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2018年11月30日 (金)

1993 ステイヤーズS

アイルトンシンボリ(柴田政人)

Symbori 

この年のステイヤーズSは前々年の覇者メイショウビトリアと前年の覇者アイルトンシンボリが人気を分け合う構図。双方の父がそれぞれミスターシービーとシンボリルドルフであったことも手伝って、GⅢハンデ戦の割に盛り上った一戦だったように思います。

メイショウビトリアとアイルトンシンボリの双方の手綱を取っていた岡部騎手が選んだのは、91年の覇者メイショウビトリア。もちろん1番人気。しかし勝ったのは2番人気に甘んじたアイルトンシンボリでした。

シンボリの手綱を取った柴田政人騎手はこのレース5勝目。ちなみに岡部騎手も通算7勝。「長距離は騎手で買え」の格言は数字にも表れています。

 

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***** 2018/11/30 *****

 

 

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2018年11月29日 (木)

2004 ジャパンカップダート

タイムパラドックス(武豊)

Time 

昨日、社台レースホースさんに厳しいことを書いてしまったので、お詫びに今日も縦縞のショットをお届けします。

このレース、同じ縦縞のローエングリンも横山典弘騎手で出走を目指しましたが、収得賞金は出走ボーダーギリギリ。仮にローエングリンが除外になれば、タイムパラドックスには横山典弘騎手が乗るという話もありました。結果、ローエングリンはめでたく出走を果たし、横山騎手を背に3番人気に押されるも13着に敗退。一方のタイムパラドックスは、4番人気ながら武豊騎手の手綱で優勝を果たすという結末になりました。

 

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***** 2018/11/29 *****

 

 

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2018年11月28日 (水)

タテジマへの憂い

ジャパンカップも終われば、いよいよ今年も押し詰まった感がある。となればリーディングの行方が気になる頃合い。今年はシルクレーシングの躍進が目立った一年であった。JCで賞金3億円の上積みに成功し、リーディング2位をキープ。初のベスト3入りは確実と見られる。

それと入れ替わるように表彰台から陥落しそうなのが社台レースホース。仮にそんなことになれば、1986年にリーディングオーナーとなって以来初めての出来事になる。老舗の凋落は、いち会員としても見るに忍びない。しかも今年はGⅠタイトルも未だゼロときた。順位がダメならせめてタイトルが欲しいところ。しかし今月はGⅠが6レースも行われたにも関わらず、「黄黒縦縞」の勝負服はJBCクラシックに出走したオールブラッシュただ一頭だった。GⅠの舞台に立てなければ、GⅠは勝てっこない。

そのオールブラッシュが先日の浦和記念で気を吐いてみせた。「できれば逃げたい」という陣営の希望とは裏腹に、スタートから行き脚がつかずに道中は中団を追走。しかし、先行集団の有力馬が牽制するそぶりを見せたのを田辺騎手は見逃さない。3コーナーから一気のスパート。そのままマクり切って、直線は独走でゴールを駆け抜けた。

All 

「この馬には今年から何度か乗せていただいて、ようやく乗り方が分かってきた」

田辺騎手がそう振り返ったように、乗り難しいところがある一頭である。あのサウンドトゥルーに3馬身差を付けて川崎記念を勝ったように、ハマれば強いが、ペースや相手に合わせて器用に動けるタイプでもない。そういう意味では田辺騎手の手綱さばきが光ったと言えよう。だが、これも瓢箪から駒。もともとは和田騎手の予定だったが、和田騎手が落馬で負傷したので田辺騎手に依頼が舞い込んできただけの話。素直に喜べない人も中にはいる。

さて気になる次走であるが、年明けの川崎記念を狙うらしい。縦縞のGⅠタイトルを案ずる身としては年内の東京大賞典を狙って欲しいところだが、南部杯から中3週、中2週で使われてきたのだから、ここらでお休みは妥当な選択であろう。縦縞の2018初GⅠは阪神JFのシェーングランツに委ねるしかあるまい。

ところで先ほど「凋落」と書いたが、リーディング4位やGⅠを勝てない年がたまたまあったくらいで「凋落」とは言い過ぎだとお叱りを受けるかもしれない。なるほどそうかもしれないが、一方で会員としては他にも思い当たるフシがある。たとえば公式サイトに記載されている「オールブラッシュ・浦和記念優勝」のニュース。

「今年5月の帝王賞2着から4度目の騎乗となる田辺騎手が……」

とあるが、帝王賞が行われたのは6月だし、そこでオールブラッシュは9着だったはず。つまりは「かしわ記念」と「帝王賞」を間違えたんだろうが、仮にそうだとしてもひどい。これを教えてくれた古参の会員氏は「滅多に勝たないから書き方を忘れたんじゃないか?」と揶揄していた。こういうところにもオーナーとしての勢いは現れる。田辺騎手にも失礼であろう。我々会員はそれを憂うのである。

 

***** 2018/11/28 *****

 

 

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2018年11月27日 (火)

2011 ロジータ記念

クラーベセクレタ(戸崎圭太)

Crabe 

持ったまま3馬身差の大楽勝でしたが、「同じグループの所有馬・ナターレを2着に残すように勝て」というミッションには失敗したため、陣営の喜び方も控えめだったような印象があります。まあ、簡単なことではないですよね。ちなみにナターレは逃げて3着でした。

 

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***** 2018/11/27 *****

 

 

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2018年11月26日 (月)

2015 ローレル賞

ララベル(真島大輔)

Raraberu 

直線は内の馬と接触しながらの激しい叩き合い。それでも怯むことなくクビ差先着して重賞初勝利を飾りました。3年後にやはりプリンシアコメータと馬体を併せての叩き合いの末にGⅠ勝利を飾るその精神的な下地は、このとき既に整っていたのかもしれません。

 

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***** 2018/11/26 *****

 

 

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2018年11月25日 (日)

女らしく、男らしく

「また凄い牝馬が出てきたらしいね」

ジャパンカップのために来日した知人が挨拶もそこそこにそう言ってきた。先週半ばのこと。欧州にもアーモンドアイの強さは伝わっているらしい。「エネイブルの凱旋門賞3連覇を阻むのはきっと彼女だよ」と返すと、「それは無い」という風にニヤリと笑った。だがしかし、今日のジャパンカップでの勝ちっぷりを観て、きっと思い直したに違いない。

ただ、そんな彼とも牝馬の時代が続いているという点では意見の一致を見た。21世紀に入ってからというもの、競馬界は世界規模で牝馬の時代が続いている。

凱旋門賞はこの10年で牝馬が7勝。米国ではレイチェルアレグザンドラ、ゼニヤッタ、ハヴルデグレイスと3年続けて牝馬が年度代表馬に輝いている。ブラックキャヴィアがGⅠ15勝を含む25戦全勝の戦績を残した豪州では、息つく間もなくウィンクスという歴史的名牝が出現。GⅠレース22勝目を挙げて世界最多勝記録に並んだ。我が国を顧みても、今日のレースを含めてこの10年で牝馬がジャパンカップを6勝。2009年のブエナビスタ1位入線(2着降着)まで含めれば、7度にわたり牝馬が先頭ゴールを果たしている。

Vodka 

牝馬が強くなったのか。あるいは牡馬が弱くなったのか―――?

