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2017年4月29日 (土)

1番人気受難の春

プロ野球は開幕して1か月が過ぎたが、セ・パ両リーグのチャンピオンチームが明暗を分けている。セ・リーグは広島カープが10連勝の快進撃を続ける一方で、パ・リーグでは日本ハムが泥沼の10連敗を経験してしまった。主力選手に故障者が相次いでいるとはいえ、この時期に首位と12ゲーム差は厳しい。

連敗といってもいろいろあるが、野球になくて競馬にあるのは1番人気馬の連敗だ。かつて、「秋の天皇賞で1番人気は勝てない」と言われた時代が長く続いたことを思い出す。

1966年秋、野平祐二が手綱を取るセフトウエーが6着に敗れてからというもの、リユウフアーロス、フイニイ、マーチス、アカネテンリュウ(2年連続)、キームスビィミー、ハクホオショウ、ホウシュウエイト、キクノオー、イシノアラシ、トウショウボーイ、リュウキコウ、メジロイーグル、カツラノハイセイコ、カツアール、サンエイソロン、そして1983年タカラテンリュウまで1番人気馬が18連敗である。府中の本命党たちには、厳しく辛い秋が長く続いた。

距離が2000mに短縮された1984年にミスターシービーが1番人気で勝つと、本命党たちは「2000mなら堅く収まるゾ!」と喝采を叫ぶ。だが、1988年のオグリキャップから1999年のセイウンスカウイまでまたも1番人気が12連敗。すると本命党は掌を返したように「外枠が極端に不利な東京2000mでGⅠをやるべきではない」と主張するようになるのだが、その12連敗の中には最内1番枠からスタートした馬が3頭も含まれていた。

もちろん本命馬だって負けることはある。それが競馬だ。しかし、天皇賞・秋の1番人気馬は、能力とは無関係の理由で敗れ続けているように思えてならない。「ジンクス」と呼ばれる所以はそこにある。こうして、天皇賞に関しては「堅い春、荒れる秋」というイメージが植え付けられた。

そう、「堅い春」なのである。シンボリルドルフ、ミホシンザン、タマモクロス、スーパークリーク、メジロマックイーン、ビワハヤヒデ、スペシャルウィーク、テイエムオペラオー、そしてディープインパクト―――。春の天皇賞といえば、チャンピオンが人気に応えて結果を残す舞台だった。

なのに、あらためて振り返ってみれば、2006年から1番人気馬が10連中だったりする。その間、チャンピオンの参戦が無かったわけではない。オルフェーヴルもゴールドシップも着外に沈んだ。

Gold 

同じ10年間の天皇賞(秋)における1番人気馬の成績は(5,2,2,1)。春と秋の立場はすっかり逆転してしまっている。今朝の時点ではキタサンブラックが1番人気だったのが、先ほど確認したらサトノダイヤモンドにとって代わっているではないか。サトノダイヤモンドは17頭の相手だけでなく、1番人気受難のジンクスとも闘わなければならない。

 

***** 2017/04/29 *****

 

 

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2017年4月28日 (金)

銀行レースと物価統制令

一部ウインズで実施された天皇賞金曜日発売が、先ほど19時に終了した。単勝の1番人気はキタサンブラック。2番人気はサトノダイヤモンド。両者の馬連は180円と発表されている。

たしかに一騎打ちムードは漂う。どちらも菊花賞馬。これといって強力な馬も見当たらない。有馬記念のこの2頭の馬連配当は260円だった。ならば今回それより低くなったところで驚くこともなかろう。GⅠレースでの馬連最低配当記録は1999年宝塚記念の200円。今回はその記録を更新するかもしれない。もちろん、この2頭で決まれば―――の話だが……。

先日行われた桜花賞で、ソウルスターリングの単勝に3000万円(一説では4000万円とも)を注ぎ込んだ人がいたという。漂うオッズは140円。むろん銀行に預けるよりも割が良い。なにせ空前の低金利時代である。しかし、それでもせめて複勝にできなかったか。それでもたった94秒で300万の利ざやがあったのに……。我々庶民は、そう考えてしまう。いや、そもそも3000万円の馬券を購入することなど、庶民は考えたりしない。

Brian 

天皇賞はその格式の高さに加え、現在では特殊領域とも言うべき距離設定によって、実力以上に人気が偏ることがある。それが「一騎打ち」とか「銀行レース」などという事前の風評を呼び、増します本命サイドが売れるという傾向が長く続いてきた。

1992年
メジロマックイーン&トウカイテイオー
馬連オッズ1.6倍 1着→5着

1996年
ナリタブライアン&マヤノトップガン
馬連オッズ2.0倍 2着→5着

1998年
メジロブライト&シルクジャスティス
馬連オッズ2.0倍 1着→4着

とはいえ、銀行だって低金利や合併で苦しむ現代である。「銀行レース」という言葉を耳にしなくなって久しい。なのに、1998年の天皇賞でも前々日発売で2強の馬連を5000万円買った人が出て、1.1倍の馬連オッズが翌日の紙面を飾る騒ぎになった。バブル以降、長引く不況のさなかとはいえ、お金はあるところにはある。福岡の強盗事件を持ち出すまでもない。

3連単がなかった当時、JRAは「2強対決」を歓迎しなかった。数千万を動かすビッグプレイヤーならともかく、我々庶民は2倍のオッズには手を出しにくい。メジロマックイーンとトウカイテイオーの一騎打ちに沸いた92年春の天皇賞では、馬券売上が前年に比べて20%以上もダウンしたという記録が残る。

しかし「世紀の対決」と騒がれている以上、馬券は買わずともレースはナマで見ておきたいと思うのがファン心理。92年の天皇賞当日の京都競馬場は11万の大観衆で膨れ上がった。しかも、入場てきたのは前売り入場券を持っていた人のみ。そこに目を付け、前売り入場券を定価の10倍で売るダフ屋も現れた。銀行レースに大金を投じるより、その方が確実に儲かる。むろんあえなく御用となった。

驚いたのは、その罪状が「物価統制令違反」と聞いたから。物価統制令は戦後間もない1946年3月に施行された勅令。てっきり死語かと思っていた言葉が、突然息を吹き返すこともある。あさっての天皇賞で「銀行レース」という言葉は復活するのだろうか。

 

***** 2017/04/28 *****

 

 

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2017年4月27日 (木)

新緑賞の緑帽

先週土曜の東京9レース・新緑賞の話を再び書く。

春の東京開幕週の3歳500万条件。芝2300mという舞台設定から、古くはサニースワローやリアルバースデーが、近年でもハギノハイブリッドがここを勝ってダービーの舞台へと向かっていった。

Capoti 

しかし私が注目するのはそこではない。2010年ブレイクアセオリー、12年カポーティスター、14年ハギノハイブリッド。いずれも6枠緑帽で勝っているのである。ほかにも13年と16年で6枠が2着。7年で5連対は凄い。そこは「新緑賞」たる所以か。そこで6枠総流しの馬券を買ってみた。

最近はすっかりマイナーな存在になった枠連だが、競馬初心者が買いやすい馬券として、今も独特の存在感を漂わせている。レース観戦において、初心者が真っ先に戸惑うのが、自分の買った馬を見失ってしまうこと。勝負服で判断ができるようになるまでは時間がかかるだろうし、密集した馬群の中で、ゼッケン番号を視認するのは実況アナウンサーでも難しい。

だから枠連。自分が買った馬は、騎手の帽子の色で判別がつくから、レースが追いやすい。しかも代用的中というオマケも期待できる。

「枠番」というシステムのない欧米では、勝負服と同じように、馬主に帽子の色を決める権利がある。我が国でも、かつては枠とは無関係に馬主独自の色を用いていた。

帽色が採用されたのは、戦後の4枠制から5枠制を経て6枠制に移行した1957年のこと。この時の色は、1枠から白、赤、青、緑、黄、水だった。配色の根拠となったのは、「一白・二黒・三碧・四緑・五黄・六白・七赤・八白・九紫」の「九星」とされる。さらに1963年の8枠制移行に伴い、7枠の茶、8枠の黒が追加されたが、「茶色は見にくい」という大井のファンの声がきっかけとなり、色相学の専門家などの意見を基に現行の配色に落ち着いたという。オレンジとピンクという蛍光色は確かに見やすく、結果それを中央競馬がマネる形となった。

さて、緑帽が圧倒的に強いはずの新緑賞を勝ったのは1枠のビービーガウディで、2着は4枠ミッキーロイヤルであった。残念。でも、かつてなら4枠は緑帽だったから当たっていたのに……、なんてアホなコトで真剣に嘆いているようだから、馬券が当たらないんだよなぁ。

 

***** 2017/04/27 *****

 

 

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2017年4月26日 (水)

GⅠ馬の兄弟

先週土曜の東京6レースは芝マイルの未勝利戦。道中は中団で脚を溜めたディーグランデが、直線で馬群を縫うように進出すると、最後は逃げるサイレントサードをゴール寸前できっちり差し切って嬉しい初勝利を挙げた。

6r 

続く7レースはダートの1400m。1番人気のレレマーマが警戒に飛ばすと、直線に向いてもルメール騎手の手綱はピクリとも動かない。この時点で勝負あり。終わってみれば6馬身差の圧勝だった。

7r 

私の馬券はどちらもハズレ。まあ珍しいことではない。でも、そこで私、ハタと気付いたのである。6レースを勝ったディーグランデはディーマジェスティの弟。そしていま逃げ切ったばかりのレレマーマはマカヒキのお兄さんということになる。この流れなら、次の8レースもGⅠ馬の兄弟が勝つのではないか?

そう思いつつ出馬表を眺めてみると……、おお、いたいた。

Yoku 

1枠1番ヨクエロマンボは、一昨年のチャンピオンズCを勝ったサンビスタの弟。休み明けではあるが、あえて得意の東京を待っていたのだから、不安要素にはなるまい。しかもGⅠ馬兄弟連勝中の流れが来ている。これは確勝であろう。へっへっへ。馬券なんて簡単なモンだ―――と、ほくそ笑みながら迎えた8レースを勝ったのは、

8r 

なんと12番人気ボールドアテンプト。どっひゃー! 単勝万馬券じゃないか!

