« サンデーサイレンスの3×3 | トップページ | 憂鬱な月曜日 »

2017年5月 7日 (日)

世代4頭目の牝馬チャンピオン

NHKマイルカップは迎えて今年が22回目。「混戦」、「低レベル」、「主役不在」などと散々揶揄されたことに奮起したのは2頭の女子だった。

Nhk 

直線坂下で堂々と先頭に立ち、後続の追い上げを封じて優勝したのはクロフネの娘・アエロリット。2着リエノテソーロもメンバー最速の上がりを繰り出している。そこから3着ボンセルヴィーソまでは2馬身も離されたのだから、結果だけを見ればとりたてて「混戦」と言うほどでもない。しかも1分32秒3の勝ち時計はNHKマイルC22回の歴史の中で3番目に速く、牝馬としては過去最速。決して「低レベル」でもなかった。

「混戦」の前評判を生み出したひとつの要因は、この舞台を経験した馬がほとんどいなかったことであろう。この世代、東京芝のマイル戦は先週まで38鞍が行われたが、一度でもそこを走った馬は今回のメンバー中たった一頭。それこそがアエロリットだったのである。

Aero 

もともと右手前で走るのが好きな馬で、フェアリーSでは直線に向いてもずっと右手前のまま走り続けて2着に敗れた。しかし左回りならば話は別。左手前でコーナーを回り、直線で手前を替えれば得意の右手前で勝負できる。実際、彼女はそれで直線の坂を先頭で駆け上がってきた。しかし、背後から迫るリエノテソーロの脚色も鋭い。これはゴールでもつれるか。―――そう思った瞬間、アエロリットは自ら手前を左に替えて、さらにもうひと伸び。驚くべきことに、ここ一番で彼女はさらなる進化を遂げてみせたのである。

悔しいのはリエノテソーロ。なにせ、いったんは前に届くと思わせる勢いだった。戻ってきた吉田隼人騎手は「勝たなきゃ意味がない」と、13番人気を覆す激走にも笑顔はない。むしろ、我々が反省すべきなのだろう。なぜ、彼女を13番人気に留めてしまったのか。思えば唯一のGⅠ馬。れっきとしたチャンピオンである。芝でも3戦2勝の成績。札幌ではタイムトリップに完勝している。それを忘れていた。「主役不在」の前評判が彼女の反骨心に火を付けた可能性もある。前走のアネモネS4着にしても、中山マイルの大外枠なら度外視できよう。芝とダートの二刀流が証明された彼女の、今後の展望は明るい。

Rieno 

それにしても今年の3歳牝馬は、なんという世代であろうか。ここまで既に4頭ものチャンピオンが誕生している。ミスエルテやファンディーナも果敢に牡馬GⅠに挑戦し、見せ場以上のシーンを作った。粒揃いの世代――。それはそれで良いが、一方で多少の違和感も覚える。4頭いずれもマイルの女王。では、いったい誰がもっとも強いのか。再来週はオークス。5頭目のチャンピオン誕生の可能性もある。

 

***** 2017/05/07 *****

 

 

|

« サンデーサイレンスの3×3 | トップページ | 憂鬱な月曜日 »

競馬」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« サンデーサイレンスの3×3 | トップページ | 憂鬱な月曜日 »