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2018年10月 7日 (日)

新たな女傑伝説へ

「すみません。氷が品切れでハイボールもレモンサワーもできないんです」

Sky 

東京競馬場の売店でそんな会話を聞いたのは初めてではないか。なにせ今日の府中市の最高気温は32度。うっかり日なたに立つと、みるみる日焼けする。それなのに馬主席のクールビズは先週終了したばかり。今週からネクタイ&上着が必須になった。皆、汗だくになりながらマークカードを塗っている。もはや秋競馬の風情ではない。

夏競馬の陽気なら、毎日王冠で狙うべきは「夏馬」であろう。それで選んだ一頭はコチラ。

Baken 

皆さんのイメージとは異なるかもしれない。しかし、去年の菊花賞制覇の前には夏の2連勝があった。特に信濃川特別はキセキの強さが際立った一戦。芝2000mを1分56秒9という快時計で制している。1800m通過は推定1分45秒フラット。皆が心配するほど、時計勝負に不安があるわけではない。

実際、毎日王冠の直線坂下では一瞬「奇跡」を確信した。逃げるアエロリットの背後から勢いよく迫るのは、紛れもない白帽キセキではないか。

よっしゃぁ! 横に並べば競り落とせる! なんだかんだ言っても菊花賞馬は強いんだ!!

だが、そこからアエロリットは羽が生えたようにもうひと伸び。終始先頭を譲ることなく府中の長い長い直線を逃げ切ってしまった。逃げた馬に33秒8で上がられては、後続は為す術がない。

Mainichi 

毎日王冠で牝馬が勝ったのは一昨年のルージュバック以来。その前は1993年のシンコウラブリイ、そしてその前は1987年のダイナアクトレス。アエロリットは伝説的名牝の仲間入りを果たした。

これでアエロリットの全成績は(4,5,0,3)となったが、牡馬相手のレースに限れば(3,2,0,0)。逆に4着以下に敗れたレースは、すべて牝馬限定戦だった。牡馬相手の方が力を発揮できるタイプなのかもしれない。府中牝馬Sではなく、敢えて牡馬相手の毎日王冠を選んだ陣営の意図はそこにあったか。だとしたら素晴らしい選択だった。

実際、彼女があげた重賞3勝はすべて牡馬相手に挙げたもの。実はルージュバックもダイナアクトレスもそうだった。シンコウラブリイにしても重賞6勝のうち5勝が牡馬相手。毎日王冠を勝った牝馬はみな男まさり。本来それを「女傑」と呼ぶ。女同士でトップに立っても、それは女傑ではない。

女傑の仲間入りを果たしたアエロリットの次走はどこか。調教師はマイルチャンピオンシップを口にした。だが、毎日王冠を逃げて1分44秒台で凌ぎ切った馬は過去に2頭しかいない。2008年のウオッカと1998年のサイレンススズカ。この2頭を思い浮かべたとき、ファンの視線は天皇賞に向くであろう。とはいえオーナーサイドの都合もある。もしアエロリットが天皇賞に出ると言い出したら、ダンビュライトが除外されるかもしれない。単純ではないのである。仮にマイルチャンピオンシップに向かうにせよ、その溢れるスピードで新たな女傑伝説を紡ぎ出してほしい。

 

***** 2018/10/07 *****

 

 

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コメント

ただ一頭、58キロ背負っていたんですから、たいしたものですよね。天皇賞が楽しみです。

投稿: 店主 | 2018年10月11日 (木) 07時50分

菊花賞馬が毎日王冠。そりゃないだろう!って思っていましたが、
もうちょっと仕上げていたら勝ち負けしてたかもしれませんね。

投稿: tsuyoshi | 2018年10月 9日 (火) 13時46分

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