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2018年6月30日 (土)

市民競馬場の1世紀

40年ほど昔、上野から急行「いわて」に乗って福島まで行った記憶がある。とはいえ残念ながら競馬ではない。

上野を6時半頃に出発して福島に着いたのは10時半だから、実に4時間かかった。「長い」と感じなかったのは、同日はそれが当たり前だったから。今は新幹線で東京からビュンと80分。これを隔世の感というのだろう。ただし時間短縮で居眠りは禁物。私の知人カメラマンは何度か白石蔵王まで連れていかれた。

今日から夏の福島が始まっている。おとといの木曜日には、福島競馬場が開設100周年を迎えた。100年という歴史は重い。なにせ中山競馬場でさえ今年ようやく90周年である。

「12頭の駿馬が一斉に疾駆せる壮観を眺めし観客の熱狂は物凄きばかりなり」

当時の福島民友新聞が伝える福島競馬の様子が熱い。ただ記事には「暑い事甚だしく、扇がヒラヒラと舞いてちょうど相撲の夏場所気分である」とも。こちらも暑い。福島競馬100年の長い歴史の中では、アラブのミスカズオーが暑さのため死んでしまうという悲しい出来事もあった。

Fukushima 

それにしても思う。JRA10場のみならず地方競馬まで含めても、福島ほど地域に根付いた競馬場はあるまい。なにせ、今でも福島市長は福島競馬振興会の会長を務めているし、戦後の衆院選では福島競馬の再開を公約に掲げた人物が当選したようなお土地柄。たいていの競馬場が街からちょっと離れた郊外に立地しているのに、福島だけは市街地のど真ん中に堂々と鎮座しているのも、よく考えたら凄い。

福島の政財界が開設を主導し、地域住民と共に歩んではや1世紀。まさに「市民競馬場」と呼ぶに相応しい。終戦直後に昭和天皇が福島県を行幸された際、福島市民は競馬場で歓迎式典を行い天皇陛下をお迎えした。市民が競馬場の存在をを誇りに思うがゆえであろう。日本でもっとも競馬と人が溶け込む街。その競馬場ではこれまで199の重賞レースが行なわれてきた。明日行なわれるラジオNIKKEI賞は記念すべき200レース目。長い歴史に思いを馳せながら、しっかりと見届けたい。

 

***** 2018/06/30 *****

 

 

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2018年6月29日 (金)

6月の梅雨明け

なんと梅雨が明けてしまった。

気象庁は1951年の統計開始以来、最も早く関東甲信が梅雨明けしたとみられると発表。平年より22日も早いという。そも6月に関東甲信の梅雨が明けたこと自体が初めてだそうだ。

だがしかし、2001年の梅雨明けは「7月1日」と記録に残る。それに比べればわずか2日の差でしかない。2001年といえばジャングルポケットがダービーを勝ち、メイショウドトウがついにテイエムオペラオーを破って宝塚記念を勝った年である。だが、梅雨明けが早かったことが話題になったという記憶はない。

Derby 

実は最初にこの年の梅雨明けが発表されたのは7月11日である。だが、9月に入ってから気象庁が梅雨明け日を訂正すると言い出した。あらためてデータを見直したところ、7月1日の時点で梅雨は明けていたという。結果的に統計開始以後最早の梅雨明けが記録されたわけだが、秋風が吹く季節に梅雨のニュースが人々の興味を誘うはずもなく、そのまま記録だけが残された。逆に言えば、今年の梅雨明け日にしてもあとから修正される可能性がないわけではない。「戻り梅雨」という言葉もある。

Rain2 

梅雨とは「春から夏に移る時期、その前後に比べて雨と曇りが多くなる季節現象」と定義されるそうだ。気圧配置や降水量、気温などの基準があるわけではない。だから、梅雨明けの発表についても気象庁として「宣言」という言葉を使ったことはなく、あくまでも情報の提供という立場だが、それを受け取る側が「宣言」だと思い込んでいるフシがある。この辺の事情は桜の開花宣言にも近い。季節感をことさら大事にする日本人ならではの誤解であろう。

客観的な基準がないのなら、いっそ梅雨入り・梅雨明けの発表などやめてしまってはどうか―――。

そんな意見も少なくはないが、百貨店の売り場展開やCMの差し替えなどに影響するとして、なくなっては困るという声の方が大きいらしい。梅雨明け宣言が出た日は、ビールがよく売れるというのも業界の常識になっている。

Rain3 

東京の梅雨が明けた一方で、北海道の週間予報には一週間先までずらりと傘マークが並んだ。セレクトセールが心配。牧草が心配。函館の馬場も心配。トシを取るといちいち心配事が増える。なにせ函館はまだ開催の中盤。長雨に祟られた2013年前の開催では、極悪馬場を走らされた馬たちがその後軒並み不調に陥った。そのうちの一頭が贔屓のロゴタイプだったものだから、あれから5年が経った今でも函館の雨マークにが気になって仕方ない。

いちおう北海道にも「蝦夷梅雨」という言葉がある。だが、これは発生のメカニズムからしていわゆる本州の「梅雨」とは別物らしい。だが、現在の天気図を見る限り、今の北海道に雨を降らせているのはまごうことなき梅雨前線。北海道に梅雨入りが宣言される日も近いのかもしれない。

 

***** 2018/06/29 *****

 

 

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2018年6月28日 (木)

たこ焼きと麻婆はアツアツに限る

先週の木曜日にあった出来事を思い出しながら何か書こうと思っているのだが、なかなか思い出せないでいる。

そりゃそうですよ。なにせ昨日食べたモノも忘れちまう今日この頃。4日も前のことなど覚えているはずが……あ、思い出した。午前中に六本木のとあるオフィスを訪れて、久しぶりに『北海園』で昼メシを食べたんだっけ。

もう10年以上も昔の話になってしまうが、毎月の「六本木詣で」が欠かせない日々を過ごしていた時期がある。すなわちJRAと社台。どちらの参拝も多少の緊張感を伴うものであったから、要件が済んだあとの安堵感はすこぶる大きい。六本木から西麻布まで歩いた先にある『北海園』は、ひと仕事終えたあとの余韻を楽しむのにちょうど良い、なんとも言えぬ雰囲気を持った店だった。

Hokkai1 

久しぶりに六本木に来たのだから、そこへ行ってみようと思ったわけ。シチュエーションとしてはかつて同じ「ひと仕事が終わったタイミング」でもある。

北京料理店であるはずなのに、たしか「麻婆うどん」というメニューがあったと記憶していたのだが、残念ながら今はなかった。代わりに正統派の「麻婆ラーメン」を注文。こちらのマーボーは、痺れる辛さではなく、ほんのりとした甘味が感じられるのが特徴で、そこはかとないウスターソース感を感じるのだが、美味いことには変わりがない。

Hokkai2 

実は先日の東京競馬場で「冷やし麻婆うどん」というメニューを見てひっくり返った。もちろん驚くべきは「麻婆うどん」ではなく、「冷やし麻婆」の方である。冷たい麻婆豆腐などこれまで食べたことがない。

Udon 

恐る恐る注文すると、冷たい麻婆豆腐の正体はなんと「冷めた麻婆豆腐」であった。そこに冷やしうどんが投入されているのだが、その味はなかなか表現しづらい。「麻婆うどん」そのものはアリだと信ずる私だが、やはり麻婆豆腐はアツアツでなければダメだ。麻婆ラーメンを食べ終えて、額の汗を拭きながらつくづくそう感じる。

Hokkai3 

驚くことに『北海園』のマスターは私のことを覚えていた。このトシになれば風貌はさほど変わらぬということであろう。それにしても「太ったなぁ」と言われる一方で、「シロメシはいらないのか?」と聞かれるのは困る。聞かれれば否とは言えないのが麻婆豆腐ではないか。残ったスープにご飯を投入して完食。夏前だというのに、また太る。嗚呼。

 

***** 2018/06/28 *****

 

 

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2018年6月27日 (水)

初めての帝王賞

「競馬場は初めて」という若者を大井まで連れて行くことになった。知人から大井に来るよう誘われたらしいのだが、むろん大井競馬場には行ったことがない。それで待ち合わせ場所まで私が案内してやることになったのである。今日は帝王賞。どうせ私も大井へ行く。

「それにしても初めての競馬が帝王賞とは凄いな」

「そんなに凄いレースなんですか?」

「大井では年間通じて1、2を争う大きなレースだよ。当然お客さんも多い。なにせ武豊騎手が乗りに来る」

「タケユタカなら知ってます」

私が初めて帝王賞を見たのは武豊騎手がデビューする前年の1986年のこと。勝ち馬トムカウントを知る人はさほど多くはあるまい。当時の大井ではナイター競馬もまだ始まっておらず、帝王賞は春のレースとして行なわれていた。平日の昼間開催だったにも関わらず、今夜の大井を凌ぐ24393人の観衆で場内は大混雑。馬券を買うのもひと苦労で、窓口混雑を理由に発送時刻が15分ほど遅れた記憶がある。

1番人気カウンテスアップ、2番人気ロッキータイガー、3番人気テツノカチドキ。JRAとの交流競走で地方所属馬が人気を独占していたと言っても、いまどきの若いファンには信じられぬであろう。レースはJRAのリキサンパワー(田面木博公)が逃げ、ゲートで若干遅れたカウンテスアップ(的場文男)が2番手。大外枠の不利を克服して3番手に付けたトムカウント(石崎隆之)はじっくり仕掛けのタイミングを伺っている。先頭馬群は最終コーナーへ。そのときリキサンパワーがやや外に膨れた。それを見逃す石崎騎手ではない。サッと内へもぐりこむと、リキサンパワーと内ラチの狭い隙間を一気に抜け出してゴールを駆け抜けた。

12頭中10番人気の8歳馬の勝利である。騎手の技量がモノを言ったことは間違いあるまい。その後、東京ダービー4勝など南関東のエースに君臨することになる石崎隆之騎手の、思えばこれが初のビッグタイトルだった。

Gold 

あれから32年を経た今年、まったく同じような内差しを決めたゴールドドリームとルメールのレースぶりに、「石崎さんみたいだったな」と言ったのは「日刊競馬」の古参記者。それに「トムカウントですね」と答えたのは私。互いにトシを取った。

ちなみに武豊騎手も我々の同年代。その武豊騎手を買った件の若者は、馬券は外したものの、「興奮しました!」と言ってきたから悪くはなかろう。初めての馬券が当たると、たいていロクなことにならない。30年後の帝王賞にも来て、「ルメールの内差しは凄かった」と振り返られるまで競馬を続けてくれるだろうか。

 

***** 2018/06/27 *****

 

 

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2018年6月26日 (火)

