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2017年11月 4日 (土)

硫黄島からの手紙

先日、「嵐」の二宮和也さんが出演されたNHKの番組「あさイチ」をなんとなく眺めていたら、どうしようもなく映画「硫黄島からの手紙」を観たくなってTSUTAYAへと走った。

第2次世界大戦時の最も悲劇的な戦いと言われる“硫黄島の戦い”を、日本側の視点から描いた戦争映画。監督は言わずとしれたクリント・イーストウッド。硫黄島で米軍を悩ませた伝説の陸軍指揮官・栗林忠道中将と、彼の部下たちによる死闘を描いた2時間21分である。映画の題材としては地味にも映る硫黄島の戦いを、このスケールの映画に仕立て上げることができたのはイーストウッド監督の手腕であろう。だが、私がこの映画に惹かれるのは、馬にまつわるエピソードがたくさん隠されているからにほかならない。

渡辺謙さん演じる栗林中将は、そもそも陸軍騎兵隊の出身で、のちに陸軍省馬政課長を務められた人物である。映画の中では「緻密かつ勇敢な指揮官」というイメージがクローズアップされているが、私の中の栗林中将と言えば、我が国の馬政の総責任者にして馬事文化の大いなる貢献者というイメージが強い。何よりも馬を愛し、国民に対して馬に対する理解を深めてもらおうと尽力された功績は、もっと広く知られて良いと思う。

この作品には馬にまつわる有名な人物がもうひとり登場する。1932年の第10回ロサンゼルスオリンピック、馬術競技・グランプリ大障害飛越種目の金メダリスト「バロン西」こと西竹一中佐。当時、日本のみならず米国内でも”ロサンゼルスの英雄”と評され、米軍の硫黄島攻略部隊の指揮官が、「君を失うのは世界の損失だ」とひたすら投降を呼びかけたというエピソードを知る人も多かろう。映画の中では伊原剛志さんが好演している。

冒頭のシーンで、ひとりで砂浜を視察する栗林中将のもとに西中佐が馬に乗って現れるのだが、実際には硫黄島には馬は一頭もいなかった。だが、そんなことをいちいち責めるつもりはない。せめて映画の中だけでも硫黄島のバロン西に馬を用意しあげたい―――そんな製作者側の意図であると信じよう。塹壕の中で自決するまで拍車の付いた長靴を履き続けるという設定も然り。バロン西に対するイーストウッド監督の敬意と優しさが感じられる。

それにしても、日本語を解さぬはずのイーストウッド監督が、なぜここまで自然な日本人を描くことができたのか?

劇場で初めてこの映画を観たときは、それが不思議でななかった。「まさにイーストウッドマジック!」―――なんて絶賛したりもしたが、「あさイチ」での二宮さんが語った裏話でタネが分かった。日本人出演者の努力の賜物だったのですね。納得。

(明日付に続く)

 

***** 2017/11/04 *****

 

 

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