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2017年6月30日 (金)

補欠からの栄光

帝王賞当日の大井競馬場。予想イベントでステージに立った安藤勝己元騎手の本命馬がケイティブレイブだと発表されると、ステージに詰め掛けた聴衆からどよめきが沸き起こった。無理もない。なにせ6番人気である。JRA所属馬7頭の中では唯一GⅠ勝ちの経験を持たない。そんな馬をなぜ?

しかし、アンカツさんが掲げた理由は明快であった。ドバイ帰りの上位人気馬は疲労の色が隠せない。加えてケイティブレイブには補欠から繰り上がった運もある―――と。

実際、ドバイに遠征しなかったケイティブレイブとクリソライトの2頭で決まったのだから、氏の慧眼は素晴らしい。馬単は5280円もついた。逃げると思われたケイティブレイブが出遅れた瞬間は肝を冷やしたかもしれないが、結果的には先々の展望が広がる勝ちっぷり。疲労が無ければ、そして運の後押しがあれば、これくらいは走ってもおかしくはないと踏んでいたのだろう。

帝王賞の登録メンバーが発表された時点で、ケイティブレイブは補欠の1番手。出走順上位のメンバーに、「登録だけ」という冷やかしは見当たらない。出走は難しそうだ。ならば盛岡のマーキュリーカップに回ろう。陣営はそう漏らしていた。だが、まさかのコパノリッキー回避である。このチャンスを逃してなるものか。そう思えば関係者も自然と力が入る。

Teio 

 1999年 東京大賞典 回避:ウイングアロー → 繰上:ワールドクリーク
 2006年 ダービーGP 回避:フサイチリシャール → 繰上:マンオブパーサー
 2015年 JBCスプリント 回避:タガノトネール → 繰上:コーリンベリー 
 2017年 川崎記念  回避:グレンツェント → 繰上:オールブラッシュ
 2017年 帝王賞   回避:コパノリッキー → 繰上:ケイティブレイブ

出走順上位馬の回避で補欠から繰り上がり出走を果たした馬が、そのまま優勝してしまう例は、ことダートグレードレースに限れば決して珍しいものではない。つまりそれは出走馬と補欠馬との間にさほどの力量差がないことの証。これは一方で、優勝馬に匹敵する能力を持ちながら除外された馬の存在を示唆している。

今回の帝王賞で、ケイティブレイブの優勝を間接的にアシストしたコパノリッキーにしても、もともとは補欠からの繰上げ出走のチャンスをモノにし、一躍スターダムにのし上がった一頭だ。

2014年のフェブラリーSのコパノリッキーは、登録時点では補欠1位タイだった。だが、出走順上位のテスタマッタが突然の引退を発表する。コパノリッキーは1頭分の枠を巡って、同じく補欠1位タイのケイアイレオーネを抽選で破り、晴れて出走を果たした。最低人気は仕方ない。しかし、結果は誰もが驚く逃げ切り勝ち。しかも殊勲の田辺騎手は、もともとはテスタマッタに乗る予定だった。

Feb 

いろんな出来事が最終的にどう転ぶか―――。それは誰にも分からない。出遅れた逃げ馬ケイティブレイブが、あれほど見事な差し切りを決めると、いったい誰が思ったか。騎手ですら予想だにしていなかった。「人間万事塞翁が馬」は文字通りウマにまつわる故事ではあるが、これがもっとも端的に現れるスポーツは、おそらく競馬であろう。

 

***** 2017/06/30 *****

 

 

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2017年6月29日 (木)

たとえゲートで遅れても

大井競馬場は昨夜の喧騒が嘘のような静かな滑り出し。パドックでは1レースの出走馬8頭が周回を始めている。

Padock 

1レースは2歳の獲得賞金85万円以下による一戦。JRA風に言えば未勝利戦だが、1着だけでなく2着になったこともないメンバーの集まり。だから前走3着の馬が人気になる。

実際、このレースで1番人気に推されたバジガクアリアも前走で3着だった。だがスタートで行き脚がつかない。直線に向いても3番手の内。そのまま前を塞がれて万事休すかと思われたが、前を行く馬と内ラチ沿いとのわずかな隙間をこじ開けるように伸びて、嬉しい初勝利を飾った。なかなかイイ根性をしている。

1r 

ひとつ置いて、3レースは3歳馬の獲得賞金218万円~275万円のメンバーによる一戦。この金額だと、未勝利馬もいれば2勝馬もいる組み合わせになる。JRAで3歳未勝利馬と3歳2勝馬でレースをすれば、さすがに2勝馬が勝つだろうが、地方ではそうなるとは限らない。実際、このレースはここまで6戦して未勝利のペタルーダが、2勝馬たちを相手にしなかった。スタートで出遅れて、仕方なく大外をぶん回して、それで4馬身差の圧勝である。しかもそれが圧倒的1番人気なのだから、ファンの見る目も正しい。

3r 

まあ、ノーザンFのクロフネ産駒なのだから、もともと素質は一枚上の存在ではあった。外厩先のミッドウェイファームでも、あのステップオブダンスをアオる動きをしていたのだから、能力を出し切ればこれくらい走っても不思議ではない。これまでは馬が競馬を分かっていなかったフシがある。だが、今日のレースを見る限りひと皮向けた印象がありあり。ついに素質開花かもしれない。

「一歩目で躓いた時は“終わった”と思った」

調教師はそう言って胸をなでおろした。

しかし待てよ……。このフレーズ、どこかで聞いたような気がするぞ。つい最近だ。なんだっけ……? うーむ。

Teio 

そう、昨夜の帝王賞を勝った福永祐一騎手だ!

逃げ馬のケイティブレイブで出遅れたのだから、心中察するに余りある。それがまさかの差し切り勝ち。同じような展開が2日続いた。思えば1レースのバジガクアリアのレースぶりも然り。たとえ先行馬が出遅れたとしても、焦らずに終いの脚に賭ければ勝負の行方は分からない。騎手はもちろん、見ている方も諦めることはやめよう。むろん、実力が伴っていればの話だが。

 

***** 2017/06/29 *****

 

 

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2017年6月28日 (水)

似た者同士

昨日行われた優駿スプリントは、8番人気の伏兵・バンドオンザランが1番人気サブノジュニアの追撃を振り切って優勝。3つ目の重賞タイトルを手に入れた。

Band 

手綱を取った赤岡修次騎手は、誰もが知る高知のエース。しかし意外なことに、南関東ではこれが初めての重賞勝利であった。つい先日は、ウマノジョーで大井記念を制した岩手の山本聡哉騎手が、やはり南関東重賞初制覇を果たしたばかり。南関東は全国各地の名手たちが集結し、凌ぎを削るジョッキー激戦区である。

赤岡騎手は1999年10月、17歳で騎手デビュー。順調に勝ち星を積み重ね、95年には日本プロスポーツ大賞の地方競馬部門で新人賞に選ばれたように、騎手人生のスタートは順風満帆だった。

ところが99年、彼のキャリアを一転させる事故が起きる。スタート直後に落馬。靭帯断裂の大怪我を負ってしまう。

4か月にも及ぶ入院生活を終えた頃には、かつてのお手馬たちの大半は既に他の騎手の手に渡っていた。だが、これは決して珍しい話ではない。問題はその後。レースに乗れるようになっても膝に力が入らず、馬をコントロールできないのである。結果、お手馬はさらに減り、競馬への熱意も次第に醒めていった。事故から4年経ったある日、彼はついに引退を決意する。

「もう続けていく自信がありません。明日、調教師に引退を報告します」

親しくしていた先輩の西川敏弘騎手にそう打ち明けた。しかし西川騎手は赤岡騎手を説得して翻意を促した。それだけでなく、同じレースでかち合った自分のお手馬を、赤岡騎手に優先的に回してくれるようになったという。その中には、のちに地方競馬の最多勝記録を樹立することになるエスケープハッチも含まれていた。

「周りに助けられて今も競馬ができる」

当時を振り返る赤岡騎手は感謝の気持ちを忘れない。人間としても、ひと回り大きくなれたという。その後は高知のリーディングジョッキーとなっただけではなく、JRAのワールドスーパージョッキーズシリーズにも出場を果たし、見事3位に入賞した。

Shuji 

あのとき引退を思い留まってくれて良かったと思う関係者は少なくあるまい。実は私もその一人。先日、鮮やかな逃げ切りでポップレーベルに3年10か月ぶりの勝利をもたらせてくれたのは、ほかならぬ赤岡騎手だった。

順風満帆の船出、不慮の事故、そして復帰後の長く辛いトンネル………。赤岡騎手の競馬人生は、2歳夏に重賞を勝ちながら、両前骨折に見舞われ、その後まったく勝てなくなったポップレーベルのそれに重なって見える。そういう意味で、両者は似た者同士。ルメール騎手でも森泰斗騎手でも折り合いに苦労した馬が、なぜか赤岡騎手ではピタリと折り合った。ひょっとしたら人馬の間のに相通ずるところがあるのかもしれない。

Pop 

赤岡騎手の南関東での期間限定騎乗は7月14日まで。期間最終日の大井の最終12レースでは、再びポップレーベルの手綱を取ってもらうことになっている。

 

***** 2017/06/28 *****

 

※後日追記

その後、番組の変更があり、ポップレーベルの出走するレースは7月13日に変更となりました。赤岡騎手は乗れるのかしらん。

 

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2017年6月27日 (火)

馬の街のうどん

今日は大井競馬場で重賞・優駿スプリントが行われるが、日中は野暮用で日本橋小伝馬町にいた。「デンマ」と言っても出馬表をさす業界用語ではない。実際には「伝馬」と書いて「テンマ」と読む。

Kodenma 

「伝馬」とは、人や荷物を馬に乗せ、次の宿駅や目的地まで運んでいく江戸時代の制度のこと。かつてこの界隈は北に向かう伝馬の出発地で、より多くの馬を準備していた町が「大伝馬町」と、少ない方が「小伝馬町」と名付けられた。ゆえに「伝馬町」という地名も、全国各地に見ることができる。かつてはそんな町に隣接するように馬の市が立った。そこに馬喰さん、すなわち馬の仲介業者が住んでいたから「馬喰町」である。馬喰横山駅の構内に馬の像が設置されているのはそのためだ。

Bakuro 

現代では馬喰さんに代わってサラリーマンが働く街になった。ゆえにこの界隈には立ち食いそばのお店がやたらと多い。

Ina1 

日比谷線小伝馬町駅近くの『稲庭 饂』は、その名の通り稲庭うどんの専門店。店の外からだと一見立ち食いスタイルに見えるが、カウンターには椅子があるので立ち食いではない。本来は高級品であるはずの稲庭うどんを、気軽に楽しめることから、朝9時の開店時から店内はお客さんで賑わっている。

Ina2 

店を出て日比谷線に沿って人形町駅方面に歩くこと5分。以前は馬喰町に暖簾を掲げていた讃岐うどん専門店『ちょうさ』が、今年からこちらに移転して営業を再開している。「讃岐の味そのもの」と評判の高かったその味は、馬喰町当時と変わらない。

Chosa1 

タイミングが合えば、打ち立て、茹で立てに巡り合うことができるのだろうが、今日はちょうど昼時の入店。茹で置きは仕方ない。それでもなお小麦の芳香は豊かで、もちもちの麺は喉越しも抜群。讃岐の底力を感じる一軒だ。讃岐直送のタコの天ぷらと合わせるとなお美味い。

