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2018年10月20日 (土)

値段で走るわけじゃない

かつてのアイビーSは1400mのオープン特別。グラスワンダーがデビュー2連勝を飾ったことでも知られる。その後、2003年を最後にいったん休止。1800mのオープン特別として復活したのは4年前だ。

一昨年のソウルスターリング&ペルシアンナイトの決着は語り草。だが、実際1800mになってから4年間で、実に3勝をビッグレッド(=マイネル)の馬が制している事実は見逃せない。その人気は古い方から順に⑦、④、⑥。今年のメンバーの中にもコスモカレンドゥラがいるではないか。しかも7番人気。なら馬券はこれで良かろう。

Baken 

人気はトーセンカンビーナ。新馬ではなく、コスモカレンドゥラと同じく未勝利を勝ち上がってきたにもかかわらず、単勝1.7倍とはなかなかエグい。鞍上ミルコとセレクトセール2億3千万の評価額の合わせ技一本。そんなところか。ならば、コスモカレンドゥラにもチャンスがあって良い。

しかし勝ったのはクロノジェネシスだった。メンバー中、唯一の牝馬でバゴの産駒。ノーザンファームの生産でサンデーレーシングの服色だから私は牧場時代に彼女を見ているし、そのときの印象も覚えている。なにせノーザンにバゴは珍しい。しかも募集価格は1400万円(一口35万円)とサンデーにしては格安。自分が打てる球だからじっくり見たのは当然だ。だが、買わなかった。馬を見過ぎてしまったのかもしれない。いま、すごく反省している。

1400万円の馬が2億3千万の馬を負かすのだから競馬は面白い。しかも、今回は安い方がノーザンファーム生産馬というところにも妙味がある。先日訪れた牧場でも、同じような話で盛り上がった。毎日王冠で6着に敗れたサトノアーサーは、セレクトセールで1億9500万円だった。それを負かしたのはやはり1400万円のアエロリット。サトノアーサーは、まだ自分の落札価格分を稼いでいないが、アエロリットはもう既に3億4千万円を稼ぎ出している。

しかし、である。だからと言って、1歳7月のアエロリットを見て、それを買おうと思えたか―――。

それが牧場で盛り上がったという話のキモの部分。おそらくアエロリットやクロノジェネシスに出資された会員さんの多くは、その価格が大きな要因となって購入を決意されたのだろうと推察する。馬を見ようとする人はそれをしない。しかも見たらとてもじゃないが買えない。その時点で勝負アリ。これも―――と言うよりこれこそが、ザ・ケイバであるという気さえする。むろんこれは自省の言葉である。

9r 

アイビーSでクロノジェネシスがマークした上がりタイムは32秒5。1ハロン10秒台のラップを2度含まないと32秒台を記録するのは難しい。すなわちGⅠ級の証。一方、ディープインパクト産駒でありながら、得意なはずの瞬発力勝負で敗れたトーセンカンビーナは、5着では言い訳が難しい。しかし実馬を見れば、なるほど惚れ惚れする馬体の持ち主である。2億3千万の評価は分からないでもない。

社台のスタッフには「ダメなところを見ちゃダメ。自分なりの良いところを見つけなきゃ」と言われる。それは分かる。分かっているんだけど、実際に見ると、嫌なところばかりに眼が行っちゃうんだよなぁ。もはや自身の性格に問題があるように思えてくる。

ところで、アイビーSはコスモカレンドゥラが2着に粘って16.8倍の複勝が見事的中。やはりこのレースはビッグレッドさんに縁がある。これを機に岡田繁幸さんの相馬眼に乗ってみるのも手か。しかし、それにも増して今日は珍しく戸崎圭太騎手の調子が良かった。その戸崎騎手が明日の菊花賞で手綱を取る3番人気・エポカドーロの募集価格は4500万円。2番人気エタリオウはセレクトセールで8700万円。そして1番人気のブラストワンピースは2000万円で募集されている。高ければ走るというわけではないことは散々書き連ねた通り。果たして結果は……?

 

***** 2018/10/20 *****

 

 

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