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2017年9月30日 (土)

鉄火場とタバコの香り

コンビニでタバコの大量買いを目撃した。なんでも、明日から「マルボロ」「ラーク」「パーラメント」といったフィリップモリス社製タバコの大半が値上げとなるらしい。一方では、最近人気が高まっている「加熱式たばこ」の増税論も浮上。そもそも来るべき東京五輪前に大々的にたばこ税が上がるのではないか?という憶測も飛び交っている。ともあれ愛煙家の方々にしてみれば切実な問題であろう。

前回のタバコ増税は2010年だった。従来の財源確保を狙った増税策と異なり、「健康増進」というお題目を伴っていたのが特徴。国が国民に禁煙を促すという異例の政策である。

JRAの競馬場やウインズで施設内の禁煙化が進んで久しい。一方で、地方競馬場でも分煙化が粛々と進んでいる。

JRAに比べて喫煙率が高い地方競馬では全面的な禁煙は難しいとされてきたが、船橋競馬場でもこの7月21日から、喫煙スポット以外での喫煙が禁止となった。

Tabaco 

そんなことをして大丈夫だろうか―――?

そんな心配は杞憂に過ぎなかったようだ。意外にスンナリ受け入れらたので驚いている。大事な遊びのために、おとなしくお上に従う競馬ファンの姿は実にいじらしい。

「いいか。競馬場で他人からモノを借りることは御法度。タバコの火もダメだ」

かつて、競馬の先輩からこんな言葉を聞かされた覚えがある。

タバコの火を借りるのは、日常生活の点景としてごく普通に見られたが、競馬場というのは日常の対極にある世界である。そこには日常から遠く離れた異質の緊張感が張り詰めていた。あらゆる「借りる」という行為はタブー。ツキをとられるとか、アヤが悪いと感じる人が結構いたのである。食うか食われるかの世界。そこはまさしく「鉄火場」であった。

かつての競馬場やウインズといえば、喫煙率9割にも届くのではないかと思うほど紫煙が満ちていた印象がある。それを思えば、今の競馬場は隔世の感がありあり。ギャンブル施設にまで健康保全策を強いる昨今の風潮には、タバコを吸わぬ私ですら戸惑いを禁じ得ない。

有馬記念を勝ち、また初めて競馬場で「引退式」を行ったことでも知られるメイヂヒカリは、タバコの匂いが好きだったと聞く。鼻前で人がタバコを吸うと喜んで煙の中に首を伸ばしてきたそうだ。もしメイヂヒカリが現代の競馬場に現れたとしたら、タバコの匂いが消えてしまったことにおそらくガッカリするであろう。

 

***** 2017/09/30 *****

 

 

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2017年9月29日 (金)

褒賞金と報奨金

スポーツ報知のサイトに「ジャパンCの褒賞金、今年から1着2億2000万円に変更」という記事が掲載された。指定外国競走の優勝馬がジャパンカップに出走して1着になった場合に交付される褒賞金が、なんと倍増されるのだという。そりゃ凄い。

http://www.hochi.co.jp/horserace/20170929-OHT1T50257.html

Hoshokin 

「JRAは29日、ジャパンCの褒賞金を今年から1着200万ドル(約2億2000万円、従来は100万ドル)に変更すると発表した。この報奨金制度は国内外の一流競走馬の参加を促進する目的で設けられており……」

読んですぐに「あれ?」と思った。「褒賞金」と「報奨金」。記事本文の中に二つの同音異義語が混在している。

褒賞金:功績を褒め称える意味で出される
報奨金:功績に対する努力に報い、さらなる努力を奨励する意味で出される

「褒賞金」と「報奨金」は読み方が同じというだけでなく、その意味するところもかなり近い。最終的にはお金を出す側の気持ち次第という部分もある。ちなみにJRAが交付しているのは「褒賞金」。ゆえに記事にあるような「報奨金制度」というものはJRAには存在しない。

既に廃止されてしまったが、以前はJRA所属馬が外国の競馬の競走に出走して一定の成績を残すと褒賞金が交付される制度があった。

フジヤマケンザンの香港国際カップ制覇に始まる90年代後半の海外遠征ブームは、その褒賞金に支えられていた部分が大きい。タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞の1着賞金は100万フラン(当時のレートで約2400万円)だが、その7倍にも相当する1億6800万円もの褒賞金がJRAから支給されたのである。

褒賞金の支給額はレースの格によってJRAが定めた。同じ時期にモーリス・ド・ゲスト賞(1着賞金約1200万円)を勝ったシーキングザパールには9200万円が支給されたが、ほとんどの日本人が知らなかったこのレースを一躍有名にしたのは、このレースの褒賞金ランクがこの年から増額されたことを知っていた森調教師の知見によるところが大きい。

その趣旨からすれば、海外で顕著な活躍をした馬に交付されるべきは「褒賞金」ではなく「報奨金」であるべきだったような気がする。JOC(日本オリンピック委員会)がメダリストに贈る賞金が、「褒賞金」ではなく「報奨金」であることは意味深長であろう。単なるご褒美ではないのである。

ジャパンカップに参戦する外国馬のレベル低下が叫ばれて久しい。招待活動は既に開始されているはず。だが、凱旋門賞の直前になって、褒賞金の倍増をアピールしなければならないこと自体が、苦戦のほどを物語っている。サトノダイヤモンドが凱旋門賞を勝ち、JCに「凱旋出走」を果たしてくれれば言うこともないのだが……。

 

***** 2017/09/29 *****

 

 

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2017年9月28日 (木)

願うは当選の誉れ

本日正午過ぎ、衆議院は臨時国会の開会直後に解散され、事実上の選挙戦がスタートした。

今後しばらくは一般紙の紙面に競馬絡みの用語が登場するに違いない。立候補を「出馬」と呼ぶのは当たり前。当選が有力視される候補者は「本命」で、本命を脅かす存在は「対抗馬」である。とかく選挙は競馬に喩えられがちだ。

「下馬評」では現職と新人の「一騎打ち」が予想され、「勝ち馬に乗りたい」と願う面々がギリギリまで態度を決めかねる光景は、さながら発売締切直前の馬券売り場のよう。レース終盤の「追い込み」に賭ける野党に対し、与党は「逃げ切り」を図る。開票直後に当確が報じられても、「まだ確定じゃない」と気を引き締めるあたりは、的中した万馬券を片手に確定の赤ランプを待つ心境に違いあるまい。

ただし「出馬」という用語の出自は、厳密には競馬ではない。手元の辞書を紐解けば「(本来は自陣内で指揮すべき大将が)馬に乗って戦場に出ること(幹部が自分から現場に出かける意にも用いられる)」とあり、すなわち軍事用語だった。転じて「立候補すること」に繋がっていく。

なぜ競馬用語と選挙が結びついたのか。

我が国の選挙では永らく中選挙区制が続き、同じ政党から複数候補が立つこともあった。ために、本命・対抗の例えにぴったりの状況も生まれやすかったからではないか、というのが大方の見方である。高度経済成長期の60年代から70年代半ばにかけて、多くの人が競馬を楽しむようになった。政治に対する国民の関心も高い時代。競馬に例えて選挙への関心を一層高める効果もあったのだろう

ちなみに選挙も競馬も本場のお国イギリスでは、単純小選挙区制を採用している。これは一人だけが勝つ制度。僅かな差であっても、2着以下は「敗者」にほかならない。競馬でもひたすら単勝馬券を好む彼らの国民性がここにも表れている。

Tosen 

ちなみに今回の総選挙の投票日は10月22日。菊花賞の当日である。おそらく私も投票を済ませてから菊花賞の投票に臨むことになろう。それでふと思った。もし、候補者の方が菊花賞の馬券を買うとしたらミッキースワローではあるまいか。セントライト記念の勝ちっぷりが鮮烈だったから―――ではない。同馬のお父さんがトーセン(当選)ホマレボシだからである。

 

***** 2017/09/28 *****

 

 

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2017年9月27日 (水)

割れたレース

秋のダート中距離戦線の開幕を告げる日本テレビ盃は、船橋1800mに11頭が集結。だが、そのオッズがとんでもないことになっていた。

単勝5倍を切るオッズが4頭。そのすべてがJRA所属である。それに続く5番人気のオッズは、いきなり80倍だから凄い。人気順はひとつしか違わないが、4番人気アポロケンタッキーと、5番人気キャッスルクラウンとの間には、広くて深い谷が横たわっていた。そして6番人気以降はすべて万馬券。こうなると馬券的妙味もなにもあったものではない。実質4頭立てではないか。

それを裏書きするのがキャッスルクラウン陣営のコメントだ。

「地方馬最先着を狙う」

調教師が「5着狙い」を公言することが許させるのかどうかは別として、同じようにことを考えている陣営は他にもありそうだ。となればJRA4頭が先行し、そこから大きく離れて地方馬7頭が集団を作るという展開が予想される。つまり、4頭立てのレースと、7頭立てのレースが同時に行われる。そう考えればいい。7頭立ての方を勝てば、賞金160万円が手に入る。3頭いる笠松所属馬にとっては、決して少ない額ではあるまい。

レースはスタートからJRA勢が引っ張る展開。向こう正面に入ったあたりから、JRA4頭と地方7頭との差はどんどん広がってゆく。この時点で前と後ろのレースは完全に“割れた”。前は前、後ろは後ろである。

前のレースを制したのはアポロケンタッキー。なんと最低人気(つまり4番人気)である。2着はこれまたブービー人気(つまり3番人気)のサウンドトゥルー。4頭立てとしては大波乱である。しかもコンマ2秒差の接戦。これは見応えがあった。

Ntv 

一方、後ろのレースを勝ったのは1番人気(つまり5番人気)のキャッスルクラウンで賞金160万円獲得。目標はクリアしたのだから陣営とすれば御の字であろう。しかしそこからの着差は、4馬身、大差、3馬身、7馬身、半馬身、そして大差。見ていて面白くない。一頭、また一頭。ポツンポツンとゴール板を通過してゆく様は、さながらかえし馬を見るようだ。

ゴール前で撮影するカメラマンは、全馬が決勝線に到達するまで、移動することはもちろん、立ち上がることも禁止されている。とはいえ普段のレースなら、さして意識する必要はない。ところが今日はエラく待ちましたなぁ(笑)

なにせ、最下位のデュアルスウォードがゴールに到達したのはアポロケンタッキーがゴールしてから13秒後。距離にして200mも離されたことになる。デュアルスウォードの到着をじぃっと待つ間、勝ち馬が戻って来ちゃうんじゃないかと、みんなヒヤヒヤしていた。

デュアルスウォードはこれで13戦連続のシンガリ負け。しかも今回は3連闘だった。つまり、我々はデュアルスウォードのゴール入線を見届けて、やおら立ち上がる動作をここ3週ずっと繰り返していることになる。南関東の連続シンガリ負け記録は果たしていくつなのだろうか。さすがに調べる気にもならない。次は4連闘で大井の準重賞・ムーンライトカップが濃厚。もちろん登録はある。

 

***** 2017/09/27 *****

 

 

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2017年9月26日 (火)

負担重量47キロ

今週末はスプリンターズSに凱旋門賞とビッグレースが相次ぐが、なんでも土曜中山6レースも、注目の一戦として盛り上がっているらしい。

何の変哲もない3歳上500万条件の芝2200m戦である。注目すべき馬はカスタディーヴァ。父・ハイシャパラル、母・ジオペラハウスという血統の3歳牝馬だが、外国産ということ以外に特筆すべき点は見当たらない。前走の函館でようやく未勝利を勝ち上がったばかり。いったい彼女のどこに注目すべきなのか。

Diva 

実はこの馬、白毛である。これまで白毛といえば、ユキチャンやブチコなど、シラユキヒメのファミリーラインが知られていたが、彼女は豪州産の白毛馬。なるほどそれは珍しい。とはいえ、それだけでGⅠに匹敵する注目レースと言えるだろうか。

さらに聞けば、どうやらこのカスタディーヴァに藤田菜七子騎手が騎乗予定だという。「白毛にナナコ」は彼女のファンにとっては垂涎の被写体であろう。となれば、中山に大挙してカメラ小僧が押し掛ける恐れもある。

そんなものわざわざ見たくない!