ヨクエロマンボは追い込み及ばず5着。あれれ、おかしいな。でもよくよく見れば、ボールドアテンプトにしてもお母さんがタイプパラドックスの妹だから、まあ誤差みたいなものか。さあ、気を取り直して次。えーと、新緑賞だから芝の2300mだな。えーと、GⅠ馬の兄弟は出ているかな?

おっ!

End 

エンドゲームのお母さんはタイキクラリティ。つまりNHKマイルCを勝ったクラリティスカイの弟である。例の流れはまだ続いているに違いない。よーし、今度こそ!

9r 

あらら……。

勝ったのばビービーガウディ。大野君、人気薄で連勝ですよ。エンドゲームは直線でズルズル後退。10着に敗れてしまった。

やはり例の流れはもう止まってしまったのかもしれない。いや、むしろ逆流しているとみるべきであろう。つまり、GⅠ馬の兄弟は「来ない」のである。ならば次の10レースのレアリスタ(リアルインパクトの弟)も消し。ようし、豪快に蹴飛ばしてやるぞ。さあ、どうだ!

10r 

どっひゃー! もう、勘弁してくれーい!crying

大阪杯とホープフルSがGⅠに昇格し、いまやGⅠレースは年間36を数える。さらに、リアルスティールやサトノクラウンのように、海外でGⅠタイトルを獲得してくるケースも今や珍しくはない。その兄弟姉妹となれば、かなりの頭数になる。平場のレースに1頭や2頭いても不思議ではない。

血統だなんだと騒ぐのはしょせん人間だけのこと。個々の馬たちは兄弟姉妹がGⅠを取ってることなどとは関係なく、ただひたすら勝利を目指して走っている。まず目の前の馬をきちんと見よう。馬券は散々だったが、セリや1歳馬募集が始まる時季を前に、大事なことを思い出させてもらった。

 

***** 2017/04/26 *****

 

 

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2017年4月25日 (火)

写真の流儀

商売柄他人の撮った写真にケチをつけるような真似は謹しむようにしている。むろんそれを、それをいちいちブログに取り上げることもすべきではない。だが、それにしても限度と言うものがある。

News 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170422-00000108-sph-horse.view-000

土曜東京9レースの新緑賞の結果を伝えるネットニュースを見て絶句した。

勝ったのはビービーガウディ。しかし、その写真は被写体ブレが激しくゼッケンも判読不可能。しかも、ゴール写真においてあってはならぬ「ケツ撮り」である。

写真撮影の流儀というものは様々で、10人いれば10通りの作法が存在すると言っても差し支えない。私はと言えば、若い時分に新聞流のやり方を叩き込まれたこともあり、首尾一貫「分かるように撮る」を仕事上の眼目としているつもりである。

そも“写真”とは何か―――?

哲学的な話を始めたらキリがないが、私はごくシンプルに「情報伝達のためのいち手段」という考えを第一義に置いている。したがってそれが何を表しているのかが一見して分からないようでは身も蓋もない。すなわち、良い写真というものは誰が見ても分かりやすいのである。

中には写真芸術論を引っ張り出してきて「分かる奴にだけ分かればよい」というような主張を唱える輩もいるが、これは大きな間違いで、完全なる自己満足の世界にほかならない。古今東西、絵画、彫刻、小説から映画に至るまで「名作」と呼ばれるものに理解しづらい作品など存在せず、どんなに高度な技術を注ぎ込んだとしても、見る人が理解できなければそこには何も生まれない。結果、過大な自己表現に終わるのみとなる。

話がデカくなってしまったが、馬の写真にたとえると、見た人が「あぁ、これは良い写真だな」と思う写真は二流で、「あぁ、これは良い馬だな」と思える写真こそが一流なのである。ただ、そう思っていても、なかなかその領域に踏み込むことは難しい。冒頭に紹介した写真はそれ以前の問題。三流の誹りを免れなまい。

実はこのレースの発走直前、東京競馬場は突然の激しい雨に襲われていた。それで芝コース脇のカメラマンに何らかのトラブルが発生し、やむなくスタンドにいた別のスタッフが撮った―――。

私はそんな可能性を疑っている。角度からしてゴール手前50m付近、おそらくスタンド8階の記者席からスマホか何かで撮ったものを、可能な限り画像処理したのであろう。いずれにせよカメラマンが使う機材で撮ったものではない。とはいえ仮にも大手のスポーツ新聞のしたことである。なぜそんな写真を載せたのか? ネットだからと軽く見ていたのかもしれぬが、見ても分からぬ写真なら載せないという判断もあった。

 

***** 2017/04/25 *****

 

 

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2017年4月24日 (月)

未勝利馬のダービー制覇

今週土曜の東京メインはGⅡ青葉賞。なんとここに未勝利馬のアグネスウインが登録してきた。

JRAにおいて未勝利馬が出走可能な重賞は限られている。2歳重賞と3歳春シーズンに行われるクラシックのトライアルレースのみ。だがさすがに、それを勝ったという例を私は知らない。そもそも、たいていの未勝利馬は除外されてしまうもの。だが今回、青葉賞の登録頭数はフルゲートに届かなかった。出ようと思えば、アグネスウインは出られる。

かつては、やはり未勝利のロイスアンドロイスが出走してきたり(3着)、未出走のジュネーブシンボリがここでデビューを果たすという離れ業(4着)を演じたこともあるレースだが、当時の青葉賞は重賞ではなくオープン特別だっため、未勝利馬は1着にならなければダービー出走は叶わなかった。ダービーの出走条件には「未勝利馬・未出走馬を除く」の一文がある。

しかし現在の青葉賞は重賞なので、仮に2着に敗れても優先出走権と収得賞金の両方が手に入る。JRAの定義では「未勝利馬」とは「収得賞金が0円の馬」であるから、ダービー出走に障壁はない。アグネスウインには、「1着を経験したことのない馬によるダービー制覇」の偉業(?)への、大きな期待がかかる。

ただし海外に目を向ければ、未勝利馬によるダービーやオークスの優勝が過去になかったわけではない。長い歴史を誇る英国では、1887年に未勝利のメリーハンプトンがダービー馬の栄光に輝いているし、1983年の英オークスは2戦未勝利のサンプリンセスによる大差独走だった。

このサンプリンセスはやがてバレークイーンという牝馬を産む。説明の筆頭はあるまい。フサイチコンコルドの母である。キャリア2戦でのダービー制覇。常識を覆す快挙の背景には、少なくとも血統的伏線はあった。

Fusaichi 

同じくバレークイーンを母とするボーンキングは、初勝利を記録した直後の3戦目に京成杯を勝ち、その弟アンライバルドもわずか4戦のキャリアで2009年の皐月賞を制している。さらに2007年の皐月賞をたった3戦のキャリアで勝ったヴィクトリーは、その母グレースアドマイヤがバレークイーンの娘だ。

Victory_2 

この一族がとりわけ春のクラシックに強いことは一目瞭然。加えてキャリア不足をまったく問題にしない。冬場に開催がなく、春の開幕からいきなりトップシーズンを迎える欧州のクラシック戦績では、サンプリンセスのようにキャリア3戦目でいきなりエプソムの12ハロンを克服できるような、そんな完成度の高さが求められる。

そんなことを考えていたら、青葉賞に登録してきた別の一頭に目が留まった。アドミラブルは4代母がサンプリンセス。キャリアはまだ3戦と少ないが、それがマイナスになる血筋ではない。むしろ好材料。ここが通過点になるようなら、ついに青葉賞からダービー馬が出るかもしれない。

 

***** 2017/04/24 *****

 

 

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2017年4月23日 (日)

かすうどんがやって来た

開幕週の競馬場には新たな発見もある。フジビュースタンド5Fレストランエリアの『トラットリア デラ・コルサ』の跡地が「UMAJOスポット」になって驚いたりもしたが、まずはこちらのお店。

Kasu 

当ブログのコメント欄にギムレット氏から情報をお寄せいただいた『KASUYA』です。

大阪ではポピュラーな「かすうどん」のお店を東京で見かけるようになったのは、この数年のことであろう。それでも新橋の『みなと屋』のように、いつの間にか閉店してしまう店もなくはない。その理由は様々あろうが、東京における認知度の低さもひとつの要因であろう。そういう意味では、かすうどんを世間に広めた『KASUYA』の東京競馬場進出は、いろいろな意味で期待が広がる。

Udon1 

東京の人間からすれば、やはり「かす」という語感に抵抗があるのだと思う。だって“カス”ですからね。しかし実際には牛の小腸を油で揚げたもの。「油かす」とも呼ぶらしい。外はカリッとしていいながら、中はホルモン特有のぷるぷるとした食感。しかも旨味たっぷり。なのに脂っこさやしつこさはあまり感じない。なぜだろう。理由を尋ねると「よーく揚げて油を抜いてあるから」という答えが返ってくるのだが、揚げたら余計に脂っこくなりそうなものだ。まあ、私としては美味ければどうでも良いのだけど。

Udon2 

かすの脂をまとったうどんは留保なく美味しい。旨味が溶け出たダシも、美味しいからつい最後まで飲み切ってしまう。そういう観点からすれば、このカップの形状はダシを飲み干すのには向いているかもしれない。でも正直、うどん一杯としての物足り無さは起こる。競馬場の食べ歩きルーティンの中において、この一杯をどのような位置付けに置くべきか。各人、思案のしどころであろう。

Horumon 

もうひとつ、ホルモン丼も頼んでみた。地方競馬で見かけるホルモン丼は、汁っぽい煮込みをジャバッとごはんにかけた代物だが、こちらのは濃い味付けのホルモンがどさっとご飯に載せられて出てくる。これも美味い。

Menu 

ただ気になったことがひとつ。実は『KASUYA』は阪神競馬場にも出店しているのだが、以前そこで食べたかすうどんは確か一杯500円ではなかったか―――?