Chosa2 

店名の「ちょうさ」は聞き慣れぬ言葉だが、観音寺市のお祭りに登場する太鼓台とのことらしい。祭りでは、金糸の刺しゅうに彩られた何台もの「ちょうさ」が街中を練り歩くのだという。香川人にしか分からない言葉だけに、店名を見て暖簾をくぐる香川出身のお客もいるとのこと。まさに東京にある讃岐ですね。さあ、お腹もいっぱいになったことだし。大井に行こう。

Chosa3 

 

***** 2017/06/27 *****

 

 

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2017年6月26日 (月)

ちくわパンを食べよう

先日、セイコーマートで「ようかんツイスト」なる珍しいパンを買ったことを書いたが、北海道ではこんなパンも売られている。

Secoma 

「ちくわパン」ですね。今回は千歳に降り立ってからずっと探していたのだが、なかなか見つけることができず、ようやく苫小牧駅近くのセイコーマートで手に入れることができた。品切れしやすい人気商品なのか、あるは不人気のあまり仕入れが抑えられているのか分からないが、ここではとりあえず前者であると信じたい。

Danmen 

こちらが断面。ちくわの穴の中にはツナマヨが詰め込まれている。なので味はツナサンドに近い。しかし、そこにやや歯ごたえに優るちくわが加わることで、食感的な美味しさがプラスされている。

私はこの「ちくわパン」というのは北海道だけのローカルフードだとばかり思っていたのだが、最近では道外でも見かけるようになった。こちらは東京・大手町で見かけたちくわパン。だがその穴にみっちりと詰められているのはツナマヨではない。なんと明太マヨだ。

Mentai 

しかし、これは少々反則ではあるまいか。明太マヨはちくわに合う。パンにはもっと合う。それなら美味くて当然。セイコーマートのちくわパンとは別物として扱うべきかもしれない。

水天宮の近くに店を構える『サンドウィッチパーラー・まつむら』でもちくわパンを出している。創業大正10年。まもなく100周年を迎えようとしている老舗のパン屋さんのちくわパンがこちら。

Dog 

半分に切られたちくわの下には、ツナマヨが敷き詰められているから、味はセイコーマートのそれに似ている。だが、こちらで使われているパンはご覧の通りのドッグパン。ゆえに名前も「ちくわドッグ」となっている。北海道のちくわパンと違い、ちくわが完全に露出している分だけちくわの印象が強い。そう思って食べるからか、食味もちくわに偏る印象を受ける。とはいえ、これはこれでもちろん美味い。

東京でもちくわパンは売られているが、その認知度、浸透度という尺度で見れば、やはり北海道には敵うまい。組み合わせの妙と美味しさの為せる業。それなら道外に広がるのも頷ける。そういえば最近、大阪で「チクワッサン」というちくわパンが発売されて話題になっているとも聞いた。これもぜひ食べてみなければ。

 

***** 2017/06/26 *****

 

 

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2017年6月25日 (日)

トウショウフリートから24年

長い長い東京開催の掉尾を飾るのは芝1400mのオープン特別・パラダイスS。 すっかり宝塚記念の裏番組として定着した感がある―――と同時に中京記念や関屋記念の前哨戦の役割も担うようになった。梅雨空の東京競馬場は春開催の名残を惜しむ大勢のお客さんで賑わっている。

Tokyo 

だが、かつてのパラダイスSはGⅠ戦線における箸休めのような存在だった。なにせダービー翌週の土曜メインである。お客さんも、騎手も、そして馬たちも、どことなくのんびりしていたのは仕方あるまい。前週までの緊張感はどこへやら。本格的な夏のローカルが始まるまでの、一種の調整期間のような開催だった。

そんな1993年のパラダイスSを勝ったのはトウショウフリート。名繁殖牝馬ソシアルバターフライの3×3という強い牝系クロスを内包することで注目を集めた。

Fleet 

ダート1000mで挙げた初勝利は8馬身差。初めての芝のレースとなった臥牛山特別は6馬身差。そして、このパラダイスSも5馬身差の圧勝である。しかしコンスタントに使うことができない。そもデビューからして4歳の10月である。強さと同居する体質の弱さは近親配合の光と陰だ。

トウショウフリートは、このパラダイスSを最後に引退、種牡馬入り。大レースを勝つような産駒は輩出できなかったが、産駒のジェーントウショウ(こちらはダンディルートの3×2を持つ)が母となって重賞5勝のシーイズトウショウを送った。これはこれで立派な成果である。

Sheis 

さて、そんなトウショウフリートがパラダイスSを勝ってから24年、今年のパラダイスSを勝ったのはウインガニオン。ステイゴールド産駒はシーズン末期の荒れ馬場をまるで苦にしない。昨年のこのレースの覇者マイネルアウラートもステイゴールド産駒だ。

Paradice 

そのステイゴールドの3代母・ロイヤルサッシュは、近代種牡馬群の礎となったネアルコの3×3。加えて2代母の父・ノーザンテーストには、名牝レディアンジェラの3×2という極めて濃い血が流れている。さらにウインガニオン自身の母系を辿れば、その9代母・フラストレートは伝説の名馬セントサイモンの3×3だ。

強いインブリードを持つ馬が血統表に加わると、稀にとてつもない大物を送ることがある。トウショウフリートの配合を決めたトウショウ牧場の狙いも、最初からそこにあったのであろう。こうなると、福島の開幕週でデビューが予定されているというショウナンパーリオ(シンボリクリスエスの1×3)にも注目せぬわけにいかない、

さあ、オープン特別を連勝したウインガニオンの次走は中京記念か関屋記念か。仮に前者であれば、シーイズトウショウの息子・トウショウピストとの対戦が待つ。夏のマイルシリーズはここから既に始まっている。

 

***** 2017/06/25 *****

 

 

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2017年6月24日 (土)

消えた森の番人

千歳のホテルが意外に空いてる―――。

6月15日付の本稿でそんなことを書いた。そのときは社台のツアー参加者が激減したんじゃね?みたいなことを書いたけど、もちろん冗談である。ツアーは3日間延べ千人の参加者で大盛況だった。ただし、何人かの顔見知りに聞けば、やはり「今年は千歳のホテルが取りやすかった」という。

実は、千歳には昨年「クイーンズホテル千歳」が新規オープンしたばかり。さらに、既存のANAクラウンプラザやルートインホテルが増室工事を完了した。来年には「JRイン千歳」が、再来年には新千歳空港ターミナルビル国際線ビルの増築エリアにホテルが新規開業の予定。千歳は近年にないホテル開業ラッシュを迎えようとしている。ならばホテルの部屋が取りやすくなってもおかしくはない。

その一方で、肝心の需要に陰りが見えてきた。全道的には外国人訪問客は増えているのに、彼らが千歳泊というルートを組まなくなったという。

そんな話をしてくれたのは、『あじ彩』でたまたま隣り合わせた常連さん。その流れから話題は苫小牧の大型リゾート計画へと進んだ。

Forest 

千歳空港に隣接する苫小牧市植苗地区の広大な山林に、ホテル、レストラン、ショッピングモール、国際会議場、医療施設、そしてカジノを備えた滞在型リゾートを作る話が進んでいる。ターゲットは海外の富裕層。カジノと医療ツーリズムで海外から金持ちを呼ぶのだという。

「いや、ちょっと待ってください。たしか、その計画が持ち上がったのは今から6、7年前。もともとは、手つかずの森林資源をウリに、ホーストレッキングやハイキングを楽しむ施設を作る話だったはずですよね」

私の指摘を待っていたかのように相手は話を続けた。もともとの開発コンセプトは「森林の活用と保全。ひいては林業の復活にもつなげたい」というものだった。その名も『バルト・マイスター・トマコマイ』。日本語では「苫小牧の森の番人」といったところか。私が注目していたのは、もちろんホーストレッキング。その運営に際しては、同市内のノーザンホースパークと事業連携すると聞いていたから。常日頃からノーザンホースパークに宿泊施設があれば良いのに、と感じていた私が喜んだのは言うまでもない。しかも、収益の一部は当地の森林保全に充てられるはずだった。事業主体が地元企業がだからこそ得られる着想であろう。

それがいつの間にか「カジノと先進医療で海外富裕層を呼ぶ」である。いったい何があったのか―――?

そこから先の話は割愛するが、カジノや先進医療にしたところで目論見通りになりっこない、とのこと。それでも施設を作りさえすれば喜ぶ人もいる。問題はそれが東京の人間だということだ。事業主体はいつの間にか東京の大企業に取って変わっていた。こんな話を「森の番人」が聞いたら、きっと怒るだろう。東京の人間にすればちと恥ずかしい。

 

***** 2017/06/24 *****

 

 

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2017年6月23日 (金)

雨馬を探せ

昨日は「曇時々雨」だった日曜の関西地方の予報が、今日になって「雨」に変わった。一大事である。多少の雨ならまだしも、馬場状態を一気に悪化させるような雨であれば、事前の予想は使いものにならない。断然の1番人気キタサンブラックが、よりによって重や不良の経験を持たぬことも混乱に拍車をかける。

雨の宝塚記念と聞いて真っ先に思い浮かぶのは2007年。記録では「小雨」とされているが、とんでもない。あの日の阪神は朝から大雨に見舞われていた。

降りしきる雨をものともせず、大外を豪快に突き抜けたのはアドマイヤムーン。梅雨空に向けて左手の人差し指を立てた岩田騎手の姿は、10年経った今も忘れていない。岩田騎手にとってJRA移籍後初のGⅠ勝利。記念すべき一勝だった。

Moon 

慌てて新聞を広げた。宝塚記念の11頭の中に、レインボーアンバーやホッカイダイヤのような「雨馬」は隠れていないか。

レインボーアンバーは不良馬場の弥生賞を大差で独走した。ホッカイダイヤも、通算で10勝もしていながら良馬場での勝ちは一度しかない。梅雨どきの競馬では、こうした雨馬たちの出番が増える。

目に留まった一頭はレインボーライン。手綱を取るのは岩田康誠騎手だ。

レインボーラインの父はステイゴールド。その産駒が総じて道悪に強いことを、いまさら紹介する必要はあるまい。オルフェーヴルのダービーはその真骨頂。ステイゴールド自身、7歳にして初めて掴んだ重賞タイトルはどしゃ降りの目黒記念だった。

さらに目を引くのは母の父・フレンチデピュティ。稍重で行われた2007のエプソムカップを思い出して欲しい。勝ったエイシンデピュティ、2着ブライトトゥモロー、3着サイレントプライド。いずれもフレンチデピュティ産駒である。しかも勝ったエイシンデピュティは、この1年後に重馬場の宝塚記念を制している。

さらにさらに、母の母の父には、なんとレインボーアンバーの名前があるではないか。意図的な配合なのかはさておき、レインボーラインが雨馬に相応しい血統を備えていることは間違いない。これは宝塚記念も貰ったようなもの。ドカンと大勝負に出て、払戻金で社台の1歳募集馬を買ってやろう。雨に笑うのは、何も馬だけに限らないゾ。へっへっへ。

雨に笑う馬がいれば、雨に泣く馬もいる。レインボーアンバーが勝った弥生賞で1番人気に推されて敗れたサクラホクトオーなどは、後者の典型であろう。

「一滴でも雨があたるとダメ。傘をさして走らせたい」

そう言って天を仰いだのは、サクラホクトオーを管理した境勝太郎調教師。馬体を絞るために調教でカッパを馬に着せることはあるが、馬が傘をさした例はさすがに聞いたことがない。ともあれ梅雨どきの競馬は、人も馬も空模様が気になる。

