭ける多くの3歳馬たちに勇気を与えたに違いない。加えてようやくの重賞初制覇となった種牡馬グランプリボスにとってもにも、大きな勇気を与える下克上だった。

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***** 2021/8/15 *****

 

 

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2021年8月14日 (土)

条件はカタカナ9文字

NHKのニュース番組をつけながらパソコン仕事をしていたら、気になるニュースが耳に入ってきた。

「……の名前を募集しています。条件はカタカナ9文字以内。専用ホームページから応募してください。締切は……」

カタカナ9文字以内の名前と言えば競走馬をおいて他にあるまい。どこかの有力オーナーが名前を公募したのか。NHKが伝えるからには、よほどの有力オーナーであろう―――とTV画面を見たらパンダの赤ちゃんの映像が映し出されていた。

よくよく聞けば、上野動物園のジャイアントパンダ「シンシン」が6月に産んだ双子の赤ちゃんの名前を公募するというニュースである。ちなみに、4年前に誕生した「シャンシャン」も公募で命名されており、この時は約32万件もの応募があったそうだ。すごいですね。

名前と言えば、今日の小倉で「ミミグッド」という馬が勝った。ロードバリオス産駒の2歳牝馬。その馬名の由来は、JRAのサイトに「耳+グッド。うれしい時に。よい報告」と記載されているが、実際には人気漫才コンビ天竺鼠・川原さんのギャグフレーズで言葉自体に意味はない。前走が15番頭立てのしんがり負け。それでも今日は12番人気で単勝97.6倍にとどまったのは、ネーミングによる注目度の為せる業であろう。

ミミグッドの山上オーナーは。ほかにもダイアン・津田さんのギャグ「ゴイゴイスー」や、EXIT・兼近さんの「シーフードパイセン」というフレーズを馬名に採用して注目を集めている。別のオーナーでは「ソンナノカンケーネ」という馬が話題にもなった。馬名が競走成績に影響を及ぼすことはあり得ないが、人気に影響を及ぼすことは間々ある。馬に対するイメージに馬名が占める割合は小さくない。

戦後まもない頃の話だが、「ジャイアンツ」という馬が1着となり、2着に「ホームイン」という馬が続いたときは場内がたいへん沸いたらしい。「アシガラヤマ」と「キンタロー」のワンツーという奇跡的な出来事もあったと聞く。馬名を予想のファクターに組み入れるファンは少なくない。それも競馬の楽しみ方のひとつ。たとえ合理性がなくても、それが的中すれば嬉しいし、的中しなくても話のタネにはなろう。

ところで、冒頭のパンダの命名でひとつ気になることがある。

なぜ9文字なのか?

上野動物園では、1972年に来園した「カンカン」と「ランラン」以降、すべてのパンダが同じ音を重ねる「繰り返し名」で呼ばれてきた。その伝統に倣えば、文字数は偶数になるはずである。もともと中国では、人間の子供に幼名を付ける際、同じ音を繰り返すケースが多く、それをパンダの命名にも取り入れられてきた。今回の「9文字」は、そのような伝統には捕らわれないという動物園側のメッセージかもしれない。

いや、あるいは「3回繰り返し名」を想定してのことだろうか。しかし「ホアンホアンホアン」とか「シャンシャンシャン」では、ちょっとパンダっぽくない。ちなみに競馬では、ダンスダンスダンス、ナイスナイスナイス、ラヴラヴラヴ、キサスキサスキサス、サクラサクラサクラなど、3回繰り返し名の名馬は少なからずいる。

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***** 2021/8/14 *****

 

 

 

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2021年8月13日 (金)

サウスポーの苦悩

今日8月13日は「左利きの日」らしい。

あれ? それって2月じゃなかったっけ?

以前、2月に「左利きの日」を題材にした記事を書いた記憶がある。それでも、ネットで「左利きの日」を調べると、ただちに8月13日と出てきた。しかし「日本では2月10日」の記述も。ややこしい。なんでも8月13日の方は英国で提唱された記念日らしいが、日本ではお盆期間中ということもあり別日にしたんだとか。ともあれ、右利きを前提に作られた社会基盤に左利きの立場で目を向けてみようという趣旨に異論はない。なので今日は朝から「1日左利きおじさん」として過ごしてみた。

すると面倒の多いこと。駅の改札機や自販機は言うに及ばず、コンビニのコーヒーマシンの扉。両開きロッカーでも右側から開くことが前提になっている。コピー機だって左手では紙をセットしづらい。カメラのシャッターボタンは右手で押すのが前提。お昼は左手で食べやすいようにとカレーにしたが、ピクルスや福神漬けのこの配置も右利きを想定してやいないか。かくも日本社会は右利きのために作られていたのかと驚愕するばかりだ。

Joto

地方競馬の予想屋さんから聞いた「今日は左利きの××騎手に乗り替わったので勝負気配!」というセリフが今も耳に残っている。むろん騎手にも利き腕があるから、鞭や手綱の操作に影響がないとは言えない。今とは違ってレース中に鞭の持ち替えができる騎手も少なかった。浦和だったか船橋だったか。ともかく左回りの競馬場のことだったように思う。ただ、左利きだとなぜ有利なのかは最後まで分からなかった。ひょっとしたら内にササる癖でもあったのだろうか。その馬が勝ったという記憶もない。

