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2017年4月 2日 (日)

スターター

大阪杯の発走時刻が近づき、スターターが台上に歩み寄る姿がターフビジョンに映し出されると、スタンドから大歓声が挙がった。昨年までの大阪杯とは違う。GⅠならではの光景だ。

Starter 

「あの人は有名な人なの?」

一緒にTVの中継を見ていた家人が訊いてきた。

「いや、あれはスターターに歓声を挙げているんじゃなくて、ようやくレースが始まるから喜んでいるだけさ。みんな朝早くからこのレースを見たくて待ってたんだからね」

「スターターはいつも同じ人なの?」

「うーん、どうかな。発走の責任者は競馬場ごとに3人のチームで行動してるんだけど、うちひとりがゲートを開けて、残るふたりはゲートの後ろで枠入りを監視するんだ。その役割はレースごとに交互に変わるから、全レース同じかと言われれば違うということになるね」

「じゃあ、あのスターターが誰なのかは、誰も知らないってこと?」

「そうだな。さっき言ったチームの構成員の名前はレーシングプログラムに公表さるているけど、実際に大阪杯のスターターを誰が務めるかまでは分からないな」

「それってちょっと変じゃない? スターターが誰かによってレースは変わってくるはずよ」

そこで私は答えに窮した。彼女の言っていることはもっともであるように感じる。もし、野球やサッカーで、審判団の名前だけが公表されて、実際に誰が主審を務めるのかが明らかにされなければ、見ている方はやはり違和感を感じるだろう。

私が次の答えを探しているうちに大阪杯のゲートは開いた。出遅れはない。これほどきれいなスタートは逆に珍しいのではないか。

レースの登場人物は馬と騎手のみと思われがちだが、敢えてもっとも影響力のある第三者を捜そうとするならば、それはスターターをおいて他にあるまい。競馬という競技において、スタートの良し悪しが結果を大きく左右することは周知の事実。スターターはゲート扉を開けるためのレバーだけでなく、ゴールでの着順さえも握っている可能性がある。

もちろんこれは仮説に過ぎない。ただ、もしスターターがレース前に公表されるようになれば、「Aさんの場合は、出遅れがない」とか「Bさんの場合は、この馬はかならず出遅れる」とか「Cさんの場合は、この馬はなかなかゲートに入らずに大抵負ける」とかいう傾向がひょっとしたら見えてくるかもしれない。

そういう意味では、追い切り後馬体重やブリンカー着用の有無なんかより遥かに有益な情報になる可能性も秘めているのだが、どうなんでしょうね。日本ダービーとかだと、「今年は誰々さんがスターターを務める」という話が事前に聞こえてくるんだけど、これをすべてのレースに広げて、かつJRAの正式発表とするのは難しいことなんだろか。

 

***** 2017/04/02 *****

 

 

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