 

***** 2017/06/23 *****

 

 

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2017年6月22日 (木)

グランプリホースの血

宝塚記念の出走枠順が確定した。登録のあった11頭すべてが出走する。

「じゃあ、なんのためのファン投票か?」

そんな声が上がるのも頷ける。なにせ過去20年、宝塚記念がフルゲートで行われたことは二度しかない。「ファンが出走馬を決めるドリームレース」とか言っておきながら、実際には出たい馬が出ているだけ。それではふつうのレースと変わりはない。「出否を迷う有力馬が、ファン投票の得票数に後押しされて出走を決断することもあるはず」。そんなファン投票擁護論も稀に耳にするが、それは競馬にとって、あるいは馬にとって、果たして正しいことなのか。議論は尽きない。

「大阪杯がGⅠに昇格したせいで、宝塚の頭数が減った」

今年はそんな声も聞いた。だが、私はこの主張の根拠が分からない。そもそも宝塚記念といえば少頭数が相場。過去57回の歴史において、12頭以下で行われたことが30回もある。1961年の第2回に至っては、6頭立ての予定が2頭が取り消し、わずか4頭でレースが行われた。

1999年の宝塚記念も12頭立てだった。1番人気は武豊騎手が手綱を取るスペシャルウィーク。AJCC、阪神大賞典、天皇賞(春)と3連勝中である。メンバーが手薄になったここは負けられない―――。

だがしかし、そこは競馬である。正攻法でレースを進めるスペシャルウィークをがっちりマークしたのは、前年の有馬記念の覇者グラスワンダー。4コーナーでスペシャルウィークが早めのスパートに打って出ると、間髪入れずにグラスワンダーも仕掛けた。相手はスペシャルウィークただ一頭。危険な作戦だが、強い相手を倒すにはこの作戦しかない。終わってみれば3馬身差でグラスワンダーの圧勝である。

Grass1 

そんなグラスワンダーの血を引く一頭を、今年の宝塚記念の出走表に見つけることができる。それがスクリーンヒーロー産駒のゴールドアクター。彼自身もまた、一昨年の有馬記念を勝ったグランプリホースだ。

ところで、ステイゴールドの産駒がグランプリ(有馬記念・宝塚記念)に強いことはよく知られている。ドリームジャーニー、オルフェーヴル、ナカヤマフェスタ、そしてゴールドシップ。この4頭で9勝だから凄い。シーズン末期の、少しばかりタフな芝がステイゴールド産駒にフィットするのであろう。それならグランプリ3連覇のグラスワンダーの血にも、そんな素質が備わっていても不思議ではない。

期せずして、今年の宝塚も武豊騎手の一強ムード。18年前にスペシャルウィークを倒したグラスワンダーの血が、突如として覚醒することはないのだろうか。

Grass2_2 

昨秋、種牡馬シンジケートが解散してしまったグラスワンダーは、この春からビッグレッドファームで種牡馬生活を送っている。マイネルの重賞勝ち牝馬とも配合されているのは、期待の高さの表れであろう。息子スクリーンヒーローは受胎率が低く、産駒誕生率が5割に満たない現状も後押しして、今年も50頭を超える交配相手を集めたそうだ。

日曜の関西地方は「曇時々雨」の予報。渋った馬場を気にするようなゴールドアクターではない。祖父の新たな船出を祝う勝利を、仁川から遠く新冠に届けることができるだろうか。

 

***** 2017/06/22 *****

 

 

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2017年6月21日 (水)

脂身賛歌

「身体に悪そう」

「ゴムのような食感が苦手」

「アブラっぽくって胸焼けする」

かように豚の脂身を嫌う人は少なくない。ロースカツやポークソテーを注文しておきながら、脂身だけを残す人もいるほど。そのためお店によっては、わざわざ脂身を切り落としてから調理するところもある。

その一方で、豚肉でもっとも美味しい部位は脂身だと信ずる人もいる。実は私もそのひとり。だが、それはしかるべき調理が為されての話。脂分はしっかりと抜きつつ、それでもゼラチン質は溶け出さないように―――。それがあって初めて脂身は輝くことができる。

その上で、こちらの一皿をご覧いただきたい。

Pork 

むかわのレストラン『プラドジュール・イクタ』の道産豚のグリル。どうです。壮観な眺めでしょう。

先にお断りしておくが、こちらは定番メニューではない。ゆえにいつもあるとは限らない。その日はたまたまあった。んで、それをたまたま頼んだ。そしたら大当たりだった。そういう話である。

ひときわ目を引くのは、ホタテの貝柱のごとき巨大な脂身。その輝く光沢は、豚肉とは思えぬほど美しい。もちろん敢えてこの大きさで提供している。それは「ぜひ脂身を味わって欲しい」という店側の思いの証。アツアツのうちに、できれば最初のひと口目でガブッと行ってしまおう。

官能的な食感。のちに訪れる深い旨味。「脂身の概念が変わった」。脂身が苦手というお客さんは、たいていそう言って驚くらしい。そりゃそうだ。脂身が好きだという私だって驚く。

お店の奥様は「バター代わり」という表現を使った。なるほどパンが進む。だからと言ってアブラっぽいわけでもない。これがグリルの為せる業。トンカツでは、ここまできれいに脂が落ち切らないこともある。

むろん肉本体の方も負けてない。淡いロゼピンクの肉は厚さ3センチはあろうかという重量感。しっかり噛み応えがあるのに、肉質は柔らかでアゴが疲れることもない。ぎゅっと噛み締めると濃厚な肉汁が溢れ出し、旨味が口いっぱいに広がった。

Ikuta 

「こんなお肉を普段から食べているご主人が羨ましい」

つい、そんなことを口走ってしまった。しかしながら、ご主人も奥様もほとんど食べたことがないのだという。味見をするにしても、ほんのひとかけら。それで十分味は分かる。しかもご主人は常に空腹状態でお仕事をなさっているらしい。その方が「美味しくしたい」という欲求が無意識に働くし、いきおい分量も多くなる。だからサラダもご覧のボリューム。お客さんに「足りない」と思われることだけは、絶対に避けたいのだそうだ。

Salad 

かように今回は豚肉に打ちのめされたが、常連さんによれば鶏肉料理も絶品なのだとか。なぜか。実はご主人、焼き鳥屋さんも経験なさっているらしい。ならば鴨などは最高であろう。次に訪れるべきは冬だな、こりゃ。

 

***** 2017/06/21 *****

 

 

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2017年6月20日 (火)

果てしない大空と

例年、社台さんの牧場ツアーがハネたあとは、千歳か札幌に一泊することにしているのだけど、今回はそのまま帰京。空港内で土産店を物色して時間を潰し、頃合いを見て手荷物検査所を潜り抜けようと思ったら、搭乗便遅延のアナウンスが聞こえてきた。

45分の遅れだそうである。ならば実際には1時間といったところか。まあ、それはいい。問題は続けてアナウンスされた遅延の原因である。

「カムチャッカ半島における火山噴火の影響で、使用機材の到着が遅れております」

カムチャッカ半島……?

ロシアの噴火が羽田-新千歳間の航路に影響を与えるものなのか?

ともあれ踵を返してターミナル内のレストランへ。ビールを注文して窓際の席に座り、彼方にそびえる樽前山を眺めながらひとしきり考えた。そういえば樽前山も活火山。今は噴火しないで欲しい。

北海道の牧場に通うようになって30年。いつの頃からか、行き帰りの新千歳空港(かつては千歳空港)で樽前山を眺めるのが、私の中での決まり事になった。千歳に降り立って樽前山が見えれば好天が期待できるし、帰途には旅の名残とばかりに目に焼き付けることにしている。千歳から眺める樽前山の姿は、私にとって北海道の象徴のひとつだ。

樽前山の南麓にあたる白老界隈の土壌が酸性なのは、長年の火山活動で降り積もった火山灰が原因。ためにその地のサラブレッド生産者たちは土壌改良に苦労してきた。むろん当時の社台ファーム(現・白老ファーム)とて例外ではいられない。だが、その努力がダイナガリバーを生み、サッカーボーイを生み、そしてオルフェーヴルを生んだ。人はもちろん、そこで生まれ育った馬たちも、日々樽前山を見ていたことだろう。

空港に勤める知人から連絡が入った。

国際便がカムチャッカ上空を迂回するあおりを受けて、北海道上空の航路が混雑して離陸許可が遅れるのだそうだ。それでなくても、最近の千歳上空はLCCや国際便の増加で混雑が激しいとのこと。ふーむ。これだけ広い空のどこが「混む」のかとても理解できないが、ともかくそういうことらしい。

北海道の空は広い。山際が迫る日高と違って、平野部にある社台グループの各牧場では特にそれを感じる。ビル群で空が覆い隠されている都会の人にしてみれば、そこは非日常の極み。彼らが北海道を実感するのは、広大な緑の大地だけでなく、この果てしなく続く青い空であろう。牧場ツアー参加者は馬だけはなく、実は無意識のうちに空も見ている。それが心身に与える効果は計り知れない。

Sky 

牧場ツアーに一度でも参加した人は、年老いて死ぬ間際に牧場の風景を思い出すのだそうだ。今回のツアーではそんな話題も聞こえてきた。多少の唐突感はあったが、それに私は深く頷く。

帰りの便は1時間遅れで離陸。1時間半に及ぶフライトの果てに見えてきた景色は、雨に煙るビル群の明かりである。そこには樽前山のような印象的な山も、果てしなく広がる済んだ空もない。それを見て、大井の馬たちが多少気の毒に思えてきた。たまの放牧くらい理解してあげよう。それは人間にだって必要なものなのだ。

 

***** 2017/06/20 *****

 

 

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2017年6月19日 (月)

一頭でも多く見るために

ゆうべの話。

帰宅して風呂に入ると、両腕がヒリヒリと痛む。なんだと思って見てみれば、手首から肘の中間あたりまでが真っ赤になっているではないか。

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ハテ? バレーボールをやった記憶はないゾ……。

となれば答えはただひとつ。日焼け以外あるまい。ありがたいことに、牧場では3日間快晴が続いた。だからといって日焼けごときに文句を言ったらバチが当たる。こんな不自然な焼け方をしたのは、長袖の先を二折りほどめくっていたせいであろう。

「日焼けは身体に負担になる。だから疲労がたまる」

今回ツアーに同行した某社長氏はそう言って、日焼けせぬよう気を配っていた。私はその辺が無頓着だからいけない。クビ周りもしっかり焼けているし、ハナ先も赤い。クビハナなら競馬の話だ。そう笑い飛ばして眠りにつき、朝になって目を覚ましたら全身の疲労感が半端ない。いい加減自分のトシを考えろ―――。体がそう言っているような気がしてならない。

しかし、数年前のツアーではもっと疲れていた。なにせ移動のバスの車中では参加者全員が眠りに落ちていたほど。それを察したスタッフもほとんどマイクを取らなかった。私は一度、展示馬の周回展示中に、立ったまま眠っている参加者を目撃したことがある。むろん疲れるのは牧場側も同じことだから我々もそれなりの覚悟を持って臨んでいたし、一頭たりとも見逃すまいと疲れた身体に鞭打って放牧地を歩き続けた。