Gentil 

どちらにしたところで、女が強くなり、男が弱くなりつつある風潮は、近年の日本人にも通じるところがある。

古来より我が国では「男の子は男らしく、女の子は女らしく」と育てられてきた。しかし近年、それはあまりに封建的であり性差別的であるというので、そういう言葉自体も禁句になりつつある。

しかし躾や教育というものは、もともと放っておけばそうなるものを、敢えて教え込むことではない。放っておいたらそうはならないからこそ、わざわざしつけ、教育する。そんなの当たり前じゃないか。JCに行けなかったやっかみで、つい口調も強くなる。

もともと女の子は放っておけば「元気で活発」になってしまう。昔の人はそれが分かっていたから女らしく、つまりおしとやかにとしつけられてきた。男の子はその逆。男子校、女子校はそのためにあると聞いたことがある。一緒にしておくと女の子に男の子が負けてしまうのだから仕方ない。そんなあれこれをやめた途端、強い女・弱い男の図式が生まれた。

人間の事情でウマの世界をすべて説明できるとは思ってない。でも、そう思わせるほど近年の牝馬の活躍は留まるところを知らないのも事実。来年の凱旋門賞での日欧名牝対決が今から楽しみだ。

 

***** 2018/11/25 *****

 

 

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2018年11月24日 (土)

2007 ジャパンカップ

アドマイヤムーン(岩田康誠)

Moon 

オーナーであるダーレージャパンファームの高橋力代表(当時)の、レース後のインタビューが忘れられません。

「私の思惑、希望、……そして、意地をかなえてくれた」

最後に敢えて「意地」という言葉を繋いだのは意味深長でしょう。この日まで長年に渡りダーレーの日本における最高責任者であった高橋氏は、この5日後に、ダーレーを始めとしたドバイの競馬オペレーションにおけるあらゆる職を解かれることが決まっていたんですね。レース直後にはアドマイヤムーンの引退も発表。レース回顧より、人の思惑が気になる表彰式だったことを思い出します。

 

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***** 2018/11/24 *****

 

 

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2018年11月23日 (金)

2005 ジャパンカップ

アルカセット(ランフランコ・デットーリ)

Aruka 

デットーリ騎手は外国人騎手としてジャパンカップ最多の3勝をあげてますが、そのすべてがハナ差勝ち。これがデットーリのデットーリたる所以なのかもしれません。

 

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***** 2018/11/23 *****

 

 

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2018年11月22日 (木)

2003 ジャパンカップ

タップダンスシチー(佐藤哲三)

Tap 

2着ザッツザプレンティに付けた着差は9馬身。グレード制導入後のGⅠレースでは最大着差での優勝でした。前日のJCダートも土砂降り。この年のJCウィークは道悪適性の差が顕著に現われたようが気がします。

 

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***** 2018/11/22 *****

 

 

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2018年11月21日 (水)

2002 ジャパンカップ

ファルブラヴ(ランフランコ・デットーリ)

Falb 

史上唯一の中山でのJCは写真判定の大激戦。ゴール後、サラファンのナカタニ騎手とドライスティール調教師は勝った勝ったと大盛り上がりでしたが、写真判定が下した結果はハナの2着でした。それを聞いた騎手と調教師は大激怒。裁決に乗り込んでの抗議が終わるまで、ずっと表彰式を待たされた思い出があります。寒かったなぁ。

 

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***** 2018/11/21 *****

 

 

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2018年11月20日 (火)

2001 彩の国浦和記念

レイズスズラン(江田照男)

Reis 

大種牡馬ウッドマンの日本における稼ぎ頭です。意外にもヒシアケボノではないんですね。重賞3勝はすべて浦和であげたものでした。

 

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***** 2018/11/20 *****

 

 

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2018年11月19日 (月)

1997 浦和記念

キョウトシチー(松永幹夫)

Kyoto 

その名とは裏腹に京都競馬場では8戦して未勝利でした。

 

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***** 2018/11/19 *****

 

 

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2018年11月18日 (日)

主役はイルミネーション

久々の更新がこんな話かよとお叱りの声が上がるかもしれないが、先日こんなリリースがTCKから出されたことに気付かれた方はいらっしゃるだろうか。

 冬季期間における船橋競馬場外発売の変更について
 http://www.tokyocitykeiba.com/news/42196/

大井競馬場における船橋ナイターの場外発売を、冬場に限り中止するという内容。その理由が分かりにくい。「大井競馬場では、1月から3月までの期間は夜間競馬を実施していないため」だという。

いや、去年はやってたじゃん!

そんな声があって当然。しかもオフト後楽園については通常通り冬場の船橋ナイターも売るらしい。つまりホントの理由は別にある。勘の良い人ならすぐにピンと来るはずだ。それがコチラ。

Irumi 

TCKとしては結構本腰を入れているイベントである。「場外とイルミの共存はできないのか?」という声もあるらしいが、1800円の入場料を取る以上、競馬ファンとの同居は無理筋であろう。しかもこの手のイベントに不定期の休みは禁忌。船橋の場外発売ごときに稼動を邪魔されたくないというのが本音に違いない。

それにしても競馬場に入るのに1800円である。最初は驚いた。だが、夜景評論家・丸々もとお氏の手にかかっただけのことはある。昨年までのイルミネーションとは違い「プロ感」が漂う。しかも総工費は40億円とも。それだけ使ったのなら、もはや競馬どころではあるまい。ナイター設備だって10億もあれば設置できる時代である。ちなみに、

「関東最大級」という触れ込みは、決して誇大広告ではない。共に関東最大級を謳う「よみうりランド」と「さがみ湖リゾート プレジャーフォレスト」のイルミネーションは、いずれも600万球。対して、大井のメガイルミは800万球もある。しかも両者に比べて比較的コンパクトにまとまっているから密集度が違う。ちなみに競馬開催日は、この半分も点灯していないらしい。

思えば、大井でナイター競馬「トゥインクルレース」が始まった当時、「30万球のイルミネーションが夜空を彩る」という触れ込みがスポーツ紙を賑わせていた。それをひと目見ようと、競馬を知らぬ女性も先を競って大井へと足を運び、そのついでに競馬を楽しんでいたのである。

あれから30年を経て、イルミネーションの規模は20倍以上に進化したが、「ついでに競馬」の部分は切り離された。いつかイルミネーションが本題で、ごくたまに競馬も行われるスポットになるのかもしれない。「イルミネーション」と聞けば、中山のイルミネーションジャンプS程度にしか思いが及ばないおじさんの心配事は、こうして今日も続いてゆく。

Majesty 

※写真は2012年イルミネーションジャンプS

 

***** 2018/11/18 *****

 