呪われた火曜日

早朝9時から会議を入れられた―――。

世間一般の勤め人の方からすれば、ごく普通の出来事かもしれない。だが、申し訳ないとは思うのだけど、私にとってこれは緊急事態。なにせアラフィフにもなって朝ラッシュの電車に乗ったこともない。朝の田園都市線の混み具合はつとに有名。そんな電車に乗ったら死んでしまうから、あの手この手を尽くして朝のラッシュに電車を利用することだけは避けてきた。だが、今回ばかりはそうもいかぬ。地獄のような30分間を経て大手町駅のホームにペッと吐き出された時には、ゆうに2日分の体力を使い果たしていた。

ともあれ仕事場に到着し、会議室に入ると既にL社の面々が待ち構えている。2時間みっちり会議が続いたのち、L社と入れ替わるようにやってきたY社と、さらに1時間の会議を消化して正午を迎えた。

仕事場での楽しみといえば昼メシくらいしかない私である。スキップしながらメシを食いに出かけようとした途端、何やら難しい顔をした上司がS社の人間を連れて私の肩を掴み、否応無く会議室に連れ戻された。

昼メシを食い損ねてシクシク泣いている私に好奇の視線が集中する中、13時よりH社との会議がスタート。15時よりそこにE社が加わり、3社による会議が間断なく続く。とてもではないが、「あの、そろそろお昼ごはんを……」などと言える空気ではない。16時半にH社が退出したが、入れ違いにE社のお偉い方が会議室に入られて、別の会議が重々しくスタートした。

空腹感はとっくに限界を超えている。午前中の会議では相手を怒鳴りつけたり、ペットボトルの水をぶっかけたり、回し蹴りを食らわせたりする元気もあったが、もはや思考能力はゼロ。「はあ」とか「ふーん」と相槌を打つのが精一杯という有様なのに、それでも会議には出続けなければならないらしい。今日はトイレを除いて会議室から一歩も出ていないことに気付いた。これでは軟禁と変わらないではないか。

最後にもう一度やってきたY社との打ち合わせが終わり、ふと時計を見れば19時を過ぎている。他にもやるべきことがあったような気がするが、このタイミングを逃せば二度と外の世界には戻れぬと判断し、世紀の大脱出を決行した。今日は大井で優駿スプリント。知人の馬が走る以上、これをすっぽかすわけにはいかない。

発送時刻ぎりぎりに大井に到着。馬券を買う時間はないが贅沢は言えない。やれやれ、やっと元の世界に戻ってくることができた。安堵しながらレースを眺めたら、密かに狙っていたクルセイズスピリツが11番人気を覆す激走で大穴を開けたではないか。私はショックのあまり馬場に倒れて意識を失った。その後の記憶はない。

Nishi 

―――あれから3日。ようやく意識を取り戻して、記憶を頼りにこのブログを書いている。上記の事情をお汲み取りいただき、3日遅れの更新をお許し頂ければ、これに勝る歓びはない。

 

***** 2018/06/26 *****

 

 

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2018年6月25日 (月)

軽量馬の覚悟

いよいよ今週から夏の福島開催がスタートする。開幕週を飾るのは、かつて「残念ダービー」の異名をとったラジオNIKKEI賞。だが、そんな呼ばれ方をしていたのは、この重賞が「日本短波賞」として行われていた1970年代までのこと。ローカル開催のハンデ重賞となった今となっては、ダービー好走馬が出走してくることはまずない。

その傾向は今年も同じ。14頭の登録馬にダービー出走馬はゼロ。それでも今日発表されたハンデには、上は56キロから下は49キロまで、実に7キロもの差がついた。

だが、実際にそれほどの実力差があるのだろうか。ラジオNIKKEI賞が近づくと毎年のように議論になる。なにせこの時季の3歳馬同士のこと。力量を把握するにはあまりに材料が乏しい上、彼らは成長の真っただ中にある。わずかひと月で力関係が逆転することも珍しくはない。

しかし、今年のハンデにはひとつ注目すべき点がある。イコピコ、ブラックスピネル、そして昨年のサトノクロニクル。白百合Sを勝ってここに臨んだ彼らは揃って57キロを背負わされ、結果④⑤⑥着と馬券に絡むことはできなかった。さらに2006年の白百合Sを勝ったエムエスワールドも、やはり57キロのハンデを課されたが、同馬はそのハンデを不服として回避している。

だからなのか今年の白百合Sを勝ったメイショウテッコンのハンデは56キロに留まった。過去に白百合Sを勝ちながらラジオNIKKEI賞に56キロで出走したのはマイネルラクリマただ一頭。結果、フレールジャックの2着と好走している。メイショウテッコンには心強いデータであろう。57キロと56キロとの差はやはり大きい。

Nikkei 

アンビシャス、ゼーヴィント、セダブリランテス―――。

ここ数年の勝ち馬を見ても分かる通り、ラジオNIKKEI賞は、高い素質を持ちながらデビューが遅れるなどしてクラシックに乗り切れなかった馬が、秋へのステップとする大事な一戦になりつつある。だが、ハンデ戦である以上、軽ハンデの格下馬もチャンスがないわけではない。

ただし、この時期に斤量に恵まれて勝ってしまうとあとが辛いことも事実。うっかり重賞を勝ってしまうと、この先ずっとオープンクラスでの闘いを強いられる。しかも、この世代からは降級の恩恵を受けることもない。49キロマルターズルーメンに、果たしてその覚悟はあるだろうか。

 

***** 2018/06/25 *****

 

 

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2018年6月24日 (日)

夏競馬本番へ

ダービーが終わってからの1か月間は、クライマックスの余韻と本格的な夏競馬への期待が交錯する準備期間のようなもの。東京競馬場も開催の最終日だというのに、GⅢのひとつも組まれていない。しかも府中は朝から雨。ならば競馬場はガラ空きであろう。宝塚記念の馬券はウインズでなく、競馬場で仕入れことにしよう。

それで競馬場に着いてみたら―――。

Sky 

まあ、なかなかの混雑っぷりですよ。雨上がりの夏空はどこまでも青く、指定席は満席で、スタンドの椅子席も空席を探すことすら苦労する。いったいどうした? 今年から宝塚記念は東京でやることになったのか?

ともあれ東京は芝1800m新馬戦の発走が近い。ファンの注目を集めているのはハヤヤッコで間違いなかろう。キングカメハメハの牡馬で3番人気。いやそんなことより、祖母シラユキヒメ譲りの白毛が夏の日差しに輝いて眩しい。

Haya 

しかし勝ったのは1番人気のアンブロークンだった。抑え切れない手応えのまま4角2番手。そのまま先頭に立つと、一度もステッキを使われることなく後続の追い込みを凌いでみせた。

5r 

重馬場の勝ち時計は1分50秒5。それだけならどうということはない。2着オメガ、3着ハヤヤッコ、さらに4着クィーンユニヴァンスまでがノーザンファームの生産馬で占められた。レースを勝てるのは原則的に一頭のみ。ノーザンのキングカメハメハ産駒なら新馬くらい楽に勝ち上がりそうなものだが、そこに別のノーザンの馬も出ていてはそうもいかない。我々はいったい何を見せられているのか。

ともあれ、来週からは本格的な夏競馬。だが、ローカルだからと言って気を抜いてはいられない。過去10年のダービー馬のデビュー月を調べてみれば10月が最多の5頭だが、次いで多いのが7月の3頭。ロジユニヴァースも、エイシンフラッシュも、そしてワグネリアンも7月には競馬場に姿を現していた。うっかりしていると、来年のダービー馬のデビューを見逃しかねない。来年のクラシックは既に始まっている。

 

***** 2018/06/24 *****

 

 

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2018年6月23日 (土)

まさかの除外

長いこと競馬にかかわってきたが、昨日の船橋で初めての出来事に出くわした。

19時を過ぎてもなお暮れきらぬ夏至の夜。船橋9レースに愛馬ポップレーベルが出走する。パドックに姿を現した彼はマイナス6キロ。毛ヅヤは悪くないが、牧場関係者によれば調子は落ちているという。実はこのレースも回避がほのめかされていた。最終的にここを使ってから放牧に出そうということになったが、こういうときは嫌な予感しかしない。普段は勝ち負けを期待するが、今日に限ってはとにかく無事を願う。

Padock 

パドックに騎乗命令が響き渡った。ポップレーベルに跨るのは笹川翼騎手。さあ、我々も本馬場へ向かおう。

だが様子がおかしい。パドックで騎手を乗せた馬たちは、ふつうパドックを1周してから本馬場に向かうのだが、騎手を乗せてのパドック周回は2周目に入った。どうやら、本馬場ではハロー車がまだ作業を続けているらしい。パドック周回は3周目。嫌な予感が高まる。このあとのレースで何か起きるんじゃないか……。

Padock2 

パドック周回はまさかの4周目に突入。こんなシーンは初めて。だが、冒頭の「初めての出来事」とはこのことではない。ともあれ、知り合いの馬場管理員を見つけて、どうなっているのか?と問い詰めている間に、馬たちは本馬場に向かったようだ。

慌てて馬場に走るとポップレーベルは遥か遠くに走り去ったあとだった。かえし馬の様子をこの目で確認しなかったのは失態であろうが、もう間に合わない。

レースが始まるまでの間、ポップレーベルの会員さんとしばし会話。「重馬場は苦手だというけどどうなんだろうね」とか、「くるくる体重が変わるけどこれくらい(519キロ)が理想ですよね」とか。レース前のこのひとときに勝る時間はあるまい。

しかし直後に状況は一変する。気が付くと1頭の出走馬が1コーナーからこちらに向かってくる。黄色い勝負服に緑帽。間違いない。ポップレーベルだ。瞬時に事態を悟った私は1コーナーへと走った。

「ぜんぜんダメだわ」

笹川騎手の言葉には留保も躊躇いもなかった。獣医の診断を受けるまでもない。

Pop 

左前跛行で競走除外。

愛馬が馬場入場後に除外になるという経験はこれが初めて。しかし、競馬では起こり得ることでもある。ショックと言えばショック。だが正直「ホッとした」部分がないでもない。あのままレースに出ていれば、もっとひどいことになっていた可能性がある。しかも船橋でまだ良かった。新潟や札幌で同じ思いをされた方もおいでだろう。ともあれ今はポップレーベルの左前の症状が軽いことを祈るのみだ。

 

***** 2018/06/23 *****

 

 

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2018年6月22日 (金)

俺たちのダービー馬

2001年、すなわち今世紀最初の東京ダービー馬を覚えておいでだろうか。そう、伝説の4冠馬トーシンブリザード。いまは新ひだか町でのんびり草を食んでいる。

Toshin1 

 

Toshin2 

放牧地を駆けまわるナイキアディライトは2003年の東京ダービー馬。

Naiki1 

 