それで調べてみると、やはりその通り。しかもホルモン丼も阪神では600円ではないか。なぜ東京は100円増しにしたのか。

ひょっとしたら、今ごろ阪神競馬場の店舗でも値上げが実施されているのかもしれないが、東京にかすうどんを広めるという期待を寄せているだけに、画竜に点睛を欠いている気がしてならない。

出店場所はフジビュースタンド2階東側。メモリアル60スタンドとの連結通路付近で、以前はハンバーガーの『ロフトハウス』があった場所。正直言ってあまり良い立地とは言えないのだが、かすうどんがどれだけお客さんを集めることができるのか。注目していきたい。

 

***** 2017/04/23 *****

 

 

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2017年4月22日 (土)

サウスポーたちの季節

JRAは今日から開催替わり。関東の舞台は東京に移る。しかも来週からは今年最初の新潟開催もスタート。サウスポーたちの季節がやってきた。

Tokyo 

馬にも「利き手」ならぬ「利き足」がある。それに関係があるのが手前脚。左回りのコーナーでは右トモ→左トモ→右前→左前の順に脚が地面につく。これがいわゆる左手前。この時、推進力を生み出すのは左トモである。

最終コーナーを回って、直線を迎える。しかしコーナリングの時と同じ左手前で走り続けていては、左トモに疲労が溜まってスピードが落ちてしまう。そこで騎手は直線に向いてから、手前を替えるよう馬に指示を出す。そこからが本当の勝負。「左回りが得意」という馬は、コーナーリングの得手不得手というよりは、「右手前で走るのが得意」な馬だったりする。

ディープインパクトは坂路調教でも右手前ばかりで走るほど右手前が好きだった。直線だけで後続を5馬身千切った日本ダービー。33秒5の脚で突き抜けたジャパンカップ。生涯2度の左回りでのレースが圧勝だったことと無関係ではあるまい。

Deep 

手前を替えるのが得意な馬もいれば、苦手な馬もがいる。シンボリルドルフは上手な代表。一方、オグリキャップは下手だった。有終の美を飾った1990年の有馬記念。以前からこの癖に気づいていた武豊騎手が、根気よく手前の替え方を教え込んだというのは有名な話。そして迎えた本番、オグリキャップは最後の直線で武豊騎手の指示通りに手前を替え、1着でゴール板を駆け抜けた。

人間の「右利き」「左利き」は先天的なものだろうが、競走馬はふだんの調教で矯正が可能。また、新潟は得意でも、東京ではさっぱりという馬もいる。「右回り得意」「典型的なサウスポー」。そう言われる馬たちがいるのは事実だが、その理由は単にコーナーリングの問題に留まらない。馬場の特徴、滞在競馬か当日輸送か、気候の問題もある。それを単に「右利き」「左利き」に喩えるのは無理があろう。しかしその一方で、コースごとに得意不得意があるのも間違いない。

Swave 

先日の皐月賞で6着に敗れたスワーヴリチャードは、直線も右手前のまま走り続けて伸びを欠いた。ひょっとしたらディープインパクトのように右手前が好きなのかもしれない。共同通信杯圧勝の舞台で、再びその末脚は爆発するだろうか。

 

***** 2017/04/22 *****

 

 

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2017年4月21日 (金)

日本で2番目に早い新馬戦

火曜の道営門別に続き、日本で2番目に早い新馬戦が間もなくここ大井で行われる。

昨年は取消などもあって4頭立て。今年はこれまでに二度に渡って行われた能験の合格馬がすべて出走してきた。とはいえ、それでも7頭でしかない。しかも馬主単位で数えれば4馬主であり、厩舎単位で数えても4厩舎のみ。2歳競馬のスタートがこの時季に前倒しされて3年目だが、南関東の関係者の間では、早過ぎるデビューに慎重な声がなお根強い。

そうこうするうちにファンファーレが鳴った。私はゴール前のラチ下にしゃがんでスタンバイ。大型ビジョンには最初にゲートに誘導される3号馬が映し出されている。

ところが、その馬がなかなかゲートに入ろうとしない。勢いをつけてもう一度。やはりダメ。今度は後ろ向きにゲートに近づけて、クルリと反転。しかしゲートを見ると途端に後ずさり。あとはその繰り返し。3分が経ち、4分が過ぎた。当然ながらまだゲートは空っぽ。

「曇ってはいますが、にわかに雨が降りそうな空ではありません」

「父はロージズインメイ、母の父はリンカーンです」

実況アナも必死に繋ぐが、それでも5分は長い。そんな時、不意にスタンドから歓声が挙がった。3号馬がゲートに収まったのである。よし! あとは残る6頭をさっさと入れてしまおう。でないと私の膝が限界。これ以上しゃがんでられない。

しかし、それが入らないのである。5号馬はすんなり入ったが、あとは全滅。こういうのは伝染するもの。みんなイヤイヤして入らない。ようやくゲートインが完了した頃には、ファンファーレから10分が過ぎていた。あぁ……、もう両足が痺れて立ち上がれそうもない。

最初にゲートインした3号馬は自業自得だからまだいい。気の毒なのは、おとなしくゲートに入ったのに、5分以上待たされた5号馬である。果たしてこれを「真正な発走」と言い切れるのか。2歳のデビュー戦だからと笑って済ますわけにはいくまい。

大井が新馬戦の開始時期を4月にしたのは、むろん道営を意識してのこと。しかし、その道営では既に240頭もの2歳馬が能検に合格している。先日の門別の新馬戦は8頭立てだったが、大井とは母数が違う。選りすぐりの8頭である。しかも道営は能検を受ける前に、「ゲート練習」と呼ばれるゲート試験を二度合格しなければならない。それぐらい徹底しているのである。道営の関係者は、今日の大井の新馬戦をどう見ただろうか。

大井で4月に新馬戦が行われるようになって2年。そこでデビューした11頭のうち7頭が、実は1年以内に引退に追い込まれている事実がある。4月の新馬戦は機能しているのか。今日のゲートの一件も検討材料に加えたい。

Kurosuke 

ところで今日のレースを勝ったのは、すんなりとゲートに入ったのに、ずーっと待たされた5号馬・クロスケ。ゲートに5分間も押し込められていたのに、直線だけで5馬身差だから凄い。それがせめてもの救いだった。

 

***** 2017/04/21 *****

 

 

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2017年4月20日 (木)

タケユタカの玄孫

新幹線を止めるほどの強風が吹き荒れた昨夜、砂塵舞う大井競馬場ではダートグレードの東京スプリントが行われた。ドリームバレンチン、ブライトライン、レーザーバレットといったベテランの重賞ウイナーたちを押しのけて1番人気に推されたのは、なんと5歳にして重賞初出走のキタサンサジンである。

とはいえ、馬名のサジンは「砂塵」ではなく「砂神」らしい。直線で後続に迫られた時は、「あぁ、砂塵と共に馬群に飲まれるか……」と思わせたが、そこから粘ること粘ること。これは逃げ切るかもしれない。

それでも最後に大外から猛追してきたブライトラインの脚色は、誰の目にも差し切る勢いだ。ほとんどのカメラマンが外に照準を合わせ、場内ビジョンもブライトラインを映し続けた。にも関わらず、なんとゴールではまだアタマ差も残していたのだから不思議というほかはない。最後まで交させぬその脚は、まさに神掛かっていた。

Kitasan1 

北島三郎オーナー仕事を終えてから大井に駆け付けたという。体調が万全ではないようで、両脇を支えられて記念撮影に収まっていたが、終始笑顔だった。その行動力に感服の念を禁じえない。たしかキタサンチャンネルがニュージーランドトロフィーを勝ったときも、前日まで入院していたにもかかわらず、「どうしても競馬場で応援したい」と中山に駆け付けていらしたはず。きっとその愛情が馬に伝わるのだろう。そうでなければ、キタサンサジンの最後の脚は説明ができない。

Kitasan2 

キタサンサジンの母・キタサンヒメも、その母・キタサンクインも、その母・パーセントも、いずれも北島オーナーの所有馬である。この母系からは、キタサンフドウ、キタサンテイオー、キタサンチャンネル、キタサンヒボタンといった馬たちが活躍している。配合理論も玄人はだし。どの馬も自らが手塩にかけて育てた子や孫のような存在に違いない。

長い年月をかけて馬を作り上げる夢を追い続け、こうして結果を出すことは簡単ではない。繁殖を持つとそれを痛感する。しかしその情熱が、競馬の神様の心を動かし、キタサンブラックという名馬と巡り会わせてくれたのかもしれない。

来週はそのキタサンブラックの連覇がかかる天皇賞。キタサンサジン重賞初勝利の勢いに乗りたい。ちなみに、キタサンサジンの4代母の名は「タケユタカ」という。1971年生まれのパーソロン牝馬。宇都宮の名馬・カネユタカオーの母としても知られている同馬だが、少なくとも北島三郎さんとタケユタカとの縁は、既にこの頃から始まっていたこということになろう。

 

***** 2017/04/20 *****

 

 

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2017年4月19日 (水)

瞳を閉じて

フローラSが近づくと思い出すことがある。数年前のフローラSの翌日、某スポーツ紙の競馬面をベララッと開くなり、絶句してしまった。そこにデカデカと掲載されたフローラSのゴール前写真が、あろうことか馬がまばたきをした瞬間をとらえた一枚だったのである。

普通なら真っ先にボツにするような写真を、よりによって見開き面にドーンと使ったそのセンスには感服せざるを得ない。よほど深謀遠慮あってのことであろう。それが分からぬ私が悪いのである。 ひとえに私の不徳の致すところと割り切るほなはない。

冗談はさておく。いったいどういう理由により、瞳を閉じた馬の写真が選抜されたのか?―――そう思い悩んでいたら、たまたま見ていたTV番組から、こんなクイズ問題が聞こえてきた。

 Q.ウマに関する意外な生態で正しいものはどれか?