 

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2018年11月17日 (土)

1992 マイルチャンピオンシップ

ダイタクヘリオス(岸滋彦)

Daitaku 

マイルG1で逃げ切るのは至難の業。それは歴史が証明しています。ダイタクヘリオスは大外18番枠からの逃走劇でした。

 

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***** 2018/11/17 *****

 

 

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2018年11月16日 (金)

1995 府中3歳S

バブルガムフェロー(岡部幸雄)

Buble 

このレースが重賞に格上げされて「東スポ杯」の冠が付く前は、「府中3歳ステークス」という名称のオープン特別でした。しかし、バブルガムフェローを始め、サクラホクトオーやマルゼンスキーといった面々が、ここを足掛かりに朝日杯を制しています。

 

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***** 2018/11/16 *****

 

 

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2018年11月15日 (木)

2006 東京スポーツ杯

フサイチホウオー(安藤勝己)

Fusaichi 

このレースを皮切りに、ラジオたんぱ杯、共同通信杯と重賞3連勝。なにせウオッカが勝ったダービーの1番人気馬です。そう思えば、歴史の鍵を握っていた一頭には違いありませんね。

 

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***** 2018/11/15 *****

 

 

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2018年11月14日 (水)

2001 東京スポーツ杯

アドマイヤマックス(福永祐一)

Max 

このレースを2馬身半差で圧勝しながら朝日杯ではなくラジオたんぱ杯へと向かい、3歳秋には菊花賞で2番人気になるような中長距離志向の馬が、結局スプリントチャンピオンになるのですから、距離適正というのはわからないものですね。

 

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***** 2018/11/14 *****

 

 

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2018年11月13日 (火)

週刊「競馬茶論」へ

北海道でようやく初雪を観測した夜、都内某所にて某馬の祝勝会が開かれた。東京もふろふき大根が美味い季節になりつつある。

Daikon 

もともとは明るいうちから大井に行って、5レースが終わったあたりで店に向かおうと思っていた。だが、最近降って湧いた競馬とは無縁の仕事のおかげで、その目論見もパーに。私の都合で開演時間まで遅らせてしまったことは、汗顔の至りである。しかも連日の深夜仕事のおかげで眠いことこの上ない。これを書いているのは翌日の朝だが、いったい何の話をしたのか。お店のお姉さんが、ステイゴールドとオルフェーヴルのファンだったことは覚えているのだが……。

ともあれここへきて忙しさが増している。仕事があること自体に文句を言うべきではないのだろうが、齢五十を過ぎてなお、早出、残業、休日出勤の仕打ちを受けるとは思わなかった。それで競馬場はおろか、軽々しくうどん屋にも行けないのだから情けない。まさか、「競馬場に行きたい!」と泣きわめいてダダをこねるわけにもいかないので、心の奥底でシクシク涙を流しながらつまらない仕事をこなしている。

それより悲しいのはこのブログである。書くのは15分もあれば十分だが考える時間がない。ハッと気が付けばもう23時を過ぎている。そんな毎日の繰り返し。「更新遅れ」のお詫び文を掲載するのに罪悪感も薄くなってきた。ほとんど競馬場にも行ってないし、この先も行く目途は立ってない。それで偉そうなことを書き連ねるのもいかがなものか。なら、ブログは少しお休みしよう―――。

そうも思ったのだが、それも寂しいので、当面は週イチ構成に縮小させていただきます。記事ネタは日曜夜の更新分のみとし、それ以外の日はその週に行われるレースに関する写真を掲載させていただきます。毎日更新を旨に続けてきたブログですが、そもそも苦しみながら続けるものでもあるまい。

Udon 

祝勝会の会場はうどん屋さんであった。シメに出てきた細うどんの美味かったこと。諸事情あってお店名を出すことは控えるが、週刊になった本稿で、いずれあらためて紹介させていただきたい。

それでは、今後もご愛顧の程よろしくお願いいたします。

 

***** 2018/11/13 *****

 

 

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2018年11月12日 (月)

JBCは売れたのか

昨日のエリザベス女王杯の売上げは155億1357万8600円。京都競馬場の入場者数は48775人だった。

ちなみに先週の入場者数は38865人だから1万人ほど多い。では、先週の京都ではいったい何があったか。そう、JBC3競走によるGⅠ3連発である。

「史上初のGⅠファンファーレ3連発!」

「JBC3競走の売得金が120億円アップ!」

「入場人員は昨年比160%の大幅増」

JBC翌日のスポーツ紙では、景気の良いフレーズが紙面をにぎわせた。JBC3競走合計の売得金は157億3086万8600円に上り、過去最高だった昨年を120億円以上も上回り、入場人員38865人は、昨年比160%の大幅増となったというのである。

しかし、そもそも地方からJRAに開催が移った年の「前年比」に、さほどの意味があるとも思えない。筆者などはむしろ少ないと感じた。かつてJRAは一度だけ複数のGⅠ競走を同日に実施したことがある。2004年のJCとJCダート。入場者数119362人は前年比45%増。売上げはJCこそ前年から8.3%落として約219億円に留まったが、ジャパンCダートは前年比10%増で100億円の大台に乗った。2レース合計で300億円超え。ダブルGⅠの破壊力をまざまざと見せつけられた覚えがある。

JBCスプリント 39億3487万4700円
JBCクラシック 75億2690万4700円
JBCレディスC 42億6908万9200円

それが今回はJBC3競走合計でも157億に留まった。エリザベス女王杯ひと鞍とそう変わらない。JBC3鞍の1着賞金を合算すれば2億千万円。女王杯はちょうどその半分である。この事実の意味するところは何か。

もちろん売り上げが全てだと言うつもりはない。しかし、今後のJBCのあり方を考えたときに、不安に思う部分はある。

たとえば、初めてJBCを目にしたJRAのファンにとって、3つの競走にさほどの違いを感じなかった―――ということはないだろうか。

2歳戦でもなければ、芝でもない。距離と性別が違うだけで、ぜんぶ同じダートのレース。そのメンバーをよくよく見てみれば、スプリント、クラシック、レディスクラシックに分かれてはいるものの、フェブラリーSやチャンピオンズCで対戦経験のあるメンバーが3つのレースに分散しただけ。しかもゴールドドリーム、ルヴァンスレーヴの両横綱不在とあっては、「ダートチャンピオン決定戦」の看板を真に受ける客も少なかった。

それにしても売り上げが40億に届かないJRAのGⅠレースは、いったいいつぶりだろうか。なにせ100億に達しなかったのが、2012年の阪神JC以来である。少なく見積もっても平成初であろう。筆者はJRA史上初を疑っているが、そこまで調べていない。なにせ私はいま、死ぬほど忙しいのである。

それで気を悪くしたのか、JRA公式サイトの「レース結果」には本来あるべき格付けが記載されていない。2011年に東京競馬場で行われたマイルチャンピオンシップ南部杯の結果には、ちゃんと「GⅠ」の記載があるのにね。ルメール騎手の「4週連続GⅠ制覇」も、ひょっとしたらJRA的には非公認なのだろうか。