Naiki2 

その翌年、2004年の東京ダービーを勝ったのは、ご存知アジュディミツオー。今は亡き佐藤隆騎手を背に、圧巻の逃げ切り勝ちだった。

Ajudi1 

 

Ajudi2 

2007年の東京ダービーの覇者アンパサンドは生まれ故郷のサンシャイン牧場で過ごしている。ダービーでフリオーソを破ったという事実は忘れないでおきたい。

Anpa1 

 

Anpa2 

その隣のパドックにはプレティオラスがいた。こちらは2012年の東京ダービーを勝っている。その2着がプーラヴィーダ。フィガロ産駒によるワンツーフィニッシュだった。

Pre1 

 

Pre2 

先週訪れた日高では、かつての東京ダービー馬ばかりを見て回った。誰もが「俺たちのダービー馬」。みんな元気そうで何よりだ。

ただ、願わくば彼らの産駒が東京サービーを勝つことを夢見たい。東京ダービーでの親子制覇はミルコウジ(1985年)&セントリック(1996年)の1組が成し遂げただけ。今年ワグネリアンが12組目となったJRAに比べて極めて少ないのは、東京ダービー優勝馬が種牡馬として好成績をあげていないことの裏返しであろう。上記で紹介した東京ダービー馬たちにしても、いまは実質的に種牡馬業務を行っていない

ただ、プレティオラスには多少の期待を寄せても良いのではないか。昨年現役を引退、今年が最初の種牡馬シーズンとなるはずだった。だが、なぜか繁殖牝馬に乗ろうとしなかったという。精神的に子供なのかもしれないし、何か牝馬にトラウマでも持っているのかもしれない。とにかく種付け頭数ゼロなのはそのせいだ。

とはいえ、これだけでプレティオラスを見限るわけにはいかない。父は2頭の東京サービーを輩出したフィガロ。なによりプレティオラス自身が9歳と若い。史上2組目となる東京ダービー親子制覇の偉業は、プレティオラスに期待することにしよう。

 

***** 2018/06/22 *****

 

 

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2018年6月21日 (木)

ダノンプラチナ引退

2014年の朝日杯FSを勝ったダノンプラチナが現役引退。南アフリカで種牡馬入りすると報じられている。ディープインパクト産駒の芦毛としては唯一の国内GⅠ優勝馬。南アフリカへの種牡馬輸出は過去に聞いたことがない。(*筆者追記:2009年にアドマイヤメインが南アに輸出されているとの指摘がありました)

Danon 

それにしても南アフリカである。みなさんは南アフリカと聞いて何を連想するだろうか。今なら2010年に開催されたFIFAワールドカップ・南アフリカ大会かもしれない。今大会の日本代表は、何かとあの大会と比較されている。ともあれ欧米に比べれば競馬の印象は薄い。

だが、近年はその先入観が払拭されつつある。同国の競走馬がドバイで好成績を残していることが一番の要因であろう。2008年のドバイワールドカップミーティングで、UAEダービー、ゴールデンシャヒーン、そしてシーマクラシックの3タイトルを南アフリカ勢が制した衝撃は、まだ記憶に新しい。しかもUAEダービーに至っては南アフリカのワンツーだった。恐るべし南アフリカである。

Robarts 

短期免許によるスポット参戦の先駆的存在のマイケル・ロバーツ騎手は、英国人ではあるが実は南アフリカの出身だ。14歳で騎手デビューし、南アフリカ・リーディングを11度獲得し、南アフリカ・ダービーを6度も制した南アフリカの英雄。1995年にはランドでジャパンカップも優勝した。

Jc 

2009~10年シーズンの南ア最優秀牝馬・ヒアトゥウィンは、ブラジルで生まれて、南アフリカで競走馬として活躍し、米国へ渡ったあと日本にやってきてディープインパクトを配合された。それで誕生したのが今年のフローラS優勝馬・サトノワルキューレ。競馬の世界に国境はない。そういえば、2008年のドバイシーマクラシックを勝ったサンクラシークはフジキセキの産駒だった。ダノンプラチナにも世界レベルの活躍を期待したい。

 

***** 2018/06/21 *****

 

 

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2018年6月20日 (水)

6月の牡蠣

「Rのつかない月に牡蠣を食べるな」

そんな俗説は、少なくとも北海道厚岸産には当てはまらない。水温が低く、年間を通して温度の変化が少ない厚岸産の牡蠣は、この時季になっても身痩せすることなく、通年出荷が可能だ。

良いカキが育つ三大要素は、まず第一に清らかな川が流れ込む海であること。次に潮の流れが激しくない穏やかな海であること。かといって海水の流れが滞ることもなく、スムーズな湾であること。海水と淡水が混じり合う厚岸湖は、まさにそれらの条件にピタリ合致する。

Kaki 

日曜夜に訪れた札幌駅前『北海道鮮魚店』で、久しぶりに厚岸産を味わった。Rのつかない6月であるにも関わらず、殻のサイズいっぱいに身が詰まっている。たまらずほおばると、さわやかな磯の香りと旨味、そしてほんのり甘いミルキーな味わいが口いっぱいに広がった。

牡蠣が好きだ。

北海道でなくても店のメニューに「生牡蠣」とあれば注文せずにはいられない。「夏の新潟」と聞くと、関屋記念やアイビスサマーダッシュより、むしろ岩牡蠣を連想してしまうタチである。凱旋門賞観戦のためにパリを訪れれば、名物の生牡蠣を食わねば気が済まない。「危ないからヤメとけ」と必死に止める同行者を、「10月のパリに来て牡蠣を食わずに帰れるか!」と一喝。意地になってツルツルと食べ続けた。エルコンドルパサー惜敗の悔しさで、自暴自棄になっていたのかもしれない。幸いなことに「ホテルの部屋で悶絶」とか「入院、帰国延期」という目に遭わずに済んだのは、やはり私自身が持ち合わせる運の為せる業であろう。馬券であれ牡蠣であれ、とにかく「当たらん」のである。

先ほど、「久しぶりに厚岸産を味わった」と書いたのにはわけがある。実は7年前の東日本大震災で、厚岸の牡蠣は壊滅的な被害を受けた。厚岸湖を覆う厚い氷ともろとも、津波が牡蠣を押し流したのである。養殖棚の9割を流失し、牡蠣の大半は湖底に沈んだ。しかし、関係者の努力の甲斐あって、生産量が徐々に回復しているという話だけは聞いていたのである。やはりその味は格別。殻は小ぶりでも身は厚く、なにより甘みが濃いのが厚岸産の特徴だ。

昨日、千歳のホテルの朝食会場でこんな醤油を目にした。

Shoyu 

北海道産の大豆と小麦で仕込んだ醤油に、厚岸産の牡蠣の旨味を合わせたダシ醤油だという。さっそく玉子かけご飯に使ってみると、まろやかな玉子の味にほんのりと磯の香りが漂って、なるほど美味い。しばしの間、札幌で食べた厚岸牡蠣の余韻を楽しんだ。

 

***** 2018/06/20 *****

 

 

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2018年6月19日 (火)

どうでもいい話

「最近の若い人はどうかしている……」

先週金曜日の夕方のこと。日高のとある牧場の居間で、みんなでTVのニュース番組を見ていたときに、牧場の奥さんがポツリそう呟いた。

新幹線の車中で人を鉈で襲う。許してと謝る子供を虐待死させる。見ず知らずの女性をさらって殺す―――等々。

たしかに世間では憂鬱な事件が続いている。憂いのわけは、それらの犯罪に至る動機が驚くほど稀薄だからであろう。「お金に困って」とか「相手に恨みがあって」の凶行ではない。ちょっと考えれば、そんなことをすればどうなるか分かりそうなもの。まったく想像力を欠いた大人が増えたと言わざるを得ない。

それが転じて「最近の若い人は仕事を理解しようという気がないのかしら?」という話題になった。仕事のやり方とか、仕事に役立つであろう知識を教えてあげても、「分かってます」とか「知ってます」と返してくるばかり。ところがひとりで仕事をやらせると何もできない。それで、なぜできなかったのかと問えば、「分かってたんですが……」と言うばかりだという。

Clover 

ここで舞台は土曜の社台グループ牧場ツアーへと移る。夜の懇親パーティーも終盤、挨拶に立った吉川良氏が若いツアー参加者から、「サラブレッド誌に掲載中のコラム「繋」には有益な情報が書かれてない。どうでもいいことばかり書いてる」と言われてしまったという。

役立つ情報がないものは無駄―――。

そう考える人が、若い人を中心に増えてやいないか。だからエッセイも小説も読まない。ただしノウハウ本であれば読んでもいい。ともかく実用一辺倒。想像力を働かせる必要などない。

私はむしろ逆。ノウハウ本を読む方が時間の無駄に思える。なぜかといえば、そこに花鳥風月がないから。「繋」を読めば牧場やレースの光景をありありと想像できる。場合によっては、この世に損座し得ない光景でさえ頭の中に構成できる。その光景を楽しむなら、むしろ余計な情報などない方が良い。

モノを理解するためには想像力を養うことが必要不可欠。そのためには、なるべくどうでもいい話を読むのが効果的だ。そういう意味ではエッセイや小説は「どうでもいい話」の極致。だって小説なんて、極論すれば嘘ですからね。しかしそれが想像力を養う。

なのに、今どきは皆スマホの情報を見てばかり。親切なことに、最近のスマホは自分の興味があるジャンルの情報だけを表示する機能まで付いている。しかもそれが有益だと信じているからタチが悪い。

JRAのとある調教師が嘆いている。若いスタッフが増えたので親睦のために飲み会をやった。それが驚くほどシーンと静まり返った飲み会だった。なぜか。みんな周囲と話さずスマホを見ていたからだ。

知らないことはスマホで調べられる。それを「知識」だと履き違えている人間が増えた。これでは想像力など養われるはずがない。昔では信じられないような思慮を欠いた犯罪が起きるのも、こうした背景を思えば理解できないこともないような気がする。

吉川氏が牧場ツアーやパーティーの挨拶に立つと、毎回必ず「どうでもいい話をします!」と言ってから話し始める。どうでもいい話こそ大事。そうと信ずる小説家の矜持かもしれない。

 

***** 2018/06/19 *****

 

 

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2018年6月18日 (月)

カレー三昧

昨日はツアーがはねたのちに札幌へ。駅前の居酒屋で大学の同級生2人と久しぶりの再会を果たした。

馬だけ見て帰るわけではない。ちゃんとこういうこともしている。札幌駅北口の『北海道鮮魚店』は、どこにでもありがちな居酒屋かと思いきや、牡蠣もキンキもべらぼうに安くてべらぼうに美味い。北海道の底力であろう。札幌の皆さんが羨ましい。