南関東の競馬場は左回りが多い。中でもJRAとの条件交流競走は、川崎、船橋、浦和の左回り3場が中心。そこで騎乗を終えたとあるJRA騎手がレース後に身体の痛みを訴えたことがある。馬から降りると、その場にうずくまって動けない。当時は東京競馬場が改修中で、JRAの関東の競馬は右回りばかりで行われていた。当人にとっては久しぶりの左回り。すべてのアクションが突然左右反対になったことで身体が悲鳴をあげたものと推察する。

米国の競馬は左回りのみで行われている。騎手にとっては片方の膝に過剰な負担がかかることから、あまり良い環境ではないらしい。若くして現役を引退したり、引退と現役復帰を繰り返す騎手が目につくのはそのため。私も、かつては銀色のカメラバックを必ずといっていいほど右肩で担いでいた。そのおかげか知らんが、いまでは右脚が左脚に比べて2cmほど短く、馬券のみならず普段の生活でも躓いてばかりいる。

帰宅して左肩の凝りに気づいた。ちょっと左手を使っただけでこのザマである。利き腕云々よりも、やはり身体のバランスの問題に違いない。ふと部屋の中を見渡せば、冷蔵庫、トイレの洗浄レバー、洗濯機の操作ボタンの配置などあらゆる場所に右利きワールドは潜んでいる。少年野球をやっていた当時は左利きに憧れたりもしたものだが、左利きの苦労が身に沁みる一日だった。

 

 

***** 2021/8/13 *****

 

 

 

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2021年8月12日 (木)

雨に思う

せっかくのお盆だといのに、この先は一週間ほど雨が続くらしい。甲子園の高校野球も中止。新聞の気象予報欄には傘マークがずらりと並んでいる。

熊本と大分には緊急安全確保が発令された。気象庁も臨時の会見を開いて大雨への注意を呼びかけている。台風接近以外で大雨に関する会見が開かれるのは珍しい。同様のケースは2018年7月の西日本豪雨の時以来と聞けば切迫感も募る。私もお盆の帰省は諦めた。

これが五輪期間中だったら馬術競技に少なからず影響を及ぼしたに違いない。

もともと私はクロスカントリー当日の雨をことさら心配していた。全長約6キロのタフなコースは、競馬場のようにしっかりした路盤工事を施しているわけでもないので、ひとたび大雨が降れば泥田に変貌する可能性もある。もしまとまった雨が降っていたら、折からの暑さと相まって事故が相次いでいたかもしれない。

一方、馬事公苑のメインアリーナに敷かれる「砂」にも注目していた。以前は競馬場のダートコースと同じ正真正銘の砂だったが、今回はオランダから国際基準を満たした専用素材を5000トン輸入したという。砂にフェルトやフリースのような合成素材を混ぜたもので、TVで観ている限りキックバックもほとんど上がっておらず、しっかりとグリップが利いている印象を受けた。これが「重馬場」で果たしてどう変わるのかは正直分からないが、素材を見る限りではダートというよりオールウェザートラックに近い。クロスカントリーほどの影響はなかったのではあるまいか。

本来「ダート(dirt)」とは「泥」の意味だが、日本の競馬場のダートコースは「サンドコース」と呼ぶべき造りになっている。主要競馬国では珍しい。

Dirt 

JRAは1961年からダートのレースを実施しているが、雨が多く、冬季には凍結の恐れもある日本の気候に配慮し、山砂の上にサラサラな海砂や川砂を敷くなど、排水性の向上に努めてきた。そのコースは雨が降れば降るほど時計が速くなるのが特徴。あさっての小倉ではそのダート1700mに古馬オープン・阿蘇Sが組まれている。時計にも注目しよう。前走のアンタレスSで同コースのレコードタイムを更新したメイショウカズサが出走してくるのも興味深い。

とはいえ、できることなら今回の雨はいい加減降り止んでくれないものか。「雨で競馬どころではない」という人がいる中で雨の競馬を楽しむことなど、そもそもできるはずがないのである。

 

 

***** 2021/8/12 *****

 

 

 

 

 

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2021年8月11日 (水)

23歳、真夏の大冒険

今日も暑かった。なのに、社台会員の方から届いた残暑見舞いメールは「最近馬券が当たった記憶がない」とか「持ち馬のほとんどが故障中」といった寒いものばかり。本当にお見舞い申し上げます。

私も五輪期間中はせっせと馬券を買い続けたが、どういうわけか当たった記憶がない。あまりに当たらないので、ウインズ梅田、道頓堀、難波と河岸を変え続けたが、まったくダメだった。

わざわざ場外に行かなくても、馬券ならネットで買えるのに……。そういう指摘があるのは重々承知。電車賃もかかるし、外は暑い。市内とはいえ外出自体が咎められるご時世でもある。それでも、せっせと場外に足を運んで、汗を拭きながら当たらぬ馬券を買っているのだから救いようがない。