Jbc 

◇今年のこれまでのJRA・GⅠ売上

フェブラリーS  128億8625万2900円
高松宮記念    125億7172万5500円
大阪杯      150億9328万4500円
桜花賞      169億1801万5100円
皐月賞      178億3337万4400円
天皇賞・春    197億8692万8000円
NHKマイルC  148億 669万6800円
ヴィクトリアM  153億1316万4600円
オークス     177億1900万8100円
日本ダービー   262億9283万4800円
安田記念     188億8899万7300円
宝塚記念     192億1928万7700円
スプリンターズS 126億 850万3700円
秋華賞      149億4819万3500円
菊花賞      184億4690万9600円
天皇賞・秋    183億4111万1700円
JBCスプリント  39億3487万4700円
JBCクラシック  75億2690万4700円
JBCレディスC  42億6908万9200円
エリザベス女王杯 155億1357万8600円

 

***** 2018/11/12 *****

 

 

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2018年11月11日 (日)

逃げ馬の日

今日11月11日はポッキー&プリッツの日。数年前にCMで話題になった。

たしかに4つ並んだ「1」の数字はポッキーを連想させなくもない。なるほどなぁ、と思いながらさらに調べを進めると、今日は「麺の日」でもあるという。決めたのは全国製麺協同組合連合会。日本記念日協会が正式に認定したのが1999年だというから、意外にその歴史は古い。由来はご想像の通りで、麺を縦に4本並べると「1111」に見えるからだという。でもこうなると「箸の日」とか「つま楊枝の日」とか「ハロン棒の日」でもなんでもアリになりそうですよね。

とにかく今日も競馬場には行くことのできぬ身である。ならば、後楽園あたりで馬券を仕入れて『水道橋麺通団』にでも立ち寄ってみようか。店名に「麺」の文字が入る店ならば、「麺の日」に申し分あるまい。

Kanban 

ちなみに仕入れた馬券というのはコチラ。

Baken 

「なんだ、昨日の話と違うじゃないか!」

そんなご指摘は甘んじて受ける。昨日の本稿で「忙しくてもディープ産駒を買おう」と書いたばかり。だが、ふと考えたのである。最近、ここに書いた途端にいろんな記録が途切れる。それで秋華賞も菊花賞も天皇賞も馬券を外した。ならばそれを逆手に取ってやろう。

ディープインパクトのファーストクロップが古馬になった2012年以降、エリザベス女王杯では必ずディープ産駒が馬券に絡んできた―――とここに書いた。だから今年は絡まないのである。なら、勝つのは何か。ディープを負かすならハーツクライをおいてほかにあるまい。あの有馬記念の激闘は彼らのDNAに刻まれて、そのまま産駒にも伝わっている。だからリスグラシュー。そんでディープ産駒2頭は消し。自分でも無茶苦茶な予想だと思う。とはいえ普通に考えたところでどうせ当たらん。もう慣れた。

Udon 

しかし驚くことにリスグラシューが勝ってしまったではないか。彼女に念願のGⅠタイトルをもたらしたモレイラ騎手は偉い。しかし、9番人気クロコスミアを逃げて2着に粘らせた岩田騎手はもっと偉い。

ゴール寸前まで先頭を譲らなかったクロコスミアの、各コーナーごとのポジションを馬柱風に表記すれば「1111」となる。だとすれば、今日11月11日は「逃げ馬の日」にすべきではないか。少なくとも「麺の日」よりイメージしやすい。だって、もとが数字ですからね。あぁ、それに早く気付いていれば、560倍の3連単が取れていたかもしれない。それというのも、今日が「逃げ馬の日」として正式に認定されていなかったせいだ。誰か日本記念日協会に申請してくれないだろうか。ちなにみ登録料は1件あたり10万円だそうです。

 

***** 2018/11/11 *****

 

 

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2018年11月10日 (土)

エリザベス女王御来日記念

エリザベス女王杯は、1975年のエリザベス女王陛下の来日をきっかけに創設された。

我が国の競馬が英国の競馬を手本として発展してきたことは周知の通り。陛下の来日スケジュールに京都観光が含まれていることを知ったJRAは、京都競馬場で来日記念レースを開催し、女王陛下によるご観戦を実現させるべく奔走するも、結果的に京都競馬場への来場は叶わなかった。理由は「スケジュール多忙のため」とされたが、実際には警備上の問題であったらしい。なにせ大の競馬好きでも知られる女王陛下のことである。競馬と聞けばスケジュールなど平気で変えてしまったに違いない。羨ましいですね。今の私の境遇とは全く逆。

とにかく、陛下のご臨席こそ賜ることができなかったが、来日記念レースは予定通り行われた。この年の5月10日、3回京都開催5日目の京都9レース「エリザベス女王御来日記念」は、準オープンクラスによる芝2000mハンデ戦。5歳牝馬のユウダンサーズが、福永洋一騎手の巧みな手綱捌きで逃げ切っている。

そのレース結果を伝え聞いた女王陛下が、「勝ち馬の写真と優勝カップのレプリカをもらいたい」と希望された。後日JRAが、写真を届けに英国大使館を訪ねたところ、応対した公使から「これを機に、毎年女王杯レースを実施されてはどうか」と予想外の提案を受ける。話はとんとん拍子に進み、翌年のエリザベス女王杯創設へと相成った。エリザベス女王杯の創設には、実は福永祐一騎手のお父さんが多少関わっている。

ちなみに、この前年の英1000ギニーと仏オークスの優勝馬ハイクレアは、エリザベス女王陛下の自家生産馬&所有馬として知られるが、もっと分かりやすいところではディープインパクトの3代母であろう。日本における歴史的名馬の血統には、実はエリザベス女王陛下が強く関わっている。

Canta 

だとすれば、エリザベス女王杯でディープインパクト産駒が活躍するのも当然か。ディープの初年度産駒が古馬になった2012年以降、ずっとディープ産駒が馬券に絡み続けている。今年のメンバーを見渡せばディープ産駒はわずか2頭。しかも人気薄とは嬉しい。忙しいことは承知の上だが、カンタービレとスマートレイアーの馬券だけは勝っておこう。

Smart 

 

***** 2018/11/10 *****

 

 

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2018年11月 9日 (金)

多忙と失望のはざまで

ここのところ、まったく競馬の話を書いてない気がする。

過去10日間のエントリを見れば食い物の話が半分。あとは地震の話が1回。残る4回は競馬の話題だが、どれも昔ばなしを引っ張り出したものばかり。京王杯やアルゼンチン共和国杯、そして平和賞はともかく、JBCにさえ一切触れてないというのは、我ながらおかしい。