Classic 

酒席で盛り上がったのは、競馬の話ではなく30年前のプロ野球の話である。揃って同じ球団を応援していた我々は、そのチームの日本一を祈願してそれぞれが半年間に及ぶ「願掛け」に打って出た。

私の願掛けは、「ペナントレース開幕のその日から、毎日の昼食をカレーライスだけで過ごす」というもの。他の二人は「炭酸断ち」と「禁煙」だった。

「カレーばかり食べる」というのは、何かを断つという願掛けに比べて一見ラクそうにも思える。だが、実は大変な作業であることを私は知らなかった。昼飯に入れる店は限られるし、飽きるし、胃はモタれるし、身体からは紛れもない“カレー臭”が発せられるようになる。だが周囲に広言した以上、途中でやめるわけにもいかない。

よほどのカレー好きと勘違いされたのか、事情を知らぬ人から夕食にカレーをご馳走になったりもしたけど、あれは本当に辛かった。家にお呼ばれしてカレーを頂く場合、「お代わりしないと失礼」って空気が漂うしね。このまま、カレーの食い過ぎで病気になるんじゃないかと、本気で心配したものである。

そんなムダな努力を弛まず続けたご利益かどうかは分からんが、チームは日本一にこそ手が届かなかったものの見事その年のリーグ制覇を果たした。ただ、もちろん私のカレー三昧の日々が、プロ野球チームの成績に影響を与えるはずもない。

「自分も一緒に苦楽を伴にしたい」という思いが高じて、苦楽のうちの「苦」の部分を具現化するために人は願掛けに走る。つまりは自己満足である。だから純粋な願掛け行為は―――その対象が自分自身でない限り―――相手に知られずに行う必要がある。相手がそれを知った瞬間、自己満足という枠組みは消え、それは普通の「応援」に様変わりする。まあ、もちろんそれはそれで良いことではあるけれど。

カレー三昧の翌年は、願掛けの王道とも言うべき断酒にチャレンジした。前の年にあと一歩及ばなかった日本一を目指し、さらにハードルを上げたのである。だが、今度はリーグ制覇もままならぬ有様。他チームの監督が胴上げされるTV映像を観ながら半年ぶりに口にしたビールの味は―――? いやあ、実に美味かったですねぇ(笑) 久々だもん。これは仕方ない。

「なんで、あんなコトしたんだろ?(笑)」

「辛かったよなぁ(笑)」

なんて笑いながら札幌の夜は更けてゆく。競馬の場合、贔屓の馬の勝利を期して苦楽を伴にしたいと願うにしても、なにもカレーにまみれたり、酒を断ったりする必要はなくその馬の馬券を買えば済む。手軽と言えば手軽だ。

 

***** 2018/06/18 *****

 

 

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2018年6月17日 (日)

半世紀に一度の

札幌でのヤボ用を終えて千歳に戻ってきたら雨が降りだした。

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今回の牧場ツアーは、強烈な寒さには見舞われたものの、なんだかんだで雨に降られることはなかった。雨に比べれば、寒さの方がまだマシ。……そう考えるのはカメラマンの哀しい習性だろうか。

雨が降れば衣服やカメラが濡れる。しおりやカタログも広げられない。足元もぬかるむから、当然の結果として歩く距離も当然ながら減る。寒さはただ耐えればよい。

とくに歩く距離が減るというのは馬見にとって致命的だ。牧場ではなるべく多くの馬を、それも自分の目で見なければ意味はない。そのためには歩く。歩いて歩いて他人より一頭でも多くの馬を見る。岡田繁幸氏や故・吉田善哉氏はこれを実践したからレジェンドになった。

明日の予想最高気温は18度。地元テレビの女性アナウンサーが「明日は久しぶりのポカポカ陽気に恵まれそうです」と言うのを聞いてひっくりかえった。6月の下旬に聞く言葉ではない。

なんでも、ここのところの北海道の寒さは6月としては50年ぶりなんだという。寒い思いをした人もいただろうが、半世紀に一度の出来事を体感できたのなら、今回の牧場ツアーで寒い思いをしたことも、良かったと思えるのではないか。「良かった」とまでは思えないにしても、そこで出会った一頭には、この先ずっと強烈なインプレッションが付加される。それも悪くはあるまい。

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三つ編の主は

社台スタリオンでタテガミを三つに編んだオシャレな種牡馬を発見!

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三つ編みの主は誰かというと。

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ドリームジャーニーでした。

綺羅星の如きスターが揃う種牡馬集団の中にあって、話題が少ない彼が気の毒に思ったスタッフの粋な計らい。

「なんでドリームジャーニーは社台にいられるの?」

そんな疑問を抱く人も多いようですが、これひとつ取っても彼が周囲から愛されていることがよく分かります。彼としては産駒の活躍でお返ししたいところです。

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お弁当が

佐藤水産ではなくなりました。

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美味しいのですが、若干北海道感が薄れたように感じます。

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クラーベセクレタ2017

昨年生まれたクラーベセクレタの牡馬です。

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展示中だというのに下の青草をムシャムシャ食べ続けてます。かわいいですね。

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ブラマンジェ2017

ノーザンファーム遠浅に真っ白な牝馬が現れました。

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ブラマンジェの2017は白毛の1歳牝馬。ブラマンジェのお母さんはシラユキヒメでですから、彼女は白毛のアイドル・ユキチャンの姪にあたります。

お父さんのエイシンフラッシュは、外見が自身と瓜二つの黒い産駒ばかりを送ることで知られていますが、さすがにシラユキヒメの血には勝てなかったようです。

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苫小牧の朝といえば

おはようございます。ホテルウィングインターナショナル苫小牧の楽しみといえば、朝食の北寄飯です。

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ご覧ください、このルビーと見まごうばかりの赤き輝き。顔を近づけると、たっぷりの旨味を含んだ香りがプンと漂って、何杯でもおかわりできそうです。

なんて、朝メシに興奮しているのは私くらいのものでしょうか。今日はノーザンファームと早来ファームですからね。皆さん、朝からソワソワしてます。ですが、私の次の楽しみはお昼のお弁当です。

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2018年6月16日 (土)

追分が変わった

社台グループ牧場ツアー初日夜の恒例・親睦パーティーの会場には、この1年間で社台・サンデー・G1の3クラブが勝ったGⅠレースの肩掛けが展示される。今年は6本。例年に比べればちょっと少ないか。やはり3歳クラシックをひとつも獲れなかったのは痛い。

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しかしここでは、6本の内訳に注目して欲しい。サンデーサラブレッドクラブが阪神JFとホープフルSの2本で、社台レースホースはゼロ。JBCレディスクラシックを勝ったのは社台地方オーナーズであるから、残る3本すべてをGⅠサラブレッドクラブが勝ち取ってきたことになる。長いことツアーに参加してきたが、このようなことは初めてだ。

なにせクラブ創設以来初めてのGⅠタイトルが昨年のマイルチャンピオンシップである。しかしそこは「GⅠ」サラブレッドクラブ。ひとつ勝ったら、トントン拍子に二つのタイトルを積み重ねてみせたから凄い。

「GⅢサラブレッドクラブと揶揄されたこともありました」

壇上に立った吉田正志氏は3本の肩掛けを背にしながら、噛み締めるように挨拶の言葉を綴った。これまでも「早くここに(GⅠサラブレッドクラブの)肩掛けを並べたい」。毎年のようにそう語っていた正志氏にとっては感慨もひとしおであろう。

たしかに追分ファームは変わった。

社台ファームでたらふく飲み食いし、3時間にも及ぶ展示のあとに追分ファームに到着する頃には我々も疲れ切っており、中にはバスから降りずに寝ているという参加者も珍しくはなかった。雨が降っていたりすればなおのこと。今日のように寒さが厳しくても、バスから降りぬ参加者は少なくなかったように思う。つまり追分ファームはそういう立場だった。

だが、今年は違う。「寒い寒い」と口々に文句を言いながら、それでもほぼ全員がバスから降りて馬を見た。今年から追分ファーム本場ではなく、リリーバレーの広々とした放牧地での展示に変わった影響もあるだろうか。その展示の際にマイクを握った女性スタッフの口調は、よどみがなく聞き取りやすい。初めて聞いた声だが、まるでプロのアナウンサーのような流暢な喋り方だった。

しかし、何より大きな違いは馬そのものである。今年の追分はどれもみな馬格が良い。「良いのが何頭」ではなくて、例外なくどれも立派に育っているのだ。

もちろんデカければ良いというものではない。だが、ここでの話のポイントは変わっているかどうかだ。おそらく飼料やサプリメントも変えたのであろう。同様にスタッフの意識も変わってきたように見受けた。変わりつつある追分は怖い。この世代がターニングポイントになりそうな可能性はある。寒さに震えながら、それでも展示馬たちから視線をそらさない参加者の姿に、そんな思いを強く感じた。


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夜食

これなーんだ?

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正解は……

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セイコーマートの「ようかんパン」でした。これからホテルに戻って、今日のおさらいをしながら食べることにします。

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ガーネットチャーム2017

寒い!

ずっと同じこと書いてますが、私が寒がりだというわけではないですよ。なにせ、北海道の人が「寒い寒い」と震えるほど。気温10度に届いてないと思われます。つまり東京なら冬です。

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寒さからのがれるように飛び込んだ厩舎に栗毛の一頭をみつけました。ガーネットチャームの2016はハービンジャー産駒の牝馬。ペルシアンナイトの3/4同血馬ですね。

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スタセリタ2017

スタセリタ2016。ソウルスターリングの半妹のお父さんはもちろんディープインパクトです。

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大きな流星がかわいいですね。

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社台のバーベキュー

今年も始まりました。

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震えながらクラシック飲みます!

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朝のグルーミング

おはようございます。

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日高は曇りで気温10度前後。寒さは昨日よりは若干マシかなという感じの中、放牧地では親子でグルーミングをする姿が見られます。

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2018年6月15日 (金)

ストーブ

今日の道内は軒並み厳しい冷え込みでした。6月も下旬になって「冷え込み」なんて言葉を使うとは思っていませんでしたが、ともあれ日高は日中でも気温が11~13度なんですから、「冷え込み」と表現する以外ありません。牧場のリビングにはご覧の通りストーブが炊かれています。

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帯広で最高気温が34度に達し、この日の国内最高を記録したのは、つい先週のこと。農作物への影響も気になりますが、ヒトも参ってしまいますね。

この窓からは今年生まれた子馬たちの姿が見えます。

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夏というものを知らない当歳馬たちは「こういうものなのかな?」と思うでしょうけど、ベテランの繁殖牝馬になると「ちょっと!今年の夏はどうなってんの?!」とイラついているかもしれません。それが来年の産駒に影響を与えるかもしれない……なんてのは考え過ぎでしょうか。

でも、季節が逆戻りすれば、発情期もおかしくなってしまいそうですよね。

明日は社台ファームです。暖かくなるといいな。


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お馬の親子

か……顔のサイズが……

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昼メシ

セイコーマート「ホットシェフ」のイチオシメニュー・豚丼(温玉子付き)です。

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ンマイ!

