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2018年10月14日 (日)

3冠か、ぶっつけが災いするか

諸事情これありで、日曜の午前中にこの記事を書いている。これから行われる秋華賞で果たして3冠牝馬は誕生するのか。あるいはステップレースを挟まぬローテーションがそれを阻むか。これを書いている時点で、それは分からない。

3冠牝馬誕生か、ぶっつけローテが災いするか―――。

その観点で秋華賞を展望するとき、私は8年前を思い出す。この年、秋華賞には2頭のオークス馬が出走していた。3冠を目指してローズSを挟んで挑むアパパネと、そのアパパネとオークスで同着優勝を果たし、ぶっつけのローテーションで秋華賞で2冠を目指したサンテミリオン。2頭のオークス馬は対称的なステップで秋の大一番を迎えた。

終わってみればアパパネが圧倒的強さで牝馬3冠を達成した一方で、サンテミリオンは全く見せ場もなく、馬群から大きく離された最下位。オークスでは2400mを走ってその鼻先が1センチと離れていなかった両馬の間柄は、5ヶ月を経て出走18頭の中で最も大きく離れた2頭となってしまったのである。

スタートで出遅れたサンテミリオンは、後方2番手からの追走。だが、本来の力強いフットワークは影を潜めたままレースは進み、3~4コーナーで鞍上の藤岡佑が手綱を動かしても、まるで気の抜けた走りに終始した。オークスからぶっつけで秋華賞に臨むというのは、もともとの青写真通り。秋華賞に向けた最終追い切りの後も、陣営からは自信溢れるコメントが相次いでいたはずだった。仮にもオークス馬である。世代の頂点に立った馬の次走ともなれば、誰もが注目しないわけにはいかない。今回はアパパネの快挙に隠れる格好になったが、そういう意味ではオークス同着の恩恵が思わぬところで現れたと言えなくもない。

Sante 

ダービー馬やオークス馬が、その次走で同世代の馬を相手に故障でもないのにシンガリ負けを喫する―――。

こんなケースは私が知る限り1952年のダービーを勝ったクリノハナただ一頭しかいない。彼は皐月賞も勝っているから、「2冠馬が秋緒戦でシンガリ負けを喫した」という、極めてショッキングな出来事が起きたことになる。しかも大差のシンガリ負けであった。

しかし、タネを明かせばこのレース、実は2頭立てである。相手は同じ年のオークス馬タカハタ。休み明けのクリノハナにしてみれば、目標となる菊花賞はまだまだ先で、いきなり無理をさせる必要はなかったのかもしれない。しかし同世代の牝馬相手に大差シンガリ負けは、2冠馬にとってちょいと負け過ぎだった。

勝負事は不思議なもので、ちょっとしたことがきっかけで、ツキや流れが大きく変わることがある。このシンガリ負けでケチがついたクリノハナは、その後菊花賞まで4戦するが、ついに一度も勝てぬまま菊花賞も回避。そのまま引退に追い込まれてしまった。勝利が絶望的になった後もサンテミリオンを執拗に追い続けた藤岡佑介騎手は、そんなクリノハナのエピソードを知っていたのかもしれない。

Eye 

あれから8年。オークス馬がぶっつけで秋華賞を制するシーンを見ることはできるのか。

かつて、ぶっつけで結果を残したカワカミプリンセスの例がクローズアップされているが、秋華賞やエリザベス女王杯にぶっつけで挑み、そして敗れたオークス馬はエアグルーヴやベガなど実は8頭もいる。カワカミプリンセスはむしろレアケース。このエントリが公開される頃には結果が出ているわけだが、アーモンドアイが挑む壁はそれほどに高いことを強調しておきたい。逆に言えば、もしその壁を越えることができたその時は、すなわち歴史的名牝の誕生の瞬間ということであろう。

 

***** 2018/10/14 *****

 

 

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