だが、最近はどこか違う。追分から苫小牧のホテルへ向かう車中も、二日目の朝も、みんなしっかり目を覚ましていた。

何が違うのか。大きいのは展示頭数。ちょっと前のツアーでは種牡馬を含め、2日間で450~500頭をこなさなければならなかった。ちなみに今年は種牡馬を含めて350頭に満たない。頭数が少なければ移動も少なくて済む。

しかしなぜ展示馬が減ったのか。だって募集頭数自体はむしろ増えているのである。

    2010年 2017年
------------------------
社台RH 70  92
サンデー 76  93
G1TC --  44
社台OC 60  67
地方所属 28  27
------------------------
合計  234 323

タネを明かせば、当時のツアーでは募集1歳馬のみならず、ツアー参加者の出資現役馬も展示されていたから。展示場所が足りずに厩舎脇のちょっとしたスペースにも馬が立っていた光景は、今となっては懐かしい。

Tenji 

だが「募集馬をじっくり見たい」とか、「他人の活躍馬など見たくない」という意見もあって、数年前から出資馬展示は行われなくなった。おかげで時間的なゆとりは生まれたが、空いた時間を募集頭数の増加で埋める牧場側も抜け目がない。ともあれ、最近のツアーはずいぶん楽になった。覚悟と体力を必要としなくなった代わりに、若干とはいえ緊張感が失われた感もある。

それでもまったく歩かなくなったわけではない。前出の社長氏は、ノーザンファームの放牧地を歩きながら「こういうところを馬たちは歩いているんだなぁ」としみじみ語った。遠目には均一に草が生えそろっているように見えても、実際に歩いてみれば地面はデコボコだし、ところどころ土がむき出しになっているし、草の種類もタンポポとかオオバコとかクローバーとか様々。それを自らの足の裏で実感すれば、馬の見え方も違ってくるかもしれない。

クラブのスタッフは「とにかく歩いてください。他人より歩いて、他人より多くの馬を見てください」と力説していた。相馬眼を養うには、とにかく多くの馬を見る以外に道はない。馬選びは体力勝負。そのために健康に注意するのは当然であろう。無駄な日焼けを避けるのも一理ある。

ツアーには作家の吉川良氏がゲストとして同行するのだが、このヒト、2月に80歳になったばかり。夜のパーティーで壇上に上がるときの軽やかなステップや、放牧地をせっせと歩く姿を見ると、とてもそんなトシには見えない。そんな吉川氏から「お、おまえ。なんでそんなに太ったんだ?」と絶句されてしまった。他にも「太りましたね」と指摘する人多数。5キロも太ればそれも仕方ないか。

そんないろんな事情が相重なって、今日からちょっとだけ生活態度を改めることにする。と言っても、目的地のひと駅手前で電車を降りて歩き、うどんの大盛を普通盛に変える程度。さほどの効果もあるまいが、馬を見るにも健康が大事だということを今さら実感した次第。歩けなくなってからでは遅い。

 

***** 2017/06/19 *****

 

 

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ロン毛

もう帰京していますが、気になったので。

またまたキズナなんですが……、

Kizuna 

タテガミ、めちゃくちゃ長くないですか?

ちなみにこちらは現役時代(ダービー優勝時)のもの。

Kizuna2_2 

なお、今夜から通常更新に戻ります。変わらぬご愛顧を。

 

***** 2017/06/19 *****

 

 

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2017年6月18日 (日)

またね

ユニコーンSで盛り上がって、今年のツアーも終了。最後は恒例、デルタブルースのお見送りです。

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みなさん、お疲れさまでした。

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答えは……

キズナでした。

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今年も200頭を越える種付けをこなしたそうです。

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ヘン顔の主は?

問題です。こちらは誰でしょう?

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ヒントはダービー馬です。

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今日のハイライト(その2)

お弁当ターイム!

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ただ、今年は白飯の上に載ったイクラの量が減ってました。割り箸がキレイに割れません。ソースとしょうゆの小袋も、恐ろしく取り出しにくかったです。

……なんて文句を言いながら、もちろん完食。さあ、スケジュールもあと少し。頑張りましょう

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マジックストームの2016

大半の参加者がメインと位置付けるノーザンの牡馬展示です。マジックストーム×ハーツクライの牡馬の周りには黒山の人だかりが。

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私には縁のない一頭ではありますが、目の保養だと思って拝ませてもらいました。

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クラーベセクレタの2016

かよこさん、お待たせしました!

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クラーベセクレタの2016はヴァーミリアンの女の子。鹿毛が赤く輝いてます。

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ブエナビスタの2016

早来界隈は素晴らしい天候になってきました。

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ブエナビスタの2016。父はもちろんキングカメハメハです。

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ドナブリーニの2016

ノーザンファームの牝馬展示がはじまりました。

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トップバッターはドナブリーニの2016。ジェンティルドンナの全妹。雰囲気があります。

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今日のハイライト

おはようございます。

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ツアー2日目の朝は、ホテルウイングインターナショナル苫小牧の「北寄ごはん」ではじまります。今年も用意していただき、ありがとうございます。

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今日はノーザンファーム。ドナブリーニ、ジェンティルドンナ、ブエナビスタ、マジックストーム、アゼリ……。ツアーのハイライトともいえるシーンが待ち受けていると思えば、楽しみと、そして多少の緊張感の入り雑じる朝食にはなりますが、私にとってはこの「北寄ごはん」こそがハイライト。ゆっくり味わわせていただきます。

さあ、次のハイライトはお昼のお弁当だ。

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2017年6月17日 (土)

はじまりました(その4)

恒例のパーティーがはじまりました。

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今年も重賞の優勝肩かけがズラリと並んで壮観です。なぜかユングフラウ賞の一本が、JRAに比べて一回り大きいんですよね。浦和は大柄な馬が多いのかな?

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ソロルの全弟

ラバヤデール×シンボリクリスエスの牡馬。

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マーチSを勝ったソロルの全弟ですね。

追分ファームの馬見も終わって、これから苫小牧へ向かいます。

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はじまりました(その3)

追分ファームに移動して再び馬見です。


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写真はリングジアラーム×オルフェーヴルの牝馬。オルフェーヴルの芦毛って、なんかイメージしづらいですよね。

それにしても日射しが強い。日焼けに注意です。

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はじまりました(その2)

こちらもはじまりました。まずは社台ファーム。

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先頭バッターは、スタセリタ×ディープインパクトです。長浜さんの謳い文句は「規格外の一頭」。2年前、お姉さんのソウルスターリングの時にも聞いたセリフです。

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はじまりました

今年もはじまりました。

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酔って気持ちが大きくなったところに馬を見せられます。牧場の思うツボですよね。

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チョコパンかと思いきや

おはようございます。

朝食はこちらのチョコパン……


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ではありません。

パンの表面にコーティングされているのは、なんと羊羮。その名も「ようかんツイスト」です。こちらでは珍しくないパンとのこと。

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内側にホイップクリームが挟まれているので、甘いのなんの。面白半分に買ってみましたが、甘いモノ苦手な私にはちょっと厳しいです。なら買うなよ、って話ですが、このネーミングについ……(笑)

むかわは朝から青空。これから千歳です。

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2017年6月16日 (金)

カメラおろし

実はこれまで使っていたカメラが北海道に来る直前にうんともすんとも言わなくなり、慌てて新しいカメラを買って、今日がそのデビュー戦でした。

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同じメーカーの機種とはいえ、使い勝手はまるで近います。「えっ、こんな動きすんの?」とな言いながら、どうにか1日をやり過ごしました。よりによって、北海道に来るときに壊れんでも……と、文句のひとつも言いたくなります。こちらはゴールドシップ。ちと、痩せましたか?

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ただ、私が初めてデジタル一眼レフを使った時も同じシチュエーションだったことを、いま思い出しました。ポーカーアリスが1歳の秋、彼女に会うため社台ファームに行く前日にカメラが壊れ、慌ててビックカメラに駆け込んだのです。やはり歴史は繰り返されるのですね。

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あれから10年と半年の月日が流れ、当時まだ子馬に見えたポーカーアリスも、いまや立派なお母さんになりました。一方の私はカメラの取説をにらみながら、撮影コマをWifi経由でスマホに転送するという一大ミッションにチャレンジしています。おじさんは10年の歳月を経て、脳がすっかり退化しました。


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ポーカーアリスの2017

10日前に生まれたばかりのポーカーアリスの子はリーチザクラウンの男の子です。

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順調に育っているようで何より(^o^)

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おうまタイム

馬たちと一緒に放牧ちう


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グラスワンダー

私の目当てはコチラの一頭てした。


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グラスワンダーですね。

お天気なのに厩舎に戻されて少し不満げ。

でも、これから種付けなんですよ。いまは出番待ち中です。

今年はすでに50頭ほどに種付けしたとのこと、マイネレーツェルなど重賞勝ち馬にも付けたところを見ると、期待の大きさが伺えます。

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予告通り

日高は快晴です。

今日の昼飯は予告通りコチラ。

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ウマイ!

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2017年6月15日 (木)

空室アリ

うどんを「主食」と言い切れるほど食べているつもりはないのだけど、うどんがなさそうなお店に行ってメニューにうどんを見つけるとついつい頼んでしまう。

Udon 

こちらは千歳の居酒屋『あじ彩』の稲庭うどん。てっきり温かい一杯かと思ったら、聞けば麺もダシも冷たい“ひやひや”らしい。正直に言えば温かいのが食べたかった。なにせ一歩外に出れば真冬並みの寒さである。

実は諸事情此有りで、明日の予定を早めて急遽千歳にやって来た。千歳市街は早仕舞いのお店が少ないくないが、こちらは遅くまで営業してくれているので助かる。先月来たばかりだというのに、またお邪魔してしまった。

いや、もっと助かったことがある。それは千歳のホテルに空室があったこと。

近年、道内に蔓延る慢性的なホテル不足からすれば、当日飛び込みの空室など期待できまい。どうしたものかと思案しつつ、いざ千歳に降り立ってみれば気温13度。しかも雨が降っているではないか。この寒さの中で野宿は避けたい。ならば数少ないツテを頼って……

―――そんな不安はあっさり消え去った。なんと、どのホテルも空いているのである。しかもフロントで聞けば、明日の金曜も空室があるというではないか。それを聞いてさらに驚いた。

この週末は社台グループ各牧場の1歳募集馬見学ツアーが予定されている。金曜の日帰りツアーと土日の1泊ツアーを合わせれば、参加人数は、延べ千人近くに達しよう。その前後で合わせて北海道旅行を楽しもうという会員さんもいるから、例年千歳界隈のホテル確保は困難を極める。ために私は誰も知らないであろう鵡川の小さな小さなホテルで、金曜の夜を過ごすのが毎年の決まりになっている。

しかし事情は変わりつつあるらしい。ひょっとしてツアー参加者が極端に減ったのか。社台ファームがオーナーランキング3位に転落して久しい。その体たらくに見切りをつけた会員たちが、こぞってキャロットに走ったとしても不思議ではないように思える。

今はホテルに戻ってこのテキストを打っている。窓を見る限り、雨は上がったようだ。

明日は浦河まで行って当歳を見て、静内に戻って種馬を見て、新冠の牧場に立ち寄りつつ、門別でまた当歳を見ることになっている。

道中のスケジュールは分刻み。先方に時間を伝えてあるから遅れるわけにはいかない。できることなら浦河のうどん専門店に立ち寄ってみたいのだが、ちょっと難しそうだ。昼飯はセイコーマートのおにぎりにするしかあるまい。ただ誤解のないように書き添えておくと、もちろんセイコーマートのおにぎりは美味い。