29年前のこと。バルセロナ五輪が行われた夏に、とある病を得て半月ほど入院生活を送ったことがある。夜になれば五輪中継があるが、点滴と検査の時間を除けば、昼間はまったくと言って良いほどやることがない。せいぜい夜ふかしに備えて眠っておく程度。それも入院患者の行状としては、あまり褒められたものではない。

だから、土日の競馬は何よりの楽しみだった。

金曜の夜に来てくれる見舞客には、「花も果物もいらぬから、競馬専門紙を買ってきてくれ!」と頼み込み、翌朝までに全レースの予想を済ませて、知人に馬券購入を依頼する。土曜の昼過ぎになるとその知人が頼んだ馬券と翌日の新聞を買ってきてくれた。

そのなんと楽しかったことか。

念のために書いておきますが、今のようにネットで出馬表をチェックして、スマホでささっと馬券が買える時代ではないですからね。ネットもスマホも携帯さえもなかった当時、馬券を買うという行為は、少なくとも今ほど簡単ではなかった。

私が入院時に新潟で勝利を飾った馬の名は今も忘れない。関屋記念のスプライトパッサー、BSNオープンのフェザーマイハット(2着は大井のジョージモナークだった)。のちにクラフトマンシップやクワフトワークの母となるワーキングガールも坂井千明の手綱で勝ったし、メジロカンムリ(新潟日報賞)、ヌエボトウショウ(北九州記念)、ブランドエレッセ(北陸S)、ミュゲルージュ(三面川特別)、コガネテスコ(北九州単距離S)の名も記憶に刻まれている。夏はやはり牝馬の季節なのである。

Myhat

ただ、入院生活も2週目に入ると「オッズを見て買いたい」という衝動にかられ始めた。件の知人も今週末は忙しくて来てくれそうにない。

そこで私は意を決して、自らウインズに向かうことにしたのである。むろん外出は許可されていない。まさに「23歳、真夏の大冒険」である。

私の入院していた病院は白金にあった。バスに乗ってしまえば、並木橋のウインズまで10分とかからない。「どうにかなるだろう」とタカをくくって出かけ、思う存分馬券を買い、ちゃんと翌日の新聞も買い込んで病院に戻ったら、みんな大騒ぎで私を捜していた(爆)

いやあ、怒られましたね。大のおとなが、こってりと。気のせいかもしれないが、その夜の点滴ではモノ凄く痛い箇所に針を刺されたような記憶がある。

今ではあんな冒険をせずとも、スマホひとつあれば簡単に馬券を買える。むろん便利になったことは間違いない。だが、あの夏の日、病院を抜け出してバスに乗り込んだ時の、あのなんとも言えぬ高揚感は、そんな利便性ごときで購えるものではない。だから私は今もこうしてわざわざ場外に足を運ぶのであろう。五輪の夏となればなおさらその思いは募る。今週の関屋記念は追いかけ続けるロータスランドで勝負。あの夏から30年近くが経ったが、夏はやはり牝馬が輝く季節であり続けて欲しいと願うがゆえである。

 

 

***** 2021/8/11 *****

 

 

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2021年8月10日 (火)

アテネの仇を東京で

とくに何事もなかった一日なので、8月7日付で書いた「私と侍ジャパンとの繋がり」について触れておく。わざわざ書くほど太い繋がりじゃないですけど。

話は2004年のアテネ五輪に遡る。上原浩治、松坂大輔、城島健司、宮本慎也、小笠原道大、高橋由伸、福留孝介……等々。野球の日本代表は史上初めてオールプロで結成され、そのドリームチームを任されたのが長嶋茂雄氏だった。ミスターは「For the Flag」のチームスローガンを掲げ、金メダル獲得を絶対目標に据えてアテネに向かうことになる。

その野球日本代表チームに、南麻布の和食店『分とく山』の総料理長・野崎洋光氏とその弟子たちが帯同して、選手・スタッフの食事のすべてを賄うことになった。

過去の五輪において、選手村の食事が口に合わず、日本から持参したカップラーメンで空腹を満たす選手がいたことを知った長嶋氏が改善を決意。選手村には入らず、試合会場の近くにリゾートホテルを借り切ることにした上で、旧知の野崎氏に食事の協力を依頼したのである。「ドリームチーム」は選手に留まらない。有名料理人をもチームに加え、真の「ドリームチーム」を作ってしまう長嶋氏のカリスマ性には、いま振り返っても驚くばかりだ。

アテネに向かった料理人の中に、たまたま近所の寿司屋で働く若い板前が含まれていた。高校野球経験を買われての抜擢である。彼はとても喜び、使命感に燃えて勇躍日本を発った。

ところが、いざ現地で料理を振舞ってみると選手の評判が芳しくない。食材は日本から最高のものを送り込んだ。栄養管理にも配慮しているのになぜだ?

