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2017年8月 9日 (水)

クレバー・ハンス

数学の話を続ける。でも馬の話でもある。

クレバー・ハンスという馬をご存じだろうか?

20世紀初め、ヨーロッパで飼われていた「ハンス」という名のトロッター種の馬が、高度な知性を持つとして有名になった。なんと計算問題を出されると、その正解の数だけ床を蹄で叩くという方法で答えたのである。たとえば「15―8=」という質問に対して、ハンスはその蹄でキッチリ7回だけ床を叩くと、ピタリとその脚を止めたというのだ。

ハンスを調教したのはフォン・オステンという数学教師。彼は馬でも教育をすれば人並みの知性を持てるという信念のもと、4年の歳月をかけてハンスの能力を開花させた。

1904年には、高名な心理学者カール・シュトゥンフ教授を委員長とする調査委員会によってハンスの能力が徹底的に調べられ、「トリックの可能性は全くない」という結論が出される。ヨーロッパの人々は彼を「クレバー(賢い)・ハンス」と呼び、一大センセーショナルを巻き起こした。

Horse 

もちろん、実際に馬が計算をしていたはずなどない。ハンスは、フォン・オステン氏や周囲の人の表情の微妙な変化を読み取り、床叩きをやめるタイミングを計っていたのだ。

動物の知能は、体重に占める脳の重さの割合で測ることが多い。人は約2%、馬は約0.1%。身近な動物と比較すると、猿や犬よりは下だが、牛や豚よりは上といったところだという。

ただ、知能には様々な側面があり、単純な脳の重さだけで評価することは難しい。クレバー・ハンスの例を持ち出すまでもなく、人の表情などを読み取る社会的知性の比較なら、おそらく猿や犬にも負けないだろう。人間の顔色を見るのは、走ることの次に馬が得意とするところかもしれない。

 

***** 2017/08/09 *****

 

 

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