やはりタレが違いますな。

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トーシンブリザード

トーシンブリザードが必死に頚を伸ばして草を食べようとしています。

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静内は曇り。日差しがないと本当に寒いです。

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砂浴び

豪快な砂浴びを披露しているのは、

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アメリカンボスでした

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別の種馬を撮影に来たのですが、あまりの豪快っぷりについ見入ってしまいますね。

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気温10度

梅雨の東京を抜け出して、初夏の北海道に入りしました。

苫小牧の街も珍しく晴れ渡り、画面左端には羊蹄山もクッキリと見えています。これは幸先良さそう。

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……が、新千歳に降り立てば気温はまさかの10度。コートが必要な寒さ。一気に冬まで逆戻りです。寒いよう!

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2018年6月14日 (木)

ワールドカップ開幕

FIFAワールドカップ・ロシア大会が今夜開幕する。―――なんてことを書いても、このブログを読むような方は興味がないかもしれない。

一方でこんな思い出もある。8年前の社台グループ牧場ツアー初日の懇親パーティーでのこと。夜8時半を過ぎたあたりから、会場がザワザワし始めた。すると締めの挨拶に立った吉川良氏がマイクを握るなり「前半10分で0対0だ。サッカーはあとにしろ!」と壇上から叫んだのである。まさにその時間はワールドカップ・南ア大会の日本対オランダが始まったばかり。それで意外に感じたのである。「へぇ。みんなそんなサッカーが好きなんだ」と。

そりゃあ、私だって「興味がない」とまでは言い切れないけど、途中経過が気になるほどでもない。サッカー中継もおとなしく見ていられないタチだ。こう着状態が続くと、すぐにチャンネルを変えてしまう。要するに子供なのである。競馬みたいに早く決着する競技が良い。

そうはいっても、競馬界にはサッカーにちなむ馬名が溢れている。

「ペルーサ」の馬名はアルゼンチンサッカー界の至宝ディエゴ・マラドーナのニックネームだし、「コディーノ」は元イタリア代表のロベルト・バッジョの、「フェノーメノ」も元ブラジル代表のロナウドの愛称に由来する。「ハンソデバンド」はセレッソ大阪の播戸竜二選手にちなむらしい。

とはいえ4年に一度のこの時期に、特に思い出されるのは、ずばりその名も「ワールドカップ」であろう。父アンバーシャダイ、母トウコウキャロル、その父ホスピタリティという血統の牡馬で、1998年の南武特別など3勝を挙げた一頭だ。

Wc 

この南武特別が行われる前日、オーナーの渡辺隆氏はスワンSに出走する愛馬サントスを応援するため京都競馬場を訪れていた。だが結果は勝ち馬から3秒以上も離されたシンガリ負け。落ち込んで帰京する新幹線の中で、偶然にも横浜マリノスの井原選手と乗り合わせたという。

井原選手といえば、この年の6月に行われたサッカーワールドカップ・フランス大会で日本代表の主将を務めたばかり。慶応大学サッカー部出身で、サッカーに精通するオーナーにしてみれば、これほどの吉兆はなかなかあるまい。井原選手に「明日は頑張ってください」と激励され、気を良くして臨んだ翌日の東京8R南武特別をワールドカップで勝っただけでなく、その日のメインレースをワールドカップの兄・オフサイドトラップが勝ってしまう栄誉にも恵まれた。そのメインレースとは、言うまでもなく第118回天皇賞である。

Trap 

「奇跡」といえば、宝塚記念に菊花賞馬・キセキが参戦する。日経賞の大敗からすれば人気にはなるまい。加えてダンビュライト。どうもこの2頭が気になって仕方ない。

なぜか。実はグレード制導入後のワールドカップ開催年の宝塚記念は過去8回行われているが、うち7回を4歳馬が制しているのである。もともと4歳馬が強いレースと言われればそれまでだが、キセキかダンビュライトが勝てばソコソコの波乱であろう。ワールドカップのジンクスに乗っかってみようか。

 

***** 2018/06/14 *****

 

 

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2018年6月13日 (水)

漂流する宝塚記念

昨日もチラッと書いたが、JRA上半期のGⅠレースを締めくくる宝塚記念の登録馬を見て驚いた。メンバーが薄いというのではない。GⅠ馬4頭ならば、宝塚記念としてはむしろマシな方であろう。

私が驚いたのはパフォーマプロミスが「ファン投票選出馬」となったこと。登録馬のうちファン投票で上位10頭までは「ファン投票選出馬」として優先的に出走できるが、その目安はだいたい30位というのが、これまでの感覚だった。ところがパフォーマプロミスはファン投票75位。得票数は1181票に過ぎない。

1990年のオグリキャップは15万票を集めた。それは特殊ケースだとしても、今回1位の票を集めたサトノダイヤモンドの6万3599票に比べれば、わずか1.8%の得票に過ぎない。それでもパフォーマプロミスよりも上位得票の74頭のうち、65頭が出走意思を示さなければ、ルール上はパフォーマプロミスは「ファンが選んだ1頭」となる。

過去5年のファン投票上位10頭中、実際に出走した頭数は、2014年から順に5頭、3頭、4頭、5頭、そして今年の3頭。しかもこの10年間は登録頭数がフルゲートに達していないから、明らかな格下馬でも出ようと思えば出ることはできる。現時点で登録のあるサイモンラムセスに至ってはファン投票667位。もはや投票そのものが意味を為してないことは明らかだ。

宝塚記念出走メンバーの質の低下は今に始まったことではない。もともと、春の大レースが桜花賞と天皇賞(春)しかない状況を憂いだ関西の馬主関係者による「てこ入れ」で創設された経緯がある。ゆえに当初から日程的な問題を抱えており、現在と同じ6月末~7月で始まったものの、有力古馬が集まりにくいということから1968年からダービーの2週後に前倒しされたが、1996年になると7月上旬へと一気に後ろ倒しされ、その後2000年からは現在と同じ6月最終週で落ち着いている。これだけ日程がぐるぐる変わるGⅠも珍しいが、つまりはそれだけこのレースが難しい立場に置かれていることの裏返しであろう。

1996年の日程後ろ倒しは、有力3歳馬の参戦を促すものであった。いわゆる「日本版キングジョージ」構想である。本場英国のキングジョージはダービー馬と一線級古馬の初対決の舞台となることが多いが、日本ではウオッカの挑戦を最後に実現していない。それがダービー過酷さを物語っているとも言える。今年のダービー出走馬18頭のうち、既に3頭の骨折が判明した。仮に無事でいたとしても、中3週で古馬と対決する余力はあるまい。秋の菊花賞を見据えれば休みも必要。宝塚記念は来年狙えば良い。

実際のところ、3歳馬と古馬との対決という観点では、札幌記念がその舞台の役割を担いつつある。ファン投票が意味を成さず、3歳対古馬という構図にもならない宝塚記念は、今後も日程の海を彷徨い続ける運命にあるのかもしれない。それはそれで気の毒な気もするが、だからと言って「GⅡにしてしまえ」とか「廃止しろ」なんていう議論は乱暴であろう。こういう立ち位置のレースは、稀にものすごい好メンバーが集まることもあるから侮れない。近年ではサイレンススズカが勝った1998年やアドマイヤムーンの2007年がそうだった。それも含めてレースの個性だと思いたい。

Moon 

 

***** 2018/06/13 *****

 

 

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2018年6月12日 (火)

鉄路か空路か

宝塚記念の観戦に誘われたが、さてどうしたものか。メンバーがいまひとつなうえ、船橋でさえ足が遠のく我が身に仁川はあまりに遠い。

東京から大阪に行くにあたり新幹線を使うか、あるいは飛行機を使うか―――。競馬関係者のみならず、一般的にも広く興味のある話題だと思う。

私は川崎市に住んでいるから新横浜駅にも羽田空港にも比較的アクセスが良いし、近ごろは航空各社の企業努力のおかげか知らんが羽田~伊丹間の航空運賃は新幹線のそれとほとんど差がなくなった。だからいつも出かける直前まで「どっちで行こうかなぁ…」と、うだうだ悩むこととなる。

私の過去の行動履歴を振り返ると、行きは新幹線で、帰りは飛行機というパターンが多いようだ。次いで「行きも帰りも飛行機」がこれに続く。JR東海の関係者には申し訳ないが、私一人で阪神競馬場に撮影に行ったりして、「新幹線で東京に(川崎に)戻ってきた」という記憶は、少なくともない。

これは私の“せっかちさ”が、多分に影響していると推測する。つまり、無意識のうちに、主たる移動手段に乗り込む場所が近い方を選択しているのではあるまいか? たしかに自宅からは、羽田空港より新横浜駅の方がわずかながらアクセスが良いし、阪神競馬場からだと、新大阪駅よりも伊丹空港の方が若干早い。行きではさほど気にならない新大阪~梅田間のわずかな移動距離が、帰りになるととてつもなく煩わしく感じてしまうのであろう。

当然ながら京都競馬場への行き来は、毎度新幹線のお世話になる。

もう26年も昔の話になるが、マイルチャンピオンシップを見に行った帰りの新幹線で、自分の座った席と通路を挟んだ隣の席に、岡部幸雄騎手が座っていてひっくり返った。そりゃあ、誰だって驚きますよね。自分の手を思い切り伸ばせば、そこに“名手”の「手」に触れられるほどの距離なんだから。

新幹線がするすると京都を出発すると、岡部さんは「プシュッ!」と小気味良い音を立てて缶ビールを開け、隣に座る2人の同行者と競馬談義に花を咲かせていた。会話の内容までは分からないが「シャダイソフィアはね……」というフレーズが出てきたことは覚えている。しかし、それにも増して極度の緊張状態を強いられた私は、東京までの3時間弱を固まったまま過ごさざるを得なかった。

何せ隣に座るのは、たった今行われたばかりのマイルチャンピオンシップで、シンコウラブリイの背中にいた人物なのである。私は、ついさっきその姿をスタンドから遠目に眺めてきたばかりなのだ。

Okabe

しかし、当の岡部さんは2本目の缶ビールを開け、ますますゴキゲンになってゆく。何度か若い女性が―――競馬ファンと考えるのが自然だろう―――やってきて、岡部氏に話し掛けていった。岡部さんも競馬場では絶対に見ることのできないような笑顔でそれに応えている。あれから四半世紀あまりを経た今なら、私も緊張などせずに騎手に話しかけられるだろうか。