事情を知った私はメールで彼に怒鳴った。「肉だ! とにかく肉をたくさん出せ。栄養管理なんて考えるな。松坂投手には唐揚げにマヨネーズだ!!」

プロの料理人に対して失礼な文面であったとは思う。もちろんそんなメールひとつでその後のメニューが変わったとも思わない。とはいえ、日本屈指の和食のスペシャリストが作るメニューは、どうしても煮物、和え物といった和食中心のメニューになりがち。それに選手たちが興味を示さなかった面は否定できまい。

例外はあろうがスポーツ選手は概して肉好き。体にいいとか良い食材とかではなく、大一番を前にすれば食べたいかどうかも大事であろう。結果日本が銅メダルを獲得した瞬間は我が事のように喜んだが、やはり金メダルでないことが心の奥に引っ掛かっていた。だから今回、金メダル確定の瞬間にウイニングボールを掴んだ坂本選手と同じくらいはしゃいでしまったのも当然という気がする。イイ歳をしてみっともないが、私にとっては17年越しの悲願。ご容赦願いたい。

 

 

***** 2021/8/10 *****

 

 

 

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2021年8月 9日 (月)

最年長記録

盛岡で行われた第26回クラスターカップ(交流GⅢ)を1番人気のリュウノユキナが勝った。道中6番手から3~4コーナーで徐々に進出すると、直線では内から一気に突き抜ける快勝。手綱を取った柴田善臣騎手はクラスターC3勝目で、昨日のレパードSに続く2日連続の重賞制覇となった。

JRA最年長ジョッキーである。レパードSでは「JRA最年長重賞記録の更新」が話題になった。岡部幸雄さんの持つ「54歳と31日」を超える「55歳と10日」だという。ならば今日でいきなり記録更新。「最年長重賞記録! 自身の持つ記録を1日更新する55歳と11日!」。そんな記事が躍るかと思ったら以外にそうでもない。

地方の盛岡競馬場が舞台だったせいだろうか。でも、統一グレードの交流重賞である以上、記録的には有効なはずである。でなければ、今度は「2日連続重賞制覇!」の記事がおかしくなってしまう。となると更新幅がたった1日だったせいかもしれない。でも、たとえ百分の1秒でも世界記録が更新されれば大騒ぎになるのは五輪で経験済み。記録の管理は厳密でありたい。

ちなみに、地方競馬の最年長重賞勝利記録はやはりこの人。

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2018年9月19日。伝統の東京記念をシュテルングランツで逃げ切った大井の的場文男騎手は、このとき「62歳と12日」だった。どうでも良いけど、この手の記録は誕生日の直後に生まれるものなんですかね。ともあれ、岡部さんの記録はちょっと前までは「54歳1か月」と表記されていた気がする。しかし「1か月」が何日かは曖昧。年齢にまつわる記録に「月」を持ち出すのは、今後はもうやめましょうね。

 

 

***** 2021/8/9 *****

 

 

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2021年8月 8日 (日)

令和版・東京五輪日記⑰

大会最終日。

多くの人がバスケ女子の決勝に注目していたであろう時間帯、私は自転車競技の中継にかじりついていた。

ケイリンで五輪連覇を果たしたジェイソン・ケニー選手の大逃げには唖然のひと言。ペースメーカーが離脱した直後、先頭を走っていたケニー選手は後続の選手の一瞬のスキを突いて早仕掛けの奇襲に打って出た。慌てて後続も追い掛けるが、簡単には差が縮まらない。残り1周以上を残して解説の中野浩一さんが「あー、こりゃ追いつかないなぁ」と言った時点で、すでに大勢は決していた。競輪ファンは追走義務違反を指摘するかもしれないが「ケイリン」と「競輪」はそもそも違う。今回は腹を括って仕掛けたケニー選手の度胸を褒めるしかない。勝つためには展開を読む力だけでなく、展開を作る力も必要。ツインターボやメジロパーマーの逃走劇を思い出した。

Twin

「五輪種目に競馬があればいいのに」

「そんなの無理に決まってる。賞金も出ないレースに、世界のトップホースが出るものか」

五輪のたびに競馬場の片隅から聞こえてくる会話。だが、古代ギリシャのオリンピック種目に競馬があったことをご存じだろうか。古代オリンピックは紀元前775年に第1回大会が行われたが、紀元前680年の第25回大会から馬が曳く戦車による競走が始まり、さらに紀元前648年からは平地競走も種目に加えられたとされる。

中でも戦車競走はオリンピックの花形種目だったらしい。「戦車」と聞くと鋼鉄、大砲、キャタピラーの印象が拭えないが、戦車競走の「戦車」は横二輪の一人乗りの車を曳く馬車のこと。すなわち我が国の競馬場でも数十年前まて行われていた繋駕速歩競走にほかならない。現在も馬車競技は欧州では盛んに行われているから、近代五輪でも種目入りの可能性はある。だが平地競走となるとさすがに難しいだろう。