実は今日までめちゃくちゃ忙しい日々を過ごしていた。先週の福岡入りから休みなし。競馬は土曜の南武特別を見に行っただけ。別にオジュウチョウサンを見たかったわけではない。その1時間しかリアルに時間が空かなかった。少頭数で信頼のおけない馬ばかりの一戦。馬券的にはケンが妥当だが、今週唯一の競馬だと思えば指をくわえて観ているわけにもいかない。オジュウチョウサンを蹴飛ばしてベタベタと買った馬券は、2分26秒後に、きっちり紙屑と化した。

Oju 

今週もだいたい似たようなもの。平和賞には知り合いの馬が出走していたが、泣く泣く義理を欠き、翌日には愛馬ポップレーベルが出走していたのに、それに気付いたのは今朝になってからだから恐ろしい。もし勝っていれば一生の不覚。恐る恐るレース結果を確認したら、案の定大敗であった。しかしホッとしている場合ではなかろう。7歳11月の彼には、次がある保証などどこにもない。多忙に失望が重なってめまいを覚えた。これはいけない。めまいでひと月を棒に振ったのは、昔のように思えて実は今年の話だ。

忙しさの理由は今日のとあるイベントにある。だから、それが終われば晴れて自由の身。―――のはずだった。

恐怖の「新しい仕事」である。

もともと私は大事な仕事を任されるタイプではない。人に忠誠を誓うタチでもないし、なにより競馬が最優先である。だが齢五十を過ぎて、そうも言っていられなくなった。特に若い人に迷惑をかけたくないという思いが強い。振り返れば、そういう先輩のおかげで、若い頃の私は好き勝手に競馬に没頭した。ならば、今度は私が恩を返さねばならんのである。

それでさっそく明日から次の多忙がスタート。せめてポップレーベルに「希望」の灯がともることを祈るのみだ。

 

***** 2018/11/09 *****

 

 

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2018年11月 8日 (木)

たまには蒸すのも

健康志向の高まりに伴い、蒸し料理専門店が繁盛していると聞く。

新丸ビル内の『ムスムス』は、東京駅前という立地ながら、明け方4時まで営業してくれるというありがたい一軒。しかも、季節の野菜の蒸し料理を本格的に楽しめるということで、深夜にもかかわらず女性客で賑わっていた。男といえば、我がテーブルの数名のみといった風情。これを“異様”と書いては誤解を与えるかもしれないが、まあ不思議な光景ではある。

丸いせいろに、トマト、ジャガイモ、カボチャなどの野菜がぎっしり詰まっているのが「旬野菜のせいろ蒸し」。蒸されることで野菜の味が濃厚に感じられるというのは、どうもピンとこないのだが、実際に食べればそうなのだから、これは「食べてくれ」と言うほかはない。

実際には、蒸すという調理法においては、失われる旨味がほとんどないということなのだろう。それは野菜ではなく魚のせいろ蒸しにおいてより顕著になる。日本海から直送された様々な魚を使っているそうで、腹に刻んだショウガを詰め、せいろに利尻昆布を敷いて丸ごと蒸された甘鯛は出色の味わいであった。

「蒸し料理ブーム」の波はしゃぶしゃぶ専門店にも及ぶ。一昨日の夜は、銀座の老舗「しゃぶ通・好の笹」で「蒸ししゃぶ」なるメニューを見かけてひっくり返った。

Syabu 

湯気の立ち上るせいろの中には、キャベツや白菜が敷き詰められていて、既に下蒸しされている状態。そこに、しゃぶしゃぶ用に薄切りした牛肉を広げて載せて、せいろのふたを閉じる。ほどなくして食べ頃を迎えたら、肉で野菜を巻いて ポン酢かゴマだれでいただく。うむ、旨い。

自称「しゃぶしゃぶの権威」でもある同行者によれば、蒸すことで、余計な脂が取り除かれるから、この調理法が良いのだそうだ。

―――いや、ちょっと待て。ジャストモーメント。こういう時に必ず使われる「余計な脂」とは、いったい何を指してのことか? 脂が余計なら、サシの入った霜降り牛など食うな。さらに、落ちた脂は下の野菜が思い切り吸収している。それを巻いて食べるのだから、結局同じことではないか!

なんて、酔っぱらいの戯言に、高貴な蘊蓄は無惨にもかき消されてしまうのである。もちろん好みの問題だが、私個人は、赤い色をした肉が、鍋に浸かるや瞬く間に淡いピンク色に変わってゆくあの姿こそがしゃぶしゃぶの醍醐味と思う人間なので、しゃぶしゃぶはやはり鍋で食いたい。いや、蒸ししゃぶも相当旨いけどね。

ところでデムーロ騎手もしゃぶしゃぶが大好物。最近の彼はいまひとつ調子が悪いけど、ひょっとしたら、しゃぶしゃぶが旨いお店に巡り合えていないのかもしれない。それなら不調も頷ける。

 

***** 2018/11/08 *****

 

 

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2018年11月 7日 (水)

関西遠征の愉しみ

先日の本稿で「つけ麺はあまり食べない」と書いたら、「濃い味が苦手ですか?」「関西の方ですか?」という質問が届いたのですが、濃い味は苦手ではないですし、生まれも育ちも関東です。私が苦手なのはダシ粉のような調味料。なので静岡おでんもダシ粉抜きが有り難いですね。黒はんぺん自体は大好きです。

さて、俗に「濃い味の関東」「薄味の関西」という具合に括られることが多い「味付け」の文化であるが、文化が分かれた理由のひとつに「関東・東北は寒冷地だから」というものがある。

ただ、これを「寒いと人は塩っ辛いものを欲する」と解釈するのは間違い。身体が塩分を欲するのはむしろ暑い場合、すなわち西日本であろう。

冷蔵庫がなかった時代、食べ物を長持ちさせるために塩漬けの技術が生まれた。すると暑い西日本の方が、塩の使用量は当然多くなる。例えば、魚の保存性を高めるためにも大量に塩をするから、魚そのものが強烈に塩辛い。その魚を調理する時、酢で洗ってバッテラにしたり、昆布締めにした。昆布締めした魚を醤油に直接つけたらしょっぱくて食えたもんじゃないので、醤油をダシで割って薄めて使った。これが関西の薄味文化の源流のひとつと言われる。

さらに、うどんとそばの文化の違いも後押しする。

うどんの味を決定するのは「小麦粉」と「水」とあとひとつ。それは「塩」である。特に讃岐うどんには多くの塩が含まれているから、そこに濃い味のつけ汁は必要ない。対してそばには塩分が入っていないから、濃い味のつけ汁を絡めて旨味を補強しないと食べられない。味つけの度合いは、素材に塩分が含まれているかどうかに左右されるのである。

関西でうどん文化が栄え、関東でそば文化が花開いたのは、冒頭の気候問題に帰結する。温暖な西日本は、もともと亜熱帯産の稲作に適しており、その裏作として麦の栽培が早くから行われていた。一方で、冷涼かつ山間部が多い東日本では、そばのような雑穀しか栽培できなかったというわけである。