美味いといえば、『あじ彩』の冷たい稲庭うどんの美味さを書くのを忘れるところだった。ちょっと甘めで気品漂う透明なダシに、滑らかな麺。その痛快な喉越しは、冷やしてこそ得られるのであろう。敢えて言うなら、蒸し暑い東京でこれを食べたかった。

そんなわけで明日からしばらく忙しくなります。ブログの更新についても、ショートバージョンを適宜更新という形になりますので、なにとぞご了承ください。

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2017年6月14日 (水)

函館巧者

高松宮記念を勝ったセイウンコウセイが今週の函館スプリントSに出走を予定している。GⅠを勝ったばかりの格上馬が56キロで出走できるのだから、人気になるのは当然。他陣営からは「ルール違反」とボヤく声が聞こえてくるが、もちろんルール違反などではない。単勝1倍台の圧倒的支持を集めることも予想される。

しかし一方でセイウンコウセイは函館初参戦。そこに思わぬ落とし穴が待ち受けているかもしれない。

そう思うことにはワケがある。高松宮記念の優勝馬が次走に函館SSを選んだことが過去に一度だけあった。2002年のショウナンカンプだ。

「春のGⅠを勝った馬が夏の函館に出走するのは1988年のヤエノムテキ以来14年ぶり!」

当時、ショウナンカンプの函館参戦は大きな話題となった。しかも14年前のその函館のUHB杯をヤエノムテキが勝っていたものだから、地元ファンの熱気は収まらない。ならばショウナンカンプも……。そんな函館の熱い思いは、ショウナンカンプを単勝1.2倍の圧倒的1番人気に押し上げた。

それがよもやの4着敗退である。

スタートで若干の出負けがあったが、大きな不利ではない。すぐにハナ立って、いつものように4コーナーへ。しかしそこからが違った。函館の短い直線でサニングデール、タイキトレジャー、ダンツキャストに次々と交わされていくではないか。

Shiba 

函館の芝が合わなかった―――。

衝撃の敗戦にショウナンカンプを管理する大久保洋吉調教師は「函館の馬場」に敗因を求めた。3馬身半差でGⅠを圧勝した馬が、直後のローカルGⅢで勝ち馬から3馬身差も離された4着に敗れたのである。明確な敗因を持ち上げなければ、何を言われるかわかったものではない。

大久保師に言われるまでもなく函館の洋芝は独特。函館記念3連覇のエリモハリアーに代表されるように、函館の芝を得意とする「函館巧者」はたしかに存在する。

しかし函館巧者であるかどうかは、走ってみなければ分からない。時計がかかるから「重い」と言われるが、道悪の「重」とは違う。なにせエリモハリアーは函館以外の競馬場で稍重の芝を5戦しているが、うち3戦が2桁着順。一度も勝ったことがない。逆に「函館の芝が合わない」と調教師が嘆いたショウナンカンプだが、稍重の阪急杯を59キロを背負って独走している。「重馬場得意=函館得意」とは限らない。

それと同じことが今年のセイウンコウセイに当てはまりやしないか。私はそれを危惧している。重馬場の渡月橋Sと稍重の高松宮記念を勝ったセイウンコウセイは、確かに道悪を苦にしない。だが、それで函館の芝が合うかどうかは、また別問題だからだ。

Turf 

しかし、私がここでイチャモンをつけたことが、セイウンコウセイにとって強い追い風となる可能性はある。ちなみに私は馬券を買うことができない。レースはおそらく道南バスの車内TVで観ることになろう。毎年のことだが、バスのアンテナ受信状況が悪くて、ちょいちょい映像が止まってしまう。それがレース中で、しかもゴール前100mだったりすると悶絶モンなんですよねぇ。

 

***** 2017/06/14 *****

 

 

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2017年6月13日 (火)

若鮎の如く

今宵は銀座某所で社台会員さんらとの酒席。

Catalog 

送られてきたばかりのカタログを広げつつ、狙いを定めた1歳馬と、そしてデビューを控えた期待の2歳馬の話題で盛り上がった。6月はもっともクラブライフが充実する季節ではあるまいか。若鮎の如くしなやかで、美しく、生命力にあふれた2歳馬たちのレースぶりが今から楽しみでならない。

6月は鮎の季節ともされている。

だが、実際に食べて美味いのはある程度成長した7月、8月の鮎であろう。真夏の取れたてを塩焼きにし、ハラワタの部分からガブりとやるのが美味い。鮎の季節を6月とするのは、釣り師の季節感が多分に反映されてやしないか。ともあれ、今宵の宴席でも焼き物は鮎と聞いていたのだが、私の一存で変更してもらった。

かつての私は鮎の塩焼きそのものを美味いと思っていなかったフシがある。背肉はソコソコ美味いが、川魚としては山女魚や岩魚とさほど変わらない。特に美味とされる内臓もスカスカで、苦いばかり。なぜこの味が絶賛されるのか、皆目見当がつかなかった。

だが、ある年の夏。普段なら訪れないであろう競馬オフシーズンの京都に、たまたま出向く機会を得た。その折、嵐山の奥にある一軒でついにその味を知るに至ったのである。

ワタが美味いというのはこのことか。それはまごうことなき脂の旨さであり、むしろくどさを懸念するほど。ところが、フルーツを思わせる爽やかな香りと軽快な苦みとが、そんな懸念を一笑に付してくれる。なんとも胸のすく味わいであった。私はこれを知らずに生きてきたのかと、愕然とした思い出がある。

一年魚である鮎は成長も早く、ために食欲もすこぶる旺盛である。であるから、水揚げされた鮎は、たとえ生簀で活かされていたとしても、たちまち内臓が痩せ、味が落ちるのだそうだ。すなわち東京で美味い鮎を味わおうとすること自体に、そもそも無理があるのだという。

ちなみに、10年ほど前まで「若鮎賞」という名のレースが行われていたことを覚えておいでだろうか。5月東京の3歳500万特別。通常は植物の名前が冠されるはずの3歳特別戦に、魚の名前が用いられるのは珍しい。JRAのレース名全体を通しても、魚の名前が使われていたのは若鮎賞くらいではなかろうか。「初鰹賞」とか「秋刀魚特別」なら季節感も伴ってよろしかろうと思うのだが、ついぞ見かけたことはない。

Wakaayu 

東京競馬場の脇を流れる多摩川でも、近年では鮎が復活して話題となっている。「若鮎賞」というレース名はなぜ消滅してしまったのか。その経緯は知らないのだが、こちらの鮎の復活はないのだろうか。エアスマップやダイヤモンドビコーといった若鮎たちが、夏から秋への飛躍のきっかけにしていった思い出深いレースなのである。

 

***** 2017/06/13 *****

 

 

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2017年6月12日 (月)

ウインズ後楽園最寄の一軒

東京開催も2週を残すのみ。それが終われば関東からJRA開催か消える。その間、こちらの黄色いビルのお世話になるという向きも多かろう。

Wins 

実は前から気になる店があった。外堀通りを挟んで黄色いビルの向かいに建つ黒いビル。その一階に中華料理店らしき看板が見えるのだが、なかなか訪れるチャンスがない。なにせ平日は近所のサラリーマンやOLで大行列。土曜は土曜でウインズ利用客が、やはり列を為している。ところが日曜はガラガラ。やった!とばかりに横断歩道を渡ってみれば、なんのことはない、定休日であった。

ともあれ、この日はたまたま空いているようだったので、意を決して入店。お店の名前は『鐘楼』という。刀削麺と四川料理がウリらしい。

Jonroh 

オーソドックスに刀削麺と餃子をオーダー。

「刀削麺」について今さら説明の必要はあるまいが、念のために記載しておく。むろんトウショウ牧場とはいかなる関係もない……と思う。たぶん。

Tosho 

練った小麦粉の塊を板の上に載せ、右手に持った包丁でリズミカルに細く削る。削り出された小麦粉は「麺」となって宙を舞い、煮えたぎる茹で釜に向かって一直線。待つこと3~4分。茹で上がった麺に、麻辣、挽き肉、香菜を添え、スープをかければ出来上がり。見た目通りにソコソコ辛い。

Men 

麺は長さ約30センチ、幅約1センチ。特筆すべきはその厚さで、削り口は薄く、真ん中あたりが若干厚めになっている。それが微妙な食感の差となり、食べるものを飽きさせない。

Gyoza 

ひと呼吸おいて、鉄鍋に載った餃子が到着。じゅうじゅうと音をたてて油が跳ねている。当然熱い。しかし、これは熱いうちに食えという店側のメッセージであろうから、口の中が辛くなっていることなどおかまいなしに、アツアツの餃子を放り込んだ―――。

あ、あっちぃーっ!!

味は、味は……、よくわかりません(笑)

ま、サイドオーダーをするなら、餃子よりはご飯にすべきだったかもしれない。白飯はもちろん、「週替わりご飯」というメニューもあるんだそうだ。この辺は次回に向けての反省点であろう。

後楽園の敷地内の店舗を除けば、おそらくこの『鐘楼』さんがウインズにもっとも近い飲食店に違いない。そういう意味ではクリアできて良かった。来月になれば後楽園を訪れる機会も増える。見知らぬ店を次々と踏破していきたい。

 

***** 2017/06/12 *****

 

 

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2017年6月11日 (日)

不買の誓い

社台&サンデーの募集馬カタログが届いて、まる5日間が過ぎた。

Catalog 

ところがご覧の通り未開封なのである。見ればどうしても選んでしまうし、選べばどうしても欲しくなる。だから見ない。それもある。さらにもうひとつ。家人に対して「興味ないんだよ」という無言のメッセージでもある。

昨今のメディア恐慌の嵐にさらされた結果、我が家の家計は大海原を漂流するイカダのごとき状況にある。孤立無援であり、まるで先は見えない。そんな漂流イカダの上で「ノーザンのディープインパクト産駒が欲しいなぁ」なんて言い出したら、周囲の誰もが気が触れたと思うに違いない。稀に理解されにくい冗談を言ったりすることがある私だが、それでも家庭内からは「まだボケるには早く、じゅうぶん働かせられる」と認識されているはず。想定よりもりより早くボケが到来したと思われれば、即時廃用に追い込まれる危険性だってある。

そうは言っても私の周囲には数多の社台会員がいるので、その手の話題から逃れることはできない。昨日は「もう5頭に絞ったよ」というメールが届き、今日も別の会員さんから「もう決めましたか?」と電話があった。しかもあさっては会員同士の飲み会が予定されている。そこで募集馬の話題は避けられまい。

もはや逃れることはできぬ。これも会員の宿命と割り切って、開封するしかないのだろうか。

一方でカタログを見ておかねばならぬ事情もなくはない。買わぬ買わぬと言っておきながら、今週末の社台グループ募集馬見学ツアーには、今年もしっかり参加することになっている。2日間で数百頭のイヤリングを見倒すのであれば、当然ながら予備知識は必携。この一週間の間に詰め込めるだけ詰め込んでおかねばなるまい。

Jentil 

それにしても―――と思う。このようなツアーやパーティーに参加すると、なぜか私の周囲には「ジェンティルドンナを持ってました」とか、「アンライバルドとアプレザンレーヴでダービー2頭出ししたのが自慢です」とか、「ようやくGⅠを穫ることができました。グレープブランデーのおかげです」みたいな人が集まり、羨ましい話ばかりを聞かされた挙げ句の果てに「ヨシ俺も!」と申し込みに走ってしまうのである。

Grape 

しかし、なんだか話がデキ過ぎの感は否めない。ひょっとして、社台が仕組んだ巧妙な罠なのではないか―――?