そんなことを考えるうち閉会式。次回2024年パリ五輪を紹介するビデオが流れた。

パリ五輪ではパリ市内の観光名所が会場になる。昨年の時点で馬術の会場はヴェルサイユ宮殿と発表されていた。ヴェルサイユ宮殿には観光スポットとしても名高い馬術アカデミーや大厩舎がある。期待したいのは例によって日本馬術陣の活躍。なにせ今まで見えなかった頂上が今回ついに見えたのである。次こそはと願うのは、ひとり私のみではあるまい。あとはそこに向かって進むだけ。3年後なんてあっという間だ。

 

 

***** 2021/8/8 *****

 

 

 

 

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2021年8月 7日 (土)

令和版・東京五輪日記⑯

大会16日目。

昨日と同じく女子マラソンに合わせて午前7時に起床しようと思ったのだが、40分ほど寝坊。昨夜クライミング女子を最後まで観てて、寝るのが遅れた。時刻開催でも結局寝不足になってるのだから世話はない。慌ててテレビをつけたら、先頭集団は早くも30キロ付近に差し掛かろうとしてていた。

なぬ?  スタートから40分で30キロだと……?

なんというハイペースであろうか!  このペースなら、夢の2時間切りどころか1時間切りさえも夢ではない。さすが札幌は違う。暑さの中でも、これほどの好タイムを演出できるとは恐れ入った。

なんて寝ぼけた頭で勝手に興奮していたら、スタートが1時間前倒しになったことを知らされて正気に戻り、さらにTV画面に札幌競馬場で調整中の馬たちが大映しされて完全に目が覚めた。選手たちは競馬場の隣に広がる北海道大学内の広大なハルニレの森の中を走っている。ハルニレの英名は「エルム」。本来なら明日ここでエルムSが行われるはずだった。函館変わりが有利に働くであろう逃げ・先行馬を狙い撃ちしたい。

夜は野球の決勝。金メダルに喝采を叫んだ。私と侍ジャパンとの繋がり(と呼ぶには薄いけど)は2004年のアテネ以来。私にとっても17越しの悲願である。まあ、観ているだけで偉そうなことは言えませんが関係者の皆様には謹んでお祝いを申し上げます。

野球の表彰式まで観てたら、また深い時間まで起きていることになった。明日朝のマラソンは7時スタート予定。果たして起きることができるだろうか。今のところ発走時刻前倒しの連絡はないが、油断はできない。余韻を楽しむ時間を惜しみつつ、布団に入ることにしよう。

 

 

***** 2021/8/7 *****

 

 

 

 

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2021年8月 6日 (金)

令和版・東京五輪日記⑮

大会15日目。

朝5時半に起きて眠い目をこすりつつTVをつけたら、ちょうど男子50キロ競歩がスタートするところだった。眠いけど見るのも仕事である。朝早くから偉い。誰も褒めてくれないから自分で褒めることにする。しかしもっと偉いのは、この時間に歩いている選手の皆さん。彼らはいったい何時起きだったのか。暑いのもたいへんだけど、早起きもたいへん。ご苦労様です。

さすがにこの時間だと自粛要請を無視して沿道で応援する人は少ない。8時を過ぎた頃には通勤途中とおぼしきサラリーマンがちらほら映り込むようになったが、ランナー(ウォーカー?)たちには見向きもせず急ぎ足で職場へと向かう姿にむしろ心を打たれた。

午後は不要不急ならざる用向きで名古屋へ向かう。大阪も暑いが、名古屋も相当暑い。5分歩いただけで息が切れる。目の奥が痛い。頭がボーッとしてくる。汗が止まらない。マスクのせいもあるが、たった5分でこのザマでは50キロ歩いたらどうなってしまうのか?  考えたくとも頭がボーッとしているから何も考えられない。

Nagoya

所用を終えて開催最終日の名古屋競馬場へ。重賞ではないが、メインに古馬のオープンが組まれている。そこに今年のダービー馬・トミケンシャイリが出てきた。迎え撃つ古馬勢は8頭。重賞20勝のカツゲキキトキトを筆頭にオープン特別としては申し分ない。いつの時代もダービー馬の古馬初対戦は心踊るものがある。

レースは木之前騎手の伏兵ナムラムツゴローがハナを奪った。逃げて2冠を制したトミケンシャイリだが、今日は内の5番手を追走。さすがに簡単には逃がせてはもらえない。だが、3コーナー手前から仕掛けられると反応よく外から先頭に並びかけ、直線入り口では単騎先頭。あとは突き放す一方。強い競馬で古馬の壁をクリアしてみせた。

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ダービー馬の古馬初対戦は心踊るわけだが、なおかつダービー馬が勝てばさらに心踊る。今年の東海ダービー馬は今後の東海地区を背負って立てるだけの器の持ち主であることがわかった。ひとしきり満足して競馬場の全景を目に焼き付けることに。来年春に名古屋競馬場は弥富の新競馬場に移転することが決定している。この光景を見るのもこれが最後かもしれない。半年も先のこととはいえ、コロナ禍の時代にあっては、いつでも競馬場に行けるとは限らない。あさってから愛知県もまん延防止重点措置が適用される。

