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2017年6月 5日 (月)

3年10か月ぶりの勝利

5週連続GⅠ皆勤の疲れをものともせず、明るいうちから大井へと急いだのには、むろんワケがある。7レースのB3・1400m戦を観なければならない。

Padock 

実はこのレース、なんと5頭立てである。これではファンも手を出しづらかろう。頭数が少ない理由は明快。メインにも同じB3クラスの1400m戦が組まれているから。ハッキリ言っておかしい。普段なら主催者を叱り飛ばすところである。だが、今日のところはやめておこう。なぜか。その5頭のうちの1頭が、私の愛馬だからだ。

Padock2 

5頭立ては馬主の夢である。

勝負事において、ライバルは少ない方が良いに決まっている。だが、4頭以下ではレースそのものが成立しない。だから5頭立てこそベスト。なにせ、たとえビリでも賞金が手に入るのである。こんな素晴らしいシチュエーションがほかにあるだろうか。私は他人には厳しいが、自分には甘い(笑)。ファンの楽しみと、自分の馬の勝利を秤にかければ、当然のことながら後者が勝る。

ポップレーベルが道営3勝、うち重賞1勝の成績を引っ提げて南関東に移籍してきたのは、3歳夏のこと。以来23戦を重ねたが、いまだに南関東での勝ち星は掴めていない。惜しいレースはいくつもあった。戸崎やルメールも乗ってくれた。それでも先頭ゴールは遠い。当初抱いた「カンパニーの代表産駒に」という壮大な夢は、いつしか「とにかく南関東で1勝を」という極めて現実的かつ切実な目標に切り替わった。

蓋を開けてみれは1番人気である。前走で先着を許した馬もいるのに……。嫌な予感が漂い始める。

少頭数競馬は堅く収まりそうで、実はそうでもない。1月の若駒ステークスがそうだった。5頭立て5番人気のアダムバローズがまんまと逃げ切り、発売された単勝、複勝、馬連、馬単、ワイド、3連複、3連単のすべての賭式で最高配当の波乱となったではないか。

そういえば、誰が逃げんだ―――?

パドックを周回する5頭を眺めつつそう思った。ポップレーベルは逃げたことがない。ほかの4頭にしても、近走で逃げた馬は皆無。誰が行くにしても、若駒Sの再現がありそうで怖い。

私の不安を煽るかのように、突如として大粒の雨が落ちてきた。雨粒の音に混じって雷鳴も聞こえる。

Rain 

雨が激しさを増す中、ゲートが開いた。

なんと一番のスタートを決めたのは、ポップレーベルではないか。

その瞬間、私は思わず叫んだ。

「赤岡ぁ! 行っちゃえー!」

長い長い大井の直線。いつもなら、馬群の後方から来るはずのポップレーベルが、今回はずっと先頭を走り続けた。1400mをこれほど長く感じたことはない。

Pop 

レースを終えた赤岡騎手は、「馬も戸惑っているようだった」とコメント。逃げの手に出るには、勇気が必要だったことだろう。負けたら何を言われるか分からない。ましてや1番人気である。それを聞くと「道営でしか勝ってないのに(1番人気になって)イヤだなぁと思ってました」と笑った。

5頭立ての競馬で勝って嬉しいかと問われれば、そりゃあ嬉しいに決まってる。どんなレースだって勝つのは簡単なことではない。少頭数には少頭数の難しさもある。1分27秒7は胸を張れる時計ではないけれど、自分の持ち時計を更新したことを評価したい。今回の勝利がひとつのきっかけになってくれないだろうか。逃げへの脚質転向も悪くはなかろう。カンパニーの代表産駒への夢を、もう一度見てみたい。

Select_2 

3年10か月ぶりの勝利に機嫌を良くして帰宅すると、セレクトセールの案内が届いていた。ちょっとタイミングが良すぎやしないか。私の心境を見透かされているようで怖いぞ。

 

***** 2017/06/05 *****

 

 

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コメント

RYUさま

コメントありがとうございます。いやぁ、雨を忘れる競馬でしたねrain
私は右から4人目の黒ジャケです。次のレースでも口取りでお会いしましょうhappy01

投稿: 店主 | 2017年6月25日 (日) 10時20分

本当に素晴らしい勝利
3週間経っても感動は、薄れません。

私は、口取り写真で騎手の隣の隣です。
今後ともよろしくお願い致します。

投稿: RYU | 2017年6月24日 (土) 21時30分

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