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2017年3月 7日 (火)

競馬場の村上春樹

先日の中山競馬場でのこと。

あまりに馬券が当たらないので、競馬新聞を放り投げてこの本を読むことにした。

Book 

なにせ、上下合わせて1000頁を超える大作である。寸暇を惜しんで読まねばならない。―――なんてはずはもちろんなくて、ゆっくり読めばいい。無理して競馬場で読むものでもなかろう。それでもこの分厚い一冊に逃げ込まねばならぬほど、私の馬券成績は凄惨を極めていた。

このブログは書評ではないので、感想や内容の紹介はもちろん控える。だが、物語の序盤で「オペラ」がキーワードになることくらいは書いても差し支えあるまい。

競馬とオペラ。一見関係なさそうに見えて、実は深い関係がある。テイエムオペラオーやメイセイオペラの話ではない。英国においては競馬と並びオペラは社交界の重要な役割を果たしているし、仏国においては馬術とオペラの融合が、かの有名なカドルノワールを生み出した。

オペラに由来する馬名を持つ馬も少なくない。困ったことにそれが読書への集中を阻害する。「騎士団長殺し」を読み進める中で、「コメンダトーレ」という言葉が出てくるシーンにぶつかった。かなりシリアスな、息をのむような場面である。なのに、「そういえば、コンメンダトーレって馬が昔いたよな。佐賀記念を勝ったんだ。お父さんは誰だっけ?」なんてコトをついつい考えてしまう。

続いて「ジョバンニ」が登場。「ジョヴァンニ」なら、最近の馬だからよく覚えている。アドマイヤムーン産駒の牡馬。ダートで活躍し、2013年のマーチSでは1番人気にもなった。

Jovamni 

さらに読み進めて「ばらの騎士」が出てくれば、ローゼンカバリーを思い起こさずにはいられないし、「魔笛」というオペラのタイトルが登場しても、「そういや、“マテキ”って馬もいたよなぁ」と連想してしまう。かようにオペラにまつわる馬名はことのほか多い。

それでもずいぶん頁は進んだ。ちょっとばかり集中が途切れても、またすぐに没入できる。それだけの面白さを備えている証であろう。気づけば、あっという間に弥生賞が始まる時間になっていた。

ちなみにコンメンダトーレのお父さんはビゼンニシキである。デビューから無キズの4連勝で共同通信杯を制したビゼンニシキが、初めて2着に敗れたのがこの弥生賞。相手がシンボリルドルフなら仕方ない。今ならそう思える。でも、当時はちょっとばかりショックを受けた。なにせ人気ではルドルフを抑えて1番人気に推されていたのだから―――。

という具合に、また競馬に想いが及んでしまう。仕方ない。だって、ここは競馬場なのだ。

 

***** 2017/03/07 *****

 

 

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