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2017年5月29日 (月)

ダービーが終わればいつもの

異変に気付いたのは今朝未明のこと。午前2時を過ぎた頃だったろうか。

激しい腹痛。次いで若干の吐き気。トイレでそれらをやり過ごし、布団に戻って昨日の朝から食べたものを思い出すべく記憶を手繰った。

朝は自宅でコーヒー1杯。競馬場に到着して『梅屋』のうどんを食べて、またコーヒーを1杯。昼食らしい昼食はとってない。酒はなおさら。たしかダービーの発走直前にコーヒーをもう1杯飲んだ。帰宅してからの夕食のメニューはハンバーグと豚汁であるが、それは家族も口にしている。

私にしてみれば、異例のダービーデーだった。ほとんど席に座ったままで、たまに席を立つのは馬券購入かトイレといった程度。パドックにも一度しか降りてない。例年であれば、ダービーデーのハイテンションに任せて全レースでパドックとの往還を繰り返し、顔見知りを見つけ出しては無差別に声をかけ、そのうち数人と昼メシの約束をしてしまい、死ぬ思いをしながら3回昼メシを食べるなんてことも珍しくはないのである。なのに今年はほとんど自席でジッとしていた。

それにはもちろん理由がある。毎年のことだが、私はダービーが終わると決まって体調を崩す。ダービーウィーク突入と同時に始まる連夜の酒席で弱った胃腸が、ダービー当日のハイテンションと、食べ過ぎにやられしまうせいだろうと考えた私は、今年は人間ドックが終わったあとも酒は一滴たりとも口にせず、ダービー当日は敢えて昼メシを抜いたのである。だがそれも効果はなかった。コーヒー3杯は普通であろう。よもやうどんにアタるとも思えぬ。

朦朧としながら布団の中で考ていると、今度は突然両脚のふくらはぎが攣った。

はっきり言って激痛である。それでも悲鳴をあげなかったのは寝静まる家族のため……ではなく、あまりの痛みに声さえ出なかったというのが正解。片脚の痙攣であれば、もう片方の脚を使って筋肉を伸ばすことができるが、いっぺんに両脚となると、それもできない。無理を承知で手で足首を掴まえて伸ばそうとしたら、今度は背中が攣りそうになったので、それも諦めた。

腹痛と痙攣に悶える地獄のような夜が明けると、全身が著しくダルい。倦怠感などという生やさしいレベルではなく、前日にフルマラソンを走ったかのような、絶望的な疲労感である。たしかに競馬場に行けば多少 なりとも歩くから、脚が張る程度なら分かる。だが、肩から二の腕にかけても、まるで草野球で一試合投げた翌日のごとき筋肉痛というのは、どう考えても解せぬ。マークカードに赤ペンを走らせる作業だけで、こんなことになるはずがない。謎は深まる。

Jockey_2 

考えるうち思い出した。昨日、東京競馬場でとある馬主氏と久しぶりの再会を果たしたのだが、挨拶もそこそこにその方は「おからだは大丈夫ですか?」とおっしゃるのである。

馬主氏はこのブログを通読されているので、ゴールデンウィーク直後の体調不良を書いた話を覚えておいでなのだろう―――そのときはそう思った。だが、一方で馬主氏はお医者様でもある。ひょっとしたら久しぶりに見かけた私の姿に、何らかの病的異変を感じ取られたのかもしれない。だとすれば感服の至り。だがその可能性はある。

ダービーは1年間の長きに及ぶ講義の最終試験のようなもの。この1年間の成果が問われると思えば、自ずと心身の負担も増す。両脚痙攣に見舞われた際、私は悲鳴をあげることができなかったけれど、私の身体は様々な形で悲鳴をあげているに違いない。酒や昼メシを抜いた程度では、その悲鳴を抑えることなどできぬのであろう。なら、それを黙って受け入れるのが正しい競馬ファンの在り方か。毎年のこととなると、この疲労感もダービーに付随する一種の快感として甘受できる―――。もはやそんな境地に辿り着いた感もなくはない。

 

***** 2017/05/29 *****

 

 

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