 A.口で呼吸をすることができない
 B.まぶたを閉じることができない
 C.横になって眠ることができない

いっぱしの競馬ファンなら即答できるはず。答えは「A」。鼻血ごときに神経を尖らせなければならないのは、そのためである。

ちなみに番組内の回答者は「C」と答えていた。

確かに「馬は立ったまま眠る」とも言われるが、正確には「立ったまま眠ることもある」のであって、横になって眠ることができないわけではない。放牧地でも厩舎でも、みなゴロゴロと横たわってぐうぐう眠っている。こちらはクロフネ。ちょっと変わった格好ですね。

Kuro 

馬が横になって眠るのは、一日のうち2~3時間ほど。完全に熟睡するのは30分前後だという。これだけ聞けばいかにも少ない気がするが、その分を「立ち寝」で補っているわけだ。ただし、立ったままの睡眠は、いわゆる”まどろみ”状態で、何か異変を感じ取れば、すぐさま覚醒してしまう。

横になって眠っている馬をじっと観察していると、寝入っているはずなのに突然いなないたり、四肢をバタつかせたりすることがある。おそらく夢を見ているのであろう。眠りながら口をもごもご動かしている姿を見れば、夢の中で山盛りの干草でも食べているのかもしれない。

なお、言うまでもないことだが、馬はまぶたを閉じて眠るし、普段でも瞬きをすることもある。したがって「B」も不正解。それはあの日の紙面を見れば一目瞭然だ。まさか、こんなクイズが不意に出題されたときのために、わざわざあんな写真を選んで見開き面に掲載したのだろうか? にわかに信じられぬ話だが、それくらいの理由しか思いつかないぞ。

 

***** 2017/04/19 *****

 

 

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2017年4月18日 (火)

親子丼

「直線ではペルシアンナイトばかり見ていた。ゴール前で何か来たと思ったらサンデーの勝負服。てっきりダンビュライトだと思ってたら、実況でアルアインという声が聞こえて初めて分かった」

皐月賞を勝った池江調教師のコメントが面白い。正直、ペルシアンナイトの方に自信があったのであろう。だてにミルコ・デムーロに依頼したわけでもあるまい。なにせ最近では“皐月賞請負人”である。だが、その人馬を負かしたのは自厩舎のアルアインとGⅠ未勝利の松山弘平騎手。池江師の驚く様子が目に浮かぶ。皐月賞での同一厩舎ワンツーフィニッシュは、1963年の1着メイズイ、2着グレートヨルカ(尾形厩舎)以来。69年ぶりの牝馬の戴冠はならなかったが、それでも54年ぶりの快挙が実現した。

同一厩舎の2頭出しは人気薄を狙え―――。

そんな格言を久しぶりに聞いた気がする。昔から言い古された馬券作戦だが、さすがに今となっては根拠に乏しい。それでも結果的にペルシアンナイトが単勝8.1倍の4番人気であったのに対し、アルアインは22.4倍の9番人気。古びた格言を引っ張り出さずにはいられない心境も分かる。

ビッグレースでの“親子丼”といえば、アンバーシャダイとホウヨウボーイの有馬記念がつとに有名だが、35年も前の話とあっては知らぬ人もいるかもしれない。

舞台は1981年の有馬記念。名門・二本柳厩舎は前年の有馬記念の覇者で、この有馬が引退レースのホウヨウボーイと、前走の目黒記念で初めて重賞を勝ったアンバーシャダイの2頭出しだった。ホウヨウボーイの手綱を取るのは厩舎の主戦である加藤和宏騎手。一方、アンバーシャダイには、「代打屋」の異名をとる東信二騎手が跨る。

ホウヨウボーイが連覇を果たして引退の花道を飾ると同時に、アンバーシャダイが2着に入って花を添える―――。

これが二本柳厩舎が描く最高のシナリオだった。そのためには当面のライバル・モンテプリンスを3着以下に負かさなければならない。

そこでアンバーシャダイの東騎手はモンテプリンスを徹底的にマーク。内ラチ沿いに閉じ込めたまま外に出せないよう、がっちりブロックしてレースを進める。そして直線。ホウヨウボーイが先に抜け出すのを確認してから、アンバーシャダイも満を持してスパート。「よし、2着だ!」と東騎手が確信した次の瞬間、なんとホウヨウボーイをも差し切ってしまったのである。写真はそんなことお構いなしとばかりに大あくびをする、在りし日のアンバーシャダイ。

Amber 

1番人気の支持を集めていたホウヨウボーイに対し、アンバーシャダイは3番人気。レース直後、二本柳調教師は「あべこべだったな」と苦笑いしたとされる。「人気薄を狙え」の格言は、このレースを経てさらに重みを増した。

ちなみにアルアインは、前走の毎日杯でも僚馬サトノアーサーとのワンツーフィニッシュを決めているが、そのときもサトノアーサーより人気薄の立場だった。もはや理屈ではない。池江厩舎の2頭出しは人気薄を狙うのである。ダービーはサトノアーサーを含めた3頭出しが濃厚。3頭の馬主としては、あまり人気にならぬ方がありがたいかもしれない。

 

***** 2017/04/18 *****

 

 

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2017年4月17日 (月)

歳月の始まり

皐月賞が終われば、春のクラシック戦線はいよいよクライマックスに向かって動き出す。果たしてレーヌミノルは府中の2400mを克服できるのか? アルアインは2冠を達成するのか? ソウルスターリングの巻き返しは? ファンディーナの次走は? 興味が尽きることはない。1年間でもっとも濃密な1か月が始まる。

―――なんて気合を入れてたら、宅配便が届いた。どれどれと開けてみれば、なんとトレーニングセールのカタログである。「あぁ、もうそんな時季か」。思わず独り言が口をついた。いやあ、早いものですね。もちろん表紙は「世界のモーリス」。さっそく全馬をチェックしなければなるまい。

Traningsale 

そういえば明日は門別で道営競馬が開幕。全国のトップを切って2歳競馬が始まる。7枠7番ヤマノファイトは新種牡馬エスポワールシチーの産駒。父譲りのスピードで1200mを一気呵成に逃げ切るか? 函館2歳Sに駒を進める一頭はいるのか? さっきまで3歳馬ばかりだった頭の中は、もう2歳馬のことばかり。興味が尽きることはない。来年のクラシックに向けた1年が、もう始まる。

―――なんて盛り上がっていたら、今度は社台の事務所から一通の封書が届いた。なんだなんだと開けてみれば、なんと1歳馬の募集リストではないか。「おぉ!」。思わず声が出る。

Shadai 

なにせこのリストこそがすべての始まり。種付け時から目を付けている仔馬でも、すべての兄姉馬に出資していたとしても、このリストに載っていなければ出資は不可能。あとはセレクトセールで金子さんや里見さん相手に戦うしかない。きっと今頃、日本のあちこちで安堵と悲嘆のため息があふれかえっていることだろう。

さっきはエスポワールシチーを「新種牡馬」と呼んだばかりだが、もはや私の頭の中での「新種牡馬」はジャスタウェイである。募集頭数は各牧場合わせて12頭。中でもキャッチータイトルの牡はぜひ見てみたい。どうしてもメジャーエンブレムのようなマッチョな馬体をイメージしてしまうが、それがジャスタウェイでどう出るのか。6月のツアーが楽しみでならない。

かように、さっきまで2歳のことでいっぱいだった頭の中は、もうすでに1歳馬のことで埋め尽くされている。だがこうした忙しさも毎年のこと。運命の一頭とのこれから始まる長い長い歳月は、すでに始まっているのかもしれない。

 

***** 2017/04/17 *****

 

 

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2017年4月16日 (日)

時計

皐月賞の「時計」がべらぼうに早かった―――。タイトルからしてそういう話かと思われるかもしれないが、そうではない。部屋の壁掛け時計が遅れるようになった。数分ならともかく、1日に1時間も遅れるようでは使い物にならない。電池を替えてみてもダメ。社台コーポさんから貰ったものなので、捨てるのも忍びない。かといって専門業者に修理に出せば、新品を買うより高くつく。それで意を決して自分で修理することにした。

Clock1 

文字盤のそれぞれの数字の位置には、種牡馬たちの立ち姿が描かれている。「3」はシンボリクリスエス。「6」はキングカメハメハ。「9」はハーツクライ。そして「12」がディープインパクト。重要な数字にはエース級の種牡馬が配され、それ以外をゴールアリュールやファルブラヴらが固めている。ゆえに我が家では「5時」のことを「ネオユニヴァース時」と言ったり、「8時半」は「ゼンノロブロイ時半」と言っている……はずはない。普通に「8時半」です。

Mejar 

中でもダイワメジャーは中央にデカデカと描かれているから、きっとこの時計をいただいたのはダイワメジャーが種牡馬入りした2008年であろう。ということは丸9年稼働したということになる。それだけ働いてくれたのだから故障も仕方あるまい。

Hands 

交換用のクオーツムーブメントを求めて渋谷まで出かける道すがら考えた。レーヌミノルがNHKマイルではなくオークスへ向かうことが発表されている。その理由が興味深い。NHKマイルだと中3週になるわけだが、それでは短いというのである。もちろん距離や相手関係も考慮したはず。それでも第一の理由に挙げられたのはローテだった。

Parts 

その発表が皐月賞の前になされたことに私などは意図を感じる。ファンディーナの動向にも、牡馬と牝馬の力関係も関係ない。あくまで馬の調子を優先しての判断。皐月賞の結果が出てからの発表では、余計な詮索をされかねない。

ダイワメジャー産駒の桜花賞馬がオークスに向かうというシチュエーションを、我々は歓迎すぶべきであろう。2008年に種付けを開始して以来、ダイワメジャーの産駒は6世代がデビュー。JRAでは重賞を25勝しているが、そこに1800mを超えるレースは含まれていない。唯一の1800m戦にしてもカレンブラックヒルの小倉大賞典で、それを除けば全て1600m以下である。果たして距離は持つのか、あるいは持たないのか。挑戦してみぬことにはわからない。競馬の歴史は血の限界に挑み続けた歴史でもある。

Clock2 

距離の壁ほど高くはなかったが、東急ハンズさんの協力も得て、時計は皐月賞のパドック周回中に無事に息を吹き返した。一件落着。渋谷は人でごった返していたが、TV画面で見る中山競馬場もさすがに混んでましたね。お疲れ様でした。これで中山は秋までお休みだ。

 

***** 2017/04/16 *****

 

 

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2017年4月15日 (土)

新たな歴史へ

今年の桜は遅かった。それで、ひょっとしたらと期待しつつ中山に足を運んでみたのだが……、

Sharman 

ほとんど散っちゃってます。coldsweats01

それでも今日は「花の大障害」。わずかに残された桜の花びらを愛でつつ、大障害コースに挑む馬たちに声援を送りたい。

Chikusaku 

大障害コースの華は大竹柵と大生垣。大生垣の方が幅が長くて飛びにくそうだが、竹柵は先端がチクチクするので、それがお腹に触れると馬はたいそう嫌がるらしい。だから「チク柵」と言うんですね……というのは当然ウソ。でも竹柵障害の方が落馬が多いというのはホントです。