Station

競馬場が移転したら、この駅名はどうなるのだろうか。目黒には「元競馬場」というバス停があるが、まさかそんなことはするまい。さしずめ「名古屋入出国在留管理局前」あたりだろうか。パッと見、そちら目当ての乗客の方が多かった気がする。

 

 

***** 2021/8/6 *****

 

 

 

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2021年8月 5日 (木)

令和版・東京五輪日記⑭

大会14日目。

朝からスケートボード・パーク男子の中継にチャンネルを合わせた。なにせ全4種目中、ここまで行われた3種目で日本が金メダルを獲得している。4種目完全制覇の瞬間は見逃せない。なんて思いつつ、ちょっと油断したら、平野歩夢選手の予選の演技が終わっていた。どうやら決勝進出は逃したらしい。あら残念。これでメダルラッシュに沸いたスケボー競技は終了。日本がこれほどのスケボー大国だとは知らなかった。

若い選手の活躍と同時に、実況と解説が話題になったことも忘れないでおきたい。

「鬼やべぇ~」」

「ゴン攻め」

「ビッタビタっすね」

解説を務めた瀬尻稜氏から繰り出される独特のフレーズは、中継局がNHKであったことも手伝って瞬く間にトレンドワード入りした。実況を担当したフジテレビの倉田大誠アナウンサーが発した「13歳、真夏の大冒険!」は、今五輪いちばんの名実況の声もあるが、それ以外の部分でも瀬尻氏の独特の言い回しをきちんと受けつつ、演技の流れを損なわずに冷静に技の説明を差し挟むその落ち着いた実況ぶりには目を見張るものがあった。競馬実況で鍛え上げられたアナウンス力が生きたのだと思いたい。

続くパークではやはりフジテレビの森昭一郎アナウンサーが、四十住さくら選手の金メダルに「夏にサクラが満開」と表現していた。たしか森アナは競馬実況はなさってないはずだが、このフレーズになると同門・杉本清アナウンサーの名実況、「菊の季節にサクラが満開」(1987年菊花賞)を連想してしまっていけない。まあ、サクラスターオーの菊花賞を知っているのは競馬ファンだけかもしれないけど、選手の名前をもじった決めセリフは新鮮味という点で物足りない。

知っていること、調べたこと、用意してきたこと。これらすべてを実況に注ぎ込もうとすると、得てして失敗する。説明に終わってしまうと、見ている側には伝わらない。そこで起きている大切なものに目がいかなくなる。そういう意味ではスポーツ実況はスポーツ写真に通じるものがあろう。あくまで主役はプレイヤー。アナウンサーやカメラマンが魅せようとする必要はない。もちろん事前の準備は大事。ただ、それをいかに捨てられるかが、名実況への分かれ道になる。

「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架け橋だ!」(2004年アテネ五輪)

「トリノのオリンピックの女神は、荒川静香にキスをしました」(2006年トリノ五輪)

すっかり名実況の代名詞となった元NHKアナウンサーの刈屋富士雄さんは、競馬実況も担当されていた。私が好きなのは2005年皐月賞での「ターフを渡る衝撃波!」のワンフレーズ。ディープインパクトのあまりの強さに驚いた刈屋アナが、その瞬間に浮かんだ言葉を発したという。短い一言に強さと驚きがしっかり伝わる名実況。やはり競馬中継で実況力は鍛えられる、競馬ファンとしてはそう信じたい。

Di

 

 

***** 2021/8/5 *****

 

 

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2021年8月 4日 (水)

令和版・東京五輪日記⑬

大会13日目。五輪も終盤に差し掛かっている。

大阪は四度目の緊急事態宣言下にあるが、お隣の京都と兵庫はまん延防止措置に留まった。ならば京都の知り合いの店にでも行こうかと思って連絡したら、8月いっぱい休むという。なんで?と聞けば、京都でも酒の提供は終日NGになったらしい。なんだ、それじゃあ緊急事態と変わらないじゃないか。そう言ったら、相手は「もう嫌になった」とため息混じりに言って電話を切った。新型コロナより行政に振り回される飲食業界の方々にはお見舞いの言葉もない。

翻って競馬界はどうか。JRAは当面関西での開催はない。大阪市内3か所のウインズも営業を継続するようだ。ところが、園田競馬からリリースが出た。なんでも、兵庫県におけるまん延防止等重点措置に伴い、園田金曜ナイター開催日の園田競馬場の閉場時間を現在の20時30分から20時へと30分間繰り上げる。これによって後半2レースは無観客で行われるという。

なんじゃそりゃ?

