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2017年4月 1日 (土)

新聞の嘘

昨日からの雨が上がり切らぬ土曜の朝。朝刊を取りに玄関を出ると、ことのほか寒い。今日から4月ということ自体が嘘なんじゃないかと思った。なにせ今日はエイプリルフールである。

新聞の天気欄に曇りマークはあるが傘マークはない。じゃあ、いま空から降ってきているこれはなんだ? これも嘘に違いない。嘘をついているのは新聞か、あるいは天か。私は天の可能性を否定しない。新聞が嘘をつくようではおしまいだ。

ただ、英国の新聞は嘘をつくことがある。大衆紙「サン」紙は1991年4月1日付の一面で「1983年に牧場から誘拐され、死んだと思われていたシャーガ―が、実は生きていた」と大々的に報じた。しかもこの年のキングジョージに出走予定だという。

もちろんこれはエイプリルフールの嘘記事。4月1日になると英国の新聞各紙はユニークな嘘をつくために頭を絞る。中でも“生きていたシャーガー”はメジャーなネタのひとつ。それだけ英国民がシャーガー失踪事件に関心を寄せていることの証であろう。それ以降も、シャーガー生存の記事はエイプリルフールのたびに掲載され続けた。

Kitasan 

「大阪杯はキタサンブラックで決まり」

「サトノクラウン、JRA&海外GⅠダブル制覇へ」

では、日本の新聞に並ぶこうした見出しはエイプリルフールの嘘か。いや、そうではあるまい。なにせこの一週間、同じような記事をずっと目にしてきた。とはいえ同着でもない限り大阪杯を勝つ馬は1頭。すくなくとも、上記のどちらかは嘘ということになる。なのにそれを嘘だと怒る人はいない。いや、どこかにいるのかもしれないが、少なくとも私の周囲にはいない。

天気予報が外れると新聞社やNHKにクレームの電話が入る。「嘘をつくな」。「洗濯物が濡れたゾ」。「どうしてくれる!」。

なのに、外れてばかりのはずの競馬の予想に対するクレームはほとんどない。それを不思議だと私が言うと、「予想」と「予報」の違いだと諭される。

しかし、「予想」とは「物事の成り行きや結果について、前もって想像すること」であり、「予報」は「たてた予想を、前もって一般に知らせること」である。ならば「予想」も「予報」も実質的に同じはず。だが実際のところ、世間が「予報」という言葉に抱くイメージは、「予想」以上「予告」以下といったあたり。「予想」は外れてもいいが、「予報」が外れるとアタマにくる。

そのことに新聞もTVも気づいているフシがある。なぜか最近では「天気予報」という言葉を聞かなくなった。NHKは「気象情報」と呼ぶし、新聞は天気図と天気マークを何の説明もなく黙って掲載するのみ。天気ごときで嘘をつくなと言われてはたまらない。新聞が敢えて嘘をつくなら、シャーガー生存くらいのことを書くべき。ただ、日本ではエイプリルフールの嘘記事さえも禁忌とされる。新聞の嘘は例外なく許されない。

 

***** 2017/04/01 *****

 

 

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