私は怒った。それを相手は慌てて否定する。注目すべきは白毛ではなく、いわんやナナコでもない。その両者が組み合わさって生まれる負担重量だそうだ。なんでも47キロで出走できるらしい。そんなバカな。このレースは平場中の平場。ハンデ戦のはずがない。

つまりこういうことだ。57キロの基本重量から、まず牝馬なので2キロ減、3歳馬がマイルを超える距離で古馬と対戦する際のアローワンスで3キロ減、さらに南半球産馬に対する特典で2キロ減、最後に見習記号▲の藤田菜七子騎手が乗ればさらに3キロ減、都合10キロが減量されて47キロでの出走が可能となるのである。

現在のJRAのハンデ戦では、オープンが48キロ、条件級では50キロを事実上の下限としている。能力差の均等化をはかるのがハンデ戦の目的だが、それでも人の体重である以上、そのあたりが限界。平場の条件戦で47キロは、たしかに異例であろう。

ただ昔はもっと軽いハンデもあった。JRAの前身「中央競馬」時代に、サラブレッドに挑戦して45キロのハンデをもらったアングロアラブがいる。それが1964年のダイヤモンドSで7着だったリンドウ。騎乗したのは町田精生騎手と記録が残る。勝ったキクノヒカリとの差は1秒8だった。ハンデに助けられたとはいえ、3頭のサラブレッドに先着したのだから大健闘であろう。ちなみに、このレースにはガゼールターフも47キロで出走していた。騎乗した大崎昭一騎手は減量に苦労したに違いない。

藤田菜七子騎手はプロフィールに「45.6キロ」とあるから、47キロでも問題はなさそう。しかし、それを「注目」と言われても、斤量は目に見えるものではない。せいぜい出馬表程度か。斤量差については俗に「1キロ=1馬身」とも言われる。だから10キロなら10馬身かと言われれば、決してそうはならないのが競馬だ。

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【第10回ダイヤモンドステークス】
1964年3月8日 中山10R 芝2600m

①キクノヒカリ(54)  梶   2分48秒3
②ヒロキミ(55)    高松  3/4
③スズトップラン(59) 野平好 1/2
④テンリョウ(50)   古山  1馬身1/4
⑤ガゼールターフ(47) 大崎  1/2
⑥リュウムサシ(52)  伊藤竹 1馬身1/4
⑦リンドウ(45)    町田  7馬身
⑧ダーレム(48)    矢野一 2馬身
⑨クリライト(54.5)  保田  1馬身
⑩ブランドシロー(48) 増沢  クビ
消ナスノニシキ(54)  加賀

決まり手:逃げ切り

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***** 2017/09/26 *****

 

 

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2017年9月25日 (月)

女王への道

GⅡオールカマーが秋の古馬牝馬路線の一角を占めるようになったのは、いったいいつの頃からだろうか。同距離のGⅡとはいえ牡馬との混合戦。しかも本番は2か月も先ではないか。

それでも、2014年にオールカマー2着のラキシスが次走のエリザベス女王杯を制すと、2015年にはマリアライトとヌーヴォレコルトが本番でワンツーフィニッシュを決めてみせた。そして今年、オールカマーを勝ったルールバックの大竹調教師も、「(次走は)エリザベス女王杯です」と高らかに宣言したのである。

Oukan 

昨秋のルージュバックは毎日王冠、天皇賞(秋)、ジャパンカップの王道路線を歩んだ。毎日王冠の勝ちっぷりがあまりに鮮やかだったせいもある。しかし、期待された天皇賞は7着。ジャパンカップも9着に敗れ、悲願のGⅠ制覇はならなかった。「GIを取らせたい」。そう言う大竹師の口調に力がこもるのも無理はない。

デビューから3連勝で牡馬相手のきさらぎ賞を制し、桜花賞の大本命と騒がれたのは1年半前のこと。

桜花賞のあとはオークスではなくダービー。そして秋には凱旋門賞へ―――。

“怪物”と騒がれたあの当時を思えば、「なんとかGⅠタイトルを…」というフレーズが使われることにある種の切なさを感じやしないか。ダービーや天皇賞を期待された天才少女も、いつの間にか5歳の秋を迎えた。彼女に残された競走生活はあと半年間足らずだ。

GⅢとGⅡで(4,1,0,1)は紛れもなく能力の証であろう。なのにGⅠでは(0,1,0,7)。人気以上の着順に来たこともない。

重賞4勝はすべて牡馬相手に挙げたもの。しかし、その高いパフォーマンスが彼女を苦しめた感は否めない。それが昨今の一部有力牧場に見かける“使い分け”。有力牝馬を複数頭抱える陣営は、同じレースでの潰し合いを極力避けたいと思うもの。牡馬相手でも好勝負と思える馬には多少無理してもらいたい。いま思えば、きさらぎ賞から桜花賞に直行という異例のローテーションも、使い分けから生じた苦肉の策だった。

父・マンハッタンカフェとエリザベス女王杯の相性は悪くない。昨年はワンツーフィニッシュ。同距離同コースの京都新聞杯は過去10年で4勝の荒稼ぎぶり。その産駒にはヒルノダムールやグレープブランデーのような晩成タイプが少なくない。母・ジンジャーパンチも5歳時にGⅠを3勝している。

ルージュバックが2000mを超える距離で勝ったのは、5戦目にして今回が初めて。苦手と言われた中山も克服してみせた。彼女自身、ここへ来てひとつふたつと殻を破りつつある。5歳秋を迎え、いよいよ真価を発揮する時が来たのかもしれない。2か月も先のこととはいえ、エリザベス女王杯が今から楽しみだ。

 

***** 2017/09/25 *****

 

 

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2017年9月24日 (日)

2号スタンド改築の先に

先週、オーバルスプリントの浦和競馬場でのこと。

コーヒーでも飲もうと3号スタンド5階に上がったら、特別観覧席のエリアが見慣れぬ白い壁で仕切られていた。

Urawa1 

近づいてみると、

Urawa2 

だそうである。扉が開いて、いきなり顔見知りが出てきたからひっくり返った。これでは落ち着いてコーヒーも飲んでられない。

こんなものが突然出現したのは、この工事のせい。

Urawa3 

2号スタンドの解体工事が始まっているのである。なにせ築半世紀の代物。さすがに老朽化が激しく、ここ数年は入場客も一部のエリアにしか入れなかった。その上階にあった記者室が3号スタンドに移転してきたのである。記者たちも、さぞかし喜んでいるだろうと思ったら、「ゴールが遠い」「工事の足場が邪魔で見えねぇ」と不満タラタラ。これでは特観席を減らされた一般のお客さんも浮かばれまい。

実はもうひとつ、原因がこの工事ではないかと疑いたくなる問題が起きている。スタンドの外でレース実況が全く聞こえなくなった。屋内では聞こえる。だけど一歩外に出ると聞こえない。実況ではなく、場内アナウンスやBGMはかろうじて聞こえるのだが、なぜか1コーナーの奥の方から耳に届き、わずかに遅れて向こう正面の住宅街の方からやまびこのように被さってくるから、内容までは聞き取れない。

あちこちに迷惑をかけているスタンド改修の先に、いった何が待ち受けているのか?

そう、それはJBC。南関東で唯一JBC開催経験を持たぬ浦和だが、2019年のJBC開催に名乗りを上げるべく、早くも動き始めている。

ファンが気になるのは距離であろう。クラシックを2000mで行うのは分かる。また、1200mの距離設定はないから、スプリントは1400mで実施するしかない。

問題はレディスクラシック。過去のJBCでは1500~1800mで行われてきた。このうち浦和で可能なのは1500mと1600mだが、スタートしてすぐに大きく左へカーブする1600mは論外。1500mにしても、わずかとはいえスタート直後にコーナーを迎える。これをJRA側がどう捉えるか。大井の1400mや1600mでさえ「危険」だと指摘して交流重賞の実施を拒否してきた経緯を思えば簡単ではなかろう。こうなったら距離設定のこだわりを捨て、レディスクラシックも1400mで行う選択を迫られるかもしれない。

フルゲート頭数も心配の種だ。1400mは12頭だが、浦和の2000mは11頭。JBCでこの頭数は過去に例がない。JRA所属が6頭出てくれは、地方所属は5頭。これでは「地方競馬の祭典」の看板が泣く。

ただ、2018年のJBCはJRA京都競馬場で行われることが既に決まっている。その時点で「地方競馬」のプライドは捨て去られたのかもしれない。それを思えば距離とかフルゲート頭数など些細なこと。2018年のJBC開催場が京都と聞いた時、なぜ東京ではなく京都?と思ったりもしたが、既にその時点で2019年の浦和を意識していたのなら、関西での開催は自然の成り行きであろう。2019年11月第一週のカレンダーは11/3(日)、4(月・振休)という並び順。仮に4(月)なら昼間開催の浦和の方が開催しやすいというメリットもある。

創設当初のJBCは、本家米国のブリーダーズカップに倣い、崇高な理念を打ち出していた。各競馬場持ち回りを謳いながらも、高いハードルを打ち出し、安易な誘致に釘を刺していたのである。それはひとえに「ダート競馬の最高峰」のステータス低下を避けるため。ただ、そのハードルをクリアできる主催者は大井と盛岡しかない。2場が手を挙げなければJBC開催は行き詰る。いずれ理念を捨てて安請け合いを認めざるを得なくなることは、当初から分かり切っていた。

新たな2号スタンドは2019年7月頃に竣工する。その先にあるのが妥協まみれのJBCではファンも浮かばれまい。理念と持ち回りは両立できる―――。それを高らかに宣言するJBCになって欲しいが、くぐもって聞こえぬ場内実況をほったらかしにしているようでは、それが我々の耳に届いてくることもなかろう。

 

***** 2017/09/24 *****

 

 

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2017年9月23日 (土)

母娘4代マイル重賞制覇へ

一昨日付の本稿「うなぎのぼり」にて、「評判が絶賛鰻上り中!」と紹介した2歳馬・グランドピルエットがデビューを迎えた。

もともとそんなに注目されていたわけではない。先週まで競馬ポータルサイトnetkeibaの「お気に入り馬登録」の人数は20人程度でしかなかった。新種牡馬ロードカナロアの快進撃にも関わらず―――である。

ところが、一週前追い切りで古馬オープンのセンチュリオンを子ども扱いしたことで注目に火が付いた。そのセンチュリオンがラジオ日本賞を完勝すると一気に炎上。今日現在、「お気に入り馬登録」の人数は1633人に膨らんでいる。

Grand1 

そんなこともありグランドピルエット単勝オッズは1.4倍。2番人気のクリッパーが5.5倍。それ以外は10倍を超えている。事実上2頭の一騎打ちであろう。

ところで、今日の私はグランドピルエットの出資会員氏と競馬場に同行している。当然勝ってもらいたい。となれば怖いのはクリッパー。なにせノーザンファームのディープインパクト産駒に戸崎騎手が乗るのである。冷静に考えれば「怖い」程度で済む話ではない。