そんな疑いの目を向けたこともなくはない。だが、彼ら彼女らは本当にジェンティルドンナやグレープブランデーの会員であった。つまり、ガチでこういう目に遭ってしまうも社台グループの恐ろしさとも言えよう。

このブログは社台やサンデーの関係者も読んでいるらしいから、正直こういうことは書きづらいんだけど、どれだけ欲しくても今年は絶対買わないぞ!

―――とりあえずそう書いておくことにする。

 

***** 2017/06/11 *****

 

 

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2017年6月10日 (土)

米国に刻まれる「ヨシダ」

5月に入ってから先週まで、東京競馬場では5つのGⅠレースと、2つのGⅡレースが行われたわけだが、その勝ち馬はすべてノーザンファームと社台ファームの生産馬で占められている。

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内訳はノーザンがGⅠ4勝にGⅡ1勝。社台がGⅠとGⅡをそれぞれ1勝ずつ。いまさらなかがら、吉田兄弟の凄さに感服する。日本中が注目するダービー当日も、東京競馬場で行われた12レースのうち、実に9レースで吉田家の馬が勝った。

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そんな吉田家の名は、もちろん海外にも知れ渡っている。それを象徴するのが、現在米国の芝路線で活躍する「YOSHIDA」だ。

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人の名前ではない。れっきとした馬名。一昨年のセレクトセールで、米国ウィンスターファームが9400万円で落札したハーツクライ産駒である。プリークネスS当日のピムリコ競馬場で行われた準重賞・ジェームズ・マーフィーS(芝1600m)を4馬身差で圧勝したばかり。現地のサラブレッド・デイリー・ニュース紙も、「ライジングスター」との表現で将来性を高く評価している。

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人物の名前を馬名に使うことは珍しいことではない。ニジンスキーやヌレイエフ、古くはネアルコやリボーなども、人の苗字からとった名前だ。今をときめく種牡馬の「フランケル」にしても、ペイザバトラーでジャパンカップを勝った名伯楽、ロバート・フランケル調教師にちなんで名付けられている。

05derby 

件のハーツクライ産駒を「ヨシダ」と名付けることについては、事前にウィンスターファームから吉田勝己氏に連絡があったそうだ。その申し出を勝己さんは快諾。なによりウィンスターファームとは善哉さんの代からの長い付き合いがある。ウィンスターファームも、セレクトセール参入の理由を尋ねられて「米国における吉田家の投資に報いるため」と答えていた。そういう意味では、勝己さんというよりは善哉さんからの命名と受け止めるべきなのかもしれない。なによりそのほうが強そうに感じる。

06meguro 

注目のヨシダの次走は7月8日のベルモントダービー招待S(GⅠ・芝2000m)。果たしてシーザリオ以来12年ぶりとなる日本産馬による米GⅠ制覇は為されるのか。ベルモント競馬場に善哉さんの名が刻まれるかもしれない。

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***** 2017/06/10 *****

 

 

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2017年6月 9日 (金)

【訃報】タートルボウル

昨年の社台グループ牧場ツアーでのこと。新千歳空港を出発し、社台ファームへと向かうバスの車内に、いくぶん驚きを含んだ声が響いた。

「シーハリケーンが勝っちゃった!」

2016年6月18日阪神1Rの2歳未勝利戦。デビューから中1週で臨んできたシーハリケーンが、松山騎手を背にハナ差で逃げ切って見せたのである。それでなぜ驚きの声があがるのか。7番人気の低評価だったせいもある。だが、実はシーハリケーンは新種牡馬タートルボウルの産駒であり、これが日本における産駒の初勝利だった。「まさか勝つとは……」。車内には、しばしそんな空気な漂ったと記憶する。

あれから1年。今年の牧場ツアーの直前になって、タートルボウル急死の報が飛び込んできた。種付け後に倒れたという。15歳は若い。ディープインパクトと同い年ではないか。

Turtlebowl1 

ハービンジャー、ワークフォース、そしてノヴェリスト。

ここ数年、欧州の大物を次々と導入した社台グループの輸入種牡馬群にあって、タートルボウルは正直あまり目立つ存在とは言えなかった。今回の訃報にしても、さほど大きく取り上げられた形跡はない。

もともとハービンジャーやワークフォースとタートルボウルとでは立場が異なっていた。それはタートルボウルがすでに現地で種牡馬入りしていたこと。欧州に残してきた産駒の中には、仏2000ギニー馬ルカヤンや、クリテリウム・インターナショナルの勝ち馬フレンチフィフティーンといった活躍馬がいる。実績を確認してから連れてきたのだから、「バリバリのメジャーリーガーを連れてきた」という当時の触れ込みも、決して的外れではなかった。

しかし、そうはいっても認知度の低さを補うのは容易ではない。種牡馬事業は人気商売でもある。

だからこそシーハリケーンの勝利に関係者は色めいた。「産駒は総じて仕上がりが早く、2歳から活躍が見込める」というのは看板に偽りはなかったのである。

「タートルボウル産駒をどう勧めればいいのか……」

ツアーに添乗した社台のスタッフは、そんな悩みを打ち明けてくれたが、シーハリケーン勝利の報を聞いて一転、タートルボウル産駒をガンガン推してくるのだから始末に負えない(笑)。なにせシーハリケーンは社台ファームの生産馬でもある。それを受けてこちらも「ひょっとしたら……」と考えてしまうのだから、我ながら情けない。まあ、結局買うことはなかったけど。

Turtlebowl2 

その後、フライングショットが道営のサッポロクラシックカップを勝ち、アンジュジョリーが東京プリンセス賞を制した。たしかに2歳から活躍という看板に偽りはなさそう。だが、その一方で産駒は総じてスピード不足の印象が拭えない。むろんプロもそれは分かっているから、今年あたりから配合パターンの見直しを考えていたことだろう。そんな矢先の訃報であった。

我が国に残された産駒は5世代。その中からルカヤンやフレンチフィフティーンを上回る産駒が現れることを期待しよう。それがフランス競馬に対する礼儀でもある。

 

~週末に走を予定しているタートルボウル産駒~

 【6/10(土)】
  東京5R クワトロダッシュ
  阪神8R ラバピエス
  阪神12R トリオンフ

 【6/11(日)】
  阪神1R アザブジュウバン
  阪神6R サダムドミニック

 

***** 2017/06/09 *****

 

 

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2017年6月 8日 (木)

誤植の魔の手

まずはこちらをご覧いただきたい。

【6月4日付スポーツ報知公式サイト】

http://www.hochi.co.jp/horserace/20170604-OHT1T50241.html

0604 

最終行に「重賞2勝目ゲットなるか」とあるが、クラリティスカイは既に重賞を2勝(いちょうS、NHKマイルカップ)してなかったか。

 

【6月5日付スポーツ報知紙面】

0605 

サトノダイヤモンドが菊花賞のあとに有馬記念を勝ったという記憶は、私の思い込みなのかもしれない。

 

【6月6日付スポーツ報知紙面】

0606 

東京ダービーが行われたのは昨日。「7日」です。

 

【6月7日付スポーツ報知紙面】

0607 

おとといも書いたように、的場文男騎手は昨年まで東京ダービーに計35回の騎乗経験があった。だから今年は「36回目」のはず。ただし、この1年の間に私の知らないところでコッソリ「東京ダービー」という名のレースが行われていたのだとしたら、話は別である。

 

―――と、まあこんな具合。もちろん新聞に限らず印刷物に誤植はつきもの。「印刷物に誤植あり」とさえ言われる。出版に携わる人々が自戒を込めて言い伝えた言葉。ともあれ、誤植を完全に無くすことが無理なことは重々承知。だが、同一媒体で4日連続。しかもすべて競馬絡みとあっては、さすがの私も黙ってはいられない。

ただいま、本日付のスポーツ報知を広げて誤植の有無を確認中である。仮に5日連続となれば、ジャイアンツの13連敗にも匹敵する痛恨事であろう。

ちなみに「誤植」とは誤字のこと。かつて新聞や出版物が鉛活字の版組みによって作られていた頃、「誤った活字を植えること」を略して「誤植」と呼んだ。印刷の世界から活字が消えた今でも、用語としては「誤植」が幅を利かせている。その魔の手は新聞や出版の世界に留まらず、ゼッケンの馬名にまで触手を延ばすからタチが悪い。写真は浦和のパンパカパーティ。

Pakapaka 

とかく人は間違いやすいものだ。文章には言葉づかいの癖、思い込み、誤認の類が絶えずつきまとう。それに抗うには校閲を繰り返すしかない。

特に競馬に関する校閲は手間がかかる。誤字脱字や矛盾する表現のみならず、血統や成績にまで目を光らせなければならないからだ。たとえ小さな間違いでも、それが予想に影響したと言われれば、最終的にお金の問題になってしまう。私もどれだけ苦労されられてきたことか。

だから敢えて言う。競馬マスコミに携わる人間がそれを知らぬはずはない。であれば、的場文男騎手のダービー通算騎乗回数を間違えたりするとは思えぬ。だって、記事の左隣に掲載された的場騎手の東京ダービー成績表を数えれば済む話じゃないですか。ためしに数えてみたが、きっちり「35」であった。百歩譲って的場騎手本人が「今年が37回目」と発言したのだとしても、それをチェックし、必要に応じて修正するのがプロのメディアの仕事である。

ここまで書いてふと思った。

昨日付のスポーツ報知からもうひとつ。門別10レースの出馬表に添えられた予想では、ブリリアントアリスに本命の◎の印が付いていた。それに気をよくして大井ふるさとコーナーに足を運び、単勝馬券まで買ったものの結果は3着である。

よもや……。

Yosou 

この予想の印も誤植だったのではあるまいな……。

 

***** 2017/06/08 *****

 

 

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2017年6月 7日 (水)

歓喜と、興奮と、そしてほんのちょっとのほろ苦さと

早朝に北海道からメールが届く。ポーカーアリスがリーチザクラウンの子を無事出産したらしい。まずは良かった。しかもオスだという。これはめでたい。昨年のリーチザクラウンの交配相手は30頭。多く見積もっても、産まれてくる産駒は24頭程度であろう。とすれば、今年生まれたリーチザクラウンの牡馬は、多くて12頭。その1頭ということになる。大事に育てて欲しい。

Kouma_2 

リーチザクラウンは現3歳世代がファーストクロップだが、キョウヘイが日本ダービー出走を果たし、同日の九州ダービーもスーパーマックスが優勝してみせた。2世代目からも、ミレナが早くもフレッシュチャレンジを勝ち上がっている。そんな貴重な貴重なリーチザクラウンの牡馬ですよ。どうか、先を争って実馬を見に行っていただきたい。

気を良くして大井へ。

むろん目当ては東京ダービーだが、その前に立ち寄るところがある。

Furusato 

門別の10レースにポーカーアリスの2番子・ブリリアントアリスが出走するのだが、どういうわけかスポーツ報知紙上で本命◎を打っていただいた。前走は勝ち馬から3秒6も離された大敗。それなのになぜ?と思いつつも、やはり期待を抱かずにはいられない。

