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2021年2月 9日 (火)

異端の誘導馬

東京競馬場で誘導馬として活躍しているサクセスブロッケンが、今月のフェブラリーSを最後に誘導馬を引退すると発表があった。

「まだ引退には早いだろう」と思ったら、なんと明けて16歳になったという。やれやれ、齢五十を過ぎると時の経過が早くて仕方ない。ディープスカイのダービーはひと昔前の出来事になった。

2008年の日本ダービーでサクセスブロッケンがしんがり負けを喫したことは語り草だ。もともと右前に不安を抱えていたため、デビューからダートばかりを使われてきた。それで4戦4勝。しかもすべてがワンサイドの圧勝である。加えて父・シンボリクリスエス、母の父・サンデーサイレンスとくれば、芝2400mがダメとも言い切れぬ。結果私も彼の馬券にどーんと突っ込んだ。いま思えば、それが致命傷になった可能性はある。

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ともあれ、競走馬引退後に彼は東京競馬場で誘導馬となった。GⅠ馬としては異例の転身と言っていい。実際、リトレーニングは簡単ではなかったようだ。それでも2013年、かつて自身が優勝したフェブラリーSの誘導を任されると、昨年はついに日本ダービーの誘導という大役をつかみ取る。新型コロナウイルスの感染拡大により無観客のダービーとなったという運の後押しもあった。「人間万事塞翁が馬」の故事は人間だけに当てはまるものではない。かつてしんがりの屈辱を味わった舞台で、先頭に立って歩く姿は気のせいか誇らしげに見えた。

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彼の仕事は誘導だけにとどまらない。自らのフェイズブックを開設して競馬の魅力を発信したかと思えば、「宣伝部長」としてスポーツ新聞各社を回って名刺を配り、馬術大会に出場して馬術振興にも寄与し、さらに2015年には京王線・府中競馬場正門前駅の一日駅長も務めた。競馬界に貢献した名馬は数あれど、ことファンの近さという視点に立てばナンバーワンの存在ではなかったか。

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ウマの16歳は人間なら64歳前後。サラリーマンの定年に近いと思えば、そろそろ隠居のタイミングか。このあとは鹿児島のホーストラストで余生を過ごす予定とのこと。「お疲れさま」と送り出したい。

 

 

***** 2021/2/9 *****

 

 

 

 

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2021年2月 7日 (日)

22年ぶりの姫路で

節分を過ぎてようやく今年最初のエントリになります。今年もよろしくお願いします。寒い日が続いておりますが、いかがお過ごしですか。私は基本的に自宅と仕事場を往復するだけの日々。楽しみといえば週に一度の大河ドラマ「麒麟がくる」を観ることだったのに、それも今夜でおしまいですね。

そんな過日、不意に姫路を訪れる機会を得た。むろん不要不急ならざる用向きにほかならない。在来線の電車に揺られること1時間。北風吹きすさぶ姫路駅の下りホームに降り立った。以前この地を訪れたのは、たしかスペシャルウィークが雨の阪神大賞典でメジロブライトを破った翌日だったから、実に22年ぶりの再訪となる。駅舎も駅周辺もすっかりきれいになったけど、「えきそば」の店舗は変わらずホームで営業を続けていた。

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プラットホームの立ち食いそばは決して珍しいものではないが、こちらの一杯はただの「そば」ではない。見た目は普通のきつねそば。ただ、その麺に使われているのはなんと中華麺である。戦後まもない1949年にこのスタイルが確立され、姫路のサラリーマンや学生のお腹を満たしてきた。

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ダシは普通の和風だし。ただし中華麺を合わせるためか、ちょいと濃いめではある。ハッとするほど美味いというわけでは正直ないが、長年食べ続けられる味ではあるのかもしれない。創業72年の深い歴史、かつ駅周辺に4店舗を構える人気ぶりがそれを証明している。

偶然にも(?)開催中の姫路競馬場へ向かう。実はこの日を以て競馬専門紙「競馬キンキ」が休刊する。こちらは「えきそば」より1年先輩の1948年の創刊。以来73年間、園田・姫路の両競馬場を盛り上げるのに一役買ってきた。たかが駅の立ち食いそばであり、たかが競馬新聞ではある。とはいえ、これだけの歴史を積み重ねれば、もはや立派な文化であろう。そんな「キンキ」を熟読した末に私が単複で狙ったマコトパパヴェロは4着。だがこれは「キンキ」が悪いのではない。私の馬券が呪われているだけの話だ。

Makoto

せっかく姫路に来たのだからとお城にも立ち寄った。

Oshiro

本能寺で信長討死の一報を受けた羽柴秀吉が、いわゆる「中国大返し」で引き返した先がこの姫路城。ここで軍勢を立て直した秀吉は、一気に山崎へと攻め上がって明智光秀を打ち破る。今宵の「麒麟がくる」では果たしてどこまで描かれるのか。思えば、フェブラリーSの地下道で帰蝶さま(川口春奈さん)にお会いしてから1年。あの日、東京競馬場は5万人の観衆で膨れ上がっていた。わずか1年足らずのなのに、感覚的には、はるか昔の出来事に思えてならない。

 

 

***** 2021/2/7 *****

 

 

 

 

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