そんなわけでこんな馬券を購入。

Baken 

これでクリッパーの勝ち目は消えた。スマン、戸崎……。

グランドピルエットは好スタート。スッと好位に控えて折り合っている。そのままレースは淡々と流れて直線に向くと一気に先頭。2番人気のクリッパーが猛然と追い込んでくるが、田辺騎手の表情には余裕がある。きっと私がクリッパーの単勝を持っていることを知っているのであろう。3/4馬身差のリードを保ったまま1着ゴールを果たした。

Grand2 

「先頭に立てるくらいの良いスタートを切れたけど、スッと良い位置に控えることもできる。センスが良い。道中はリラックスして自分のペースで進めていくことができたし、最後も余裕があった。時計は平凡だけど、それはペースが遅かっただけ。これからもっとパワーをつけてくれれば楽しみ」

田辺騎手が若い馬をここまで長々と褒めるのは珍しい。一方で調教師は「モノが違うよ」のひと言だけで評価した。いずれにせよ期待は膨らむ。

母・ザレマは2009年の京王杯オータムハンデの優勝馬。あれから8年。同じ秋の中山マイルでデビュー戦を飾った娘を見て、何か不思議な縁を感じやしないか。

Zarema 

ザレマの母・シェンクはイタリア1000ギニーの勝ち馬で、その母・バックウィグもイタリアのマイルGⅢを勝っている。グランドピルエットに母娘4代マイル重賞制覇の期待を寄せたい。せっかく期待するならGⅠが良かろう。阪神JFか、桜花賞か、あるいはヴィクトリアマイルだろうか。ともあれ彼女の競走人生は始まったばかり。長い目で見守って行きたい。

 

***** 2017/09/23 *****

 

 

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2017年9月22日 (金)

オールカマーいまむかし

今週の中山メインはGⅡオールカマー。一風変わったこのレース名は、かつてこのレースが年に一度の中央・地方交流重賞だったことに端を発する。

―――なんてコトは誰でも知っている常識だと思っていたのだが、私の周囲にそれを知らぬという競馬ファンがいてひっくり返った。

「ロジータがオグリキャップに挑んだり、ジョージモナークがホワイトストーンに勝ったりしただろう」

「オグリキャップは聞いたことがありますけど、ロジータって誰ですか?」

「何ぃ? ロジータを知らぬとはどういうことだ! お前、それでも競馬ファンか!」

「いや、あの……、それっていつ頃の話ですか?」

オグリキャップがオールカマーを勝ったのは忘れようもない。平成元年である。

「えーと、28年前だ」

「ボク、平成5年生まれなんですけど」

「………」

ともあれ、かつて地方の強豪たちが、たった1頭分のジャパンカップ地方代表枠を賭けてしのぎを削った「荒ぶるオールカマー」の時代はとうに過ぎ去った。昨年の勝ち馬はゴールドアクター、一昨年はショウナンパンドラ。昨今ではGⅠホースたちの秋の始動戦といった趣が強い。ところが、今年のオールカマーにGⅠ馬の参戦はゼロ。これまた珍しい。調べてみると、2007年以来だから10年ぶりの出来事である。

2007年のオールカマーを勝ったのはマツリダゴッホ。それで今年の出走馬の中でタンタアレグリアが気になった。同じ国枝調教師の管理馬で、蛯名騎手が手綱を取るのも同じ。春先のAJCCを勝っていることも、あの年のマツリダゴッホに被る。異なる点と言えば、マツリダゴッホが札幌記念からの転戦だったのに対し、タンタアレグリアはAJCC以来8か月ぶりということか。

Ajcc 

実はオールカマーは休養明けの馬が好走するレースである。

昨年のゴールドアクターは、天皇賞(春)以来5か月ぶりの競馬だった。サクラローレルも同じパターンで勝っている。2010年のシンゲンは前年の天皇賞(秋)以来、なんと11か月ぶりのブランクをものともせず優勝してみせた。

Sakura 

しかし、その一方で休み明けを理由に敗れた馬も数知れない。

つまるところ、オールカマーは休養明けの馬がたくさん出てくるレースなのである。開催時期とレース条件を考えれば当然。その中から勝つ馬もいれば、負ける馬もいる。

今から28年前のオールカマーを勝ったオグリキャップは、前年の有馬記念以来9か月ぶりの休み明けだった。もちろん久々を不安視する声がなかったわけではない。しかし、そんな声を嘲笑うかのようなレコード勝ちで穴党を黙らせた。

強い馬は休み明けでも強い―――。

それを散々思い知らされてきたレースなのに、それでも穴党は重箱の隅をつつく。GⅠ馬不在なら荒れても不思議はない。勝負を分けるのは各馬のデキ。オールカマーはパドックの相馬眼が試されるレースでもある。

 

***** 2017/09/22 *****

 

 

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2017年9月21日 (木)

うなぎのぼり

鰻と言えば夏の食い物と思われがちだが、鰻だって夏バテをするから夏場は当然味が落ちる。私の母方の実家は鰻屋だったので、子供の時分は一年中鰻ばかり食わされた。そんな食生活を過ごすうち、漠然と夏の鰻は不味いものだと刷り込まれた気がする。どこの店も繁忙期を迎えて、夏場は良い鰻がなかなか手に入りづらかったことも、理由のひとつかも知れない。

であるから、敢えて夏に鰻を食べる風習は子供心にも不思議で仕方なかった。平賀源内が「土用の丑の鰻」を発案したのは、味の落ちる夏場に売上が激減する鰻業者からの依頼だったとする説は、「冬こそ冷たいビール!」とか「暑い夏だからカレーうどん!!」みたいなセールス手法に近いものを感じるわけだが、それでも今日まで続く習慣だと思えば、あながちバカにもできない。

ところが、養殖技術が格段に向上した昨今では、夏でも冬でも味に大差はないという声も聞く。土用はとうに過ぎ、かと言って秋と言い切るにはまだ躊躇いも残る先週末、大和の老舗『最上川』にて鰻を味わう集いに参加させていただいた。

Mogami 

ところで、我が国の競馬メディアは「鰻上り」という言葉が好きなようである。たいていはデビュー前の2歳馬がトレセンに入厩した直後や、新種牡馬の産駒が続けて勝ち上がったりした時に使われることが多い。

今週土曜の中山でデビュー予定の2歳馬・グランドピルエット も、入厩以来評判が鰻上りの一頭だ。なにせ一週前追い切りで古馬オープンのセンチュリオンをアオってしまった。父は評価急上昇のロードカナロア。母が2009年の京王杯AH勝ち馬・ザレマという母系も評価を押し上げている。だが「鰻上り」の語源を紐解けば、「両手でかわるがわる掴もうとしても、上へ上へと逃げてしまう様」とも。そう聞くと「鰻上り」という言葉には、若干の縁起の悪さも同居する。

Unagi 

ともあれ旬の鰻は何物にも代え難い。身はぷっくりと太り、脂も一段と乗ってくる。その旨さと、爽やかな香りの両方を味わうなら白焼きがいちばんだという。そうおっしゃったのは、誰あろう岡部幸雄元騎手。釣りが趣味の岡部さんは、自ら利根川に船を出して、天然鰻を釣り上げるほどの腕前の持ち主だ。

「コッテリしているのにギトギトしない。言葉にならない美味しさだよ」

Mogami 

岡部さんはロードカナロアのお母さんレディブラッサムで3勝を挙げている。そういう意味ではロードカナロアの、ひいてはグランドピルエット誕生の立役者のひとり。そんな人物の言葉を聞けば、是非とも利根川の鰻も食べてみたくなるものだが、易々と手に入る代物でもない。こうなったら、評価鰻上りのグランドピルエットの単勝にドカンとつぎ込んでみようか。滝さえも上るという鰻のパワーにあやかって、中山の坂をスイスイと駆け上がってほしい。

 

***** 2017/09/21 *****

 

 

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2017年9月20日 (水)

リピーター対決

TVの街ぶらロケで有名な川越にやって来たついでに、気になるうどん店に立ち寄ってみた。

Mise 

『藤店うどん川越店』は、これまたTVのグルメロケで有名な人気うどん店の支店。さいたま市西区にある本店は駅から歩くには遠く、30人待ちの行列も珍しくないが、こちらは川越駅から徒歩10分で12時半時点の行列はゼロだから断然こっちの方が良い。人気ナンバーワンメニューは肉汁うどん。うどんの量は並、中、大の3種類から選ぶことができる。

注文からわずか2分。早くもうどんが運ばれてきた。

Udon1 

人気の秘密は「安い」と「美味い」に「早い」を加えた三拍子が揃っていることであろう。10人以上いるスタッフさんは大半が女性。彼女らがてきぱきと動いて、待ち時間のストレスを感じさせない。うどんは見込み茹でだが、客の回転が早いから、実質的には茹でたてが味わえる。

Udon2 

純白のうどんはガシッと歯ごたえがあるタイプ。のど越しを楽しむというよりは、よく噛んで小麦の風味を味わいたい。つけ汁も濃厚な味わいで、バラ肉とネギがたっぷり入っている。豚の脂が滲み出たつゆの旨いこと。ややもすればくどさを感じかねないところだが、それをネギがサッと抑えてくれる。これぞ武蔵野うどんの真骨頂であろう。

Niku 

客の大半はリピーターのようだ。毎日食べても飽きぬ味がここにある。こういう店に気軽に通える川越の人が、少し羨ましい。

さて、リピーターと言えば、今日は浦和でオーバルスプリントが行われる。

レーザーバレットが勝てばこのレース3連覇。サイタスリーレッドが勝てば戸崎圭太騎手が4連覇を果たすこととなる。昨年までコンビを組んでいた両者が、今年は別の人馬とコンビを組んだことで、珍しい「リピーター対決」が実現した。

しかし人気はサイタスリーレッドが2番人気で、レーザーバレットに至っては5番人気。皆さん、リピーターには興味ないんですね。

Ovalsprint 

しかし勝ったのはサイタスリーレッド。そして2着はレーザーバレット。なんのことはない。リピーター同士の1点で馬券は取れた。簡単じゃないか。

戸崎騎手はこのレース4連覇。敗れたレーザーバレットにしても3年連続連対だから凄い。この両者が来年もオーバルスプリントに出て来ることを期待しよう。来年こそは馬連1点勝負。戸崎騎手がレーザーバレットに乗れば単勝1点勝負だ。

Location 

ところで、競馬場内にTVのロケ隊を見かけた。この後ろ姿はテレ玉のマスコット「テレ玉くん」ですね。そういえば、今日のオーバルスプリントはテレ玉杯の冠レースだった。

 

***** 2017/09/20 *****

 

 

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2017年9月19日 (火)

きじや@すすきの

むかし札幌競馬場最寄の桑園駅に直結するガード下の飲食店街に、「きしめん」の専門店があった。入店を果たす前になくなってしまったのだが、北海道にきしめんなんて珍しいと思ったので印象に残っている。

そんな珍しいきしめん専門店を、昨夜札幌のホテルの近くに発見してしまったのである。その名も『きじや』――――。あれ? このお店、桑園にあったお店と同じ名前じゃないですか? ひょっとして移転してきたのかしらん。

麺は自家製。それゆえか、適度なコシがある。名古屋ではたまり醤油が定番のツユも、こちらは薄めの味付け。札幌の人の好みに合わせているのであろう。ダシの利いたツユ。そこに、ふっくら軟らかなあげが乗ったきしめんは、飲んだあとの胃袋にとても優しい。

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聞けばやはり桑園にあったお店だった。ただ、桑園の前はススキノで営業していたそうなので、そういう意味では「戻ってきた」というのが正しい。札幌では希少なきしめん専門店だけに、今後も長く続けてほしいところだ。