Chikusaku2 

それにしてもオジュウチョウサンは強い。当面のライバルとなるアップトゥデートには向こう正面で見切りを付けてさっさと交わすと、残るふたつの障害飛越は空を飛ぶようにクリアしていた。障害で脚が鈍るどころか、逆にスピードが増すのだから凄い。4コーナーでサンレイデュークに迫られても涼しい顔。騎手はステッキを抜くそぶりさえ見せない。なのに一瞬で3馬身半も突き放してみせた。馬が自分の能力と競馬というものを分かっている。

Oju 

ゴールの瞬間に拍手が湧くのはいつものことだが、今回はそれがことさら大きく感じたの気のせいか。JGⅠ3連勝はグレード導入後初の快挙。新たな歴史を目撃したファンの心も大きく反映していたように感じる。

そしてもうひとつの「新たな歴史」が、明日この場所で刻まれるかもしれない。

現時点で、皐月賞の前売り1倍人気はファンディーナ。トライアル3鞍の優勝馬が揃って出走を果たし、2歳チャンピオンや3戦無敗のホープフルS勝ち馬のみならず、共同通信杯、アーリントンC、毎日杯の優勝馬もことごとく出走しているというのに……である。牡馬クラシックで牝馬が1番人気に推されれば、1995年菊花賞のダンスパートナー以来、22年ぶりのこと。それだけでもある意味歴史的だが、勝てばなお大きな歴史が生まれることになる。拍手の用意をしてレースを待とう。

 

***** 2017/04/15 *****

 

 

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2017年4月14日 (金)

初代「皐月賞」馬の血

マリーンカップ当日の船橋競馬場で馬運車「トサミドリ」号に遭遇した。

Baunsha 

ファンディーナの皐月賞挑戦に巷は大いに盛り上がっている。だが、1948年に牝馬のヒデヒカリが勝ったという「皐月賞」は、実は「農林省賞典四歳呼馬競走」という名で、5月の中旬に、しかも東京競馬場で行われていた。すなわち現在の皐月賞とはまったく違う。だからファンディーナが勝てば、実質的には皐月賞史上初の快挙なのですよ―――。

4月3日付「牝馬の皐月賞」で私はそう書いた。

では、「皐月賞」という名のレースが中山で行われるようになったのは、果たしていつからなのか。それはヒデヒカリの翌年だから、1949年のこと。実はそのレースを勝ったのが冒頭のトサミドリなのである。つまり初代「皐月賞」馬。週末に迫った皐月賞に向け、なんとなく縁を感じずにはいられない。

トサミドリは、日本の3冠馬第1号セントライトの弟という良血で、自身も皐月賞と菊花賞を勝った2冠馬である。ダービーでも人気を集めたが、予想外の暴走の果てに伏兵タチカゼに単勝55430円の大穴を許した。普通に走っていれば、兄弟でクラシック3冠の偉業を成し遂げていた可能性が高いとされる。

しかもこの兄弟は種牡馬としても大成功だった。なにせ内国産種牡馬が見向きもされない時代に、2頭合わせて4頭もの菊花賞馬を送っているのだから凄い。この一族の血こそ日本のクラシックの土台ともいえる。

そんなことを考えていたら、そのトサミドリの血を受け継ぐ一頭を、今年の皐月賞出走馬の中に見つけてしまったのである。

それがトラスト。母の父・エイシンサンディの母系を遡ること4代。天皇賞や有馬記念を勝った名牝・ガーネットの父が、トサミドリだ。

地方川崎所属として札幌2歳Sを勝ってみせたが、JRAに移籍してからは東スポ杯5着、朝日杯5着、シンザン記念4着、毎日杯5着と、あと一歩足りない競馬が続いている。だが、レースの格も、馬場状態も問わず、毎回堅実に走っている点は見逃せない。なにせ今年の皐月賞は混戦。どんなレース展開になっても、必ず力を発揮するトラストの安定感が生きるかもしれない。

元をただせば、その馬名を冠した馬運車を見かけただけの話。だが、ここまで書いた以上、買わぬわけにはいかぬだろう。トラスト陣営にとっては迷惑千万かもしれないが、トサミドリのせいだと思ってお許し願うほかはない。

 

***** 2017/04/14 *****

 

 

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2017年4月13日 (木)

4月の雪

来週から大井でもトゥインクル開催がスタート。南関東の競馬はいよいよ夜の季節に突入する。だが、この季節になると悩ましいのがナイター観戦の服装。なにせ昼間は上着もいらぬ暖かさなのに、陽が落ちると急に冷え込むからタチが悪い。昨日の船橋でも「寒い、寒い」とみな震えていた。満開の桜も凍えているように見える。

Sakura 

そしたら、今日の札幌は吹雪だという。それを思えば船橋の寒さなど「涼しい」程度に感じるべきか。たしか今日は早来で産地馬体検査があって、門別競馬場は能検で、新冠ではHBAトレーニングセールのビデオ撮影会もあったはず。極寒、暴風、そして吹雪に見舞われた2歳馬には、気の毒な一日となった。

札幌在住の知人によれば、4月の雪は珍しくはないらしい。それを聞いて我々は驚くわけだが、それでも春の福島競馬は2010年と13年に降雪で開催順延が記録されている。本州だからといって油断できない。

南関東では来週の大井開催で2歳戦がスタート。概定段階では17日に2鞍が割り付けられていたのが、最終的な登録が7頭に留まり、21日に1鞍で行われることになった。今年最初の2歳新馬ではなくなり、新種牡馬の産駒の出走もゼロ。同一馬主の出走も多く、正直若干興味が削がれてしまった。

こうなったら18日に開幕する道営競馬に期待するしかない。なんだかんだ言って、やはり2歳競馬は道営なのである。

ところが、その登録馬が発表になるのが今日のはずなのに、22時を過ぎた今になっても、道営競馬公式サイトに情報がアップされる気配がない。これも季節はずれの雪のせいか。これでは道営開幕をアピールする気概に欠けると言われても仕方あるまい。

ポーカーアリスの子・エアーシャンクスは果たしてこの1回門別開催でデビューするのだろうか。あわよくば応援に行ってやろうかと密かに目論んでいたのだが、いつ走るのかが分からないのでは話にならない。いや、それよりもコートをクリーニングに出してしまった。船橋で「寒い」と言ってるような奴が、コートも無しに門別の寒さに耐えられるだろうか。ちょっと自信がないなぁ。

 

***** 2017/04/13 *****

 

 

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2017年4月12日 (水)

マリーンカップを勝つのは

マリーンカップといえばベテラン優勢のレース。メイショウバトラーが8歳時と9歳時に連覇を果たしたことも、まだ記憶に新しい。ところが今年のマリーンCには珍しいことに5頭もの4歳馬が出走してきた。しかも彼女らが人気の中心を担っている。実は4歳馬が勝ったのは2005年のトウセンジョウオーが最後。だが12年ぶりの出来事に向け、条件は揃ったように見える。

One 

4歳勢の代表格はダートグレード2連勝中のワンミリオンス。マイルも、左回りも、重馬場も、どれも死角にはなりそうもない。敢えて不安を探せばナイターと57キロということになる。うーむ、ふたつもあるとちょっと心配ですなぁ。それでも1番人気。

Rinda 

2戦続けてそのワンミリオンスの2着に敗れたリンダリンダは、ワンミリオンスより2キロ軽い55キロ。前走は同じ斤量で2馬身差なのだから、理屈では2キロの差をもらえば届くかもしれない。3度目の正直なるか。こちらは4番人気。

Perl 

秋華賞2着のパールコードも注目の一頭。エリザベス女王杯の4着も含め、実績は明らかに上の存在だが、なにせ初めてのダートである。やってみなけりゃ分からない。それでも3番人気。お父さんがドバイワールドカップの勝ち馬で、お母さんも米GⅠ勝ち馬なのだなら、ダートがダメなはずがない……という思いが票を集めたか。思えば世界のヴィブロスに半馬身まで迫った馬である。

果たして結果は……

White 

5歳馬ホワイトフーガの圧勝ですよ。2着も5歳馬ララベルだから、2頭しかいない5歳馬によるワンツー・フィニッシュということになる。4歳勢ではリンダリンダの3着が最高。マリーンCのベテラン優勢傾向は今年も揺るがなかった。

それにしても58キロを背負っての3馬身差はすごい。このレースを58キロで勝ったのは2015年のサンビスタ以来。サンビスタはその年の暮れに中京のチャンピオンズカップも勝って見せた。ホワイトフーガもこのあと大仕事をするかもしれない。それはチャンピオンズカップか、あるいはJBC3連覇か。期待は高まる。

いや、そもそも何キロを背負っていようが、ホワイトフーガの勝利はハナっから決まっていたような気がしてきた。出馬表をよくよく見返してみれば、彼女のお母さんは「マリーンウィナー」ではないか。それなら勝って当然だ。

 

***** 2017/04/12 *****

 

 

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2017年4月11日 (火)

データの落とし穴

特定保健用食品、いわゆる「トクホ」の信頼性が揺らいでいるらしい。消費者庁はメーカーに対して定期的な検査などの対策を義務付ける通達を出した。それが今まで為されていなかったのか?―――そう驚いたのは私だけか。いずれにせよ、私はトクホのお世話になったことはない。なんとなく欺瞞の臭いがするから。黒ウーロン茶を飲むくらいなら、ごく普通の麦茶を選ぶ。

トクホの効能については、きちんとしたデータに基づいて国が認定する。だから安心―――。大半の消費者はそう考えるかもしれない。だが、そのテの「データ」を私は信用しない。都合の良いデータを揃えることは、その道のプロであれば簡単なこと。捏造という不正手段に頼るまでもない。

そう思うのにはワケがある。30年近く前、とある競馬評論家の弟子と一緒に競馬場に行ったり飲んだりする時期があった。当時、彼が頻繁に師匠から命じられていたのが、「この馬を推せるようなデータを探せ」というミッション。週末のレース予想で、彼の師匠は人気薄の穴馬に敢然と◎を打つことが決まっている。そのための論拠を捻り出せというのだ。いわゆる「データ作戦」である。

とはいえ、その作業は特段難しいものではない。データを取る範囲や馬場状態、馬体重、果てはオリンピックイヤーや干支までも引っ張り出して、都合の良いサンプルだけを取り出した。ここまだやれば、たいていの仮説は「データ」でフォローできるものだ。