Baken1 

結果は3着。おお、当たった!  複勝の配当は140円だから20円のプラスだ(笑)

まあ、私の馬券なんてどうでも良い。彼女のレースぶりそのものは悪くなかった。今後もコンスタントに走って、馬主孝行して欲しい。それが母ポーカーアリスの、そして今朝生まれたばかりの子馬の評価にも繋がる。

そうこうするうち東京ダービーの発走時刻が近づいてきた。急いで馬券を仕入れなければならない。

馬場状態は昨日から「重」のまま。だが、昨日に比べれば稍重に近い。となれば稍重~重で(2,3,1,0)のクラキングスに触手が動く。羽田盃掲示板組の巻き返しを狙うのは、東京ダービーの基本。むろんキャプテンキングとの「キング馬券」も買い忘れてはならない。いや待てよ。それならサイバーエレキングだって「キング」だし、ポッドルイージの父はキングヘイローじゃないか。いやいや、よく見ればキャンドルグラスにも「キ」「ン」「グ」の3文字が隠れているゾ。

………なんて言いながら買った馬券がコチラ。

Baken2 

おぉ、当たった。配当は230円だから、んーと、270円のマイナスだ(爆)

まあ、私の小さい馬券の収支なんて、ホントにどうでも良い。森泰斗騎手、ついに念願のダービー初制覇である。一昨年は4番人気で11着。昨年は1番人気に推されるも無念の3着。3年連続の南関リーディングジョッキーをしても、ここまでの道のりは長かった。やはりダービーは特別―――。インタビューで見せた彼の涙に、そんな思いを抱かずにはいられない。

的場文男騎手のブラウンレガートは、4コーナーで一瞬見せ場を作ったものの3着。乗り方としては申し分なかったが、相手が強すぎた。3着に敗れたのは、勝ち馬を負かしに行ったせいだから仕方ない。ファンの皆さんにしても、今さら2着狙いの騎乗など見たくはなかろう。

「また来年」。今年もそう言い残して的場騎手は競馬場を後にした。このセリフを聞くのも何年連続になるだろうか。それでも楽しみは先に取っておく方が良い。

 

***** 2017/06/07 *****

 

 

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2017年6月 6日 (火)

俺たちのダービー

明日は東京ダービー。日本ダービーは多少の緊張を伴うが、地元のダービーとなれば親近感と楽しさが同居する。「俺たちのダービー」とでも言うべきか。

「キャプテンキングは2冠を達成するのか?」

「いや、それよりも的場文男騎手のダービー制覇はあるのか?」

注目は例によってその2点。前日オッズもそれを端的に表している。

Odds 

キャプテンキングの1番人気はまあいい。気になるのはブラウンレガートが2番人気に推されていることであろう。重賞未勝利。前走の京浜盃では、勝ったヒガシウィルウィンから4馬身近くも離されたにも関わらず―――である。

とはいえ、これも毎年のこと。ファンも的場騎手のダービー制覇を後押ししたい。

的場騎手は東京ダービーに35回騎乗して2着が9回あるものの、いまだ未勝利。その騎乗回数も2着回数も既にレジェンドレベルなのに、ひとつの勝ちが遠い。1993年には、羽田盃を5馬身差で逃げ切ったブルーファミリーで挑むも5着に沈んだ。当時の東京ダービーは2400m。しかも圧倒的不利とされる大外枠。今のように2000mで行われていれば、また違った結果になっていたと思われる。

だが、2番人気はちょっとマズい。なぜか。過去10年の東京ダービーで1番人気の成績(3,1,2,4)に対し、2番人気は(0,1,3,6)に留まる。応援したい気持ちは理解できるが、どうせなら1番人気になるまで買い支えよう。でないと、かえって逆効果になる危険性を孕む。

それなら1番人気のキャプテンキングには一点の不安もないのか―――?

Captainking 

実はそうとも言い切れない。キャプテンキングは羽田盃を逃げて勝ったが、東京ダービーの逃げ切り勝利は2004年のアジュディミツオーまで遡らなければならない。ダート7戦無敗だったネフェルメモリーでも、次走でジャパンダートダービーを勝つことになるマグニフィカでも、東京ダービーを逃げ切ることはできなかった。

キャプテンキングの父・ファスリエフにしても、距離延長を歓迎するクチとは言えまい。加えて羽田盃はダービーの出走権を取りたい馬が多かったせいか、後続の仕掛けも遅かったような気がする。波乱の予感がしないでもない。そのとき先頭ゴールを駆け抜けるのは「赤、胴白星散らし」であろうか。いずれにせよ、明日の夜には答えは出ている。

 

***** 2017/06/06 *****

 

 

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2017年6月 5日 (月)

3年10か月ぶりの勝利

5週連続GⅠ皆勤の疲れをものともせず、明るいうちから大井へと急いだのには、むろんワケがある。7レースのB3・1400m戦を観なければならない。

Padock 

実はこのレース、なんと5頭立てである。これではファンも手を出しづらかろう。頭数が少ない理由は明快。メインにも同じB3クラスの1400m戦が組まれているから。ハッキリ言っておかしい。普段なら主催者を叱り飛ばすところである。だが、今日のところはやめておこう。なぜか。その5頭のうちの1頭が、私の愛馬だからだ。

Padock2 

5頭立ては馬主の夢である。

勝負事において、ライバルは少ない方が良いに決まっている。だが、4頭以下ではレースそのものが成立しない。だから5頭立てこそベスト。なにせ、たとえビリでも賞金が手に入るのである。こんな素晴らしいシチュエーションがほかにあるだろうか。私は他人には厳しいが、自分には甘い(笑)。ファンの楽しみと、自分の馬の勝利を秤にかければ、当然のことながら後者が勝る。

ポップレーベルが道営3勝、うち重賞1勝の成績を引っ提げて南関東に移籍してきたのは、3歳夏のこと。以来23戦を重ねたが、いまだに南関東での勝ち星は掴めていない。惜しいレースはいくつもあった。戸崎やルメールも乗ってくれた。それでも先頭ゴールは遠い。当初抱いた「カンパニーの代表産駒に」という壮大な夢は、いつしか「とにかく南関東で1勝を」という極めて現実的かつ切実な目標に切り替わった。

蓋を開けてみれは1番人気である。前走で先着を許した馬もいるのに……。嫌な予感が漂い始める。

少頭数競馬は堅く収まりそうで、実はそうでもない。1月の若駒ステークスがそうだった。5頭立て5番人気のアダムバローズがまんまと逃げ切り、発売された単勝、複勝、馬連、馬単、ワイド、3連複、3連単のすべての賭式で最高配当の波乱となったではないか。

そういえば、誰が逃げんだ―――?

パドックを周回する5頭を眺めつつそう思った。ポップレーベルは逃げたことがない。ほかの4頭にしても、近走で逃げた馬は皆無。誰が行くにしても、若駒Sの再現がありそうで怖い。

私の不安を煽るかのように、突如として大粒の雨が落ちてきた。雨粒の音に混じって雷鳴も聞こえる。

Rain 

雨が激しさを増す中、ゲートが開いた。

なんと一番のスタートを決めたのは、ポップレーベルではないか。

その瞬間、私は思わず叫んだ。

「赤岡ぁ! 行っちゃえー!」

長い長い大井の直線。いつもなら、馬群の後方から来るはずのポップレーベルが、今回はずっと先頭を走り続けた。1400mをこれほど長く感じたことはない。

Pop 

レースを終えた赤岡騎手は、「馬も戸惑っているようだった」とコメント。逃げの手に出るには、勇気が必要だったことだろう。負けたら何を言われるか分からない。ましてや1番人気である。それを聞くと「道営でしか勝ってないのに(1番人気になって)イヤだなぁと思ってました」と笑った。

5頭立ての競馬で勝って嬉しいかと問われれば、そりゃあ嬉しいに決まってる。どんなレースだって勝つのは簡単なことではない。少頭数には少頭数の難しさもある。1分27秒7は胸を張れる時計ではないけれど、自分の持ち時計を更新したことを評価したい。今回の勝利がひとつのきっかけになってくれないだろうか。逃げへの脚質転向も悪くはなかろう。カンパニーの代表産駒への夢を、もう一度見てみたい。

Select_2 

3年10か月ぶりの勝利に機嫌を良くして帰宅すると、セレクトセールの案内が届いていた。ちょっとタイミングが良すぎやしないか。私の心境を見透かされているようで怖いぞ。

 

***** 2017/06/05 *****

 

 

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2017年6月 4日 (日)

マジックストームに捧ぐ

開催2日目の東京競馬場は間もなく5レースの2歳新馬戦を迎える。

Padock 

昨日付で書いたように、注目はステルヴィオ。「勝っておかしくない」と書いた。だが出馬表をあらためてチェックしてみれば、堀厩舎のディープインパクトが出ているではないか。その名はサトノオンリーワン。昨年のセレクトセールで1億2500万で落札された一頭である。しかも鞍上はモレイラ。これはこっちに勝たれても仕方ない。そう思って眺めていたのだが……、

5r 

おお、勝った!

新種牡馬ロードカナロアはこれが初勝利。募集価格は4000万だからステルヴィオもじゅうぶん高額なのだけど、それでも1億超えのディープ産駒に勝つと多少なりとも革命感を覚える。しかも1分34秒8の勝ち時計は、この時期の2歳戦としては異例の速さ。それもロードカナロアの血の為せる業か。今年の社台&サンデーの1歳募集馬には、なんと22頭ものロードカナロア産駒がラインナップされている。この勝利で俄然注目される存在になることは避けられない。

今日のメインは安田記念。ロードカナロアが距離の壁を突き破ってから、もう4年が経つ。

Load_2 

これも昨日付で書いたこと。「イスラボニータとグレーターロンドンの1点勝負」だと。だが、実際に競馬場に行けば、それだけで収まるはずもない。特に私には、この馬をずっと買い続けているという事情もある。

Baken 

ラップこそ違えど、まるで昨年のVTRを見るかのようなレース展開であった。直線の坂を過ぎて、さらにもうひと伸びしたのも、去年と同じ。もう後続は追い付けない。カメラのファインダーを覗きながら「よっしゃあ!」と叫んだその瞬間、フレームの下半分を緑色の勝負服が一直線に切り裂いた。

Goal 

「サトノアラジンがついにGⅠを勝った」

今年の安田記念をひと言で表せば、それに尽きるであろう。25戦目でついに掴んだ歓喜のゴール。国内のレースでは距離不向きの菊花賞を除いて、すべて1~3番人気に推されてきた大器が、今日に限れば7番人気に甘んじていた。もはや人気などいらなかった陣営は気にも留めぬかもしれないが、我々は猛省しなければなるまい。良馬場と外枠はサトノアラジンがひたすら願い続けた条件だった。

サトノアラジンはエリザベス女王杯を勝ったラキシスの弟。セレクトセールで1億3000万円の高値で取引されたのはダテではない。母・マジックストームの偉大さを思う。だが、残念なことにマジックストームは昨年5月に急逝したばかり。今回の安田記念は天国の母に捧げる勝利にもなった。サトノアラジンの妹のフローレスマジックも、やがて大きなタイトルを獲るに違いない。

