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2017年5月21日 (日)

善哉さんの想い

今年のオークスはブラックオニキスの関係者に同行した。前日オッズは最低の18番人気。キャリア11戦は出走メンバーの中でもっとも多い。それでもオークス出走は誉れである。たとえ近走不振であっても、クラシックは早い者勝ち。2歳から勝てる仕上がりの早さも試される。胸を張っていい。

Onix1 

ブラックオニキスの祖母・カリビアンナイトはオールドファンが泣いて喜ぶアスワンの産駒。旧・社台ファームの生産馬で、吉田善哉さんのお気に入りの一頭だった。

経験馬相手のデビュー戦。逃げ馬有利の中山のダート1200mを追い込んで完勝。そのスピードには善哉さんも一目置いたほどだが、アスワンの子はどうしても脚が外向気味に出る。カリビアンナイトもその例に漏れなかった。ほどなくして脚元を痛めてしまうが、善哉さんたっての希望で長期休養に入る。が、ついに2勝目を挙げることなく引退を余儀なくされた。

その娘・ラリマーがやはり外向に出たのは仕方ない。むしろ問題だったのは気性難。そのせいでデビューが3歳12月まで遅れた。初勝利を挙げたのは、地方でも後の無くなった4歳3月である。しかしそこから1年あまりで6勝は簡単にできることではない。能力の一端を示して、ラリマーは5歳で牧場に戻った。

ちなみにラリマーとは「カリブ海の宝石」とも呼ばれる宝石の名前。むろん母のカリビアンナイトからの連想である。そのラリマーの娘がブラックオニキス(黒メノウ)。善哉さんの想いは、ちゃんと繋がっている。当時は白老にあった社台ファームで、カリビアンナイトが誕生してから29年。その孫娘がオークスに出る。そこで待ち受けるのは、照哉さんのソウルスターリングや勝己さんのリスグラシューたち―――。

今年のオークス、私はそんな構図でレースを見届けた。

Soul 

結果は照哉さんの圧勝。ルメール騎手は「距離は4000mでも大丈夫」とおどける余裕を見せた。仏オークス馬に怪物フランケルというスケールの大きな配合からすれば、凱旋門賞を目指してもおかしくない。レース後はそんな話題で外野は勝手に盛り上がる。しかし、日本を代表する“生産者”としての照哉さんの心境はいかばかりか。「持込だからなぁ」。盛り上がる外野からは、そんな厳しい言葉も。牧場としての真価は、ソウルスターリングの子で初めて問われる。それは表彰台の真ん中に立った照哉さんの長男・哲哉さんの仕事になるかもしれない。

Onix2 

ブラックオニキスは7着。低人気を裏切る好走に関係者は喜んだ。直線の坂で止まってしまうんじゃないかとハラハラしていたのだが、クローバー賞で見せた粘り腰が大一番でよみがえったのは大きい。テン乗りの騎手も上手く乗ってくれたが、今日は馬が頑張った。きっと善哉さんも満足したに違いない。

 

***** 2017/05/21 *****

 

 

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コメント

ホントに暑かったですねcoldsweats01
馬も人も汗が止まりませんでした。

本編では書けませんでしたが、厩舎の仕上げも良かったです。休み明け3戦目にしてようやく身体も柔らかくなってきました。初勝利から札幌2歳S2までもそうでしたが、どうもこの子は、使い詰めを心配するくらいの時が好調になるような気がします。

投稿: 店主 | 2017年5月22日 (月) 07時59分

店主様
今晩は。ブラックオニキスの複勝を握りしめオークスを観戦致しました。漆黒の馬体とキラキラしい瞳の彼女が府中の長い直線を駆け抜ける姿が清々しかったです。小さな馬体に大きな魅力ある彼女をこれからも応援したいです。しかし…暑かったですね。

投稿: すかどん | 2017年5月21日 (日) 23時37分

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