―――いやあ、無理だなぁ。ともあれ、あんなハプニングに遭遇できるなら、たまには新幹線を使ってみるのも悪くないような気がする。

 

***** 2018/06/12 *****

 

 

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2018年6月11日 (月)

上半期最後の東京

昨日付でも書いた通り、昨日は雨にもかかわらず東京競馬場へ出掛けた。来週は北海道なので、これが私にとって上半期最後の東京の平地重賞となる。となれば、おそらく私が次にここに来るのは毎日王冠であろう。

Rain 

昼過ぎに本降りとなった雨は強さを増す一方。10レースからついに「重」にまで馬場が悪化した。梅雨の季節に行われるエプソムカップは、もともと雨の影響を受けやすい。1999~00年連覇のアメリカンボスも、2003~04年連覇のマイネルアムンゼンも、どちらも道悪を苦にしないタイプだった。さに07年の優勝馬エイシンデピュティは重馬場で行われた宝塚記念を制しているし、15年の勝ち馬エイシンヒカリは極悪馬場のイスパーン賞を大差で逃げ切っている。馬券的には切れる脚よりもパワータイプの馬を探したい。

「ならばディープインパクト産駒は消しだな」

あとから振り返ればこの時点で致命的な間違いを犯していたわけだが、このときは一気に5頭も消せてラッキーとしか思ってなかったから能天気なもの。よりによってメンバー中もっとも道悪が苦手だろうと踏んだサトノアーサーが勝ってしまった瞬間は、ショックのあまり声が出なかった。

Epsom 

単勝1.4倍の支持を集めながら重馬場に泣いたきさらぎ賞の印象が強過ぎたのかもしれない。実際にこのひもノメってはいたから、道悪がプラスでないことは間違いなさそうだが、それでもハクサンルドルフ以下の追撃を凌いでみせたのは、ひとえに能力の高さの為せる業であろう。素晴らしい。素晴らしいのだが、私の馬券は全滅である。この日は1レースからべっとり馬券を買い続けてここまで的中ゼロ。東京競馬上半期の個人的最終日は散々だった。もう帰ろう。

ところが帰る途中にここが気になってしまった。

Kanban 

実は岩手ダービーに縁のある馬が出る。その名もシモキタタロウ。父フリオーソ、母はかつての船橋のアイドル・ホワイトハートである。勝ち目は薄いが応援馬券くらい勝ってあげたい。えーと、たしか1枠①番だったよな。

ところが、券売機から出てきた馬券には、知らない馬名が印字されていた。ヤコウレッシャ?

なんとダービーは11レースではなく12レースなんですね。しかも発走は18時10分と遅いから、ここで中継を観ることができない。ともあれ、あらためて12レースの1枠①番を購入して帰宅。んで、結果から言えば11レースのヤコウレッシャの方が的中してしまった。

Baken 

問題は払い戻しである。今日は上半期最後の東京のつもりだったけど、こうなりゃ最終週にまた行くしかあるまい。電車賃300円と入場料200円を払って、360円の払戻金を受けに行くのは、どこか間違っている気がするが、林騎手のラストジャンプを見届けるのも悪くはなさそうだ。

 

***** 2018/06/11 *****

 

 

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2018年6月10日 (日)

ロッシェノワールの16

エプソムカップ当日の東京芝1800mの新馬戦といえば、3年前にメジャーエンブレムがデビュー戦を勝ち上がった舞台。その再現を狙ったのか、田村康仁厩舎がこの時期の新馬戦にしては珍しい2頭出しで勝負をかけてきた。しかし勝ったのは、厩舎ではなく勝負服がメジャーエンブレムと同じアガラス。スタートからスッと好位につけて折り合うと、軽く仕掛けられただけで2馬身半も突き放してみせたのだから強い。

Agaras1 

今年度の1歳馬募集を開始したばかりのクラブ側にしてみれば、これ以上の宣伝はなかろう。折しも今日は牧場見学ツアーの真っ最中。ちょうど今ごろはノーザンホースパークでのランチタイムで、会場にはグリーンチャンネルの中継映像が映されているはずだ。佐藤水産のお弁当などそっちのけでアガラスに歓声を送ったたに違いない。ちなみに今年度のサンデーの募集馬にもブラックタイド産駒が1頭名を連ねている。購入を悩んでいる方の背中を押したかもしれない。

ツアーといえば、私も昨年のツアーでこのアガラスをチェックしている。忘れもせぬ「ロッシェノワールの16」。展示場所がバスの近くで、馬を見るのに疲れた私が早めにバスに戻ろうとしたら、その立派な馬体が目に留まった。引き手さんに歩かせてもらった覚えもある。ドリームビジョンの系統はまずクズ馬を出さない。豊富な骨量は父ブラックタイド譲りであろう。うーむ、イイなぁ。買っちゃおうかなぁ……。

でも、買わなかった。理由は「この程度のきっかけで買ってたらキリがないよな」と考えてしまったから。我ながらダメですねぇ。自分の目より理屈を優先しているようでは、いつまでたっても当たりは引けない。あれからわずか1年も経たずして、ロッシェノワールの16は早くも勝利を挙げ、来春のクラシックを期待させる一頭にまで成長しているではないか。

Agaras2 

ゴール入線直後、人ごみの中に見知ったサンデーの会員さんを見つけた。スーツにネクタイという格好で、スタンド西端を目指して走っている。瞬時にすべてを察した私は、彼を呼び止め、黙って右手を差し出した。

祝意だけではない。この一頭を選んだその相馬眼の確かさと、選んだ一頭をしっかり買い切る信念に敬意を表したのである。今年は買わないつもりの私だが、その予定を覆す一頭が現れてくれないものだろうか。

 

***** 2018/06/10 *****

 

 

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2018年6月 9日 (土)

タクシードライバー

深夜2時過ぎ、東京駅丸の内口からタクシーに乗る。別に、新幹線のトラブルで深夜に東京駅に到着したとかいうワケではなく、ただ単純にこの時間までこの辺をウロウロしていただけのハナシ。後部座席に乗り込み、行き先を告げてふと見れば、助手席には紛れもない競馬専門紙「日刊競馬」が置かれていた。

私はタクシーの運転手さんと積極的に会話するタチではない。深夜2時過ぎにタクシーに乗る客の多くがするように、私も後部座席に深くもたれて眠ってしまおうと思った。5分や10分で到着する距離ではない。

しかし、どうしても気になる馬がいたので、「すみませんが、その日刊競馬を見せてもらえませんか?」と話しかけたところで、車内の沈黙は破られた。そこから競馬談義に花が咲き誇るまでにさほどの時間はかからない。運転手さんは、逃げ馬を狙って穴を取るのが得意で、皐月賞でもジェネラーレウーノを軸にして3連単(3720倍)を的中させたのだそうである。凄いですね。

「やはり逃げる馬がいちばん有利ですよ。自分のペースで行けるし、不利を受けることもないし、何より最短距離を走れる。これが一番かな。内側の柵に沿って走るのと、そこから3~4頭分外を走るのでは、単純に走る距離だけで30mくらい違ってくる。30mといえば10馬身以上になります。ハナとかアタマの差で明暗が分かれる世界で30mと言えば致命的な差です」

こんな話を伺いながらタクシーは246号線を西へと進む。かくいう私にしても、競馬では逃げるのが最善手という考えの持ち主であるから、運転手さんの意見に特に反対する理由は見あたらない。2時半を回っているというのに、三軒茶屋界隈で渋滞に遭遇して少し驚く。

ところで、こちらの運転手さんはオリヴィエ・ペリエ騎手を乗せたことがあるらしい。上野駅から東京競馬場前までだったというから、美浦の藤澤和雄厩舎の馬に乗っていた頃であろう。

「乗ってこられた時はびっくりしましたが、それよりも日本語が上手なことに驚きました。都内の道も良くご存じでした」

Perie 

残念ながら、日本人の騎手を乗せたことはまだないらしいが、運転手仲間には日本人騎手を乗せたという人がいて、そんな人たちからいろいろ話も聞くことがあるのだという。その話をここで披露すると、「また騎手の悪口書いてんのか!」なんてクレームが届いてしまいそうなので控えるが、タクシーを馬だと勘違いしている騎手もいるようですね。タクシー運転手という職業も楽ではない。

 

***** 2018/06/09 *****

 

 

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2018年6月 8日 (金)

フランス向けの配合とは

写真は2015年エプソムカップのゴール前。

Epsom 

逃げ切ったエイシンヒカリもクビ差に詰め寄った2着サトノアラジンも、レース前は重賞未勝利。一介のオープン馬に過ぎなかった。それがどちらもGⅠホースにまで上り詰めることになるのだから凄い。そして2頭にはもうひとつ共通点がある。それはどちらもディープインパクト産駒で母の父はストームキャットという点だ。

大種牡馬ストームキャットを父に持つ名馬といえば、GⅠ6勝のジャイアンツコーズウェイを筆頭に、タバスコキャット、キャットシーフ、ネブラスカトルネード、ヘネシーと、とてもここに書き切れるものではないが、日本で走った産駒としてはGⅠ2着9回の記録を持つシーキングザダイヤが目立つ程度。正直日本ではあまり成功しなかったと言っていい。

だが「母の父」となる時代となって、突然日本でもその血が輝き始めた。しかも、前述の2頭に留まらずキズナやアユサン、リアルスティールと活躍馬が続出したことにより、もはやディープインパクトとのメジャーなニックスとしてファンにも認知されている。

しかし、10年ほど前まで種付け料が50万ドル(当時のレートで6000万円)という破格のストームキャットを付けられて産まれた牝馬とディープインパクトの組み合わせは、現時点で考え得るベストの組み合わせ。今年のディープインパクトの種付け料は4000万円だから、2世代合計の種付け料は1億円にも及ぶ。もはやこれ以上はない。それなら成功例が多いのは当然という見方もできる。

そんなことを考えていたら、サトノアレスのフランス遠征のニュースを耳にした。この夏のジャック・ル・マロワ賞を目指すという。

フランスといえば、彼の国のダービーをディープインパクト産駒が制したばかりだが、過去に仏重賞を勝った4頭のディープインパクト産駒は、いずれもストームキャット、もしくはストームキャット直子を母の父に持つことをご存知だろうか。ディープ×ストームキャットのニックスは、フランスで特にその実力を発揮するのかもしれない。

ビューティーパーラー(2012年仏1000ギニー)
母の父ジャイアンツコーズウェイ(父ストームキャット)

キズナ(2013年ニエル賞)
母の父ストームキャット

エイシンヒカリ(2016年イスパーン賞)
母の父ストームキャット

スタディオブマン(2018年仏ダービー)
母の父ストームキャット

その上で、サトノアレスの血統をあらためて見てみる。父はもちろんディープインパクト。しかし残念ながら母の父はデインヒルだ。これがストームキャットならジャック・ル・マロワ賞も勝ちそうな気がするのに……。

しかし諦めずに五代血統表をじぃっと眺めているうちに、あることに気付いた。サトノアレスの3代母「Crimson Saint」に、どうも見覚えがある。

もしや―――?