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くろべこ@平取

昨日の話。

台風が近づきつつある札幌を昼前に脱出し、道央道から日高道をひたすら南下。すると奇跡的に雨が止んだではないか。気を良くして富川インターで高速を降り、平取方面へ走ること5分。左手に紅紫色の一軒家レストランが見えてきた。その名も『くろべこ』。地元の「びらとり和牛」を専門としたレストランと精肉直売のお店で、休日の昼時には地元客と観光客が入り混じり、数十分待ちになることも珍しくない。……が、昨日はスンナリ。ま、台風でしたからね。

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最近ではレッツゴードンキ、古くはサイレンススズカ、フラワーパーク、ダイタクヘリオスなど、サラブレッド生産も盛んな平取町だが、黒毛和牛の生産も同じくらいの歴史を誇る。その肉質は高い評価を受けており、札幌のミシュラン掲載店が買い付けにくるほど。そんな貴重なお肉をカジュアルに味わえるのだから、人気を集めるのも仕方ない。

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安さの秘密は「一頭買い」だという。よく聞くやつですね。でも、一頭買いの場合、すべての部位を売り尽くさなければ商売にならない。そこで考案されたメニューが「和牛くろべこスペシャルステーキ」。さまざまな部位がてんこ盛りのステーキセットで、300グラムのボリュームがありながら1680円。オトク感もボリュームも満載だ。

ただ、同行者が注文した「和牛100%荒挽きプレミアムハンバーグ」(1580円)を一口もらうと、これが美味しいのである。ハンバーグの概念が変わったと言えば大袈裟だが、それに近い衝撃を受けた。次回はぜひこちらを注文しよう。

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2017年9月18日 (月)

大喜寿司@澄川

雨が上がりの札幌は昼より暑さが増してきた感がある。あっという間の台風。むろん長居されても困るのだけど、飛行機も飛び始めているらしい。これなら今夜のうちに帰れたなぁ……。

ともあれ札幌にもう一泊することにした。空港の混乱に巻き込まれるのも嫌なんでね。おかげで「全国8位」の朝食をもう一回食べることができる。いや、それだけでなく、こちらのお店にもお邪魔することができるのだからヨシとせねばなるまい。

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先月もお邪魔した札幌澄川の『大喜寿司』。こちらのご主人とはもう20年の付き合いになる。鮨と日本ハムファイターズと、そしてコスモバルクをこよなく愛するまさに好漢そのもの。もちろん鮨が旨いのだが、鮨以外の一品料理も出色の旨さで、鮨が出てくる前のつまみだけで満腹になり、泣く泣く鮨をあきらめることもあるので、そこには注意を払いたい。

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海老好きの方は大将にそう伝えてみよう。ボタン海老+甘海老の“ダブル海老握り”を是非味わっていただきたい。海老の甘味を心ゆくまで堪能できる。ちなみに隣は海老ミソの軍艦。これも美味い。

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かつて私が札幌に来るときはたいてい日帰りだった。つまり札幌競馬である。それでも競馬場を16時半に出てタクシーと地下鉄を乗り継ぎ大喜寿司が開店する17時ジャストに店に着き、椅子に座るなりトンと出された生ビールをひと息で飲み干していた。そこでようやく「あぁ、札幌に来てるんだなぁ」と実感するのである。

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しかし時間との戦いはまだ続く。食べて飲んでを2時間でスパッと切り上げ、またタクシーを飛ばして札幌駅へと戻り、駅構内のチェックイン機で搭乗手続きを済ませてら、20時の快速エアポートに乗れば、羽田行きの最終便に間に合った。ただし、どこか一カ所でもトラブルが発生すると、最終便に乗り遅れるというこれ以上ない悲劇に見舞われるので注意が必要。それを思えば、今夜の延泊は正解であろう。台風に感謝せねばなるまい。ただし明日は早起きだ。

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ランキング8位

札幌は昨夜から雨が降り続いている。今は小康状態。風はそれほどでもない。台風18号の最接近はお昼過ぎになりそう。それにも増して寒い。7時の時点で、気温は14度に届いていない。

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こうなったら慌てても仕方ないので、のんびり朝メシでも食べることにしようか。

すると朝食会場にこんな案内が。

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実はエレベータの中にもでかいポスターが貼ってあるので昨夜から気づいていた。ホテルとしてはイチ押しなのであろう。「全国8位」は普通に考えれば凄い。なにせFIFAランキングならフランスだし、ジャパンサラブレッドランキングなら今日のセントライト記念に出走するアルアインである。だが、しょせんネットの評価。むやみにハードルを上げて大丈夫か。

ネットの評価やランキングほどアテにならぬものはない。ことあるごとに私はそう訴えてきた。私も口コミサイトを見ることはあるが、見るべきは「コンビニまで1分」とか「駅への送迎あり」とか、そういう客観的事実に限られる。従業員の応対、ベッドの固さ、部屋からの眺めは、評価する人の経験・知見に左右されやすい。「朝食」とて同じこと。ネット評価に踊らされて過度な期待を寄せると、裏切られたときの反動も大きい。

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まあ、食べてみた感じは……「普通」(笑) いや、美味しいんですよ。美味しいのだけど、ここより素晴らしい朝食を出すホテルは日本中に数多とありますよ。酢飯にイクラとかカニとかホタテといった好きなネタを載せる「勝手丼」が、トリップアドバイザー世代にウケるのかもしれない。

私が思うに、朝食以外にもこのホテルは良いところがたくさんある。フロントの応対は丁寧で、建物は新しく、入浴剤のサービスもあった。朝食を押すのも良いけど、他の部分を押してもいいんじゃないか。できれば、今日のような天気だと、立体駐車場とホテルの建屋の間に屋根があればもっと嬉しいです。

なんてツラツラ書いているうち、窓の外は雨風が強くなってきた。道路の通行止めが心配。もうちょっと様子を見てから出かけます。

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2017年9月17日 (日)

【種牡馬の秋】ハービンジャー

厩舎の外でネームプレートを見せてくれているのはハービンジャー。

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鳴り物入りで種牡馬入りしてから早くも7年が経過。この春はペルシアンナイトとモズカッチャンが重賞を勝ち、クラシックでも2着と好走したが、産駒によるGⅠタイトルはまだ掴めていない。

実は、社台の輸入種牡馬には「6年の壁」がある。

キャロルハウス(1991-1997)
カーネギー(1997-2002)
ペンタイア(1997-2001,2003)
エリシオ(1998-2003)

GⅠ馬を送り出せない輸入種牡馬は、最長でも6シーズン限りで社台スタリオンを去ってきたのである。むろんファルブラヴのような例外的存在もないわけではない。とはいえ、6年は待ってくれている方。もっと短い種牡馬が大半だったりする。ワークフォースもあれだけ騒がれたのに、昨年限りでアイルランドに渡ってしまった。

ハービンジャーはGⅠタイトルとは無縁のまま7年目のシーズンを終えて、こうして社台スタリオンで過ごしている。これは珍しいケース。決して馬房に余裕があるわけでもない。つまり、それだけの理由があるということか。先週の紫苑Sをディアドラが勝ち、今日のローズでも勝てはしなかったもが3頭出しを果たした。来るべき秋華賞ではハービンジャー産駒に注目であろう。

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【種牡馬の秋】ディープブリランテ

ディープブリランテが放牧から戻ってきた。

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競争の激しい社台スタリオンにあって、ディープブリランテは移籍候補として白羽の矢が立っていたことが何度かあったと聞く。

しかし、一部のスタッフがもうちょっと待ってくれと勝己氏に懇願。その後、産駒・セダブリランテスがラジオNIKKEI賞を勝ち、先日のサマーセールでは「ノルブリンカの2016」が2000万円の値を付けるなど、今ではすっかり人気種牡馬の一頭である。

ディープ直子の種牡馬争いが、今後さらに激しさを増すことは間違いない。その中でいかに存在感を失わずにいられるか。競走生活を終えてなお、「競争」の世界に身を置かねばならない一流牡馬たちには同情の念を禁じ得ない。

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【種牡馬の秋】リーチザクラウン

リーチザクラウンは、今年社台スタリオンでの初めての春を過ごした。社台ファームの繁殖を中心に100頭前後の種付けをこなし、今は来シーズンに向けて英気を養っている。

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なかなかぶっ飛んだ性格の持ち主らしい。自分のボロの匂いに驚いて大暴れすることもあるとか。

そこはやはりスペシャルウィークの子である。思い返せば、お父さんも目の前を他の種牡馬が通るだけで、怪獣のごとく啼きわめいていた。

今日の中山1レースを産駒ニシノオリーブが完勝。リーチザクラウンは産駒数が少ないのに、とにかくしっかり勝ち上がる。今年種付した馬がデビューする3年後が楽しみだ。

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前髪パッツン君

迫りくる台風18号から逃れるように雨の東京を脱出し、苫小牧はノーザンホースパークに来ています。こちらでの最近の私の目当ては、キタアカリのジャガバターではなく、かといってデルタブルースでもなく、ましてやウインドインハーヘアでもありません。

それがコチラ。

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ポニー君たちですね。なんと言うか、ずっと見てられるんですよ。

中にはこんな前髪パッツンのポニー君も(笑)

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アリーナでは「第69回全日本障害馬術大会2017 Part II」の真っ最中。

オリンピック級の人馬が出場するとあって馬術ファン必見の大会なのですが、競馬ファンでも第8競技の4番目に出場するセイウンワンダーは気になるところでしょう。また、24番目にキャリーズサンで出場する華原朋美選手が気になるという人もいるかもしれません。ちなみに私は32番目に出場する吉田勝己選手が気になっています。皆さん頑張って欲しいですね。

今日、明日は短めの投稿が続きます。ご了承ください。

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2017年9月16日 (土)

実力の物指し

今日の中山1Rはダート1200mの2歳未勝利戦。1番人気に推されたディアバビアナは、ここまで5戦して②④②②③と掲示板を外したことがない。

ディアバビアナの獲得賞金額は885万円。2歳オープン野路菊ステークスの人気上位ワグネリアン、ディロス、クリノクーニング、ミッキーマインド、スワーヴポルトスより稼いでいる。そんなディアビアナが、大半が1円も稼いでないメンバー相手に走るのなら馬券に絡んで当然。馬券的な面白味には欠けるが、それがJRAのルールだから仕方ない―――。

競馬ファンの大半はこれが普通だと思っていることだろう。JRAで実力の指標となるのは獲得賞金ではなく、あくまで勝利数だ。

だからJRAしか知らぬファンが地方に行くと面喰うことがある。

一昨日、本欄にも書いたように私は何人かを連れて大井競馬場に来ていた。競馬そのものが初めてという人もいれば、JRAは知っていても地方競馬が初めてという人もいる。そのの一人が、9Rの出馬表を見て「あれ?」と呟いた。

「2勝馬と未勝利馬が一緒に走るんですか?」

9R・ひよどり特別は2歳馬による1200m戦。出走馬11頭のうち、1頭は2勝馬、8頭が1勝馬、そして2頭は未勝利である。JRAで言えば、500万条件戦に1000万条件の馬と未勝利馬が混ざってしまったようなものか。

なぜこんなことが起こるのか。もちろん理由はある。競馬場ごとに馬のレベルの差があり過ぎる地方では、勝利数ではなく獲得賞金を実力の物指しにせざるを得ないのである。

「どう考えても、この2勝馬が勝つでしょう」

JRAしか知らぬその人物は唯一の2勝馬・シグラップアモーレから馬券を購入した。むろん、2頭の未勝利馬など眼中にない。

Reo 

しかし勝ったのは未勝利馬のうちの1頭、レオハイスピードであった。4コーナーでは最後方ながら、直線だけで前を行く1勝馬、2勝馬たちをまとめてゴボウ抜き。その圧倒的な末脚にはむしろ格上感さえ漂う。いや、地方の物指したる「獲得賞金」ではシグラップアモーレより稼いでいるのだから、間違いなく格上なのである。そのシグラップアモーレは5着。「2勝馬有利」を宣言した件の人物には、いい勉強になったと思いたい。

