« 勝つカレーを求めて | トップページ | 名手と名伯楽が手を組めば »

2017年2月20日 (月)

津村騎手へお詫び

「完全に僕のミスです」

昨日のフェブラリーS。1番人気の指示を受けながら3着に敗れたカフジテイクの、その手綱を取った津村明秀騎手の敗戦の弁である。「位置取りが後ろすぎるし、外を回りすぎた」。彼はそう言って自らを責めた。

津村騎手はまだGⅠ勝ちの経験がない。いやそれどころか、2着に入ったこともない。一方で、騎手たちに「上手い乗り役は?」と聞くと、たいてい津村騎手の名前が挙がるほどの技量の持ち主である。なのに同期の川田騎手や吉田隼人騎手らがGⅠを勝つのを横目に見ながら、いつの間にかデビュー14年目を迎えてしまった。それだけに今回のフェブラリーSにかける思いはことさら強かったのだろう。それが冒頭のセリフに繋がったのかもしれない。

先日のエントリで、福永祐一騎手から津村騎手への乗り替わりを「驚いた」と、私は書いた。

Tsumura1 

津村騎手が腕達者ぶりを知らぬわけではない。2週連続重賞勝利を達成したこともあるし、落馬により長期の離脱を強いられた後も、前と変わらぬ騎乗依頼が舞い込んでいた。それは周囲が彼の技量を認めている何よりの証。だが、いまだ未勝利のGⅠの舞台で、1番人気の手綱を取る。プレッシャーはなまなかではあるまい。そんな思い込みが先日のブログに繋がってしまった。

私個人は、彼のフェブラリーSの騎乗は立派だったと思う。勝てなかったのだから「満点」というわけにはいかないが、少なくとも「ミス」だとは思わない。なにせ良馬場のフェブラリーSで、史上初めて上がり34秒台を記録したのである。しかもそれで3着に食い込んでみせた。馬の全能力を発揮させる―――騎手の役割をこのひと言で表すのだとすれば、彼は十分に役割を果たしたと言える。

もし、勝ちを焦って前に付けていたら、ノンコノユメのようにいつもの末脚は繰り出されずに終わったかもしれない。

もし、距離のロスを恐れて内を突いていたら、サウンドトゥルーのように前が壁になっていたかもしれない。

「名手」と呼ばれるジョッキーを以てしても、かように勝負手が裏目に出ることがある。カフジテイクの武器はその爆発的な末脚。ファンもそれを信じて1番人気に推した。それで負けたのなら仕方あるまい。きっと福永騎手が乗っても同じような競馬になったのではないか。

Tsumura2 

GⅠの舞台ともなれば、前に行きながら止まらない馬も1頭くらいはいるし、最後の最後でもうひと伸びできる馬もいるものだ。すべては結果論であり、相手がいるからこその競馬である。負けたからと言って、自分を責め過ぎるのは良くない。むしろ詫びるべきは、失礼なことを書いた私の方であろう。フェブラリーSでの彼の手綱捌きには、目を見張るものがあった。GⅠ奪取の日はそう遠くあるまい。それを強調しておくと同時に、己の非礼をこの場を借りてお詫びさせていただく。

 

***** 2017/02/20 *****

 

 

|

« 勝つカレーを求めて | トップページ | 名手と名伯楽が手を組めば »

競馬」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 勝つカレーを求めて | トップページ | 名手と名伯楽が手を組めば »