現状でも平常時刻を繰り上げて最終レースを無観客としている園田である。そこからのプラス30分にどれほどの意味があるのか? 夜遅いのがダメだというのなら、水曜、木曜と同じように昼間開催にすればよい。せめてメインレースを有観客時間の最終レースに移動するくらいの配慮は必要。そう思いつつ今日発表された今週金曜の確定番組を見たら、メインの「デイリースポーツオンライン特別」は、しっかり第10レース(19時25分発走)に組み込まれていた。これはこれでひと安心。来週の摂津盃が無冠客になることはどうやら避けられそうだ。

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五輪は相変わらず無観客で行われている。

馬術障害飛越では福島大輔選手が決勝で減点ゼロの見事な演技。1位タイ6人によるジャンプオフに進んだ。私、この人には何度かお会いしたことがある。福島選手はジャンプオフのトップで登場。緊張しているのはむしろ私であろう。手汗が半端ない。障害をひとつクリアするたびに、心臓が止まりそうになる。そしてついに最後までバーを落とすことなく飛び終えて減点ゼロ。やった、やった。素晴らしい。ひょっとしたら優勝できるかもしれない。

なんて夢を見たのはその一瞬。ほかの選手の速いこと。むろん飛越失敗もない。さすがオリンピックの舞台ともなると違う。とはいえ福島選手の6位も快挙である。なにせ五輪障害飛越での入賞は戦後初めて。斎藤功貴選手の13位だって決して悪くない。あさってから始まる障害飛越団体が俄然楽しみになった。

ところで、今朝の日テレ系の情報番組「スッキリ」で、「総合馬術障害飛越のダルマの障害に馬が驚いてミスが続出」というトピックを紹介していた。予選ではダルマ障害で大半の選手がミスを犯したが、決勝でダルマをミライトワの置物に変えたらミスが減った―――というもの。でも、決勝でミスが減るのは当たり前ですよね。参加人数が絞られる上、上手い人だけが残るわけだし。そもそもダルマの連続障害はセッティング自体の難易度が高かった。

ダルマに限らず馬は様々なものに驚く。いちいちあげていたらキリがない。その対象には「観客」も含まれる。それがないだけでも馬にとってはだいぶラクに違いない。敢えて物見をしそうな装飾を施すのも競技の一部。それも「障害」の一部と見るべきであろう。とはいえ、どんな形であれテレビで馬術が取り上げられるのは、嬉しいことです。

 

 

***** 2021/8/4 *****

 

 

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2021年8月 3日 (火)

令和版・東京五輪日記⑫

大会12日目。

水泳が終わり昼間のTV中継が若干退屈になってきた。陸上もサッカーも卓球も夜が中心。勢いハイライト系の番組も増える。

土曜だったか、競泳陣の戦いぶりを振り返る番組を観た。ナビゲーターは北島康介さんである。その北島さんが、競泳女子200m個人メドレーでの大橋悠依選手のレースぶりを、「見事な差し切り」と評したので思わずニヤけてしまった。

7月29日のデイリースポーツ紙は、男子200mバタフライで8レーンから怒涛の追い込みで銀メダルを獲得した本多灯選手を「大外8レーンから一気にまくった」との見出しで報じている。

Start

頻繁に競馬中継を観る人ならば、TV画面の端から伸びてくる伏兵の勢いを見逃すことはあるまい。とはいえこれは競馬ではなく競泳。セパレートコースの競泳プールには内も外もないが、それでも画面手前をグイグイ伸びてくると、たしかに「大外!」と叫びたくなる。そういえば、アテネ五輪で銅メダルを獲得した森田智己選手が、第1レーンでのレースプランを問われて「最内枠を利して大逃げします」と冗談を飛ばしたこともあった。

競馬以外のスポーツに競馬用語が飛び出すことは珍しくない。中でも水泳はその最たるものではないか。

実況アナが「逃げ切り」を叫ぶのは日常茶飯事。「いっぱいか」というフレーズも聞いたことがある。「前半は脚を溜めていけという指示だった」と打ち明ける選手がいれば、「上がり32秒台ですよ!」と興奮する解説者もいた。男子400m個人メドレーでまさかの予選落ちを喫した瀬戸大也選手の「自分は追いかけなくていいと思った」というコメントなどは、人気薄馬にまさかの逃げ切りを許した本命騎手の言い訳にも近い。

もちろん、これらの言葉は決して誤用などではない。どれも正しいし、むしろ他の言葉を使うよりニュアンスが伝わるものもある。競馬用語が他競技にも溢れるのは、それが便利だからであろう。競馬ファンは胸を張って良い。

むかし、五輪の競泳中継で解説者が「1身長」と言うべきところを、誤って「1馬身」と言ってしまったことがある。これはさすがに間違いだが、どことなく微笑ましい。だが、ゴール目前で「そのまま!」と叫ぶ水泳実況には、残念ながらまだ巡り合ったことがない。3年後のパリ五輪に注目だ。

 

 

***** 2021/8/3 *****

 

 

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2021年8月 2日 (月)

令和版・東京五輪日記⑪

大会11日目。

総合馬術個人決勝で戸本一真選手は減点31.90点で4位に終わった。メダルまであと一歩の4位は悔しいもの。だが、悔しさの中に清々しさが入り混じるのはなぜであろう。実況の林正浩アナウンサーは「快挙」と称え、解説の岩谷一裕さんは「いやあ、凄いことですよ」とため息交じりに呟いた。

最終競技者を残した時点での3位という状況はしびれる。まさか自分が生きている間に、五輪の馬術競技で日本人が最後の最後までメダル争いを演じるシーンを観ることができるとは思っていなかった。