今日の中山1Rに圧倒的人気を背負って出走したディアビアナは2着に敗れた。これが4度目の2着。獲得賞金は1千万円を超えたのに、勝ち星がない。そういう馬もいる。実力の物指しはひとつとは限らないし、絶対でもない。それが競馬を面白くするのであろう。

 

***** 2017/09/16 *****

 

 

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2017年9月15日 (金)

スターターの仕事

陸上男子100mで、東洋大の桐生選手が日本人初の9秒台を叩き出てから一週間。あの夜は街頭で号外も配られる大騒ぎだったが、ようやくフィーバーも収まりつつある。

それまでまったく無名の存在だった桐生選手が、いきなり10秒01の日本歴代2位の記録を叩き出したのは、2013年4月の織田幹雄記念国際陸上大会。なにせ、まだ高校生である。「日本人夢の9秒台」は一気に現実味を帯びた。あれから4年。「長かった」と彼は振り返るが、それは新聞社とて同じことであろう。彼が大会で走るたびに号外の準備をして待っていたはず。わずか10秒足らずの出来事を4年間待ち続けて、ついに訪れた快挙。いろんな人が待ちわびた9秒98だった。

この記念すべきレースのスターターを務めた福岡渉さんへの賛辞も広がりを見せているようだ。「スタートの良し悪しはスターターの責任」とも言われる。追い風参考記録にならないタイミングの見極めも含め、快記録達成にスターターの果たす役割は決して小さくない。

競馬でもスターターの役割が大きいのは同じ。馬と騎手を除けば、レースに直接関与し得る唯一の存在である。

Start 

たとえば16頭立てであれば、16頭全馬が極力公平にスタートを切るようにタイミングを計ってゲートを開けるのがスターターの仕事。書いてしまえば簡単だが、なにせ相手はウマである。全馬がお行儀良く静止していることなど期待できない。1頭くらいはゲート内でチャカチャカと暴れるものだ。

しかし、この1頭の暴れ馬に気を取られていると、他の馬の動向が見えなくなる。ゆえにスターターは、あの小高い台の上から常に全馬の動静を把握しようと努めている。

ゲートに入ってから5秒すると暴れだす馬、特定の騎手だと煩い馬、スタンド前発走が苦手な馬、普段はうるさいのになぜか雨の日はおとなしい馬……等々。馬によって個性は様々。それをスターターは一頭一頭チェックしている。時にはその馬に初めて乗る騎手に癖を伝えることも。それでもスタートのタイミングの合わない馬は出てしまう。

最後の1頭がゲートに収まって、後ろ扉が閉められる。一瞬の静寂。スターターが「今だ!」と判断してレリーズを握った。その瞬間からゲートの前扉が開くまで、実は0秒7もかかる。その間のウマの行動まで読み切るのは至難の業。それでもスターターが扉を開けなければ、競馬は始まらない。スターターの判断力、決断力、集中力の3つの力がフル稼動して、初めて競馬は成立する。

Starter 

そんなスターターがいちばん難しいと考えるレースは新馬戦かと思いきや、意外にも未勝利戦だそうだ。新馬戦で初めての実戦を迎える馬たちは、これから何が起きるか分かっていないのか、ゲートの中では案外のんびりしているらしい。その一方で、未勝利戦はレースの苦しさを知ったばかりなので、ゲートを嫌がる馬も多いのだという。なるほど納得。ならば未勝利戦、特に新馬明け2戦目の馬が集まるようなレースでは、思わぬ出遅れに注意しよう。

 

***** 2017/09/15 *****

 

 

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2017年9月14日 (木)

引率者の試練

大井は開催の4日目。まもなく1レースの発走を迎えるが、スタンドの人影はまばらだ。重賞もない平日ではそれも仕方あるまい。

なぜそんな日に早くから来ているのか。実はちょっとしたイベントごとである。競馬に関係も興味もない人を交えて、大井で馬券勝負を楽しもうという企画。とはいえ大井競馬オフィシャルではない。ともあれ参加者の中でもとりわけ「関係」も「興味」もある私が、たまたま「引率者」兼「馬券アドバイザー」を引き受けることとなった。まあ、そういう意味では忙しい。

パドック周回開始から騎乗命令、本馬場入場、かえし馬、馬券発売締め切り、発走、ゴールというひと通りの流れを説明した上で、新聞の見方、着差、馬体重、枠番と馬番、斤量、騎手とその服色といった基本事項をレクチャーし、ちょっと上級者にはクラス分けとか砂の状態とかクロい話もする。さらにビールはここで買えて、モツ煮はあそこが旨くて、いちおう『松屋』もありますが、牛丼ではなくモツ煮丼というのもこの機会に是非ご賞味ください……、という具合にとにかく休む暇もない。

Nikomidon 

ひと息ついたところで、ようやく自分の馬券を買うわけだが、ここに最大の試練が待ち受けている。知った顔してあれこれレクチャーしている以上、ある程度は当てなければ体面を保てない。だが、私の馬券下手は知る人ぞ知る。馬券に必要不可欠な「運」も持ち合わせてない。ともあれ知識と馬券の巧拙は別物である。むしろ知識が的中を遠ざけることもあろう。だって、10レースのメープルフレイバーなんて成績見たらとても買えませんよ。でも、ここに連れてきた人たちにそんなことを訴えたところで理解してはもらえまい。

Yosou 

結果を書けば今日の馬券は散々だった。セコく当てに行けば穴馬の激走に会い、一発逆転を狙ってフルスイングしても、バットは空を切るばかり。レースが終わってから、なんでこんな馬券買ったんだろ?と思うようなハズレ馬券が、どんどんたまっていく。

良いところを見せようと張り切ってもロクな結果にはならない。武豊騎手を見ていれば分かる。彼はどのレースでも、どんな人気の馬に乗っても、常に自然体を貫いている。余計な力みがない。だから武豊は凄い。

Silkyqueen 

シルキークイーンがハナ差で凌いだシンデレラチャレンジⅣを見終えたのち、大井町の中華料理店でささやかな打ち上げ。驚くことに私を除く参加者全員が、少なくとも1回は馬券を的中させていた。全敗は引率者たる私だけ。それが打ち上げでの話のネタにもなる。これ以上、参加者を楽しませるコンダクターもそうはいまい。彼ら彼女らのうち、一人でもリピーターになってくれれば、この手のイベントとしては御の字であろう。この店の飲食代を、そのまま大井競馬場に請求してやりたいくらいだ。

 

***** 2017/09/14 *****

 

 

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2017年9月13日 (水)

メジロの末裔

今日の東京記念で1番人気の支持を集めたユーロビートは旧メジロ牧場の生産馬。メジロティターン、メジロラモーヌ、メジロマックイーン、メジロパーマー、メジロライアン、メジロドーベル。一時代を築いた名門牧場がその看板を下ろしてから、もう6年になる。

だがそもそもメジロ牧場の創始者である北野豊吉氏の出自は生産者ではない。そうである前に彼はひとりの馬主であった。

競馬が好きで、そして何より馬そのものが好きでたまらなかった氏は、競馬場で勝ち馬の口取りシーンを見て一念発起。懸命に働いていつかは自分の馬を持つと心に誓い、それからは常にもまして人の何倍も働いたという。

本業の建設業で財をなした北野氏は念願叶って馬主となり、所有馬の頭数も右肩上がりに増え続けた。やがて引退後の馬の面倒が大きな課題となると、馬が好きでたまらなかった彼は、洞爺湖の近くに引退馬を養うための牧場を開いてしまう。牧場の名前は自宅のあった東京・目白の地名にちなんだ。つまり、元来「メジロ牧場」とは、引退馬の養老牧場だったのである。

ゆえに豊吉氏は、競走成績の良い馬よりも、成績の悪い馬をことのほか可愛がったと聞く。その気持ちが「苦しくなってから頑張る」タイプの馬を多く育てたのかもしれない。ボトムラインに「メジロ」の名前が連なるユーロビートも、もちろんそんなメジロの血筋が通っている。今日は負けてしまったが、それでも道中14番手から追い込んで4着。最後まで諦めてない。今日の負けを含めても2400m以上で(5、3、1、3)の成績は、さすがメジロの末裔と感心させられやしないか。

だが、人気を裏切った格好の今日のレースを見て、「もう終わったか?」と呟く声も聞こえた。既に8歳。大井の2400m以上で馬券に絡めなかったのは、これが初めてだ。

Beat 

しかし皆が苦しい展開になれば、その雄大な身体に流れるメジロの血が覚醒するはず。ステイヤーの活躍期間は概して長いし、今日は吉原騎手にしては珍しくレースプランに失敗があった。ともあれ見限るのはまだ早い。現役では貴重な存在になりつつあるメジロ牧場産馬の一頭として、これからも南関東の長距離路線を盛り上げて欲しい。

 

***** 2017/09/13 *****

 

 

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2017年9月12日 (火)

馬名は体を表す

今日のゴールドジュニアーで人気を集めたのは4連勝中のクロスケ。2着に敗れはしたが、大外を回ってクビ差なら実力は示した。悲観することはあるまい。写真は新馬を勝ったときのもの。その可愛らしい馬名は輝く青鹿毛の馬体にちなむ。

Kuro 

馬名は、その競走馬に対するイメージを大きく左右する。それを思うと「ディープインパクト」や「オルフェーヴル」という馬名はつくづく素晴らしい。2歳戦が本格化するこの時期、血統でも馬体でもなく、その馬名に感心させられる機会も増える。

最近ではペットにも様々な名前を付けるが、ちょっと前までは犬や猫の名前には「シロ」「ポチ」「ブチ」「トラ」「ミケ」などと、毛色をそのまま使っていた。馬も同じで、昔はよほどの名馬でなければ馬に名を付けることはせず、たいていの馬は「アオ」や「クロ」など毛色で呼ばれていたのである。

平家物語「宇治川の先陣争い」のシーンでは、「池月」と「磨墨」という2頭の名馬が登場する。「磨墨」は墨のごとき黒毛馬であるわけだが、「池月」は人でも馬でも誰彼となく噛みつく凶暴な性格から「生食(いけじき)」の名が付き、のちにそれが「いけづき」へと変わったとされる。当時としては例外的な命名からは、その性格の荒さが相当なものであったことが伺い知れる。

近大競馬の祖国イギリスにおいても、馬名はさほど重要視されていなかったようだ。1797年のダービー馬の名前「Colt by Fidget」からもそれは伺える。すなわち「種牡馬フィジェットを父に持つ3歳牡馬」。馬名欄に残るのはそれだけである。イギリスにおいても、よほどの馬でなければ馬に名前を付けるということはしなかったのであろう。

我が国で馬に名前を付けるようになったのは、幕末に洋式競馬が導入されてから。外国人が競走馬に毛色ではない名前を付けているのを見て、それに倣ったようだ。最初は、漢字とカタカナが入り乱れて、字数にも制約はなかったのだが、時代を経て「2文字以上9文字以下のカタカナ」という大原則に辿り着いた。

かつては、1文字の名前を持つ馬もいた。1934年4月14日の京都でデビューしたアラブの「ヤ」である。おそらく「矢」にちなむ命名であろう。だが、残念ながらその後ヤ号が活躍した形跡はない。

馬名文字数の下限に困る人はあまりいないだろうが、9文字という上限に苦しむケースはよく耳にする。ために古くは「カツラノハイセイコ」、最近では「オウケンブルースリ」や「カルストンライトオ」のように、長音記号「ー」が省略されることが多い。

