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2017年6月24日 (土)

消えた森の番人

千歳のホテルが意外に空いてる―――。

6月15日付の本稿でそんなことを書いた。そのときは社台のツアー参加者が激減したんじゃね?みたいなことを書いたけど、もちろん冗談である。ツアーは3日間延べ千人の参加者で大盛況だった。ただし、何人かの顔見知りに聞けば、やはり「今年は千歳のホテルが取りやすかった」という。

実は、千歳には昨年「クイーンズホテル千歳」が新規オープンしたばかり。さらに、既存のANAクラウンプラザやルートインホテルが増室工事を完了した。来年には「JRイン千歳」が、再来年には新千歳空港ターミナルビル国際線ビルの増築エリアにホテルが新規開業の予定。千歳は近年にないホテル開業ラッシュを迎えようとしている。ならばホテルの部屋が取りやすくなってもおかしくはない。

その一方で、肝心の需要に陰りが見えてきた。全道的には外国人訪問客は増えているのに、彼らが千歳泊というルートを組まなくなったという。

そんな話をしてくれたのは、『あじ彩』でたまたま隣り合わせた常連さん。その流れから話題は苫小牧の大型リゾート計画へと進んだ。

Forest 

千歳空港に隣接する苫小牧市植苗地区の広大な山林に、ホテル、レストラン、ショッピングモール、国際会議場、医療施設、そしてカジノを備えた滞在型リゾートを作る話が進んでいる。ターゲットは海外の富裕層。カジノと医療ツーリズムで海外から金持ちを呼ぶのだという。

「いや、ちょっと待ってください。たしか、その計画が持ち上がったのは今から6、7年前。もともとは、手つかずの森林資源をウリに、ホーストレッキングやハイキングを楽しむ施設を作る話だったはずですよね」

私の指摘を待っていたかのように相手は話を続けた。もともとの開発コンセプトは「森林の活用と保全。ひいては林業の復活にもつなげたい」というものだった。その名も『バルト・マイスター・トマコマイ』。日本語では「苫小牧の森の番人」といったところか。私が注目していたのは、もちろんホーストレッキング。その運営に際しては、同市内のノーザンホースパークと事業連携すると聞いていたから。常日頃からノーザンホースパークに宿泊施設があれば良いのに、と感じていた私が喜んだのは言うまでもない。しかも、収益の一部は当地の森林保全に充てられるはずだった。事業主体が地元企業がだからこそ得られる着想であろう。

それがいつの間にか「カジノと先進医療で海外富裕層を呼ぶ」である。いったい何があったのか―――?

そこから先の話は割愛するが、カジノや先進医療にしたところで目論見通りになりっこない、とのこと。それでも施設を作りさえすれば喜ぶ人もいる。問題はそれが東京の人間だということだ。事業主体はいつの間にか東京の大企業に取って変わっていた。こんな話を「森の番人」が聞いたら、きっと怒るだろう。東京の人間にすればちと恥ずかしい。

 

***** 2017/06/24 *****

 

 

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