そう思って調べてみると、やはりそうだった。クリムゾンセイントは、大種牡馬ストームキャットの2代母ではないか!

Satono 

俄然、サトノアレスがジャック・ル・マロワ賞を勝ちそうな予感がしてきた。JRAによる馬券発売はあるのだろうか。無いとは言わせないぞ。

 

***** 2018/06/08 *****

 

 

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2018年6月 7日 (木)

新装・オフト後楽園

スポーツ新聞の北海道スプリントカップの予想記事を読んでいて、「おっ!」と思った。

二人しかいない予想者が揃ってニシケンモノノフに◎を打っている。昨年のJBCスプリントの覇者は、GⅢのここなら明らかに格上。だが、そのぶん59キロを背負わされている。同枠のスノードラゴンも同様だ。

Jbc 

北海道スプリントカップは、創設以来のべ9頭が59キロで出走しているが、その成績は(0,2,2,5)。勝ち馬はいない。2度の2着はいずれもノボトゥルーが記録したものだが、さきたま杯やかきつばた記念を59キロで勝っていたノボトゥルーには斤量実実績があった。翻ってニシケンモノノフは今回が初めての59キロ。58キロでも勝ったことがないとなれば、これは危ない人気馬と言わざるを得ない。

へっへっへっ、こりゃあ美味しいゾ。

そう思ったは良いが、あいにく今宵は大井に行く予定がない。とはいえ、目の前に美味しい穴馬券が転がっているのに、指をくわえて眺めているわけにもいかぬ。さあ、どうやって馬券を仕入れようか―――。

Offt1 

なんて考えながら歩いていると、気付いたら水道橋に立っていた。まあ、いくぶんワザとらしい展開ではあるが(笑)、ついでに新装「オフト後楽園」の様子を覗いてこよう。

Offt2 

入口はウインズ後楽園と共通。黄色いビルA館に入ったら、例の「長いエスカレーター」に乗る。降りたところが6階オフトフロア。新しくてきれいなのは、開業からわずか4日目だから当然。1階当時の「そこはかとないホコリっぽさ」も感じないが、しゃがみ込む姿が多い光景は以前と変わらない。

Offt3 

とはいえ、壁際の一部には椅子も用意されてた。7月2日開業予定の7階「ラウンジセブン」がオープンすれば、この辺の景色はまた変わってくるかもしれない。

Offt5 

馬券を仕入れて外へ。念のため先週までオフトがあったところを覗いてみると、完全にシャッターが閉まっていた。灰色のオヤジどもで溢れかえっていたこの周辺も、いまはひっそり静まり返っている。

Offt6 

先週は「満席」だった外堀通り沿いの階段も、今日はお客さんがひとりいるだけ。これがオフト移転の効果だとすれば、喜んでいる人もいるに違いない。だが、かつての一大娯楽施設としての後楽園を知る人間からすれば、この静寂感にはそこはかとない侘しさを覚える。

Baken 

北海道スプリントカップの結果。

1着 ③テーオーヘリオス 1分12秒9
2着 ⑤ラブバレット
3着 ⑩スノードラゴン
4着 ⑨ニシケンモノノフ

GⅠ馬とはいえ、やはり59キロは厳しい。これで59キロ馬の成績は(0,2,3,6)となった。おかげでめでたく馬券は的中。だが、金額配分に失敗して大儲けには至らず。というか、終わってみれば1番人気→3番人気ですか。みんな見る目あるなぁ。

 

***** 2018/06/07 *****

 

 

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2018年6月 6日 (水)

雨のダービー

よりによって梅雨入りの発表があったその夜がダービーとはツイてない。もちろん大井競馬場も朝から雨。しかも気温18度という肌寒さ。客足への影響が気になる。

最近の南関東の重賞は雨に祟られ過ぎではないか。先週のさきたま杯は雨。先々週の大井記念も雨。東京プリンセス賞も記録上は「曇」だが、しっかりと細かい雨が降っていた。かしわ記念もブリリアントカップも雨だったし、桜花賞に至っては雪である。雨具の出番ばかりが増えて仕方ない。

「雨のダービー」は2001年以来とのこと。2001年のダービーを勝ったのは、あのトーシンブリザードだった。ならば今年も佐藤賢二調教師のハセノパイロを買えばよいのか―――。この期に及んでなお心は千々に乱れる。

2001 

日本ダービーはダメでも、東京ダービーは当てたい。毎年そう思う。昨年の4月21日、クロスケが勝って始まった2歳新馬戦から、ずっとこの世代を見守ってきたという自負があればこそ。そのクロスケにしても、途中で脱落することなく、この舞台にまで駒を進めてきたから偉い。いやクロスケだけではない。2歳から3歳の主要レースの優勝馬がほぼ脱落することなく顔を揃えた。これを当てないと、この1年間いったい何を見てきたのか?と笑われかねない。

スタート直後にひと悶着あった。クリスタルシルバーが内ラチに切れ込んだため、行き場を無くしたスプリングマン、ヤマノファイト、リコーワルサーらがこぞって急ブレーキをかける羽目に。加速中の出来事だけにこれは痛い。早くもこの時点でこの3頭の勝ち目は消えた。ダービーは過酷と言えばそれまでだが、1年間競馬を見てきても、さすがにここまでは予想できない。

さらに、4コーナーを回ったところで、3番手を進んでいたクリスタルシルバーの進路がぽっかり一頭分空いた。これも予測不可能なファクターであろう。そこを見逃す的場文男ではない。一気に抜け出して先頭。「的場さん、やったか!」の声が飛ぶ。だが、外からジワリと詰め寄るのはスタート後のアクシデントとは無縁だった外枠ハセノパイロ。クリスタルシルバーも執念で差し返すが、最後はハセノパイロの矢野騎手の左手が挙がった。

Derby 

高崎競馬場の廃止に伴い大井に移籍して13年。矢野貴之騎手がついに栄光を掴んだ。個人的には「ドテチンスターの矢野」だったのが、これからは「ダービージョッキーの矢野」である。昨年は1番人気で敗れていただけに、なおさら感慨深い。「こんな嬉しい雨もあるんですね」という彼の言葉に、「2018年雨の東京ダービー」の印象がより深まった。

一方、クビ差で敗れた的場騎手は、ついに10度目のダービー2着を記録してしまった。6番人気を思えば立派なもの。しかし、ダービーは勝たなければやはり意味がない。ご本人の心境いかばかりか。しかしながら、私個人の心境を書けば「今年は勝たなくてよかった」である。やはりスタート直後の一件が頭から離れない。勝っていればきっと議論になった。レース直後に祝福もそっちのけで「アウトか? セーフか?」なとと皆がやり合うようなダービーはごめんだ。

勝負服のこともある。的場さんは騎手服ではなく、馬主服でレースに臨んでいた。レース中、スタンドから「的場はどこだ?」という声が聞こえたのは一度や二度ではない。これもあくまで個人的な思いだが、メモリアルの瞬間は、やはり見慣れた「赤、白星散らし」であって欲しい。馬主服の導入にことさら反対する立場ではないが、我々の頭の中には、この服色が完全に刷り込まれているのである。きたるべき7152勝の瞬間は大丈夫だろうか。カウントダウンは既に始まっている。

 

***** 2018/06/06 *****

 

 

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2018年6月 5日 (火)

ダービー前夜

ダービーTシャツを着て浮かれた「うまたせ」が出迎えてくれる大井競馬場。

Umatase 

的場文男騎手による通算最多勝利記録の更新まではあと12勝。1日の騎乗数は8鞍までと決まっているから、今日達成されることはない。むろんダービーは明日。そのせいか、思いのほか場内はひっそりとしている。

『つるまるうどん』の季節限定メニューが夏バージョンに変わった。「カレーぶっかけ」は、冷たいうどんに甘く煮た牛肉と刻んだオクラを載せて、冷たいカレーダシがたっぷりぶっかけられている。カレーは意外に辛いから、牛肉を上手に舌休めに使おう。冷たいカレーは難しいはずなのだが、これは美味い。この先しばらくお世話になりそうだ。

Udon 

今日の個人的な注目は、明日のダービーに出走するクリスタルシルバーの前売りオッズ。的場さんが乗ることなって、果たしてどれくらい売れるものかと思っていたのだが、26.2倍という微妙なところだった。羽田盃で先着を許しているクロスケが60倍だから、ある程度の効果はあるのだろうけど、フィーバーになっている感はない。まあ、現時点の1番人気がリコーワルサーだから、全体票数からしてさほど多くはないのであろう。明日になれば大きく変わりそうだ。

的場さんのダービー騎乗馬については、あれやこれや噂ばかりが先行。周囲もそれを気にし過ぎて、動きづらくなってしまった感がある。

通算37回目、しかも1992年から27年連続騎乗はそれだけで偉業である。それが実現したのだから、クリスタルシルバーでの参戦が意義深いことは間違いない。だが、実際にはクリスタルシルバー以外の馬の手綱を取る可能性もあった。もはや「勝ち」しか期待されない中で、的場さんは果たしてどのような競馬をするのだろうか。答えは明日分かる。

Metar 

1992年~2017年の26年間の連続騎乗の中で、1番人気に推されたのは実は1回しかない。馬券は馬券。応援は応援。大井のファンはしっかりしている。しかし、それでいながら6回もの2着は凄くないか。3年前は6番人気のパーティメーカーを2着に持ってきた。クリスタルシルバーも現在のところ6番人気。今日はマトメーターの数字に変動がなかったが、明日、誰もがまさかと思うところで数字を減らすシーンを期待したい。

 

***** 2018/06/05 *****

 

 

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2018年6月 4日 (月)

ディープ産駒が仏ダービー制覇

「ジョッケクルブ賞」こと仏ダービーは日本時間の昨夜遅くシャンティイ競馬場の芝2100mで行われ、パスキエ騎手が騎乗した愛国産のディープインパクト産駒・スタディオブマンが優勝。前日の英国ダービーでサクソンウォリアーが敗れたショックを払拭すると同時に、種牡馬ディープインパクトはワグネリアンに続く日仏ダービー制覇の快挙を達成した。

