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2017年4月10日 (月)

書いた途端に

「記録は、それを口にした途端に途切れる」

スポーツ界にはそんなジンクスがある。

知られたところでは、野球のノーヒットノーランやパーフェクトに関するジンクス。たとえば6回を終えて被安打ゼロの投手が7回のマウンドに向かう。そこでアナウンサーが「ノーヒットノーランは過去に何人が、最近では誰々が……」と紹介した途端にヒットを打たれるというヤツ。むろんこういうシチュエーションでは、ベンチでもその話題に触れてはならない。記録達成のその瞬間、投手よりむしろ野手の方が喜んでいるように見えるのは、うかつなことを口にできぬプレッシャーからようやく解放された、その安堵感のせいではあるまいか。

野球以外でも、この手のジンクスは列挙に暇がない。私がつくづく感じるのは、このブログに書いた途端に崩れる記録。先週の金曜付けで「この中山開催でディープインパクト産駒か勝っていない」と書いた。するとその翌日の中山で、いきなりヘリファルテとウムブルフが勝ってしまうのである。そのどちらもシュタルケ騎手の手綱ではないか。んもー、私に恨みでもあるのか。

逆に阪神については「ディープ天国」みたいなことも書いたわけだが、土日の阪神で勝ったディープ産駒はミッキークイーンただ1頭のみという有様。桜花賞のカワキタエンカも敗れて、初年度産駒以来6年間続いてきたディープ産駒の桜花賞連対記録も、ついに途絶えてしまった。

それにしても、果たしてこうしたことは根も葉もないジンクスなのだろうか?

「ディープインパクト産駒が中山で勝ててない」と金曜日に書いたのは、逆に言えば「そろそろ勝ちそうだな」と無意識のうちに感じたから―――そのように思えてならない。

なにせ昨年まで5年連続のリーディングサイアーであり、今年もトップを独走中の大種牡馬である。馬場状態が多少変化した程度で、まったく勝てなくなるはずがない。だったら今、このタイミングで書いてしまおう。あるいは口にしてしまおう。勝ってしまったあとではこのネタは使うことができない。そういう意味では、むしろ「よく見えている」とも言える。

イチロー選手はマリナーズ時代に26打席連続ノーヒットに苦しんだことがある。ミルコ・デムーロも一昨年の香港在籍時には86戦連続未勝利の辛酸を舐めた。局所的にサンプルを切り取れば、「偶然」という名の妖精に翻弄されることは避けられない。その妖精の動きこそ、勝負事における重要な役割を担う「流れ」であろう。プロのスポーツアナウンサーならば、そんな流れの微妙な変化を機敏に感じ取り、無意識のうちに言葉に表しても不思議ではない。

なんて、ディープ産駒の成績とノーヒットノーランとを同列に並べて比較することには、そもそも無理があるのだけど、気づいた途端に記録が途切れるといのは、競馬であれ野球であれ良くある話であることに違いはない。

Reideolo 

さて、そこで皐月賞である。サトノアレスとレイデオロ。2頭の有力馬を送り込む藤沢和雄調教師は、牡馬のクラシックレースを勝ったことがない―――と書いたから、この記録は途切れるのか? いや、そんな簡単な話ではあるまい。なにせ藤沢師の牡馬クラシック未勝利は、競馬界の不思議として毎年のように話題に上がっている。

Satono 

しかし、もし記録が途切れることになれば、それはJRA重賞通算100勝目の大記録達成の瞬間でもある。ファンディーナ参戦で盛り上がる皐月賞。しかし、見どころはそれだけではないということだ。

 

***** 2017/04/10 *****

 

 

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コメント

揉まれたくはないですよねぇ

投稿: 店主 | 2017年4月12日 (水) 16時07分

お読みになっているかもしれませんが、
今日の日刊スポーツに、中山の重賞では内枠(1〜3)のディープインパクト産駒は未勝利と載っていました。

去年のディーマジェスティは大外。

確かになんとかくですが、ファンディーナは外枠の方が良さそうですよね。

投稿: tsuyoshi | 2017年4月12日 (水) 12時08分

私もウムブルフが買ったのをTV中継で見て
ファンディーナで良いなと思いましたが、
ソウルスターリングを見て、う〜〜〜とどうしようと思っています。

投稿: tsuyoshi | 2017年4月11日 (火) 19時07分

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