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2017年3月21日 (火)

白毛の挑戦

白毛馬初のクラシック出走を賭けて先週土曜の若葉Sに出走したシロニイだが、4着に敗れて皐月賞の優先出走権を得ることはできなかった。しかし、負けたとはいえバッタリ止まったわけではない。手綱を取ったシュタルケ騎手も「ダートなら走る」とコメントしている。

シロニイの兄弟姉妹たちは、JRAとダートグレードで5頭が19勝をマークしている。母シラユキヒメが名繁殖牝馬であることは疑いようがない。が、その19勝のうち18勝がダートで挙げたもの。父が変わっても同じようなタイプの子を出すというのも、この母の特徴なのかもしれない。

ホワイトベッセル(3勝)
ユキチャン(5勝)
マシュマロ(2勝)
マーブルケーキ(3勝)
ブチコ(4勝)
シロニイ(2勝)

芝での唯一の勝利は2008年3月29日の中山9R。ユキチャンが勝った芝2000mのミモザ賞だった。

ちなみにこの日のメインレースは歴史と伝統を誇る日経賞。だが、最終コーナーを回って早々にマツリダゴッホの独走状態となった同レースに比べ、直線坂下3番手という位置取りから、真っ白な馬体のユキチャンが一完歩ずつ先頭との差を詰め、ゴール寸前でついに差し切るというレース展開も手伝ってか、この日一番の大歓声はむしろこちらのミモザ賞の方だったように思う。

Yuki 

JRAの芝レースを白毛馬が勝ったのは初。ついでに特別競走の勝利も初めて。すなわち快挙である。

「白毛」というサラブレッドではきわめて珍しい毛色の馬の誕生が、日本で初めて確認されたのは1978年だが、”正式な毛色”として「白毛」が正式認可されたのは1991年。同じ白馬(はくば)でも芦毛は年齢とともに白さを増すが、白毛馬は生まれた時から真っ白なのが特徴で、地肌がうっすらと透けて見えるので淡いピンク色にも見えることもある。特に雨の日はそれが分かりやすい。

海外においては、この毛色はかなり前から知られていた。19世紀アメリカにはホワイトクロスという白毛のサラブレッドが存在したし、フランスにはモンブランという白毛の種牡馬すら存在したという。

「白毛馬は体質的に弱い」という説を唱える向きもあるが、白毛の発生要因はメラニン色素を産生させる遺伝子の一部に突然変異が生じたものと考えられている。そうした遺伝子を片方の親から受け継いだ馬でも正常に成長すれば、メラニン色素が産生されない点以外は競走能力も含めて他のサラブレッドとなんら変わらない。

ただ、他の毛色に比べ体毛が薄いため皮膚が弱いことは確かなようだ。つまり、陽射しの強い夏場の体調管理は難しくなる。芦毛馬は「夏場に強い」という馬券学的な”定説”があるが、白毛馬には必ずしも当てはまるとは限らない。

それにしてもミモザ賞は立派な勝ち方。あの差し脚は決してフロックではなかろう。むろんオークスへの期待も膨らんだわけだが、それを聞かれた金子真人オーナーは高らかに笑った。真意は測りかねるが、「そんなに甘くはないよ」といったところだろうか。実際、次走のオークストライアルでは7着に敗れた。やはりクラシックはそんな甘いものではない。金子オーナーは誰よりそれをよく知っている。

結果的にユキチャンは白毛馬初のクラシック出走を逃した。それから9年。今度は弟のシロニイが皐月賞を目指したが、やはりあと一歩及ばなかった。しかし諦めるのはまだ早い。むろんダービートライアルというルートは残されているが、ここは兵庫チャンピオンシップでどうだ。1着賞金2800万円。獲得賞金としてダービー出走に申し分ない。しかも得意とするダート戦。なくはなかろう。次走にも注目だ。

 

***** 2017/03/21 *****

 

 

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