Ohken 

もちろん実況に支障があるような長い名前は論外だが、長音記号が10文字目にくる場合に限り、例外的に10文字を認めても良いのではないか。馬名が競走馬のイメージを決めるということは、競馬そのもののイメージアップにも繋がるはずである。

 

***** 2017/09/12 *****

 

 

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2017年9月11日 (月)

競馬場からATMは消えるのか

先月29日、政府は「ギャンブル等依存症対策推進関係閣僚会議」を開き、ギャンブル依存症対策の強化案を取りまとめた。これまで大きく報じられているのはパチンコの出球規制だが、もちろん競馬に関係する事案も含まれているので、ここで紹介しておきたい。

競馬に関する対策は主に下記の4つに分類される。

 ①啓発活動
 ②広報制限
 ③入場制限
 ④購入制限

①はギャンブル依存症に関する相談窓口の設置、そして②は過大な広告の自粛が、それぞれ柱となっている。たとえば今年のダービーの広告費は前年比で25%削減したという。そういえば今年は日本ダービーのラッピング電車の話を聞かなかった。ただ、ラッピング電車については、その費用対効果を疑問視する声があったのも事実。TV-CMはじゃんじゃん流され、渋谷駅の大々的なポスターキャンペーンなども例年通り実施していたことを思えば、効果が見えにくい広告を打ち切るための都合の良い理由にされた可能性を私などは疑ってしまう。

③は未成年者のウインズへの入場制限とネット購入制限が2本柱。

前者について民進党は、ウインズだけでなく競馬場へも入れるなと訴えていたが、さすがにそれは無理があるので、これまでも実施されていた「競馬場での馬券購入」と「未成年者のみによる場外馬券売場への入場」の防止策を強化するらしい。ちなみに、JRAでは競馬場における未成年対策要員を612名から672名に増員したそうだ。その割には、先日の小倉でも子供がじゃんじゃんマークカードを発券機に突っ込んでいたけど……。

後者は未成年、およびギャンブル依存症の本人や家族からの申請によりインターネット投票サイトを利用できなくするというもの。まあ、これもアレですな。代理人を立てられたら防ぎようが無い。

④の柱はネット投票における購入限度額の設定可能化と、資金調達制限である。前者は、本人が購入限度額の設定を望む場合に対応可能とするものだが、実現するのが5年先である上、設定するか否かはあくまでも本人次第。効果のほどは眉唾であろう。

我々に直接関係のある方針は、後者の「資金調達制限」くらいではないか。具体的に書けば、競馬場内のATMの撤去、もしくはキャッシング機能の無効化である。

競馬場のATMはファンの利便性を向上する目的で、2001年に始めて中山競馬場に導入された。以後相次いで導入され、現時点で全国11か所に設置されている。(JRA競馬場:5、JRA場外:2、地方競馬場:2、地方場外:2)

Atm 

もとはといえばファンの声で始まったサービスである。それを考えると「撤去」は難しいかもしれない。キャッシング機能の無効化くらいが妥当ではあるまいか。キャッシングは借金である。借りた金でギャンブルをするのは、ギャンブルして借金するのと同じこと。依存症対策の趣旨からすれば真っ先に防がねばなるまい。中には困る人もいるかもしれないけど、パチンコに比べればまだマシと考えよう。3連単やWIN5の廃止などというインパクトに比べれば、さほど痛くもあるまい。

 

***** 2017/09/11 *****

 

 

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2017年9月10日 (日)

千葉のウエスト

中山競馬場の脇を通り過ぎて、今日も千葉の八街方面へ。競馬場も混んだようだが、好天の日曜とあって帰りの高速道路も混んでいる。18時の時点で、京葉道路は花輪を先頭に市原までずーっと渋滞中。いつものこととはいえ、これではいつ東京に着けるのか分かったものではない。

一向に進まぬ高速道路に見切りを付け、貝塚で降りてみた。前から行ってみたい店があったのである。東金街道を千葉方面へ。間もなく左手に『ウエスト』という大きな看板が見えてきた。

Mise 

福岡在住の方には説明の必要はあるまい。九州北部を中心に店舗を広げる老舗のうどんチェーン。やわらかくて滑らかな博多特有のうどんを気軽に食べることができると、博多っ子の人気を集めている。実は先日小倉に行った際に、現地のお店を訪れたかったのだが、残念ながら時間と胃袋の空きが足りなかった。

ところがそれが千葉でも味わえるのである。渋滞に無駄な時間を費やすくらいなら、ゴボ天うどんを食べていた方がずっと良い。せっかくなので丸天も別皿で取ってみた。さあ、いただきます。

Udon 

うどんは期待通り。ふんわり柔らかく、喉越しはツルリと爽快。

アレ?と思ったのはダシである。いや、厳密にはダシが悪いのではない。問題はこの白いネギ。以前、博多で食べた『ウエスト』のうどんは間違いなく青ネギだった。なぜ同じものを使わないのだろうか。アジコとイリコをふんだんに使い「五島灘の塩」で味を調えた―――と謳うこだわりのダシも、この白ネギのせいで安っぽい駅の立ち食いそば屋のように感じられてしまう。

関東の『ウエスト』各店舗では、「うどん」ではなく「そば」をウリにしているようだ。冒頭の店の看板で、「博多うどん」より「生そば」の文字の方が先に書かれているのもその証であろう。関東人の嗜好をリサーチした上での経営判断であろうか。ちなみに、そばを注文すれば3玉まで増量無料らしいが、うどんにそのサービスはない。

そのかわりにメニューには「替え玉」の記載がある。もちろん有料。なんとなく悔しいのでそれを頼むと、こんな器で運ばれてきた。

Kaedama 

「替え玉」と言うからには、麺のみが湯を切った状態で入っているのだろうと思ったのだが、この器には控えめながらもダシが張られている。ということは実質的にかけうどんではないか。ここに丸天を載せたら、丸天うどんになるぞ!

で載せてみると……。

Futa 

フタです(笑)

でも結果的にこっちの方が美味かった。白ネギが入ってないですからね。

店内のメニュー表示もそばが中心で、うどんは裏面に追いやられている。関東の『ウエスト』は蕎麦屋さんであった。そんな事情があの白いネギを使わせているのかもしれない。いずれにせよ、うどん好きにとっては肩身の狭い話。果たしてあれで「博多うどん」を名乗れるのだろうか。客にそんな心配をさせないで欲しい。

 

***** 2017/09/10 *****

 

 

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2017年9月 9日 (土)

肴は馬の話があればいい

過日、日本橋界隈の蕎麦店にて「ソロル号・小倉サマージャンプ優勝祝賀会」が開かれた。クラブ主催のオフィシャルな宴席ではない。身近にたまたまソロルの会員さんがいらっしゃったので、祝うフリをして、ちゃっかりたかってやろうという目論見である。

―――なんて言いながら、やはり重賞勝利は凄い。しかも史上11頭目の平地障害重賞制覇である。ソロルの会員氏を除いた3人の参加者にJRA重賞優勝経験者はゼロ。記念のクオカードを頂戴したら、嬉しさと羨望のあまり本気で祝わずにはいられなくなった。

Solor 

クラブ主催ではないとはいえ、メンバーは全員社台・サンデーの会員であるから、勢い話題はクラブライフに流れる。

今年出資した1歳馬、デビューが近い2歳馬、未勝利を脱出した3歳馬、成績不振で転厩した古馬、社台・ノーザン・追分・白老の各牧場の成績、調教師の成績、他クラブの動向、確定申告は忘れないようにしないとね、そういや今年の牧場ツアーは天気が良かったよ、ぜひ来年はみんな一緒に行こう、それにしてもロードカナロア産駒は凄いよね、でもオレ昔ロードホースクラブだったからロードカナロア産駒を買うのは複雑なんだよなぁ……等々。熱い話は止まらない。

馬好きが集まれば、放っておいてもこうなる。そこに高級料理など必要ない。好みの酒があれば、あとは馬の話を肴にいくらでも飲める。なんか「舟唄」みたいだな。

そう思うと、牧場ツアーの夜のあの親睦パーティーって、どうなんでしょうね?

まあ、旅行代理店主催のツアーという形態を取っている以上、ある程度仕方ないのは分かる。ホテルにしてみれば、飲んで食ってもらってナンボでしょうからね。だけど終始慌ただしいツアーの中で、あのパーティーがなければもっと余裕ができるのに……という声は少なくない。17時半にホテル到着、18時にパーティー会場集合というスケジュールでは正直着替えもままらなりませんよ。その一方で、パーティーで思いのほか話んだという思い出も最近は少なくなった。料理も普通。初対面の方とは仕事の話で終わることも。ともあれ500人の会場はデカ過ぎる。

馬の話をするなら4人くらいがちょうど良かろう。仕事の話はNGというルールも守られやすい。

祝勝会もお開きとなり、店を出て歩いていると、ソロルの会員さんが、「最近仕事でストレスまみれだから、今日は楽しかった」とこぼした。店を出たことだし、これくらいならルールの範囲内。実は一緒に歩くもう一人も、仕事で死ぬほどストレスを抱えていることを私は知っている。先に分かれて別の駅に向かった一人も、仕事とプライベートで次から次へとトラブルに襲われていたはずだ。むろん私とて例外ではない。皆、そういう年齢なのである。

そんな4人がまるで子供のように喋りまくるのだから、不思議ではないか。競馬の世界はとことん奥が深い。ソロルは来週の阪神ジャンプSに出走を予定しているとのこと。となれば次の祝勝会は来月あたりか。今から店を探しておこう。

 

***** 2017/09/09 *****

 

 

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2017年9月 8日 (金)

空の旅

先日小倉に足を運んだのは仕事でもなければ、自分の馬を使ったわけでもない。知人の馬すらまったく出ていなかった。つまり純粋な遊びに他ならない。

次から次へと人と会い、時間に追われながら写真を撮る―――。そんな競馬場が、ちょっとばかり嫌になった。それで思ったのである。予定に一切縛られない競馬をたまには楽しんでみたい。任意の一人として飛行機や列車に乗り込み、競馬場の群衆にその身を隠して歓声を挙げる。それが「旅打ち」の本質ではないか。それを私は忘れていた。

なんて、たいそうなことを考えつつ勇んで飛行機に乗り込めば、私の目の前のシートには顔見知りのカメラマンが既にシートベルトを締めて座っており、脇の通路を通って後方のシートに身を埋めたのは、いつも競馬場で顔を合わせる馴染みの馬主である。さらに通路を挟んだ反対側の窓側席に座るのは、美浦の若手調教師ではないか。この時点で会釈や挨拶をすること既に三度。「任意の一人」の目論見は、早くも霧散した。

それにしても、競馬に携わっていると飛行機に乗ることが多い。

少なくとも北海道の往き来が増える。実質的に他の移動手段はないのだから、これは仕方ない。特に競馬開催中の函館便は、さしずめ「競馬専用機」の様相を呈する。日曜夜の函館発は常に満席。空港でキャンセル待ちをする調教師や馬主を見つけてしまった時は、なるべく目を合わさぬよう搭乗ゲートを通過しなければならない。

JRAの場合、出走が決まるのが木曜日なので、前もってチケットを手配することは難しい。ゆえに調教師や馬主は、基本的に予約なしで飛行機に飛び乗るという人がほとんど。とりあえず行きさえ取れれば、帰りはどうにかなる……。そう考える人が多いようだ。「席がなければ“立ち”でも構わないのに」。そういう声まで聞いたことがある。さすがに、ホントに飛行機に立って乗ったという話までは聞いたことがないが、福島からの新幹線でデッキに立つ松山調教師の姿を見たことはある。

