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2017年11月 1日 (水)

挑戦の父系

先日、ロゴタイプの引退が発表された。社台スタリオンで種牡馬入りするという。獲得したGⅠタイトルは朝日杯、皐月賞、そして安田記念の3つ。GⅠ3勝は近年では珍しくもないが、2歳チャンピオン決定戦を勝ち、3歳クラシックを手に入れ、そして古馬になってからもGⅠを勝った馬となると実は意外に少ない。それが競走馬の理想とされるにも関わらず、である。そういう意味ではロゴタイプの種牡馬入りは当然と思える。

Logo2 

ロゴタイプを語る際、父のローエングリンを避けて通るわけにはいかない。

Loen 

ローエングリンは2歳秋から8歳秋までに48戦10勝。とことんタフに走り続けた。そのせいか最後は燃え尽きたようにターフを去っている。これは種牡馬として成功しないパターンの典型。だから―――と言っては失礼だが―――それほど期待もしていなかった。ところが早々にロゴタイプが朝日杯を勝ってみせたから凄い。ハナ差でコディーノを競り落としたその勝負強さは、父のローエングリンとは正反対に見える。だが、優れた種牡馬は自身の失敗を息子に繰り返させないもの。その最たる例がステイゴールドであろう。

思えばローエングリンは運にも恵まれなかった。皐月賞は2/7の抽選に外れて除外。代わりに出走したオープン特別を勝ち、賞金を加算して向かった日本ダービーでも、3/4の抽選に漏れてしまう。息子のロゴタイプが、抽選で出走権を得た朝日杯をきっちりと勝ってスターダムにのし上がったのとはエラい違いだ。

ローエングリンの父は1996年のジャパンカップを勝ったシングスピール。

Singspeal 

その父はブリーダーズカップ・ターフの覇者インザウイングス。

Wings 

さらにその父は、欧州の至宝サドラーズウェルズ。

Sdller_2 

ロゴタイプの種牡馬入りは、日本には不向きと言われるサドラーズウェルズの父系が、意外にも日本でも繋がることを意味する。

その特徴をひと言で表すならば「挑戦」の父系だ。芝、ダートを問わず全世界の競馬場で走り続けたシングスピール。その子・ローエングリンは、3歳にして宝塚記念に挑戦して3着と好走したかと思えば、菊花賞にもスプリンターズSにも出走し、適鞍があると思えばフランスや香港にも遠征した。その血を受け継いだロゴタイプも、やはりダートの根岸Sや香港遠征に挑み、ついに種牡馬へのパスポートを掴んだのである。

Logo 

挑戦者の立場に失うものはない。それが馬を強くする。今にして思えば、モーリスを破った昨年の安田記念などは、その真骨頂のようなレースだった。挑戦者の遺伝子を受け継ぐ産駒がターフに戻ってくるその日を、今から楽しみに待ちたい。

 

***** 2017/11/01 *****

 

 

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