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2020年2月 4日 (火)

幕尻優勝

先月は競馬場に行かない代わりにTVで相撲ばかり観ていた。初場所の主役はもちろん平幕優勝の徳勝龍。結びの一番を制して優勝が現実となった瞬間、こらえ切れずに涙を流す徳勝龍の姿を見て、私の目にも涙が溢れた。いやあ、私もトシですな。

 

13日目を終えた時点で審判部の錦戸親方は、1敗でトップを走る徳勝龍と2敗の大関・貴景勝を千秋楽結びの一番で対戦させる可能性について言及していた。千秋楽結びに平幕が出場した例は、1972年初場所で大関・清国を破って初優勝した栃東が最後。昭和以降でも2度しかない異例中の異例の事態となる。それでも「つぶし合いをして優勝が決まる。それが公平」と語った錦戸親方の現役時代の四股名は「水戸泉」。1992年の名古屋場所で平幕優勝を経験した一人だ。

 

ただ、こうした取組編成には不満の声が少なくないという。それで20年前を思い出した。やはり幕尻の貴闘力が平幕優勝を果たした2000年3月の春場所。野平祐二・元調教師の自宅でNHKの相撲中継を観ていると「昨日おとといの取り組みはひどい!」と呟かれたのである。何かと訊けば貴闘力の対戦相手。13日目が横綱・武蔵丸で14日目は横綱・曙。12日目までただ一人無敗で突っ走ってきた貴闘力も、さすがに横綱の壁は厚かったようで連敗を喫していた。

 

「おかげで優勝争いが今日まで持ち越されたんですから……」

 

「しかしあなたね、(貴闘力は)幕尻ですよ」

 

私は黙った。普段なら横綱と対戦する立場ではない。しかもそのあおりで、この場所では武蔵丸と曙の取組が実現しなかった。横綱対決を楽しみにしていたファンも多いはず。星取か、番付か。審判部は前者を取ったのだろうが、野平氏は後者を優位に見ていたのかもしれない。ともあれ貴闘力は史上初の幕尻での最高優勝を果たした。とはいえ、あの時点で貴闘力自身は三役経験者である。1年前には巴戦の優勝決定戦を経験したこともあった。そういう意味では格上。三役の経験すらない徳勝龍とは大きく違う。

 

あの日、野平邸に向かう前に中山競馬場で観戦した日経賞は、レオリュウホウが勝って波乱となった。思い返せば、ブービー人気のレオリュウホウは幕尻みたいなもの。それが有馬記念連覇の大横綱グラスワンダーを破ったのだから、貴闘力の姿に重ならないでもない。

 

時を隔てて20年後の初場所千秋楽。あの日経賞を覚えていた私は、徳勝龍の優勝濃厚と見るや、その当日に行われるAJCCで横綱ブラストワンピースの敗退を高らかに喧伝した。勝つのは徳勝龍ばりの苦労人・柴山雄一のルミナスウォリアー。これしかない!

 

結果はご存知の通り。土俵はいろいろなことを教えてくれるが、さすがに競馬の結果までは教えてくれない。あたりまえだが。

 

 

***** 2020/2/4 *****

 

 



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コメント

2日連続投稿ご苦労様です。

あまり無理しないよう。

しかし楽しみにしております。

投稿: tsuyoshi | 2020年2月 5日 (水) 13時56分

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