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2017年5月17日 (水)

そして7151勝へ

「7千なんて、乗るだけでも大変だよ」

佐々木竹見さんが7千勝を達成した1998年7月。その快挙にコメントを求められた的場文男騎手が発した言葉である。

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あれから19年。「乗るだけでも大変」という7千勝を、言った本人が達成した。重賞で決めるあたりは、さすがと言うほかはない。本人のみならず南関東関東ファンにとっても大きな誇り。その神のごとき手綱さばきをナマで見られることは実は大変な幸運である。うっかりすると我々はそれを忘れがち。この機会にしっかり噛み締 めたい。

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上記のコメントをした当時の的場騎手はキャリア26年目。41歳だった。通算勝利数は2700前後だったはず。そらから19年足らずで一気に4300勝を上乗せしたのだから凄い。神様と呼ばれる所以でもある。

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種を明かせば、その頃まで他場(川崎、船橋、浦和)へ遠征することを、的場さんはほとんどしなかった。騎乗馬依頼がなかったわけではない。本人が意識してセーブオンしていたのだという。理由はいろいろあろう。だが、結果的にそれが騎手寿命を伸ばした要因のひとつになっている可能性も否定できない。ともあれ、的場騎手が他場にも積極的に乗りに行くようになったのは、翌99年あたりから。それと同時に勝利数も爆発的に増えた。

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騎手・的場文男は7人きょうだいの末っ子として福岡県で生まれた。実家は運送業を営んでいる。しかし長男と次男が家業を継ぐことが決まっていたから、文男少年は佐賀競馬で騎手として活躍していた三男の信弘さんと同じ職業を目指したという。そもそも性格からして商売は苦手。運送業はもちろん調教師にも向いていない。子供心にそう自覚していたことから、ハナっから「生涯一騎手」を心に決めていたそうだ。

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最近では、JRAの内田博幸騎手が大井所属だったことを知らぬファンも現れ始めたそうだが、的場さんは、あのウチパクの師匠でもある。「騎手になりたいんです」。そう言って同じ福岡からはるばる訪ねてきた内田少年のため、的場騎手自ら厩舎を歩いて周り、引き受け先を見つけてあげたのは有名な話。むろん騎乗技術を教えたのも的場さん。それだけでも相当凄いのに、その本人は7千勝を達成してしまう。いろいろ凄過ぎて、話が薄まってしまいそうなことが、逆に悔しい。

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「目標があるから頑張れます」

的場騎手はそうも言っている。勝利数に関する次走りの目標は、もちろん佐々木竹見さんの7151勝。だが、竹見さんの当時は、今よりもっと地方競馬の開催日数が多く、また1日8鞍までの騎乗制限ルールも存在しなかったことは強調されるべきであろう。今のペースなら来年中の達成が濃厚。そのとき的場騎手は62歳になっている。それ自体が、既に奇跡だ。

 

***** 2017/05/17 *****

 

 

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コメント

Nashwan様

初めまして。コメントありがとうございます。
ジョージモナークとは懐かしいです。的場さんが乗ったのは1990年ですね。メジロアルダンやドクタースパートに先着しての堂々の2着ですから、さすがの手綱さばきでした。

投稿: 店主 | 2017年5月19日 (金) 07時22分

すかどん様

ばんだい号に乗り遅れた方がほかにもいらしたとは驚きです。一方で、リキエイカンの柏谷富衛調教師はこの事故で亡くなっているんですよね。運、不運は紙一重です。

投稿: 店主 | 2017年5月19日 (金) 07時18分

初めてのコメント失礼します。
昨日、7000勝の場に立ち会うことが出来ました。
川崎でウイニングランを見るとは思いませんでした、カメラマンの皆さんも焦った感じでしたね。

私が的場騎手の名前を知ったのはジョージモナークのオールカマーでした。あれから27年、早いものです。浅田次郎氏のきんぴかで、13年目に釈放された主人公の一人が「的場も上手くなったなー」と言う場面がありますが、まさか7000勝もするとは思ってなかったでしょうね。鉄人にはこれからも頑張って欲しいです。

投稿: Nashwan | 2017年5月18日 (木) 22時33分

店主様
こんにちは。3着7ポイントプラスが馬券になるのを2年待ちに待ったすかどんでございます。
過日の記事に対して共感が殆どで恐縮ですが。
ばんだい号の事です。一昨日、母との会話に出たばかりでした。母は報知の記者さんに同行し、しょーもない内輪揉めで乗り遅れたそうです。
この日の話の趣旨はまさに強運でした。そんな母も間も無く、天を駆け回るアラブの名馬に達に会えそうです。

投稿: すかどん | 2017年5月18日 (木) 16時40分

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