もちろん他にも多種多様な要素が複雑に絡まりあって現在のような食文化が形成されたはずだが、わずか数百キロしか離れていない地域で、このような細かい味の違いが楽しめるといのは、ひとこと幸運であると思う。それが競馬観戦の楽しみのひとつにもなっていると思えばなおさら。京都・阪神に行って私がまずやることと言えば、透き通っただしのうどんを食べることですもんね。

Fox 

 

***** 2018/11/07 *****

 

 

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2018年11月 6日 (火)

あれから2か月

北海道を襲った胆振東部地震から今日で2か月が経つ。

「まだ2か月」か、あるいは「もう2か月」か。思いは人それぞれあろうが、辛い秋を過ごされた被災者の方は長く感じたに違いない。道内では41人が死亡し749人が負傷。厚真町や安平町の一部地区では、崖崩れなどの恐れがあるとして、未だ避難指示が続いているそうだ。

安平町内にあるとある牧場のスタッフに話を聞いた。地震発生は午前3時過ぎ。その日はたまたま夜勤で、定時見回りの最中に、突然大きな揺れに襲われた。それは「尋常じゃない揺れ」であり、かつ「嫌ぁ~な揺れ」であったという。

駆け付けた別のスタッフに異常がないことを報告すると、彼は隣町にある自宅へ車を走らせた。「隣町」とは今回の地震の震源となった厚真町。ただ、この時点で彼は地震の震源が厚真であることを知らない。

「真っ暗闇の中をぶっ飛ばしていたら、先の道が無くなってたんです」

渾身の急ブレーキにサイドブレーキまで引いてどうにか落下を免れた。状況が分かったのは明るくなってから。山から崩れた土砂が道路を削り流していたのである。自宅はとても住める状況ではなかったが、もしそこで寝ていたらどうなっていたか。命があったことだけでもヨシとしなければなるまい。

Photo 

日高町のとある牧場では、放牧地の出入り口にある開閉扉が、蝶番から外れて2メートルほど離れた場所に倒れていた。重さ百キロ以上はあろうかという鉄製の扉で、取り外すは垂直方向に30センチほど持ち上げる必要がある。それが外れただけでなく、2メートルも飛んだ。「尋常じゃない揺れ」という表現は間違っていまい。

そこから続いた停電と断水の日々。マスコミが地震後にいちがん困ったことを札幌で尋ねたところ、大規模停電でスマホの充電ができなかったことという声がもっと多かったというが、この牧場のある界隈では、基地局が死んでしまい、仮に充電ができたとしても、通話もネット閲覧もできない。驚くべきことだが、翌日まで震源が厚真だということさえ知らなかったそうだ。その間、日高町が設置した防災無線の装置はウンともスンとも言わなかった。

だからスマホの充電より困ったのは、給水情報が得られなかったこと。馬も水を使うけど、牛をやっている牧場は馬よりもたくさんの水を使う。近所の牛やさんは「最後は川の水を飲ませるしかなかった」と辛い胸の内を明かしてくれた。そうやってどうにか繋いだ命も、最終的には乳房炎で多くが失われてしまったという。話を聞くだにやるせない。

とある飼料業者さんは地震の当日も飼料をトラックに積んで日高管内を走り回った。道路事情を理由に飼料の配達を止めるわけにはいかない。唯一の心配はガソリン。静内や浦河では、電源喪失の渦中にも関わらず、タンクの底から人力でガソリンを汲み上げて営業していたのに、日高町内に入った途端、ほとんどのスタンドが営業を取りやめたので愕然としたそうだ。話を聞くだに暗くなってくる。日高町の町関係者の方におかれては、こういった話をどのように聞くだろうか。

 

***** 2018/11/06 *****

 

 

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2018年11月 5日 (月)

あれから30年

ブリーダーズカップが終われば、いよいよ次はジャパンカップ―――。

などと盛り上がったのはせいぜい10年前までの話。近年は、凱旋門賞やBCで勝ち負けをした馬がJCに出走することはほとんどなくなった。今年の海外からの予備登録馬は28頭。むろんそこにエネイブルの名前はない。今年のJC選出馬は今週の金曜日に発表されるそうだが、昔はもっと早かったはず。たしか天皇賞の週かその翌週には発表されていた。それだけJRAも苦労するようになったということか。

JCの発足当初はさほど興味を引くレースではなかった。メアジードーツが勝った第1回JCの馬券売り上げはわずか38億円。当時でも200億円を売り上げていた有馬記念の2割にも満たない。「外国馬はよく分からない」とか「JCは見るレース」という理由で、ケンを決め込むファンがほとんどだったのではないか。

私自身、ハーフアイストとかスタネーラとか言われても「何のことか分からん」という態度を取っていたような気がするし、カツラギエースが逃げ切ってシンボリルドルフが初黒星を喫すると、この「よく分からん度」はますます増長の一途を辿った覚えがある。

ところが、1988年のJCを転機にようやく国際レースとしてのJCに興味が沸いてきた。この年、我が国競馬史上初めて、凱旋門賞馬の参戦が実現したのである。

その凱旋門賞馬というのがこちら。

Tonybin 

トニービンですね。

イタリアを本拠地としていたトニービンは、9月25日のミラノ・フェデリコテシオ賞を快勝すると、中6日でパリへ飛んで凱旋門賞を強烈な末脚で差し切り、再びミラノに戻り中13日のジョッキークラブ大賞で2着。このレースで外傷を負ったため予定していたBCターフへの遠征は自重し、引退レースと定めたJCのために来日するのだが、輸送を請け負ったアリタリア航空は、競走馬の輸送認可を持たなかった。

だがトニービンは既にイタリアの英雄である。イタリア政府は特別許可を出して来日をサポート。そんなイタリアの英雄をひと目見ようと、東京競馬場での公開調教には、雨にも関わらず2千人のファンが駆け付けた。そのうちのひとりが私である。

以来、キャロルハウス、アーバンシー、エリシオ、モンジュー、バゴ、そしてデインドリームを加えて計7頭の凱旋門賞馬がJCに参戦したが、エリシオの3着(同着)が最高着順という歴史をどう見るか。意見は分かれるところであろう。そんな「凱旋門賞馬の取捨て」もJCにおける麗しき醍醐味。だが、そんな点景がJCの舞台から消えて久しい。

30年前のJCでトニービンが5着に敗れたことについて、吉田照哉氏は、「あのときのトニービンは本調子ではなかったからね」とコメントしている。

私はその言葉に深くうなずいた。わずか3週間余りで3戦を消化し、しかも外傷まで負って、さらにローテーションの狂いまで生じていた海外からの遠征馬が、本調子であろうはずがない。しかもJCではレース中に故障発生の憂き目にも遭っている。それでのコンマ4秒差5着は、今にして思えばかなり素晴らしい。

先週末の東京競馬場では土日合わせて12鞍の芝のレースが行われたが、そのうち10鞍でトニービンの血を受け継ぐ馬が連対を果たした。東京競馬場におけるトニービンの強さは、今なお健在。その起点は30年前のJCにあった。

 

***** 2018/11/05 *****

 