だから―――というわけでもないが―――私はデータに基づいた議論というものをあまり信用しない。データは考えの確認のため、あるいは補完のための材料に過ぎないのであって、純粋にデータから導き出される結論など、ほとんどないと思うがゆえである。はじめに考えありき。データの捏造事件が後を絶たないのも、根っこは同じであろう。

「喫煙者より非喫煙者の方が余命が長い」。これはデータ的に実証されていると大半の人は信じているに違いない。だが私はそこにも疑念を抱いている。75歳以上でデータを取れば、きっと逆の結果が出るに違いない。なぜか、病人はただちにタバコを禁じられるからである。かようにデータは取り方や読み方によって、如何ようにでもなる。

競馬のデータ作戦では「過去10年」が使われることが多い。「10年」と思えばたいそう長いが、考えようによっては「10回」でもある。たった10回の出来事など、統計学的にはほとんど偶然でしかない。では20回に延ばせば良いのか。すると今度は条件が大きく変わってしまう。今週は皐月賞だが、20年前の若葉Sは中山で行われていたし、京成杯は1600mだった。そんなデータは役に立たない。

Brian 

競馬ファンが偉いのは、そういった事情を分かっていながら、それでも何かを見つけ出そうとけなげに努力するところであろう。その努力がささやかな傾向を「データ」として炙り出すこともなくはない。なのに、それを盲目的に信用したりもせず、あくまでも検討材料のひとつとしてクールに割り切る。それは自分なりの考えがあるひとつの証。考える労を惜しむ人が、データの落とし穴に嵌るのである。

 

***** 2017/04/11 *****

 

 

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2017年4月10日 (月)

書いた途端に

「記録は、それを口にした途端に途切れる」

スポーツ界にはそんなジンクスがある。

知られたところでは、野球のノーヒットノーランやパーフェクトに関するジンクス。たとえば6回を終えて被安打ゼロの投手が7回のマウンドに向かう。そこでアナウンサーが「ノーヒットノーランは過去に何人が、最近では誰々が……」と紹介した途端にヒットを打たれるというヤツ。むろんこういうシチュエーションでは、ベンチでもその話題に触れてはならない。記録達成のその瞬間、投手よりむしろ野手の方が喜んでいるように見えるのは、うかつなことを口にできぬプレッシャーからようやく解放された、その安堵感のせいではあるまいか。

野球以外でも、この手のジンクスは列挙に暇がない。私がつくづく感じるのは、このブログに書いた途端に崩れる記録。先週の金曜付けで「この中山開催でディープインパクト産駒か勝っていない」と書いた。するとその翌日の中山で、いきなりヘリファルテとウムブルフが勝ってしまうのである。そのどちらもシュタルケ騎手の手綱ではないか。んもー、私に恨みでもあるのか。

逆に阪神については「ディープ天国」みたいなことも書いたわけだが、土日の阪神で勝ったディープ産駒はミッキークイーンただ1頭のみという有様。桜花賞のカワキタエンカも敗れて、初年度産駒以来6年間続いてきたディープ産駒の桜花賞連対記録も、ついに途絶えてしまった。

それにしても、果たしてこうしたことは根も葉もないジンクスなのだろうか?

「ディープインパクト産駒が中山で勝ててない」と金曜日に書いたのは、逆に言えば「そろそろ勝ちそうだな」と無意識のうちに感じたから―――そのように思えてならない。

なにせ昨年まで5年連続のリーディングサイアーであり、今年もトップを独走中の大種牡馬である。馬場状態が多少変化した程度で、まったく勝てなくなるはずがない。だったら今、このタイミングで書いてしまおう。あるいは口にしてしまおう。勝ってしまったあとではこのネタは使うことができない。そういう意味では、むしろ「よく見えている」とも言える。

イチロー選手はマリナーズ時代に26打席連続ノーヒットに苦しんだことがある。ミルコ・デムーロも一昨年の香港在籍時には86戦連続未勝利の辛酸を舐めた。局所的にサンプルを切り取れば、「偶然」という名の妖精に翻弄されることは避けられない。その妖精の動きこそ、勝負事における重要な役割を担う「流れ」であろう。プロのスポーツアナウンサーならば、そんな流れの微妙な変化を機敏に感じ取り、無意識のうちに言葉に表しても不思議ではない。

なんて、ディープ産駒の成績とノーヒットノーランとを同列に並べて比較することには、そもそも無理があるのだけど、気づいた途端に記録が途切れるといのは、競馬であれ野球であれ良くある話であることに違いはない。

Reideolo 

さて、そこで皐月賞である。サトノアレスとレイデオロ。2頭の有力馬を送り込む藤沢和雄調教師は、牡馬のクラシックレースを勝ったことがない―――と書いたから、この記録は途切れるのか? いや、そんな簡単な話ではあるまい。なにせ藤沢師の牡馬クラシック未勝利は、競馬界の不思議として毎年のように話題に上がっている。

Satono 

しかし、もし記録が途切れることになれば、それはJRA重賞通算100勝目の大記録達成の瞬間でもある。ファンディーナ参戦で盛り上がる皐月賞。しかし、見どころはそれだけではないということだ。

 

***** 2017/04/10 *****

 

 

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2017年4月 9日 (日)

繰り返す歴史

今日はヤボ用で一日中千葉県内をクルマでぐ~るぐる。昨年の桜花賞も、そして先月の浦和の桜花賞も私は千葉県内で観ている。極めて私的かつ短期的ではあるが、今回も歴史は繰り返された。

まずアクアラインで木更津に入ってカインズホームで買い物をし、市原の牧場に立ち寄ってから八街に行って、千葉市内で用事を済ませてから京葉道を飛ばして木更津に戻り、連れがアウトレットで買い物している間に『コメダ』でコーヒー飲んで、アクアラインを通って戻ってきた。道中ずーっと雨だったが、撮影でも観光でもないのだから構わない。桜花賞の実況は小倉トーストを食べながらワンセグで見た。直線では一瞬だけ夢を見ましたな。

Komeda 

道中で新しいスマホからブログを投稿してみた。使い勝手が至極悪いと評判(?)のココログアプリをインストールしてみたのである。むろんスマホが変わっても使いにくさは同じ。スマホでエントリした記事なのに、スマホ版ブログのトップ画面に写真のサムネイルが表示されないし、PC投稿した記事をスマホで修正するとエラーになる。やれやれ。それでも、これからはスマホ画像の投稿も増えそうなので、このアプリと上手く付き合っていかねば。

ちなみにこのエントリはPCからの投稿。帰宅して桜花賞のレースVTRをひとしきり見てからこれを書いている。ソウルスターリングは、なぜあんなにしきりに手前を替えていたのでしょうね? 直線だけで4回。まともなら2着はあったはず。その理由は馬場か、あるいは体調か。いずれにせよ、私が知るソウルスターリングではなかった。

池添謙一騎手が桜花賞を勝つのは2002年のアローキャリー以来。今回は単勝40倍の伏兵での勝利だったが、あのときも42倍の大穴だった。1番人気馬が3着に敗れたのも、それが藤沢和雄調教師の管理馬であることも同じ。ここでも歴史は繰り返された。そも、桜花賞と言えば、無敗の1番人気馬が初黒星を喫する歴史の繰り返しでもある。

Renu 

アローキャリーはオークスに出ることはなかったが、果たしてレーヌミノルはどうするのだろう。血統的にはマイル向きであることは明らか。これまでの戦績は牡馬相手でも見劣りするものではない。ちなみに11着に敗れたミスエルテはNHKマイルに向かうという。レーヌミノルのレース選択にも注目したい。

 

***** 2017/04/09 *****

 

 

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67倍?

昨日のお昼には170倍だったカワキタエンカの単勝オッズが……

Odds 

まさかこのブログのせいではないですよね? そんなワケないかcoldsweats01

 

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下手だなぁ

なせワイド……?

Baken 

マークミスではありません。自分の意思で「ワイド」欄を塗り潰しました。当たったのに損した気分。「馬券下手」ごときの表現では済まされぬ根の深さを感じますな。

 

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2017年4月 8日 (土)

寄り道

渋谷駅から明治通りを並木橋(ウインズ)方面に向かう道すがら、ふと左に入る細い路地の奥を覗き込むと、遥か先に鳥居のようなものが見える。

Roji_2 

坂を登ってみると、それは実際に鳥居。金王八幡宮は「渋谷」の地名の発祥にもつながる歴史を誇るが、詳しい話は割愛。ともかく今年で鎮座925年を迎えるらしいから、その歴史は平安時代にまで遡る。

Torii 

境内に花を咲かせる「金王桜」は渋谷区指定の天然記念物。一枝に一重と八重が入り混じって咲く珍しい桜だという。今年最初の花見はまさかの渋谷だった。

Sakura 

普段は脇目も振らずにウインズへと急ぐ道。寄り道など考えもしない。だが、今日に限っては坂道を登ってみようと思った。なぜか。桜花賞の馬券は、まず本物の桜を愛で、お参りを済ませてから買うべきであろうと考えたのである。

Wins 

むろん買ったのは昨日付でも書いたこちらの馬。

Baken 

モニタを見ると単勝は170倍前後もつけている。桜花賞で単勝万馬券の馬を軸に据えたことは過去にない。だが、昨日あんなことを書いてから、あらためて彼女の成績を見直してみたのである。

すると、あながち無茶な馬券とも思えなくなってきた。たとえば3着に敗れた千両賞。勝ったアルアインは先日の毎日杯を勝ち、2着キョウヘイもシンザン記念を勝っている。これは相手が悪かった―――そう思えなくもない。前走のチューリップ賞でも、直線でいったんは先頭に立って見せ場を作った。ソウルスターリング以外とは、それほどの差があるとは思えぬ。今日の阪神牝馬Sでも大外枠が2着に来たではないか。あとは金王八幡宮のご利益に期待しよう。

 

***** 2017/04/08 *****

 

 

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2017年4月 7日 (金)

ディープインパクトを狙え

ソウルスターリングが圧倒的な支持を集めるであろう桜花賞は、ソウルスターリングとミスエルテが初めて対戦する一戦でもある。フランケルの初年度産駒として、2歳時から高い評価を得ていた2頭。仮にフランケル産駒のワンツーなんてことになれば、間もなく始まる各クラブの1歳馬募集にも影響を与えそうだ。

