« 死闘 | トップページ | 治療馬券 »

2017年10月30日 (月)

敗因

「今日の馬場で内を突くなんて、さすがタケだな」

「それに応えた馬も強ぇよなぁ。普通ならビリだぞ」

「サトノクラウンよりキタサンブラックの方が道悪得意なんじゃねぇか?」

「じゃあ、あの宝塚記念の敗因はなんだったんだよ?」

「分かんねぇよ」

昨日の競馬場からの帰途の車中でのこと。私の前に立つベテランと思しき男性二人組の会話である。ちょうど私も宝塚記念でのキタサンブラックの敗因について、ひとしきり思いをめぐらせていたところだったから、妙に耳に残った。

宝塚記念のキタサンブラックは単勝1.4倍の1番人気。その大本命馬が、あろうことかほとんど見せ場もないまま11頭立ての9着に敗れたのである。武豊騎手は「わからない」と首をひねり、清水調教師は「これ以上走ればどこかを傷めそうだ、ということを馬自身が気付いたのではないか」と推し量った。だがそれではファンは納得できまい。

敢えて敗因を探しても道悪くらいしか見つからなかったわけだが、今回の天皇賞でその可能性もなくなった。宝塚記念は道悪とはいえ稍重。昨日の馬場とは比較にならない。

Goal 

一日が経って、天皇賞の成績を伝えるスポーツ紙を見ながらあらためて思う。1着ブラックタイド、2着Marju、3着ステイゴールド。上位を占めたのは、いずれも切れ味よりはしぶとさや粘りを身上とする種牡馬たち。サイアーランキング独走中のディープインパクトは、7頭もの産駒を送り込みながら、馬券に絡むことすら叶わなかった。

ディープインパクトの産駒が競走年齢に達した2010年以降、芝の重~不良で行われたJRAのGⅠレースは9鞍を数える。その勝ち馬は順にオルフェーヴル、レインボーダリア、エピファネイア、メイショウマンボ、コパノリチャード、ジャスタウェイ、ディアドラ、キセキ、そして昨日のキタサンブラックの9頭。ディープ産駒は1頭も含まれていない。GⅢやGⅡなら絶対能力の差で勝つことはあっても、トップクラスが能力の限界を出し切ってしのぎを削るGⅠの舞台では、わずかな適性の差が結果になって現れる。特に昨日の天皇賞ではそれが顕著だったように思えてならない。

と同時に、キタサンブラックが凱旋門賞に出ていれば……と思った人も多かろう。実は私もその一人。切れ味勝負のディープインパクト産駒で凱旋門賞を狙うのは難しい―――。そんな空気が業界に広まりつつある昨今である。マカヒキやサトノダイヤモンドが跳ね返されてきた「馬場の壁」は、キタサンブラックならきっと打ち破ってくれたのではないか―――と。

Paddock 

だが、馬自身がそれを望むかどうかは、また別の話だ。もともと北島三郎オーナーも、この秋は海外遠征より国内3戦を希望されていた。馬を思い、そして何よりファンを思うオーナーならではの考えであろう。しかしほかならぬ武豊騎手の願いとなれば無碍にもできない。このことではずいぶんと悩まれたと聞く。

だから遠征するしないは、宝塚記念のレース内容で判断しようということになっていた。それを知っていたキタサンブラック自身が、わざと気のない競馬で負けてみせたのではないか。私はそう疑っている。北島オーナーが「これほど馬主孝行な馬はいない」と賛辞を送るキタサンブラックなら、それくらいのことは分かって当然。そう思うがゆえである。

 

***** 2017/10/30 *****

 

 

|

« 死闘 | トップページ | 治療馬券 »

競馬」カテゴリの記事

コメント

サーブルオールさま

コメントありがとうございます。駄文を日々書き列ねておりますが、今後もお付き合いくださいhappy01

投稿: 店主 | 2017年10月31日 (火) 09時35分

いつも拝見させて頂いております。
キタサンブラック
なるほど、それが敗因ならさらに納得いきます。
考えさせられますね 
そんなブラックに今回は天も味方したということなんでしょう。

投稿: サーブルオール | 2017年10月31日 (火) 09時09分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 死闘 | トップページ | 治療馬券 »