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2017年5月14日 (日)

世代交代は突然に

「あの馬、汗で光っているのか?」

ヴィクトリアマイルのパドックでのこと。周回する馬の一頭を指差して、私の前に立つおじさんが連れの人に聞いていた。

おじさんの指差す先を歩くのはアドマイヤリード。たしかにツヤツヤと黒光りしている。だが上空はくもり空。陽射しを反射しているわけでも、汗で濡れているわけでもない。つまりそれほど毛ヅヤが良いということであろう。

馬体重は422キロ。出走17頭の中でもっとも軽い。だが、以前はもっと軽いこともあったように記憶する。メジャーエンブレムに敗れた阪神JFでは400キロを割っていた。オークスでも404キロ。馬体維持がたいへんそうだな―――。一年前に彼女を見たときはそれしか感じなかった。むろん毛ヅヤのことなど覚えていない。それも当然で、私の視線はシンハライトとチェッキーノに完全に奪われていた。

だが、あれから一年を経て久しぶりに見た彼女に、かつての華奢でひ弱なイメージはない。実際、レースでは前を塞ぐスマートレイアーとソルヴェイグの僅かな隙間に突っ込み、両馬を弾き飛ばして先頭に躍り出た。そのまま後続を突き放すこと1馬身1/4。マイル戦であることを踏まえれば完勝であろう。

Admire 

ひとつ間違えれば脚を余す危険性もあった。だが、手綱を取ったC.ルメール騎手は「自信があった」と振り返る。その自信を裏打ちする要素のひとつが、パドックで絶賛された「毛ヅヤ」に違いあるまい。レース直後に雲の合間からこぼれた陽射しに輝く青鹿毛は、さらに美しさを増していた。

Winning 

それにしても、掲示板5頭のうち4頭までが4歳馬である。こんな結果はあまり想定していなかった。なにせシンハライト、メジャーエンブレム、ジュエラー、チェッキーノといった世代のエースたちは、古馬と対戦する前にことごとく引退。昨年6月以降、JRAの牝馬限定重賞で現4歳世代が勝ったこともない。もとよりヴィクトリアマイルはリピーター、すなわち5歳以上のベテラン勢の活躍が目立つレースでもある。

もしや世代交代の波が突然押し寄せたのか―――?

あとで思い返して、「あぁ、そういえばあのレースから流れが変わったね」と言われるレースになるのかもしれない。今後の古馬牝馬戦線は世代ごとの成績にも注目だ。

 

***** 2017/05/14 *****

 

 

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