Soul 

しかし、桜花賞はディープインパクト産駒が最も得意とするGⅠでもある。なにせ、初年度産駒が3歳を迎えた2011年にいきなりマルセリーナが勝つと、そこから一気の4連覇。ここ2年は優勝こそ逃しているものの、昨年のシンハライトは勝ちに等しい内容だったし、一昨年は7番人気クルミナルが2着、8番人気コンテッサトゥーレも3着して穴馬券を演出してみせた。過去6年間で21頭が桜花賞に出走し、その成績は(4,4,1,12)。ディープ産駒が馬券に絡まなかった年はない。

ならばエルフィンSを勝ったサロニカが絶好の狙い目ではないか。なにせ遠縁にはあのブエナビスタの名前も見える。母系はドイツ血統だから、雨馬場もきっとこなすに違いない。それほど人気もなさそうだ。こいつぁおいしいゾ。へっへっ……。

―――ってほくそ笑んでたら、なんとサロニカ回避のニュースが飛び込んできた。今朝の調教を終えた後に左後肢を跛行したらしい。よりによってこんなタイミングで……。関係者にはお見舞い申し上げる。

しかしこれで今年の桜花賞に出走するディープインパクト産駒は1頭だけになってしまった。大外18番のカワキタエンカ。チューリップ賞で5着と敗れながら、中2週で500万特別を勝ち、返す刀で中1週というローテでは正直狙いづらい。でもここはディープインパクトと桜花賞の相性を信じよう。一見不利にも思える大外18番枠も、桜花賞が外回りコースで行われるようになってからは、実はもっとも高い連対率を誇る。なにより抽選突破の運を味方に付けたい。

さらに今の阪神の馬場状態もカワキタエンカを後押しする。2回阪神は前半の4日間を終えた時点で、ディープ産駒が6勝を挙げているのである。それを思えば、もしファンディーナが出ていれば圧勝だったかもしれない。しかしファンディーナはご存知の通り、皐月賞へ向かう。

Deep 

ちなみに阪神で6頭のディープ産駒が勝ったと書いたその同じ期間で、中山では何頭のディープ産駒が勝っているか? 答えはゼロ。今の中山の馬場はディープ産駒に厳しい。敢えて牡馬相手に勝負を挑むファンディーナは、中山の馬場という強敵にも打ち勝たねばならないことになる。

 

***** 2017/04/07 *****

 

 

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2017年4月 6日 (木)

トレーニングセールシーズン到来

今年も社台さんから千葉ゼリのお知らせが届いた。本格的な春の到来を実感しますな。

Catalog 

HBAトレーニングセールの上場馬も発表されたし、来週は佐賀競馬場で九州トレーニングセールが開催される。さらに道営門別では今日も能検が行われ、これまでに二百頭を超す2歳馬が競走馬への関門をクリアした。巷は桜花賞で盛り上がっているかもしれないが、私の心はすっかり2歳馬に向いてしまっている。

かつて千葉県富里市で行われていた「両国セリ」が、船橋競馬場で行われるトレーニングセールに姿を変えて15年。都心に近く、社台ファームの良血馬が多く上場されることで、年を追うごとに参加者も増加している。頭数規模ではHBAトレーニングセールにこそ及ばないものの、選抜的な意味合いを持つトレーニングセールとしてすっかり定着した感が強い。いっそのこと「トレーニングセール千葉セレクション」などと名称変更してはどうか。

今年の上場頭数は78頭。キングカメハメハやダイワメジャーといったリーディング上位の種牡馬の産駒が揃う一方で、オルフェーヴル、ロードカナロア、エイシンフラッシュ、そしてノヴェリストといった社台スタリオンが誇る新種牡馬の名が目を引く。むろん母系も良血揃い。毎年のことだが、トレーニングセールだということを忘れてしまいそうだ。

中でも上場番号#20・コイウタの15は、父がロードカナロア、母がヴィクトリアマイルの勝ち馬ということで注目せぬわけにはいかない。トレーニングセールは仕上がり具合や時計を見るものだとは分かっていても、血統に目が行ってしまうのは、千葉ゼリではある程度やむを得ないところがある。上場番号#39・ニフティーハートの15(メス・父ハービンジャー)はシンゲンやヤングアットハートの下。普通に社台RHで募集されても3000万円は下るまい。果たしてどれだけの評価を受けるか……。その鍵を握るのは、言うまでもなく公開調教の走破時計だ。

我が国で本格的なトレーニングセールが初めて行われたのは1997年。当初は手探り感も、そして手作り感も満載だった。なにせ私がカタログ作成や告知を手伝っていたほど。上場馬の大半は売れ残りの2歳馬で、目立つ血統でもなく、公開調教でもハロン13秒なんて時計ばかりが並んでいた。むろん取引成績も芳しくない。それでも日本にトレーニングセールを根付かせようという思いは、関係者の心から消えることはなかった。

あれから20年が経ち、今では公開調教で10秒台連発も珍しくない。HBAトレーニングセールで「メジロフランシスの11」という2歳馬が、21秒80-10秒93という猛時計を叩き出したのは4年前のこと。1000万円で落札されたその馬は、のちに「モーリス」と名付けられ、世界をまたにかけて活躍した。20年前を知るひとりとして、隔世の感を禁じ得ない。

Yasuda 

もちろん今年のHBAトレーニングセールも見どころたっぷりの予感が漂う。なにせ230余頭が上場を予定。こちらにもロジユニヴァースやエスポワールシチーといった新種牡馬の産駒が登場する。ちなみに私の注目は、上場番号#36・ホワイトハートの15。額のハートマークで船橋のアイドル的存在だったホワイトハートと、同じく船橋が誇る名馬フリオーソとの間に生まれた一頭と思えば、ぜひとも船橋で走る姿を見てみたい。そんなわけで船橋の調教師の方におかれましては、先を争ってお声掛けをお願いいたします。

 

***** 2017/04/06 *****

 

 

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2017年4月 5日 (水)

ダービーの惑星を探せ

クラウンカップは施行時季によって羽田盃のトライアルだったり東京ダービーのトライアルだったりするのだけど、今年は羽田盃のトライアル。1、2着馬に優勢出走権が付与される。

とはいえ、クラウンカップは一貫して東京ダービーに縁が深いレースだ。過去10年をざっと調べただけでも、ダービーで馬券に絡んだ馬が、これだけクラウンカップに出走していた。

 年  クラウン ダービー 馬名
---------------------------------
2007年 2着 3着 ロイヤルボス
2008年 1着 2着 モエレラッキー
    10着 1着 ドリームスカイ
2009年 1着 1着 サイレントスタメン
    2着 2着 ブルーヒーロー
2011年 2着 2着 ヴェガス
2014年 2着 3着 サーモピレー
2015年 10着 1着 ラッキープリンス
2016年 2着 2着 プレイザゲーム

ドリームスカイ10番人気、モエレラッキー9番人気、ラッキープリンス9番人気、そしてプレイザゲームが14番人気―――。上記に挙げた馬たちの大半が、ダービーで人気薄だったことは強調されるべきであろう。ゆえに今日の勝ち馬はもちろん、負けた馬の中にもダービーに向けてキラリと光るものを見逃してはならない。特にここで10着に敗れた馬は要注目。ダービー最大の惑星となる可能性がある。

クラウンCのオッズを見ればローズジュレップの一強。交流GⅡ勝ちに加え、全日本2歳優駿でも3頭のJRA馬に先着しての3着なら、一本被りも当然か。ただ、前走の京浜盃がよもやの4着。ここは真価を問われる一戦でもある。単勝1.4倍。

Rose1 

とりあえずの2番人気は、うぐいす特別を勝ってきたブルーマネー。連勝中の勢いに加え、グァンチャーレの半弟という母系も魅力たっぷり。父がジャパンダートダービーを勝ったカネヒキリで、母の父はナイキアディライトを送ったディアブロだから、2000mに不安はあるまい。うぐいす特別とクラウンカップを勝ってダービーに向かうことになれば、あのサイレントスタメンの再来を期待したくなる。

Blue 

しかし、レースはそんな淡い期待を打ち砕くローズジュレップの圧勝劇だった。スタートと同時に両隣の馬に挟まれる不利がありながら、それでも逃げて最後は7馬身差だからひと言凄い。GⅡ勝ちの実力をまざまざと見せつけられた。

Rose2 

父はロージズインメイだから、距離延長は歓迎のクチであろう。むろんダービーでも注目の一頭になる。だが、先ほど書いたようにダービー最大の惑星はクラウンカップの10着馬。危なく忘れるところだった。それで慌てて成績表を見直してみると―――おぉ! なんとブルーマネーではないか!

こうなったら彼を東京ダービーで買わぬわけにはいくまい。ただ、問題はそれを覚えていられるかどうか。ダービーは2か月も先。前哨戦もまだたくさん残っている。最近忘れっぽいからなぁ……。

 

***** 2017/04/05 *****

 

 

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2017年4月 4日 (火)

NZTの輝き

1983年に重賞に格上げされたニュージーランドトロフィーは、今年が数えて35回目。

重賞に格上げされる前のニュージーランドトロフィーは、3歳上オープンの芝1800m戦としてダービー前日に行われていた。これを3歳限定のマイル重賞とした狙いは、明かなマイラーをダービーのゲートから除外することにある。当時のダービーはフルゲート28頭、あるいはそれに近い多頭数が常態化。「ダービーを勝つのは強い馬ではなく運の良い馬」などという格言は、主催者には皮肉にしか聞こえなかったに違いない。ダービーの出走頭数削減は急務であった。

ダービー前にステイヤーとマイラーの棲み分けを明確にすることは、その翌年に迫った天皇賞(秋)の距離短縮への布石でもあったのではないか。実際、ニュージーランドトロフィーの重賞昇格だけでは飽き足らず、皐月賞の1600mへの短縮案も真剣に議論されていたという。

今でこそNHKマイルカップの前哨戦という位置付けだが、NHKマイルC創設前は、12ハロンは明らかに不向きのスプリンターと、12ハロンでもイケるはずなのにクラシックに出られない外国産馬やクラシック未登録馬が激突するという稀有な舞台だった。手綱を持ったまま後続を7馬身千切ったオグリキャップのレースぶりは、今となっては伝説のように語り継がれている。