Wing 

私事であるが、以前は飛行機に乗る時は通路側席を嗜好していた。トイレが近いのである。だが最近では窓際が良い。トシと共に地形や植生に興味が湧いてきたせいもある。「ああ、絵に描いたような三角洲だなぁ」とか、「あの山だけ自然林が残っているのはどうしてかしらん」などと考えているうちに、小倉なんてあっという間に到着してしまう。こういう景色は空の上からでないと、見ることができない。

旅の本質は目的地の観光ばかりではなく、むしろその道中にこそあったはずなのに、交通手段の合理化に伴い、旅人はその本質たる部分を省略して、目的地における見聞のみを求めるようになってしまった。旅は本質的に変容してしまったのである。その変容の果てに、「道中」は旅にとって必要のない要素に……、いや、ややもすれば「目的地に着くための我慢すべき時間」になってしまった。そういう視点に立てば、実は「変容」ではなく「退行」と呼ぶべきなのかも知れない。

「旅」の本質はその道中にある。それを私は忘れていぬつもりである。

 

***** 2017/09/08 *****

 

 

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2017年9月 7日 (木)

眼を大事に

定期的に眼科で検査を受けなければならない身である。雨だからといってパスすることは許されない。今日も傘を片手に築地へと向かった。

私の右眼の緑内障が判明したのがロンドン五輪の直前だったから、この病気と付き合い始めてかれこれ5年になる。さすがに眼科医通いの生活にも慣れた。なにせ死ぬまで続くのだから慣れぬわけにもいくまい。

正常眼圧緑内障は40歳以上の約5%が発症し、いったん失われた視野は決して戻らないため、早期発見が鍵となる。だが、自覚症状となるとこれがなかなか気づきにくい。私もそうだった。右眼の視野だけがこっそり狭まっていても、左眼がそれをカバーしているから、生活に何ら不具合がない。視力検査で片眼を閉じても、あくまでもポイントは視野の中心部分なので、何事もなく終わってしまう。気づいた時は、視野の半分が暗闇になっている。これは怖い。

だが、いま思い返せば「ああ、あの時のあれは緑内障が原因だったんだな」と思い当たるフシはいくつかある。しかも、どれも競馬場でのことだ。

以前にも書いたことだが、緑内障判明前にはゼッケン番号の視認にやたらと難儀するようになった。まず最初に「6」と「8」の判別が難しくなる。次いで「3」と「8」も同じに見えるようになった。さすがに「3」と「6」の区別はついたが、今度は「5」と「6」の区別ができなくなる。しかもこの両者は帽色まで同じであることが多い。

Race 

こうなると勝負服に頼るほかなくなるのだが、馬券は数字で買うもの。「さあ、5来い!」とか「よっしゃ、6-8!」などと叫ぶことができなくなり、とはいえ「さあ、キャロット来い!」とか「よっしゃ! シマカワ、カネコ!」などと叫ぶのも面倒くさいので、結果おとなしく見ていることが多くなる。だが、それでも「まあ、老眼の走りかな…」程度にしか思っていなかった。

時期を同じくして、何でもない段差や階段で躓くようになる。締切間際に自席から馬券売り場に向かって階段を駆け上がった際、派手に転んだことも一度や二度では済まない。その瞬間は周囲への恥ずかさばかりが先に立って、その場から逃げるようにそそくさと立ち去るのだが、いま思えば足もとが見えていなかったのであろう。その後もたびたび階段で躓くのだが、踏み外したのはことごとく右足であったように思う。

さらにカメラのファインダーの曇りが気になるようになった。おかしいなと思いつつファインダーをゴシゴシ磨いていたのだが、曇りは一向に消える気配がない。なんのことはない、曇っていたのは己の眼の方だった。

40歳を過ぎた方は、すべからく眼科専門医の検査を受けて欲しい。特に、競馬場でゼッケンが見えにくくなったと感じたり、スタンドの階段で躓くことが続いたりしたら、「俺もトシだな」で済ませることなく、ぜひとも緑内障も疑ってみていただきたいと思う。

実は今日の検査が芳しくなかった。それでちょっと凹んでいる。

そろそろ左眼の心配もした方が良いと言われてしまったのである。判定は次回に持ち越されたが、言われてみれば確かに最近になって私の相馬眼もかなり低下したような気がしてならない。昔は、もっと馬が見えたような気がするんですよねぇ(笑) まあ、右眼の進行が止まっていることを、まずはヨシとすべきであろう。

 

***** 2017/09/07 *****

 

 

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2017年9月 6日 (水)

菜七子狂騒曲

小倉の話を続ける。

日曜の朝、羽田から北九州に向かう便は満席であった。だから空港から小倉駅方面に向かうバスも混雑するだろうなとは思ったのだが、まさかの満席札止め。乗りそびれた人はタクシーを使うか、1時間後の次のバスを待つしかない。気の毒である。バス乗り場に立ちすくむ何人かを残してバスは発車した。するとやおら私の前に座るおじさんが競馬エイトを広げたではないか。後ろの座席に座る男性二人組は、藤田菜七子騎手の話で盛り上がっている。

藤田騎手は久しぶりの小倉参戦。しかもメインの小倉2歳Sにも乗る。もし勝つようなことがあれば、JRA史上初の女性騎手による平地重賞初制覇。この一週間、ことあるごとにメディアはそれを煽ってきた。それが功を奏したのか、この日の小倉競馬場の入場者数は18,429人。むろん今年の最多。ちなみに昨年の小倉2歳S当日は11,907人だった。

Padock 

もちろん、すべてがナナコファンというわけではあるまい。しかし、この日最初の騎乗となる新馬戦のパドックでは、出走馬が登場する前から多くのファンが人垣を作った。菜七子騎手が姿を現す。歓声。そして無数のフラッシュ。それに驚いて立ち上がる馬も。なにせまだ2歳。しかも初めての競馬である。落ち着けと言う方が難しい。メインのパドックでも歓声に驚いたジュンドリームが尻もちをつくというハプニングがあった。

Nanako 

そのメイン小倉2歳S。藤田騎手が手綱を取ったフローラルシトラスは、ダッシュよくハナに立ったが、4角手前で外から並ばれるともう抵抗する力は残ってない。結果、勝ち馬から2秒以上も離れたシンガリ負けを喫した。

フローラルシトラスは18頭中6番人気である。だが実際、新聞の予想欄に印はほとんど無かった。私が東京から持参したサンスポ紙上では完全無印。勝ち負けになると思った記者はいなかったことになる。

だが週中の紙面には「菜七子重賞制覇だ!」「JRA女性騎手初の快挙へ!」などと、景気の良い題字が踊った。藤田騎手や調教師の強気なコメントも掲載されている。ならば買ってみようか。いや、いっそのこと小倉競馬場でその瞬間を見てみよう。………この時点でそう決めていたファンもゼロではあるまい。

残念なことに、騎手や調教師はメディアに対して“良い話”しかできないという縛りがある。週中の露出が多いほど、良い話は繰り返されて読者の脳裏に蓄積されるから、それが思わぬ人気を形成することも珍しくはない。

逃げ宣言を報じられた人気馬が実際に逃げている。ならば他のジョッキーたちは早目に潰すしかない。フローラルシトラスの大敗は、周囲が作り出した狂騒の行き着く果てだった。

それでも終われば終わったで敗因を求められる。注目される身は辛い。

「パワーがある方ではないので……」

こう言って藤田騎手は馬場を敗因にあげた。レースタイムが1分9秒1と遅かったことも、頭の隅にあったかもしれない。

日曜の小倉では4鞍の芝1200m戦が行われたが、なんとこの小倉2歳Sがもっとも遅い決着だった。500万で1分8秒3は、決して速くはないが、かといってとりたててパワーを必要とする馬場でもない。開催最終日とすればごく普通。むしろ直視すべきは、2歳の未勝利より遅い決着となったという事実であろう。

今年の小倉2歳Sには2勝馬がいなかった。オープンで2着経験のある馬もゼロ。勝ったのが、3戦目にしてようやく未勝利を勝ち上がったアサクサゲンキだったことも見逃せまい。つまりGⅢとは名ばかりで、単なる500万条件レベルだった可能性も捨てきれぬ。そこでのシンガリ負けである。原因は本当に馬場だけか。だが彼女はそれを口にできぬ立場。それでもメディアはコメントを求める。こうなると、あとは読み手がなんとかするしかない。ファンの側にしても、多かれ少なかれこの狂騒を生み出すのに加担した責任がある。

 

***** 2017/09/06 *****

 

 

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2017年9月 5日 (火)

【小倉うどん巡り②】立ち食い編

昨日の続き。

競馬場近隣の人気のうどん屋さん3軒のハシゴを終えて競馬場に戻ると、ちょうどお昼休みに入るタイミングであった。ならばメシを食わねばなるまい。せっかくだからうどんでも食べよう。

小倉競馬場のうどん屋さんと言えば『立花』。今日3杯目の肉うどんを注文。

Tachibana 

場外で食べた2杯に比べ、いろんな意味で癖がない。普通と言えば普通。とはいえ、こうしたフードコートでは、それこそがキモであろう。オーソドックスな一杯を安く提供できることも大事。客の方にしても、これを知らなければ、何を知っていることにもならない。

帰途の小倉駅でホームの立ち食いうどん店に立ち寄った。その名も『ぷらっとぴっと』。微妙なネーミングにも関わらず、そのスジでは有名な一軒らしい。同じ屋号の店は各ホームで営業しているが、有名なのは7・8番線の一軒。ここのかしわうどんが漫画「クッキングパパ」に紹介され、表紙にも描かれたのだとか。ともあれ、そのかしわうどんを小倉の名残に一杯食べておかねばなるまい。

Pratto1 

麺は茹で置きの温め直しだが、駅の立ち食いならそれも当然。それでも東京に比べればレベルは高い。甘めのダシに甘辛く煮た鶏肉が妙に馴染む。初めて食べたのに、なぜか懐かしい。

Pratto2 

空港に到着するなりディレイの洗礼を受けたのは一昨日書いた通り。時間つぶしにレストランフロアを歩いてみたものの、うどん屋らしき店はない。諦めて手荷物検査へ。出発待合室の椅子に腰をおろし、何気なく背後の売店に目をやったら、なんと「ゴボウ丸天うどん」の文字が飛び込んできた。

Sora1 

『空の丘 ~ Deep Sky ~』という売店の一角にイートインコーナーがあり、そこで丸天うどんが味わえるというのである。さきほど小倉駅で食べたばかりだが、今度こそ正真正銘のラストの一杯であろう。よもや飛行中の機内で丸天うどんが出されることはあるまい。2008年のダービー馬との関係までは分からぬが、「ディープスカイ」の一杯を食べてみよう。

Deep 

うどんは冷凍麺を使用。お湯で解凍し、丼に移して丸天を載せ、透明なダシを注いで、青ネギを散らす。オーソドックスな作り方でオーソドックスな一杯が運ばれてきた。まあ過度な期待はするまい。なにせ土産物屋が片手間で出しているうどんである。

Sora2 

ところがこれが美味い。麺はふわっと柔らかく、丸天の歯応えは絶妙で、昆布の香りたつダシをまとってさらに美味さを増している。まさか、こんなところで―――と書いては失礼だが―――この味を楽しめるとは思わなかった。オーソドックスな一杯が地域のレベルを表すとするならば、小倉は間違いなく我が国屈指のうどん激戦区であろう。小倉の皆さんがちょっと羨ましい。

 

***** 2017/09/05 *****

 

 

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2017年9月 4日 (月)

【小倉うどん巡り①】どきどきうどん編

昨日も書いたから知ってると思うけど、昨日は小倉に足を運んだ。

Padock 

しかし今日のところは競馬の話はおいておこう。なにせ小倉は知る人ぞ知るうどん激戦区。「どきどきうどん」の愛称で小倉っ子に愛される肉うどんは、牛のホホ肉を使うのが特徴だ。戦後の小倉で生まれ、北九州全域で独自の進化を遂げてきた。あの博多華丸さんが最後の晩餐に「どきどきうどん」を選ぶほどだから、その味は折り紙付きであろう。

