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2017年5月10日 (水)

ダービーの切符

牡馬クラシックの1冠目に、一頭の牝馬が敢然と挑んできた。

Ike 

ファンディーナの話ではない。今夜大井で行われる羽田盃。そこに出走取消ふる5枠7番イケノアサは、まぎれもない牝馬なのだ。

3歳牝馬には1日遅れで東京プリンセス賞というクラシックレースが用意されている。大井の1800mという舞台設定は羽田盃と同じ。桜花賞と皐月賞のように距離やコースに違いがあるわけではない。実際、イケノアサは東京プリンセス賞にも登録していた。かといって除外されたわけでもない。彼女は敢えて羽田盃を選んだ。

JRAと違って、南関東では牝馬が羽田盃を走ることは、取り立てて珍しいことではないのも事実。羽田盃と東京プリンセス賞が1日おきに実施されるようになったのは2011年だが、その年の羽田盃の覇者は牝馬のクラーベセクレタである。翌年にはエミーズパラダイスが羽田盃で2着。とはいえ、両者とも2歳時から重賞で活躍するトップホースだった。特別勝ちすらないイケノアサには、ここは少々家賃が高いように思える。

もうひとつ。今年の羽田盃で気になるのが連闘馬の多さ。なんと4頭もいる。いずれも5月4日の東京湾カップからの連戦だから、厳密には「中5日」。最近ではプロ野球でも聞かなくなった厳しいローテだ。

そこまでして出走してくる理由のひとつには、ダービーのキップ欲しさもあろう。東京ダービーの優先出走枠は昨年までよりも1頭増えて9頭。うち3頭分の枠は既に埋まっている。残るは6頭分。東京湾カップでは上位2頭に与えられた優先権は、この羽田盃では上位5頭に広がる。このチャンスを逃してはならない。

レースは1番人気キャプテンキングの逃げ。それを2番人気ヒガシウィルウィンがピッタリとマーク。直線に向いても2頭のマッチレースは続き、その態勢のままゴールに飛び込んだ。5馬身離された3着にキャンドルグラス、4着は連闘のホワイトソニック、そして5着クラキングス。ダービーの出走権を得たのはここまで。あとは賞金順に運命を委ねるしかない。

King 

キャプテンキングのオーナー、調教師、騎手の3人は、2年前にもJRAから移籍してきたブラックレッグで東京ダービー出走を目指したが、トライアルでわずかクビ差だけ届かず涙を飲んだ。最高の形で2年越しのリベンジを果たした3人と1頭は、勇躍ダービーに向かうことができる。

紅一点のイケノアサはブービーの13着。彼女がわざわざ羽田盃に出走したのも、もとよりダービーの出走権が目当てだった可能性がある。東京プリンセス賞では1着にならない限りダービーは難しい。ならば、牡馬相手でも羽田盃で掲示板を狙う―――。そんな思惑があったとしても不思議ではない。

それにしても、の感が残る。勝ち時計1分54秒4は人気馬2頭が先行した割には平凡。スローペースを分かっていながら、誰も仕掛けようとはしなかった。レース後の検量前では、負けたにも関わらず関係者がハイタッチを交わす光景も。ハナから掲示板確保が狙いであったことは想像に難しくない。多くの3歳馬が大きな目標とするクラシックレースであるはずの羽田盃は、いまやすっかりトライアルレースとしての比重を高めつつある。

 

***** 2017/05/10 *****

 

 

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