 

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2018年11月 4日 (日)

しょせん人間のやること

着順誤審はなにも門別競馬だけに限った話ではない。2年前には米・ベルモントパークで到達順が誤って発表されたケースがあった。

http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=111815

(netkeiba.comより)

人間がやっていることである以上、間違いやミスから逃れることはできない。一見完璧主義に見えるJRAでも1986年5月31日阪神4レースで似たような珍事が起きている。

ダート1200mの4歳未勝利戦である。勝ったのは4角先頭から押し切った5枠⑦番ムーンダツァー。頭差の2着は同じく5枠⑧番ロングヘンリー。そしてクビ差の3着が4枠⑥番グレートパスカルの順。だが、どういうわけか入線馬番は⑦→⑥→⑧の順で発表された。しかもそのまま枠連4-5、配当8,590円で確定してしまったのである。

「判定に間違いがあったので枠連5-5も的中馬券として払い戻しの対象とする」と発表があったのは、レースが確定してから3時間も経ってからのこと。これが騒ぎを大きくした。最終的には裁判沙汰にまで発展している。

それにしても、クビ差もあれば観客が肉眼で見ても見当がつきそうなもの。天候も晴れだった。それなのに、3人の審判委員が写真まで参考にしていながら間違えてしまったのである。怒りとか呆れなどというより、もはやミステリアスな印象さえ感じる。

実は阪神競馬場は、この手の逸話に事欠かない。1957年10月20日の重賞・神戸杯では、一度発表した着順をあとから訂正して混乱を招いたし、クラシックレースでただ一度記録に残る「1着入線馬の失格」が起きてしまった第2回オークスも、当時は阪神での開催だった。

まだある。1962年3月21日の阪神最終レースは、メムロトツプ、フロリアン、グツトタイムの順に入線。実際その通りに着順表示されたのだが、2着入線のフロリアンに進路妨害が認められた。ところが、裁決委員は審議中の青ランプではなく、誤って着順確定の赤ランプのボタンを押してしまう。あわててボタンを押し直したものの、時すでに遅し。「的中していたはずなのに馬券を捨ててしまった!」として、ファンが開催事務所に押し寄せる騒ぎにまで発展している。

ところで、この「ランプ」。交通信号のルールを考えると、順位が確定すれば「払い戻しOK」となるわけだから、「禁止」を示す赤色灯よりも、青色灯の方が適切な感じがする。なぜ、赤が「確定」で、青が「審議」なのだろうか?

Shingi 

これについては、「厩舎歩き50年」(小堀孝二著)の中で、「手本とした英国の規則では勝馬確定の信号が緑、審議中が赤となっているが、日本で初めて近代競馬を行った横浜競馬場の係員が勘違いして色を逆にしたため―――」という説が紹介されている。

こんなところから既に「勘違い」が登場していたと知れば、もはや微笑ましくもなってこないか。ファンのお金を預かる競馬主催者に「勘違い」「間違い」の類は、あってはならぬのがタテマエ。とはいえ人間のやることに100%はあり得ない。北海道2歳優駿での誤審問題は、それを再認識させてくれている。

 

***** 2018/11/04 *****

 

 

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2018年11月 3日 (土)

写真判定の落とし穴

競馬の着順は決勝審判員が決める。肉眼での判断が原則だが、頭や鼻の差など判断が難しい場合に写真判定となる。その場合でも最終判断を下すのは決勝審判員。JRAでは3人だが、道営競馬は2人だという。

1日の北海道2歳優駿で前代未聞の出来事が起きた。確定着順は1着ウィンターフェル、ハナ差の2着イグナシオドーロ。だが、正しい着順はその逆だったことが明らかになったのである。馬券に絡む着順の誤審は過去に無かったわけではないが、1着馬を誤ったケースはこれが初めてだ。

Photo 

問題の2頭は青鹿毛と青毛。ナイター照明に照らされて、たしかに2頭の毛色は似ている。だが、手綱の色や反射像を見れば、さほど難しい判定とも思えない。勝ち馬の騎手が後ろに位置していることから、パッと見は内のイグナシオドーロの方が負けているように見える。だが、これこそが写真判定の落とし穴。先日の菊花賞も判定写真でも、負けたエタリオウのミルコ・デムーロ騎手の頭が若干前に出ていた。

Photo2 

ちなみにJRAの判定写真には芝用3台、ダート用3台、計6台のスリットカメラが使われている。意外に多いと感じられるかもしれないが、万一の故障や操作ミスを考えてのこと。これは1972年のクモハタ記念の騒動がひとつの転機となった。

1972年12月3日。東京競馬場で行われた第22回クモハタ記念は、内ラチ沿いから抜け出したタケデンバード(ゼッケン8番)が、追い込んだハクホオショウ(ゼッケン1番・写真3頭の真ん中)を「首差」抑えて優勝したが、スタンドで見ていた多くの観客の目にも、TV中継を見ていた視聴者の目にも、ゴールの瞬間はハクホオショウが差し切っているように見えた。しかも半馬身はあろうかと思われた3着アラカワタンユウ(ゼッケン19番)とハクホオショウとの着差も、写真判定の末に「頭」と発表されたものだから、騒ぎは収まらない。

Photo3 

実はこのとき、着差を判定するスリットカメラが作動していなかったことがあとになって判明する。だから写真判定をしようにも、その材料などないはず。この事実は場内のファンには全く知らされず、ハクホオショウを管理する尾形調教師や記者からの質問によって、最終レース後に明らかにされた。

中央競馬会(現在のJRA)は「写真はあくまで参考である」と主張。着順決定の権限は審判員の肉眼にゆだねられるというのである。翌日、スポーツ新聞各紙に掲載された写真も「これは、ゴール瞬間のものではなく、ゴール通過後のもの」として姿勢を変えることはなかった。

だが、このような対応でファンが納得するはずがない。競馬会では苦情の電話が鳴りっぱなし。中には新聞持参で広報室に乗り込むファンも。尾形調教師は訴訟も辞さぬ構えと報じられ、競馬会としては何らかの対応を迫られる事態となった。

競馬会の窮地を救ったのは、誰あろうハクホオショウの馬主である西博氏である。問題のレースから4日後、競馬会の酒折武弘副理事長らと面会した西オーナーは、「これ以上騒ぎを大きくしたくない」とした上で、「今後は着順判定については、写真を重要欠くべからざる資料として採用する」、「機械整備はもちろん、機会が完全に作動しているかどうかの確認を正しく行う」のふたつの要望を出した。

これを受け、競馬会は

①ゴールで2頭以上の競走馬が半馬身以内の差で競り合った際は写真を「重視」する。
②判定用カメラを3台に増やす。
③この内容に沿って競馬施行規定を改訂する。

の3点を約束。クモハタ記念を巡る騒動の終息が図られると同時に、現在まで引き継がれる写真判定運用が始まった。

それでも最終的に判定を下すのは人間―――。

今回の一件から得られる教訓はそんなところであろうか。こればかりは、写真技術がいくら発達したところでどうにもならない。それでも道営ホッカイドウ競馬は何らかの対応を迫られよう。1億円とも報じられる追加の払戻金だけで済む話ではあるまい。