その緊張感の中で観た最終演技者ドイツのユリア・クライエフスキ選手と AMANDE DE B'NEVILLE 号の走りは見事の一言に尽きる。すべての障害の遥か上空を飛ぶ力強さには脱帽するしかない。耐久審査の翌日ということで、多くの馬には疲労が残っている。その疲労と戦うのが最終日の障害飛越である。「余力審査」の別名はダテではない。そのような中にあって、ユリア・クライエフスキ選手の飛越は群を抜いていた。清々しさの理由はそこにあるのかもしれない。


「バロン西が1932年ロサンゼルス五輪で金メダルを獲得して以来89年ぶりのメダルを逃した」


明日、多くのメディアは今回の結果をこのように伝えると思う。だが、1932年当時のロサンゼルスは欧州各国にしてみれば辺境であり、今では信じ難いことだが多くの国が出場を見合わせていたことまでは伝えられまい。ために、バロン西が金メダルを獲得した障害飛越の参加選手は、わずか11名に留まっている。

当時の国際情勢があってのことであり、参加人数がバロン西の偉業を色褪せさせる理由はなにひとつない。ただ、11名の中の1位が89年後も伝説として今も語られる一方で、63名の中での4位が今後どのように伝えられていくのか。私が気になるのはその一点である。それを左右する要素はおそらくメダルの有無であろう。だから4位は悔しい。JRAで記念レースでもしてくれないものだろうか。

それにしても、緊張のせいか今日はあまり障害のギミックを楽しむことができなかった。それでも個人予選のダルマの連続障害で落下が目立ったのは、やはり馬がモノ見をしていたせいではないか。ありゃ、気になりますよ。パリ五輪での障害のモチーフが今から気になって仕方ない。凱旋門はあるだろうか———なんてことを考えつつ、戸本選手とヴィンシー号の歴史的快挙を楽しみに待つ3年間としよう。

 

 

***** 2021/8/2 *****

 

 

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2021年8月 1日 (日)

令和版・東京五輪日記⑩

大会10日目。

五輪中継ばかり観ているようで、実はずっと忙しい。久しぶりの休みをもらったので今日は金沢に行くことにした。「真夏の金沢オークス」こと加賀友禅賞の観戦である。アンダーカードの不動滝特別には2014年金沢年度代表馬のケージーキンカメも登場するらしい。これは行くしかないでしょう。

意気揚々と大阪駅の切符券売機の前に立つ。どうせなら帰りの切符も一緒に買っておこう。それでメインレースの発送時刻を調べようとNARサイトを開いたら「8月1日(日)金沢競馬は、取り止めとなりました」という小さな、しかし赤文字のお知らせに気づいた。

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なんと、新型コロナの影響で開催そのものが飛んだらしい。

数日前から金沢競馬場で陽性者が出ているというニュースは知っていた。だが、5月にも同じようなケースがあり、そのときは何事もなかったように開催した金沢競馬のこと。今回も当然のように開催するものだと勝手に思い込んでいた。しかし、陽性判明者は増え続け、おとといの時点で10人に達したという。それで県がクラスターと認定したらしい。あらら。それじゃあ競馬は無理ですね。それにしても危ないところだった。サンダーバードに乗ってから気付いていたら悲劇では済まない。

そういう意味で言わせてもえば、NARのサイトには問題がある。昨日の時点ですでにトップページには中止の案内が出ていたらしいが、「本日のレース情報」のページにはなにも書いてなかった。「本日のレース情報」をブックマークしていたり、検索サイトから直接このページに入る人は少なくなかろう。私は前者のクチ。そこから出馬表に至る過程に中止の文字はなかった。知らずに競馬場に行ってしまったファンもいたのではあるまいか。

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大阪駅に隣接する阪神百貨店も臨時休業。理由はやはりクラスターである。26日から29日までの4日間で従業員計53人の感染が確認されたらしい。報道されている限りでは、従業員や出入り業者を対象にワクチンの職域接種がなされていたはず。とはいえワクチンを打ったところで感染するときは感染する。そこまでを含めたワクチンの有効性を我々は理解しなければならない。阪神さんに限った話ではないが、どこかに油断がなかったか。その油断の行く末が明日からの緊急事態宣言である。だとすれば金沢競馬が中止であろうがあるまいが、今日は行くべきではなかったのであろう。観戦のつもりが感染になりかねない。私にも油断があった。

帰宅しておとなしく五輪中継を観る。夜は総合馬術の耐久ステージ。「富士山バンケット」、「お寿司障害」、「連続新幹線」。冗談のようだが、このようなギミックは海外の国際試合でも珍しくはない。ただ、富士山バンケット直後の大岩選手の落馬失権は残念だった。朝の競技開始から時間が経つにつれ、逃避や拒止、落馬が増えていたように思えてならない。馬たちに明日の障害への影響がないことを祈るばかり。昨日紹介した総合馬術の戸本一真選手は、耐久を終えた時点で5位につけている。さあ、明日は歴史的大一番だ。


 

 

***** 2021/8/1 *****

 

 

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