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2017年6月 2日 (金)

侮れぬ立ち食いそば

黒くてぶっとい田舎そばにネギと豚肉をどっさり載せて、ラー油入りの辛いツユで食べさせるというスタイルの立ち食いそば屋が流行る一方で、昔ながらの立ち食いそば屋も捨てたものではない。うどんばかり食べているようで、実はコッソリ立ち食いそば屋巡りをしていたりする。

立ち食いそば屋の良さは店の人と話さなくて済むこと。客同士も並んで立ち、目線を合わせることすら潔しとしない。カウンター主体という店のつくりのせいもあるが、なにより客同士や店員との間に暗黙の了解がある。実際、私は立ち食いそば屋で一度として個人的な会話を交わした経験はない。個人的に難しい問題を抱えている時、競馬の予想に行き詰った時、ブログに書くネタがまったく思い浮かばない時……。そんな時の昼メシは立ち食いそばに限る。

さて、ここからは昨日の話である。

所用のついでに飯田橋『豊しま』を訪れた。その店構えは、まさしく「ザ・立ち食い」といった風情。なにせカウンターを前にして立てば、背中はほぼ公道である。そんなこちらの名物はコチラの「厚肉そば」。

Toshima 

見た目のインパクトにビビッてはいけない。あらん限りの力を振り絞って肉を頬張り、そばを啜る。もちろん美味い。美味いのだが、必要以上に味わっている暇はない。極力早く食べ終え、サッと店を出るのが立ち食いの掟だ。

すっかり「肉腹」になったところで、腹ごなしに外堀通りを水道橋まで歩く。ひと駅分の距離だが、歩いても10分とかからない。やがて黄色いビルが左手に見えてくる。その1階部分はオフト後楽園。実は昨日は道営競馬のダービー・北海優駿が行われる日。門別には行けぬなら、せめて馬券だけでも仕込んでおこう。

―――そう思って、わざわざ歩いてきたのに、なんと北海優駿の馬券は発売していないという。

いや、私だってバカではないので、オフト後楽園で門別の場外発売をしていることくらいは確認してきた。だが、よくよく聞けば発売対象レースは3~5レースのみらしい。ちなみに北海優駿は12レースである。

なんじゃそりゃ?

今日は天下のダービーデーではないか。それなのに、ダービーではなく1着賞金20万円の下級条件戦を熱心に売って、いったいどうしようというのか?

全国各地のダービーは、昨年までの「ダービー・ウィーク」から「ダービー・シリーズ」と装いも新たに強化が図られた。ジャパンダートダービーを頂点とするコンセプトの明確化と、ファンへの認知度アップがその目的だという。なのに、門別の馬券を売っている窓口で北海優駿の馬券を売ってない。それのどこが強化か。おかげで買うつもりもなかった浦和の馬券でムダ金を溶かす羽目に。それでイライラしていたら無性に腹が減ってきた。なんだか井之頭五郎さんみたいだな。

そこで水道橋のガードをくぐって歩くこと5分。『とんがらし』で2杯目の立ち食いそばを啜る。

Tongarashi 

「揚げたててんぷら」をウリにする立ち食いそば屋は数あれど、実際には油から揚げて温めておいたものがほとんど。そんな中にあって、こちらはリアルな揚げたてが味わえる数少ない一軒だ。てんぷらはすぐには口を付けられないほど熱々。だが、そこには揚げ置きでは味わえない、本当の美味さがある。立ち食いそばのポテンシャルを再認識したおかげで、北海優駿の馬券が買えなかった怒りはどこかに消えた。あとは狙っていたスカイロックゲートが来ないことを祈るのみだったが……。

 

***** 2017/06/02 *****

 

 

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コメント

さらに九段下方面に歩いていくと「むさしの」という立ち食いそば屋さんがあります。こちらも秀逸ですが、さすがに3杯連続はちょっと……coldsweats01

投稿: 店主 | 2017年6月 3日 (土) 07時51分

豊しまの写真を見て、すぐ「とんがらし」を検索してURLをコピー。これをコメントにペーストしてお知らせしなけばと思い、その後 blog を読み進んでいったら...(笑)

流石です。

投稿: tsuyoshi | 2017年6月 3日 (土) 07時09分

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