 

***** 2018/11/03 *****

 

 

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2018年11月 2日 (金)

二代目ゴーゴーナカヤマ

先週日曜、東京の芝1800mの新馬戦に前評判の高い2頭のディープインパクト産駒が出走してきた。

1番人気は藤沢厩舎×ルメール騎手のルヴォルグで単勝1.8倍。2番人気は堀厩舎×モレイラ騎手のセントレオナードで2.6倍。ちなみに、これに次ぐ3番人気ストームリッパーの単勝は14.8倍だから、2頭の一騎打ちムードはかなり濃い。その馬連オッズは2倍を切る1.9倍だ。

しかし私が注目していたのは単勝96倍の10番人気ゴーゴーナカヤマ。別に馬体が目を引いたとか、知人の所有馬だとかいうわけではない。注目した理由はその懐かしい馬名にある。この馬名を聞いて、今から24年前の京成杯3歳S(現在の京王杯2歳S)を勝った「ゴーゴーナカヤマ」を思い出した方は少なくあるまい。稀代の快速牝馬エイシンバーリンに、2馬身半もの差を付ける完勝だった。

過去に存在した馬名を再び使うことは決してルール違反ではない。通常なら引退後5年が経過していればOK。重賞勝ち馬の場合はそれが10年間に伸びる。ただし、GⅠ優勝馬の名前は基本的に不可。先代ゴーゴーナカヤマはGⅡ京成杯3歳Sの勝ち馬だがGⅠは勝っていないので、引退から10年以上経過した今なら、こうして「2代目」が競馬場に姿を現すことは不思議ではない。

Gogo 

ただし、それが冠名を伴う馬名で、かつ別のオーナーとなると珍しいのではないか。それが気になる本当の理由。先代ゴーゴーナカヤマのオーナーは、宝塚記念を勝ったナカヤマフェスタなどでも知られる和泉信一氏。一方、2代目は(有)中山牧場。ちなみに2代目の父は和泉オーナーのナカヤマフェスタだが、祖母は中山牧場が所有する繁殖牝馬リファールナカヤマ。2代目ゴーゴーナカヤマの血統表は、たまたま同じ冠名を使うオーナー同士のマリアージュにも思える。

ちなみに先代ゴーゴーナカヤマがデビューした当時、和泉オーナー個人はまだ「ナカヤマ」という冠名を使っていなかった。役員を務めていた中山馬主協会の旅行でケンタッキーを訪れ、現地のセリで購入した馬を同行の役員5人で所有したから「ゴーゴーナカヤマ」である。しかし、このネーミングがのちの「ナカヤマフェスタ」や「ナカヤマナイト」という馬名の起点になった。

2代目ゴーゴーナカヤマの馬名の意味をJRAのサイトで調べると、簡潔に「行け+冠名」とだけ書いてある。それだけでは行き切れなかったのか、ゴーゴーナカヤマは11着に敗れた。勝ったのは1番人気のルヴォルグ。2着に4馬身差だからひと言強い。その馬名は「飛翔」を表す仏語「LeVol」と「Goal」を組み合わせた造語。それを見てなるほどと納得。写真を見ても分かるように、飛ぶようなフットワークだった。馬名は大事なのである。

Levolg 

 

***** 2018/11/02 *****

 

 

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2018年11月 1日 (木)

とんこつ三昧の果てに

実は今回の福岡入りに際しては若い連中を何人か連れている。そうなるとこちらも多少は気を遣って、三度の食事も福岡グルメの名店に案内しなければならない。私だってそれくらいの常識はわきまえている。限られた滞在日数では一度の食事も無駄にするわけにいかない。

Shinshin_2 

おとといの深夜、カープファンに囲まれてビクビクしながらラーメンを食べたのは、天神の『SHIN-SHIN』。続く昨日の昼は渡辺通の『だるま』で再びラーメンを食べ、夜はモツ鍋をつついたのち、天神『一風堂 』の巨大スクリーンで日本シリーズを観戦しながら、こってこての赤丸ラーメンを啜った。

Ichiran 

だがしかし、ここまでトンコツで腹を満たしておきながら、若い連中は今朝も朝っぱらからラーメンが食べたいなどと言ってくる。二日酔いと胃もたれに苦しむ五十男の苦悩など、知るよしもないのであろう。それで仕方なく『元祖長浜屋』に連れて行ったら、あろうことか替え玉を注文しやがった。若いって素晴らしい。

Nagahama 

とにかく、ボチボチ私はアッサリしたダシが恋しくなっている。なので今日の昼は単独行動。『かろのうろん』へと走った。

Karo 

ところが、これが驚いたことに大行列である。思えば競馬開催のない平日ここを訪れるのは初めて。それでも13時過ぎにも関わらず店外10人はいくらなんでも多過ぎであろう。だってココ、ごく普通のうどんですよ。美味いは美味いが、神保町『丸香』や赤羽『すみた』のように、劇的に美味いわけではない。敢えて言えば「安心できる味」。私にとってはトンコツに疲れた胃を優しく包んでくれる味というわけだ。

見れば行列の大半は観光客のようだが、少なくともカープファンではなさそう。そして気づいた。行列のほとんどは外国人である。聞き取れぬ外国語の会話に埋もれるうち、カープファンに囲まれた一昨日の戸惑いがよみがえってきた。しかも驚くことに、店のオジさんは極めて流暢な英語で行列客を捌いてゆく。やはりここは日本ではないのかもしれない。

店内は撮影禁止なので写真はないが、以前より麺が硬くなった気がする。昔はもっとやわやわではなかったか。これならウエストの方がフワヤワ感は上。だが、異国のお客さんに囲まれて私の舌がおかしくなった可能性も捨て切れない。隣の隣に座った日本人の二人組が小さな声で「普通だね……」と言うのが聞こえてしまった。

うどんを食べながら考える。近年のうどんブームに加え、タモリさんや博多華丸さんのおかげで、博多うどんは一気に脚光を浴びる存在となった。だが、果たして博多のうどんは観光客が並んで食べるに値するメニューだろうか。

いや、「値しない」などと言うつもりは決してない。ただ、博多にはほかにも美味しいものがたくさんある。なのに食事を楽しむ機会は通常1日に3回しか訪れない。その数少ないカードを「普通の」うどんに使ってしまうのは、ちともったいなくないか。

地元に愛される博多うどんは、たしかに毎日食べても飽きない味。だが、初めて食べた人を一撃で虜にするようなタイプではない。その力を持つのはやはりラーメンであろう。私にしても、いまだ博多うどんの真髄は見えてはいない。だからこそ、それを見出だしてやろうと、こうして食べ続けている。タモリさんや華丸さんの境地はまだまだ遠い。

 

***** 2018/11/01 *****

 

 

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