ちなみに、マジックストームが残した最後の産駒はハーツクライの1歳牡馬。今年のサンデーサラブレッドクラブの募集にかかり、美浦の堀厩舎に預託されることも既に決まっている。募集価格はハーツ産駒としては破格の1億円。しかしそれでも応募は殺到するはず。いずれにせよ私には縁がない。それなら逃げて1分31秒5で粘ってみせたロゴタイプ(募集価格1000万円)のような馬を探すことにしよう。それにしても、惜しかったなぁ……。

 

***** 2017/06/04 *****

 

 

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2017年6月 3日 (土)

遅生まれの意地を

JRAでも2歳新馬戦が始まった。

世代最初の勝ち上がりは、発走時刻順に西がケイアイノーテック(父:ディープインパクト)、東がヴィオトポス(父:マツリダゴッホ)。距離はそれぞれ1600mと1400mだったが、2400mで果たしてどうか。既に心は来年のダービーに向いている。

今日の注目は社台RHのファーマメント(父:ダイワメジャー)であった。そんで明日はサンデーTCのステルヴィオ(父:ロードカナロア)に注目している。間もなく両クラブの1歳馬募集がスタート。来週にもカタログが届くはず。そのタイミングで新馬を勝つことが、クラブにとってどれほど宣伝になることか。説明の必要はあるまい。すなわち選ばれし2頭である。特にステルヴィオは、オーナーランキング首位を突き進むサンデーの先鋒。圧勝してもおかしくない。

ファーマメントとステルヴィオのプロフィールには共通する部分がある。父親がともに安田記念馬―――だけではない。実はどちらも早生まれ。ファーマメントは2月、ステルヴィオに至っては1月生まれだ。

ただ、最近では「2月生まれ」を「早い」とは言わないそうだ。札幌のトレーニングセールでそんな話を聞いた。出産時期のピークが3~5月とされていたのは、むかしの話。今は1月生まれも珍しい存在ではないらしい。2歳の早い時期から競馬に使おうと思えば、生まれるのは早い方が有利。セリに上場するにしても、早生まれの方が見栄えが良い。

言われてみれば、ソウルスターリングもレイデオロも揃って2月生まれである。過去20年のオークス馬とダービー馬の誕生月を調べてみた。すると優勝馬は早生まれが増えつつある。特にオークスでその傾向が顕著だ。

■オークス■

【1998~07年】
エリモエクセル 5月
ウメノファイバー 5月
シルクプリマドンナ 4月
レディパステル 4月
スマイルトゥモロー 4月
スティルインラブ 5月
ダイワエルシエーロ 5月
シーザリオ 3月
カワカミプリンセス 6月
ローブデコルテ 4月
      (平均4.5月)
【2008~17年】
トールポピー 1月
ブエナビスタ 3月
アパパネ 4月
エリンコート 3月
ジェンティルドンナ 2月
メイショウマンボ 2月
ヌーヴォレコルト 2月
ミッキークイーン 2月
シンハライト 4月
ソウルスターリング 2月
      (平均2.5月)

Oaks 

■日本ダービー■

【1998~07年】
スペシャルウィーク 5月
アドマイヤベガ 3月
アグネスフライト 3月
ジャングルポケット 5月
タニノギムレット 5月
ネオユニヴァース 5月
キングカメハメハ 3月
ディープインパクト 3月
メイショウサムソン 3月
ウオッカ 4月
      (平均3.9月)
【2008~17年】
ディープスカイ 4月
ロジユニヴァース 3月
エイシンフラッシュ 3月
オルフェーヴル 5月
ディープブリランテ 5月
キズナ 3月
ワンアンドオンリー 2月
ドゥラメンテ 3月
マカヒキ 1月
レイデオロ 2月
      (平均3.1月)

Derby 

しかし、この数字だけで早生まれをヨシとすべきか。そこは意見の分かれるところであろう。実際、明日の安田記念で1番人気が予想されるイスラボニータは5月21日生まれ。そのせいか、生まれて1年後の1歳馬展示ではひと際小さな馬体に映ったものだが、2歳6月には早々に新馬を勝ち、3歳で皐月賞を勝ってダービーでも2着と健闘し、そして6歳になった今もこうしてGⅠで活躍している。

北海道の春は遅い。青草をたっぷり食べたお母さん馬のお乳を、生まれた直後から飲むことができるのは、4月や5月生まれの仔馬に与えられた大きなメリットであろう。それが早生まれのアドバンテージをいずれ逆転したところで、なんら不思議ではない。

よし! こうなったら明日の安田記念はイスラボニータと、そしてやはり5月生まれのグレーターロンドンの1点勝負。遅生まれの意地を見せてもらおう。

 

***** 2017/06/03 *****

 

 

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2017年6月 2日 (金)

侮れぬ立ち食いそば

黒くてぶっとい田舎そばにネギと豚肉をどっさり載せて、ラー油入りの辛いツユで食べさせるというスタイルの立ち食いそば屋が流行る一方で、昔ながらの立ち食いそば屋も捨てたものではない。うどんばかり食べているようで、実はコッソリ立ち食いそば屋巡りをしていたりする。

立ち食いそば屋の良さは店の人と話さなくて済むこと。客同士も並んで立ち、目線を合わせることすら潔しとしない。カウンター主体という店のつくりのせいもあるが、なにより客同士や店員との間に暗黙の了解がある。実際、私は立ち食いそば屋で一度として個人的な会話を交わした経験はない。個人的に難しい問題を抱えている時、競馬の予想に行き詰った時、ブログに書くネタがまったく思い浮かばない時……。そんな時の昼メシは立ち食いそばに限る。

さて、ここからは昨日の話である。

所用のついでに飯田橋『豊しま』を訪れた。その店構えは、まさしく「ザ・立ち食い」といった風情。なにせカウンターを前にして立てば、背中はほぼ公道である。そんなこちらの名物はコチラの「厚肉そば」。

Toshima 

見た目のインパクトにビビッてはいけない。あらん限りの力を振り絞って肉を頬張り、そばを啜る。もちろん美味い。美味いのだが、必要以上に味わっている暇はない。極力早く食べ終え、サッと店を出るのが立ち食いの掟だ。

すっかり「肉腹」になったところで、腹ごなしに外堀通りを水道橋まで歩く。ひと駅分の距離だが、歩いても10分とかからない。やがて黄色いビルが左手に見えてくる。その1階部分はオフト後楽園。実は昨日は道営競馬のダービー・北海優駿が行われる日。門別には行けぬなら、せめて馬券だけでも仕込んでおこう。

―――そう思って、わざわざ歩いてきたのに、なんと北海優駿の馬券は発売していないという。

いや、私だってバカではないので、オフト後楽園で門別の場外発売をしていることくらいは確認してきた。だが、よくよく聞けば発売対象レースは3~5レースのみらしい。ちなみに北海優駿は12レースである。

なんじゃそりゃ?

今日は天下のダービーデーではないか。それなのに、ダービーではなく1着賞金20万円の下級条件戦を熱心に売って、いったいどうしようというのか?

全国各地のダービーは、昨年までの「ダービー・ウィーク」から「ダービー・シリーズ」と装いも新たに強化が図られた。ジャパンダートダービーを頂点とするコンセプトの明確化と、ファンへの認知度アップがその目的だという。なのに、門別の馬券を売っている窓口で北海優駿の馬券を売ってない。それのどこが強化か。おかげで買うつもりもなかった浦和の馬券でムダ金を溶かす羽目に。それでイライラしていたら無性に腹が減ってきた。なんだか井之頭五郎さんみたいだな。

そこで水道橋のガードをくぐって歩くこと5分。『とんがらし』で2杯目の立ち食いそばを啜る。

Tongarashi 

「揚げたててんぷら」をウリにする立ち食いそば屋は数あれど、実際には油から揚げて温めておいたものがほとんど。そんな中にあって、こちらはリアルな揚げたてが味わえる数少ない一軒だ。てんぷらはすぐには口を付けられないほど熱々。だが、そこには揚げ置きでは味わえない、本当の美味さがある。立ち食いそばのポテンシャルを再認識したおかげで、北海優駿の馬券が買えなかった怒りはどこかに消えた。あとは狙っていたスカイロックゲートが来ないことを祈るのみだったが……。

 

***** 2017/06/02 *****

 

 

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2017年6月 1日 (木)

ホテルフライの悲劇

今日から6月。ということはJRAは夏競馬に切り替わる。2歳競馬が始まり、未勝利を除く3歳馬は古馬と対戦しなければならない。夏の旅打ちのスケジュールもボチボチ考え始める頃合いだろうか。

競馬だけではない。6月は人事の節目でもある。実はこのブログをお読みいただいている方が、今日から某スポーツ新聞社と深く関わるようになるらしい。本稿ではことあるごとにスポーツ紙に厳しいことを書き連ねてきたわけだが、そういうことであれば、もっと厳しいことを書きたくなるのが人情というもの(笑) さっそく書くことにする。

そうは言っても、内容は昨日の続きみたいなモノ。すなわち、いかにして間違いを減らすかである。そのために我々はゲラと格闘している。紙に印刷して読む……。チェックの手段としてこれに勝るものはない。

だが、それでも間違いは起こる。特に最近目に余るのはネットニュース。しかも配信元は大手の新聞社だったりする。

種牡馬の最多勝記録はいまだにノーザンテーストが保持している?

News1 

5着に敗れた馬が次走で“連勝”を狙うらしい。

News2 

スポーツ紙でなくても間違える。海老名上空から富士山方面にレンズを向けて、どうやったら「東京に向かう車のテールランプ」を写すことができるのだろうか?

News3 

勝手な憶測だが、こうしたミスは「使いまわし」によって生じることが多い。過去の似たような記事を引っ張り出してきて、固有名詞や数字といった部分だけを書き直して出稿するのである。べつだん珍しいやり方ではない。パソコンがこのような執筆スタイルを可能とした。だがしかし、ひとたび修正漏れがあれば、それはただちに誤報となって世間に曝されてしまう。

いずれも第三者がゲラを読めば気付きそうなものばかりだが、ネット上のニュースを公開する過程において、ゲラというものは存在しないのかもしれない。間違っていても修正することができる。それよりも速報性を大事にしたい。そこは新聞社ごとのやり方の問題。だが、あまりにひどければ信用に関わる。

―――なんて偉そうなことを言っておきながら、本稿も間違いと無縁ではいられない。5月24日付「じゃがいも三昧」を何気なく読み返していたら、「ホテルウイング」「ポテトフライ」と書くべきところが、あろうことか「ポテトウイング」「ホテルフライ」となっているではないか。うひゃー!

原因は誤変換。最近のスマホは頭が良過ぎるのか、「ほ」と打つだけで変換候補に「ホテル」のみならず「ポテト」まで表示されるのだから凄い。だが、その高性能ぶりに私の方が付いて行けないので、「ホテル」と打つべきところに「ポテト」を選んでしまい、「ポテト」と打つべきところに「ホテル」を選んでしまうのである。「ポテトウイング」は何らかの料理名の可能性もあるが、「ホテルフライ」はいくらなんでもなかろう。ともあれ個人が匿名でやっているブログのこと。平にご容赦いただくほかはない。

パソコンやスマホの発達は執筆作業を楽にする一方で、修正漏れによる誤報や、変換ミスによる悲劇を生み出した。いつも書くことだが、新しい便利はそれと等量の不便をもたらす。そんな法則を噛み締めつつ、今後もスポーツ紙には愛を持って厳しい視線を注いでいきたい。

 

***** 2017/06/01 *****

 

 

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