もともと前哨戦のグレフュール賞を勝った時点で既に凄いのである。実はこのレース、1882年の創設でGⅡとはいえレベルは高い。グレフュール賞を勝って仏ダービー馬に輝いた馬をざっとあげれば、ダラカニ、モンジュー、そしてパントレセレブルと、仏国競馬の歴史を彩る名馬たちがずらりと並ぶ。さらに戦前まで遡れば伝説のトウルビヨンの名も登場するから凄い。そこにディープインパクトの子が肩を並べた。

エプソムの2400mでは厳しいだろうが、シャンティイの2100mなら―――。

そう思っていた方も多かろう。ディープインパクトが中長距離よりはマイル~2000mに適正のある種牡馬だということは、日本では常識になりつつある。おそらく8~10ハロンに限れば世界ナンバーワン種牡馬に違いない。サクソンウオリアーが、2000ギニーで負かした相手に、エプソムダービーでは逆転を許したことは、分かりやすい事実である。これまでの欧州におけるディープインパクト産駒のGⅠ成績を紐解いても、8~10ハロンでは、

ビューティーパーラー(2012年・仏1000ギニー)
エイシンヒカリ(2016年・イスパーン賞)
サクソンウォリアー(2018年・英2000ギニー)

Hikari 

―――と、3頭も優勝馬を出しているのに対し、11ハロン以上となると、キズナの凱旋門賞4着が最高。日本ダービーの優勝馬を4頭も輩出した実績からすれば、こなせないはずはないのだが、大地に根付いたナチュラルグラスがみっちり生え揃った欧州の芝コースは、日本とは違ってパワーを要する。そこにわずかな距離適性の差が現れても不思議ではない。

サクソンウォリアーの次走については、いったん愛ダービーと伝えられたが、今朝になってエクリプスSという選択肢もこれに加わったようだ。後者は10ハロンだが歴戦の古馬が相手。前者は3歳馬同士とはいえ、タフなカラ競馬場の12ハロンが相手となる。陣営がどのような判断を下すか。注目しよう。サクソンウォリアーやスタディオブマンの今後の活躍が、日本馬の欧州遠征プランに大きなヒントを与えてくれるはずだ。

ちなみに今年のエクリプスSは7月7日にサンダウン競馬場行われる。そしてその2日後には苫小牧でセレクトセール。サクソンウォリアーの同行次第では、今年のセールはエラいことが起きるかもしれない。

 

***** 2018/06/04 *****

 

 

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2018年6月 3日 (日)

最高傑作はまだか

競馬の世界で単に「ダービー」と言えば、それは6月の第1土曜日にロンドン南部英国エプソムダウンズ競馬場の1マイル4ハロン6ヤード(2423m)で行われるダービーステークスを指す。今年で239回目を数える「本物の」ダービー。その長い歴史にディープインパクトの名が刻まれるかもしれない―――。

昨夜は夜更かしをしてグリーンチャンネルの生中継にかじりついたという方も多かったのではないか。結果は4着だったが、それでも凄い。日本産馬が英国ダービーに予備登録しただけで、たちまちニュースとなった時代は、それほど昔のことではない。

サクソンウォリアーは愛国のクールモアグループが日本に送り込んだ良血の繁殖牝馬メイビーにディープインパクトを種付けし、ノーザンファームで生まれた。だが、向こうの基準では「生産者」とは、繁殖牝馬の所有者にほかならない。日本産とは言いながら、生産者はあくまでも愛国・クールモアである。だからノーザンファームはサクソンウォリアーに関してオフィシャルな関係は無い。

だからなのか、サクソンウォリアーについて語る吉田勝己氏のコメントは、いまひとつトーンが低いように感じてきた。「複雑ですよ。(クールモアグループに)とんでもない種牡馬ができてしまったのかもしれない」と、むしろ心配事として受け止めているフシさえある。

Di 

昨年まで6年連続でリーディングサイアーの座に輝いたディープインパクトは、今年も首位を独走中。NHKマイルとダービーを勝つなど、中身も濃い。一方で、ディープインパクトもすでに16歳。そろそろ自信の最高傑作となる産駒の登場を期待したい年頃でもある。

歴史に名を残すような種牡馬は、自身のミニチュアではなく、自身を超える後継種牡馬を登場させることで、サイアーラインにその名を刻んできた。それはだいたい13~17歳の前後に誕生するとも言われる。たとえばステイゴールドは14歳のときに自身の最高傑作オルフェーヴルを誕生させた。ディープインパクト自身も父のサンデーサイレンスが16歳のときに生まれている。

実はディープインパクトにはまだ「最高傑作」と呼ばれる牡駒に恵まれていない。もっとも活躍した産駒はGⅠ7勝、JC連覇のジェンティルドンナであろうが、残念ながら牝馬である。牡馬では菊花賞と有馬記念を勝ったサトノダイヤモンドが筆頭格だが、残念ながら「ディープインパクトを超える」という評価は当てはまらない。もしサクソンウォリアーがダービーを勝てば、間違いなく「最高傑作」の称号を得るところだった。吉田勝己氏は胸を撫で下ろしたかもしれない。むろんサクソンウォリアーの巻き返しも十分考えられる。「最高傑作」かどうかの判断が先送りされただけだ。

Di2 

果たしてディープインパクトはこれからどうなっていくのだろうか。

種付け料は今年から前代未聞の4000万円に値上げされたばかり。それでも種付け希望が引きも切らない。サクソンウォリアーで一定の成功を収めたクールモアグループも、この春から新たな繁殖牝馬を送り込んだ。その中には一昨年の欧州年度代表馬マインディングも含まれているという。こうした海外からの動きはさらに加速するに違いない。種付け料の更なる高騰は必至。このあと行われるフランスダービーに出走するディープインパクト産駒・スタディオブマンのレースぶりにも注目だ。

 

***** 2018/06/03 *****

 

 

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2018年6月 2日 (土)

香港馬の持ち時計

陸上競技の100m競走のコースを想像してほしい。スタートラインからフィニッシュテープまで何メートルあるか?

答えはきっちり100m。当たり前だ。だが、これが競馬となると当たり前ではなくなる。たとえば今週の安田記念は1600mで行われる。といってもゲートの扉から決勝線までの距離を測って、ピタリ1600mになることはあり得ない。実際にはそれよりも多少長い。

これはゲートが本来の距離から離れた場所に設置されるため。ゲートから約5mほど先の内ラチ沿いに待機する係員の目の前を通過するタイミングで、係員は手に持った黄色い旗を降る。それが計測開始の合図。つまりその5mは助走区間のようなものだ。この区間のタイムは計測されない。時間にして1秒前後。普段ならほとんど気にも留めないような短い時間だが、これが馬券検討に影を落とすことがある。

安田記念には今年も香港からウエスタンエクスプレスが参戦する。昨年の香港マイルと今春のチャンピオンズマイルをともに2着。香港マイルでは、昨年の安田記念優勝のサトノアラジンに6馬身も先着している。

一方で、安田記念に参戦する香港調教馬にとって必ず不安視されるのが高速決着。過去10年の安田記念を振り返ると1分32秒0以下のタイムで決着したことが6回もある。それを踏まえると、せめて32秒台前半の持ち時計が欲しい。ウエスタンエクスプレスの持ち時計は前々走チェアマンズトロフィー2着時の1分32秒9。香港調教馬にしては速い方だが、果たしてこれで足りるだろうか。

しかし、過去安田記念で快走した香港調教馬は、軒並み東京競馬場で1秒前後も持ち時計を短縮してみせている。2006年の優勝馬ブリッシュラックも、3着のジョイフルウィナーも、05年の3着馬サイレントウィットネスもそのパターン。昨年のビューティーオンリーにしても8着に敗れたとはいえ、1分33秒2の持ち時計を大幅に上回る1分31秒8で乗り切ってみせた。2000年のフェアリーキングプローンも、自己ベストを更新する走りで優勝を果たしている。

Yasuda 

理由はいくつかあるだろうが、もっとも端的なことを言えば、香港競馬ではタイムの計測開始地点がJRAよりゲートに近いことがあげられる。スピードに乗る前から計測を始めれば、1秒程度遅くなっても不思議ではない。多くの香港馬が日本で持ち時計を大きく詰める理由はここにある。

ウエスタンエクスプレスを管理するジョン・サイズ調教師にとって、今回がのべ10頭目の安田記念挑戦。香港リーディングを9回獲得し、安田記念を知り尽くした名伯楽が敢えて送り込む一頭となれば、実は軽くは扱えない。一方、人気を集めるであろうスワーブリチャードの庄野靖志調教師は、安田記念に管理馬を送り込むのはこれが初めて。かすかに波乱の匂いが漂ってきた。

 

***** 2018/06/02 *****

 

 

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2018年6月 1日 (金)

最後の光景

オフト後楽園にやってきた。

Offt 

この場末感満載の光景は今日が見納めになるかもしれない。週明けからは同じ黄色いビルの6、7階へと移転することになっている。最後の光景を目に焼き付けようと、熱心な場外ファンが朝から発券機前に列を為してサヨナラ馬券を購入し、そこかしこから「ありがと~っ!」という絶叫が聞こえてくる……なんてことはなく、普段と変わらぬ灰色のおじさんたちが黙々と馬券を買っている。

Poster 

大井競馬の初めての場外発売施設「オフト(OFFT)」が、この地に開設されたのは1987年6月のこと。当時建設中だった東京ドーム脇のオープンスペースに露天の発売窓口ができたのが始まり。雨が降るとファンは傘をさして並ばなければならない簡素なつくりだったのは、それが一年間限定の「仮説発売所」という位置付けだったから。しかし、なんだかんだで6年間もの長きに渡り馬券を売り続けた。

ところが、東京ドームホテルの建設計画が持ち上がると、発売窓口も移転を迫られる。その移転先として真っ先に候補となったのは、なんと東京ドーム内である。だが、もともと東京ドームは、建設の際の認可条件に馬券売り場は入っておらずこの案は流れた。結果的に移転先となったのは、東京ドームが所有する黄色いビルの1階。すなわちこの場所である。

Sitting 

1階での営業は客が外に溢れがち。フロアには椅子などないから、レースの合間は建物の外の段差という段差が椅子代わりになっている。しかしビルの6階へと移転すれば、段差に座るためにわざわざ降りてくるのも面倒くさい。外に座り込む客は減る可能性がある。それを快く思わぬ人には朗報であろう。

昔、まだ後楽園球場があった当時、仮設のオフトで馬券を買った記憶がある。西本聖が投げて鴻野淳基がライトへホームランを打ち、巨人が勝ったことは覚えているのだが、馬券が当たったかどうかは覚えていない。たぶん外れたのであろう。1階の窓口にはフラリと立ち寄れる気軽さがあった。平成の終わりに、昭和の光景がまたひとつ消える。

 

***** 2018/06/01 *****

 

 

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