「ミホノブルボンより強い」と謳われた外国産馬ヒシマサルと、のちにマイルCSを勝つシンコウラブリイ、そして韋駄天サクラバクシンオーの「3強対決」で、GⅠレース並みの盛り上がりを見せたのが1992年のこのレース。9万6千人の大観衆が見守る中、シンコウラブリイが並み居る牡馬を蹴散らしたレースぶりは圧巻のひと言に尽きる。今週の桜花賞で重賞100勝を達成するかもしれない藤沢和雄調教師の、これが初めての重賞制覇だった。

入場者数でいえば94年の方が凄い。なにせ10万8千人である。念のために記しておくが、この当時のニュージーランドトロフィーがGⅠだったわけでは決してない。わずか9頭立てのGⅡレースを見んがため、昨今ではGⅠ当日でも滅多に見ないほどの大観衆が東京競馬場を訪れた。彼らの視線の先にいたのは、外国産馬ゆえに桜花賞とオークスへの道が断たれたヒシアマゾン。同世代の牡馬を破った彼女は、ここから女傑への道を駆け上がって行く。

Hisiamazon 

その後さまざまな曲折を経て、皐月賞の一週前に中山の1600mでニュージーランドトロフィーが行われ、5月の東京でNHKマイルCが行われるようになった。オグリキャップの強さに驚き、シンコウラブリイの速さに痺れ、ヒシアマゾンの末脚に震えた者にとっては、ちょっと物足りない感じも受ける昨今だけれども、今週のニュージーランドトロフィーに超新星の輝きを見つけることはできるだろうか。

 

***** 2017/04/04 *****

 

 

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2017年4月 3日 (月)

牝馬の皐月賞

牝馬のファンディーナが桜花賞ではなく皐月賞に登録してきた。出走が実現すればバウンスシャッセ以来3年ぶりのこと。フラワーカップをステップにしたことも、200万円の追加登録料を支払っての参戦という点もバウンスシャッセと重なる。バウンスシャッセはイスラボニータの11着に敗れたが、ファンディーナは果たしてどうか。なにせフラワーカップのインパクトはバウンスシャッセの比ではなかった。

「牝馬が皐月賞を勝てば1948年のヒデヒカリ以来69年ぶり」

メディアはそのように盛り上げている。

ヒデヒカリの当時、オークスは秋に行われていた。したがって、3歳馬はオトコであれオンナあれダービーを目指すことになる。その前哨戦たる皐月賞に牝馬が参戦したところで、さほど驚くことではない。実際、この年の皐月賞は7頭立てで行われたのだが、そのうち3頭が牝馬であった。前年の皐月賞も牝馬のトキツカゼが勝っている。

ダービーの権威に比べ、当時の皐月賞の評価が今ほど高くはなかったことは否定できない。そも名称からして「農林省賞典四歳呼馬競走」である。しかも5月中旬の東京競馬場で行われていた。現在の皐月賞とは全然違う。そういう意味ではファンディーナが皐月賞を勝つようなことがあれば、実質的には史上初の快挙に等しい。

むろん、ファンディーナ陣営にしても、何の勝算もなく牡馬に挑むようなことはするまい。そこはプロたちの決断。少なくとも200万の追加登録料に見合う理由があるはずだ。

分かりやすいところでは距離適正。我が国のクラシックは英国に範を取ったと言っていながら、なぜか1冠目は牡馬と牝馬とで距離が異なる。それを「選択肢」と捉えれば、牝馬が皐月賞を選んだところで何らおかしくはない。実際、バウンスシャッセが皐月賞を選んだ際、管理する藤沢調教師は「1600mのスピードがないから」と言っていた。

その藤沢師の管理するソウルスターリングの存在も無視できない。阪神のマイルでソウルスターリングを破るのは至難の業。それならむしろ、確たる中心馬不在の牡馬の方が組みやすい。負担重量で2キロのアドバンテージもある。

ここ数年の牝馬の活躍で、「牝馬は牡馬より弱い」という固定観念が薄らいでいることも、ファンディーナの皐月賞挑戦を後押ししているのではないか。古馬最高峰のジャパンカップを見れば分かる。過去10年で牡馬と牝馬は5勝5敗のイーブン。しかしブエナビスタの1位入線(2着降着)を含めれば、牝馬が勝ち越しているとの見方もできる。

一回勝負の舞台でファンディーナが勝ち切るのは正直難しいかもしれない。なにせ相手は17頭。だが、そのチャレンジは一見の価値があろう。ウオッカの快挙からもう10年になる。

Vodka 

 

***** 2017/04/03 *****

 

 

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2017年4月 2日 (日)

スターター

大阪杯の発走時刻が近づき、スターターが台上に歩み寄る姿がターフビジョンに映し出されると、スタンドから大歓声が挙がった。昨年までの大阪杯とは違う。GⅠならではの光景だ。

Starter 

「あの人は有名な人なの?」

一緒にTVの中継を見ていた家人が訊いてきた。

「いや、あれはスターターに歓声を挙げているんじゃなくて、ようやくレースが始まるから喜んでいるだけさ。みんな朝早くからこのレースを見たくて待ってたんだからね」

「スターターはいつも同じ人なの?」

「うーん、どうかな。発走の責任者は競馬場ごとに3人のチームで行動してるんだけど、うちひとりがゲートを開けて、残るふたりはゲートの後ろで枠入りを監視するんだ。その役割はレースごとに交互に変わるから、全レース同じかと言われれば違うということになるね」

「じゃあ、あのスターターが誰なのかは、誰も知らないってこと?」

「そうだな。さっき言ったチームの構成員の名前はレーシングプログラムに公表さるているけど、実際に大阪杯のスターターを誰が務めるかまでは分からないな」

「それってちょっと変じゃない? スターターが誰かによってレースは変わってくるはずよ」

そこで私は答えに窮した。彼女の言っていることはもっともであるように感じる。もし、野球やサッカーで、審判団の名前だけが公表されて、実際に誰が主審を務めるのかが明らかにされなければ、見ている方はやはり違和感を感じるだろう。

私が次の答えを探しているうちに大阪杯のゲートは開いた。出遅れはない。これほどきれいなスタートは逆に珍しいのではないか。

レースの登場人物は馬と騎手のみと思われがちだが、敢えてもっとも影響力のある第三者を捜そうとするならば、それはスターターをおいて他にあるまい。競馬という競技において、スタートの良し悪しが結果を大きく左右することは周知の事実。スターターはゲート扉を開けるためのレバーだけでなく、ゴールでの着順さえも握っている可能性がある。

もちろんこれは仮説に過ぎない。ただ、もしスターターがレース前に公表されるようになれば、「Aさんの場合は、出遅れがない」とか「Bさんの場合は、この馬はかならず出遅れる」とか「Cさんの場合は、この馬はなかなかゲートに入らずに大抵負ける」とかいう傾向がひょっとしたら見えてくるかもしれない。

そういう意味では、追い切り後馬体重やブリンカー着用の有無なんかより遥かに有益な情報になる可能性も秘めているのだが、どうなんでしょうね。日本ダービーとかだと、「今年は誰々さんがスターターを務める」という話が事前に聞こえてくるんだけど、これをすべてのレースに広げて、かつJRAの正式発表とするのは難しいことなんだろか。

 

***** 2017/04/02 *****

 

 

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2017年4月 1日 (土)

新聞の嘘

昨日からの雨が上がり切らぬ土曜の朝。朝刊を取りに玄関を出ると、ことのほか寒い。今日から4月ということ自体が嘘なんじゃないかと思った。なにせ今日はエイプリルフールである。

新聞の天気欄に曇りマークはあるが傘マークはない。じゃあ、いま空から降ってきているこれはなんだ? これも嘘に違いない。嘘をついているのは新聞か、あるいは天か。私は天の可能性を否定しない。新聞が嘘をつくようではおしまいだ。

ただ、英国の新聞は嘘をつくことがある。大衆紙「サン」紙は1991年4月1日付の一面で「1983年に牧場から誘拐され、死んだと思われていたシャーガ―が、実は生きていた」と大々的に報じた。しかもこの年のキングジョージに出走予定だという。

もちろんこれはエイプリルフールの嘘記事。4月1日になると英国の新聞各紙はユニークな嘘をつくために頭を絞る。中でも“生きていたシャーガー”はメジャーなネタのひとつ。それだけ英国民がシャーガー失踪事件に関心を寄せていることの証であろう。それ以降も、シャーガー生存の記事はエイプリルフールのたびに掲載され続けた。

Kitasan 

「大阪杯はキタサンブラックで決まり」

「サトノクラウン、JRA&海外GⅠダブル制覇へ」

では、日本の新聞に並ぶこうした見出しはエイプリルフールの嘘か。いや、そうではあるまい。なにせこの一週間、同じような記事をずっと目にしてきた。とはいえ同着でもない限り大阪杯を勝つ馬は1頭。すくなくとも、上記のどちらかは嘘ということになる。なのにそれを嘘だと怒る人はいない。いや、どこかにいるのかもしれないが、少なくとも私の周囲にはいない。

天気予報が外れると新聞社やNHKにクレームの電話が入る。「嘘をつくな」。「洗濯物が濡れたゾ」。「どうしてくれる!」。

なのに、外れてばかりのはずの競馬の予想に対するクレームはほとんどない。それを不思議だと私が言うと、「予想」と「予報」の違いだと諭される。

しかし、「予想」とは「物事の成り行きや結果について、前もって想像すること」であり、「予報」は「たてた予想を、前もって一般に知らせること」である。ならば「予想」も「予報」も実質的に同じはず。だが実際のところ、世間が「予報」という言葉に抱くイメージは、「予想」以上「予告」以下といったあたり。「予想」は外れてもいいが、「予報」が外れるとアタマにくる。

そのことに新聞もTVも気づいているフシがある。なぜか最近では「天気予報」という言葉を聞かなくなった。NHKは「気象情報」と呼ぶし、新聞は天気図と天気マークを何の説明もなく黙って掲載するのみ。天気ごときで嘘をつくなと言われてはたまらない。新聞が敢えて嘘をつくなら、シャーガー生存くらいのことを書くべき。ただ、日本ではエイプリルフールの嘘記事さえも禁忌とされる。新聞の嘘は例外なく許されない。

 

***** 2017/04/01 *****

 

 

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