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2017年5月30日 (火)

意外な空きっぷりのそのワケは

昨日付で「ダービー当日は席からほとんど出歩かなかった」と書いたが、スタンド3Fのコンビニに買い物に行ったことを思い出した。サンドイッチとトクホのお茶を買ってくるよう、同行者に命じられたのである。むろん私が食べるのではない。私はこの人物の「運転手」兼「かばん持ち」兼「お買いもの係」として競馬場に同行させていただく立場であったため、命令されるがままにホイホイと階下へと向かった。

たったいま第3レースが終わったところ。おそらくコンビニは入店を待つ客が長蛇の列を為していることだろう。なにせ今日は泣く子も黙るダービーデー。14万の大観衆で間もなくこのスタンドも埋め尽くされる。まだ午前中でそこまで混んでいないとはいえ、入店まで30分は覚悟せねばなるまい。

ところが、である。行列はあるにはあったが10人程度。5分と待たずに入店できたではないか。混み具合としては他のGⅠ開催日とさして変わらない。サンドイッチを選びながら、今日はダービーだったよなぁ……と思い直したりした。

そういえば、競馬場までの道中も駐車場も例年より空いていた気がする。おかげで競馬場到着が予定より15分も早まった。それならうどんでも食うべとパドック脇の『梅屋』に立ち寄ってみれば、そこにも行列の姿は見られない。それでも「今日は暑いからうどんの人気はないのかな?」程度にしか思わなかった。

ダービーの発走直前。15時時点での入場者数が場内のビジョンで発表される。例年であれば13万前後の数字が映し出され、それを受けてスタンドの観衆が「おぉーっ!」と沸く。ダービー発走前の一種のセレモニー。だが今年は「115,869人」という思いのほか少ない数字が発表され、場内からは戸惑いにも似たどよめきが起きた。ただ、私自身はそれに驚くこともない。今年のダービーは空いている。その時点では既にそう確信していた。

Vision 

123,779人。これが最終的なダービー当日の入場者数である。昨年に比べて1万5千人余り少ない。それを「昨年が多過ぎたことによる反動」とする記事も見かけたが、この5年間の入場者数の推移は以下の通り。今年が2年前の水準に戻ったわけではなく、当時を割り込んでいる。絶好の晴天に恵まれたにも関わらず―――である。

2017年 123,779人
2016年 139,140人
2015年 129,579人
2014年 139,947人
2013年 139,806人

今になって思い出すことがいくつかある。たとえば、例年ならダービーが近づくと「ダービーを観に行きたいなぁ」という声が、必ず周囲から聞こえてくるのだけど、今年はそれがいっさいなかった。

もっと露骨なのは「今年はオークスの方が観たいよね」という声である。ソウルスターリングという稀代の名牝をひと目観たい―――そんな思いが、ダービーのそれを上回ったということか。

もとより今年の牡馬クラシック戦線は、「混戦」との評価が最後まで変わることがなかった。それを「ハイレベルの混戦」とするか「低レベルの混戦」とするかは意見の分かれるところであろうが、朝日杯と皐月賞の1番人気をいずれも牝馬に譲った事実は見逃せまい。青葉賞勝ち馬が史上初めてダービーの1番人気になったことも、根っこは同じであろう。私も含めたファンの多くは、この世代に確たる主役を見いだせないままダービー当日を迎えてしまった。それがダービー観戦の興味をそいでしまった可能性は否めまい。

しかし、ダービーはそれ以外のレースとは違う。メンバーや天気やオノレの懐事情などとは無関係に見るべき特別なレース。わざわざ東京競馬場に足を運んだファンは、ダービーの重みをちゃんと知る人たちであろう。その人たちが「あのダービーもちゃんとナマで観た」と自慢できるよう、レイデオロの今後の活躍に期待せぬわけにはいかない。

 

***** 2017/05/30 *****

 

 

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コメント

お疲れ様でした。

ルメールが上がっていったとき、ミルコも一緒に上がっていけば、ひょっとしたら伝説のレースになっていたかもしれません。あるいは、蛯名騎手がダービーに乗っていれば、あんなペースを許さなかったかも……。タラレバを言えばきりがないのですが、終わってからアレコレ考えてます。やり直しがきかない一発勝負の怖さを思い知りました。

投稿: 店主 | 2017年5月31日 (水) 20時53分

アドミラブルが青葉賞を圧勝するまで、今年の3歳牡馬は記憶にないほどの低レベルだと思っていました。
売上、入場人員の減少から、多くの競馬ファンも、それを察していたのではないでしょうか。
ダービーのレース内容が、それを証明するようなかたちになり、残念に思います。

投稿: ギムレット | 2017年5月31日 (水) 10時16分

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