東京でも数年前からこのうどんを出す店をチラホラ見かけるようになったが、ブームと呼ぶには程遠い。だから本格的に味わいたい人は、こうして小倉まで来る必要がある。まあ、ご当地グルメとは本来そういうものなのだから、朝食もとらずに機中の人となった。

「どきどきうどん」の人気店はなぜか競馬場の周辺に密集しており、しかも早朝から営業しているらしい。朝メシを抜いてきたのはそのせいもある。

まずは競馬場から歩いて5分の『今浪うどん』。朝10時前という時間だというのに、むせ返るような混みっぷりに、正直たじろいだ。入店時は行列の無かった店の外も、食べ終える頃には5人が並ぶ有様。みなさん、朝から肉うどんイケるんですね。

Ima1 

麺は太めで四角のストレート。博多系の“ふわやわ”を想像していると、意外にしっかり歯応えがあって驚かされる。いや、それよりも初めての人が驚くのは真っ黒なダシだろうか。だが、見た目ほどしょっぱくはない。脂と生姜の為せる業。素朴な店の佇まいも手伝って、どこか懐かしさを感じる一杯だ。

Ima2_2 

店を出て徒歩1分。今度は『久野』の暖簾をくぐる。こちらのお店、なんと朝5時から営業しているらしい。

Hisano1

こちらも地元のお客さんでほぼ満席。厨房からお母さんの元気な声が響く。メニューを見る限り、肉うどんは「大」「小」の2種類しかないようなので、注文を取りにきたお姉さんに「肉の小」と伝えたら、奥から「ニクニク(※肉増し)もできるわよー」という大きな声が聞こえてきた。そこまで言われれば頼まぬわけにはいくまい。

Hisano2 

麺はやはり固め。注文時に生姜やネギや脂を入れて良いかと聞かれることも付け加えておく。あと、ちなみに店内には博多華丸さんのサイン色紙が何枚も飾られていた。

Yama1 

続いてのお店はモノレール北方駅近くの『山ちゃん』。こちらも肉うどんが主力メニューだが、ペイシャルアス程度の連闘策ならまだしも、クリスタルバブルスばりの3連闘はさすがに厳しいので、ここはゴボ天うどんをオーダー。ゴボ天はこれから揚げるらしい。ここでも「ネギは入れても良いですか?」と聞かれる。あと、「肉の煮汁を入れても良いですか?」とも聞かれた。ハイ、お願いします。入れられるものは、なんでも入れてください。

Yama2 

ゴボ天はごらんの大きさ。その下に隠れる麺はこれまでの2店よりさらに固いような気がする。啜るときに麺が暴れるほど。こういうことは実際に来てみないと分からない。

Tsukemono 

どのお店にも取り放題の漬物が置いてあるのが嬉しい。キャベツや切干大根や明太子。そのせいかうどんと一緒にご飯を注文するお客さんも多いようだ。私もご飯を注文したかったが、“はしごうどん”を決め込んでいたので、やむなく自重。なにせ、このあともまだまだ食べるつもりですからね。続きは明日付で。

 

***** 2017/09/04 *****

 

 

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2017年9月 3日 (日)

黄昏の出発ロビーにて

西日が差し込む北九州空港のロビーでこのテキストを打っている。海に囲まれたこの空港は夕陽を遮るものがなく、しかも東京より日没が遅いせいか、18時を過ぎてもすこぶる明るい。

はるばる小倉へ来た目的は書く必要もあるまい。ともあれ、本来ならこの時間には帰途の機中にいるはずであった。そのために新潟記念の中継も観ず、小倉2歳ステークスの表彰式さえもパスして、急ぎ空港に向かったのである。

そしたら搭乗予定便が「出発遅延」だというのである。あぁ、また始まったかぁ。

「40分の遅れ」なら、さしずめ1時間コースであろう。ひとつ前の便は定刻に飛び立ったというから、余計に腹が立つ。いつもならカウンター係員に飛び蹴りを食らわせて、チケットを他社便に振り替えさせるところだが、あいにく今日は貯まったマイレージの特典航空券を利用している身であることを思い出した。タダで乗せてもらっていながら、ゴネるわけにもいくまい。命拾いした係員に笑顔で会釈をしてその場を離れ、どうしたものか考えた。

北九州空港で1時間を潰すのは、簡単なことではない。なにせ海上にポツンと浮んだ立地である。街中からは完全に隔離されているから、ちょいとラーメンでも食べに出かけることすらできない。かといって、空港内に食指をそそられそうな飲食店もなく、土産店をひと通り冷やかしてしまえば、まったくやることがなくなってしまう。あとはこうしてブログでも書くしかない。

こうなると分かっていれば、小倉2歳Sの表彰式も見てくれば良かった。プレゼンターは尾上松也さんが務めたはず。その松也さんは、昼休みのイベントでアサクサゲンキに敢然と◎を打っていた。

「なんだなんだ言っても小倉は逃げた方が有利な有利。ゲンキに逃げて欲しい!」

近年の小倉2歳ステークスの勝ち馬は、新馬を買っているか、あるいは新馬で負けても2着までで、2戦目で勝ち上がっているのが条件だった。新馬4着。初勝利までに3戦を要したアサクサゲンキには厳しいデータである。しかも17番枠からのスタート。案の定、逃げることもできない。

だから4角大外からの捲り脚には目を疑った。ゴール前は流す余裕。それで後続に1馬身1/4なのだから凄い。

Genki 

松也さんの言う通りに買っておけば良かった。たしか一昨年の函館記念でプレゼンターを務められた時も、予想を的中させていたはず。松也さんが次にゲストで呼ばれるのは、いったいいつだ? そういやアサクサゲンキにしても、武豊騎手がイイコトヅクシとの2者択一で選んだ一頭だった。二人ともプロフェッショナル。見る目がある。

その武豊騎手は、昼休みに「小倉ターフ賞」の表彰を受けていた。小倉リーディングは幸英明騎手でほぼ確実。重賞も北九州記念を勝っただけでなぜ?……と、そのときは訝しんだのだが、しっかり小倉2歳Sを勝って夏の小倉重賞2勝目。これなら誰も文句はあるまい。尾上松也さんも、武豊騎手も、そして小倉ターフ賞の選考者も、誰もがその慧眼を光らせる一日だった。

……と、ここで、ようやく搭乗開始のアナウンス。時計は18時半を指している。これならホントに40分の遅れで済みそうだ。スタッフの頑張りに感謝しよう。ではこれより念願の機中の人となる。

Airport 

 

***** 2017/09/03 *****

 

 

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2017年9月 2日 (土)

北九州へのいざない

帰省してきたという知人から、お土産で明太子をいただいた。

Mentai 

『平塚明太子』は在りし日の石原裕次郎氏が贔屓にしていたことでも知られるが、その店が北九州市にあるとは知らなかった。ラベルに八幡東区とある。明太子といえば博多―――。そんな勝手なイメージを抱いていたことは否めないが、そんなこととは関係なく『平塚明太子』の明太子はしっかり辛くて美味い。

そして今日の昼メシに同行者が選んだ店は渋谷の『唐そば』。

Tohsoba1 

以前、渋谷のウインズに行く途中に立ち寄ったこともあるのだけど、私は博多ラーメンのお店だとばかり思っていた。ところがコチラのお店、もともとは北九州市八幡西区にあった人気店がルーツだそうである。たしかに博多や長浜に比べて麺が太いし、替え玉のシステムもない。メニューには「八幡ではラーメンと一緒におにぎりを食べるのが定番」と書いてあったりする。ふーん、そうなんですか。

Tohsoba2 

ラーメンを食べ終えてウインズに向かえば小倉9R「八幡特別」の発走が近い。ここまで八幡に縁が続けば買わぬわけにもいかぬ。予想をしている時間もないので馬券はこんな感じ。

Baken 

「八幡」だけに8枠総流し。普通ならこんな馬券が当たるはずもないのだが、これまでの流れからして何か奇跡が起こりそうな気がする。明太子からラーメンへと続いた「八幡繋がり」は、きっと「八幡特別で八枠を買え」という競馬の神様のお告げであろう。

―――が、当然ハズレ。競馬はそんないい加減な遊びではない。ちなみに本気を出して予想した北九州短距離Sも、アドマイヤナイトの激走の前に為す術なく玉砕。意気消沈して中目黒へ。そこで人が待っている。

Iwashi 

指定された店は、なんと『二◯加屋長介』であった。むろん私が決めたのではない。たまたま先方が予約した店がそこだっただけの話。むろん私としても異論はない。ただ、ちょっと薄気味悪いだけ。それでも競馬談義に華を咲かせつつ、いわし明太を肴に焼酎を飲み、鶏白湯うどんでシメた。

Udon 

それにしても、こうした一連の流れをいったいどう捉えればよいのだろうか? これだけ北九州を示唆させる出来事が続けば、さすがに偶然とは思えなくなってくる。

ひょっとしたら「小倉に行け!」という競馬の神様のお告げかもしれない。小倉は明日が今年の最後の開催日。行けば良いことがあるのかなぁ。

 

***** 2017/09/02 *****

 

 

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2017年9月 1日 (金)

馬糞の話

9月の声を聞いた途端、東京は涼しい日が続くようになった。朝などはむしろ肌寒いほど。夏も終わりですね。

8月の東京は記録的な長雨だった。計27日間も雨が降り、日照時間は1890年の観測開始以来最短を記録したらしい。そうなると気になるのは農作物。昨夏の台風で北海道産ジャガイモの収穫量が減少し、ポテトチップスが品薄になったことはまだ記憶に新しい。

ところで、美味しい農作物には良い堆肥が不可欠である。

「ばん馬toきのこto小麦の環」

そんな一風変わった名称の協議会が帯広で発足したのは、今年の4月のこと。構成メンバーは、帯広ばんえい競馬、マッシュルーム生産農家、小麦生産農家、小麦製粉会社、そして十勝産小麦を使ったパン屋さんの5者。ばんえい競馬が行われる帯広競馬場から出る馬糞から堆肥を作り、その堆肥でマッシュルームや小麦を育て、小麦を収穫したあとの藁を競馬場の厩舎で寝藁に利用する。そんな循環型生産のモデルを確立させることで、ばんえい競馬の維持発展にも繋げたいのだという。素晴らしいではないか。是非とも成功させて欲しい。

もともと馬糞の堆肥は牛糞や鶏糞に比べると臭いが少なく、肥料化の手間もかからないから肥料としての人気は高い。藁が含まれているのも土壌にはプラスとされる。

JRAの美浦、栗東の両トレーニングセンターでも厩舎から出される馬糞を肥料化して周辺の農家に販売している。化学肥料よりも割高であるにも関わらず、肥料生産が追いつかないほどの人気だという。笠松競馬でも馬糞を場内で堆肥化するための施設建設が計画されている。馬は生きているだけで人の役に立つ。それを我々はもっと知る必要がある。

一方で大学の馬術部などでは馬糞の処理に四苦八苦しているところも少なくないと聞く。馬糞事情も様々である。

競馬場とかトレーニングセンターのすぐそばに住みながら、競馬のことは何も知らないという人は、我々が思うよりずっと多い。堆肥であれ何であれ、競馬と近隣住民とのコミュニケーションを図るというのは、競馬にとって重要なテーマである。

Uni 

北海道のバフンウニ漁も昨日を以て終了してしまった。写真は積丹町『食堂うしお』の生ウニ丼。あの鮮烈な甘味は来夏まで味わうことができない。今年の夏は短かった。

 

***** 2017/09/01 *****

 

 

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