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2017年7月 6日 (木)

鬼ひも川

歌舞伎座の裏手をぶらぶら歩いていたら、「うどん」と大書きされた看板が目に入ってきた。

その名も『五代目・花山うどん』。群馬の名物「ひもかわうどん」の専門店らしい。ひもかわと言えば、うどん日本一を決める「U-1グランプリ」で3連覇を果たした「うどん界のグラスワンダー」とも言うべき存在。その特徴は、5センチはあろうかというその麺幅にある。

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厳密には「鬼ひも川」と呼ぶべきであろう。JASでは幅4.5ミリ、厚さが2ミリ未満の帯状に成形した麺を「きしめん」もしくは「ひもかわ」と呼べると規程している。「鬼ひも川」は広義の「ひもかわ」の進化系に過ぎない。実際、『花山うどん』では8年もの歳月をかけて改良を重ね、ついに商品化にたどり着いたという。実際食べてみると、薄さの割に腰がしっかりしている印象。独特のモッチリとした食感がたまらない。

「ひもかわ」そのものは昔からあった麺である。蕎麦屋に入れば、メニューに「そば・うどん・ひもかわ」と書かれており、そこから好きな麺を選ぶことができた。そばとうどんの二極化の波に飲まれるように、蕎麦屋のメニューから「ひもかわ」の文字が消えて久しい。

ゆえに世間では、この「鬼ひも川」のこそが「ひもかわ」だと誤解しているフシがある。

いまだに「そば・うどん・ひもかわ」のメニューを掲げている老舗の蕎麦屋などで、ひもかわを注文した客が、「これはひもかわじゃなくて、ただのきしめんだろ!」と文句を言うこともあるらしい。客の方は幅5センチのベラベラの麺を期待しているのだろうが、前出の規程に従えばたとえ4.5ミリ幅であっても立派なひもかわ。自身の誤解の捌け口を、店にぶつける行為は控えたい。

先日も紹介した水道橋の立ち食い蕎麦店『とんがらし』でも、麺は「そば・うどん・ひもかわ」の三種から選ぶことができる。

Himokawa 

こちらはそのひもかわ。幅は7~8ミリといったところだろうか。むろん「ひもかわ」を名乗ることになんら問題はない。

そんなことより、この店ではてんぷらを楽しもう。厨房の奥からご主人が揚げたばかりのてんぷらが運ばれてくる。それを奥様が箸で取って丼に乗せるたび「シュー」っという音が聞こえる。揚げたてでなければ聞こえない音。この音が既に美味しい。あとはヤケドに注意しながら一気に食べよう。うどんも美味しいが、ひもかわも美味しい。

 

***** 2017/07/06 *****

 

 

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