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2017年1月21日 (土)

年の瀬の違和感

昨年、レイデオロが勝ったホープフルSのレースレートが「110.50」と発表され、今年からのGⅠ昇格がほぼ確実となった。12月24日にはいつものように有馬記念が行われるが、その4日後の28日に行われる「GⅠホープフルS」こそが、2017年JRA競馬のラストを飾る一戦となる。

そんな競馬カレンダーに早くも非難の声が挙がっているようだ。その気持ちは分からないでもない。私自身、このブログではさんざん「GⅠ過多」を訴えてきた。今日明日の競馬でも5頭ものGⅠ優勝馬が出走する。「GⅠ」の看板に、もはやかつてほどの威光はない。

そもそも、ひと昔前までは有馬記念の翌週に行われる中山大障害こそが一年の締めくくりだった。両者の順番を入れ替えることで、有馬記念を国民的イベントにすることに成功したのに、あっさりそれを放棄する。つくづく不思議な組織である。おそらく昔のことなどもう忘れてしまったのだろう。数年前から有馬の翌日に阪神カップを行うようになったことがその証。「有馬で最後の大勝負」というフレーズは、既に死語になってしまった。

そも私個人で言えば、一年の最後のGⅠレースは東京大賞典であり、最後を締めくくるレースは東京2歳優駿牝馬である。ホープフルSがGⅠになろうが、有馬の4日後に行われようが、このカレンダーに変わりはない。

それにしても、ファンはホープフルSをどのように扱うのだろう。今年の12月28日は木曜日。年末とはいえ休日ではない。1日だけの単日開催。しかも2歳の1勝馬ばかりによる一戦。「GⅠ」という看板だけで、果たしてどれだけファンがついてくれるのか。いや、そもそもGⅠにふさわしい番組になるのか。私が感じる違和感は、日程よりもむしろそこにある。

Hopeful_s 

GⅡに昇格してからも、ホープフルS出走馬のレベルはオープン特別の当時とほとんど変わっていない。レイデオロが勝った昨年のレースにしても、JRA所属の13頭中12頭が1勝馬で、オープン勝ち馬はゼロ。それで「110.50」のレースレートは正直盛り過ぎの感がある。重賞ウイナー2頭が揃い、メンバー的にはホープフルSを上回っていたはずの東スポ杯が「109.25」。これではGⅠ昇格ありきの評価と言われても仕方あるまい。

ただ、今年は施行日が28日になることで、朝日杯からの転戦も考えられる。朝日杯は12月17日だから、ホープフルSまでは中10日。先日の京成杯で6着だったバリングラも、ジュニアカップからやはり中10日のローテだったから、無理ということはあるまい。阪神JFからだと、さらに可能性は高まる。GⅠホープフルSの初代チャンピオンは、意外や牝馬かもしれない。

昨年末、久しぶりに有馬記念の中山競馬場に足を運んだ私は、同行の知人に西船橋で分かれる際、「よいお年を」と挨拶した。それはひとり私だけではない、周りからもそんな声が聞こえていたと記憶する。それが大方の競馬ファンの変わらぬ儀式だった。

競馬に四季の移ろいを感じ、競馬に記憶を重ね合わせるのが好きな日本の競馬ファンはことのほか競馬開催カレンダーに敏感だ。その大原則は「金杯に始まり有馬記念で終わる」であろう。GⅠホープフルSの28日開催は、そんなファンから年末の点景を、一部とはいえ消し去ってしまいかねない。ファンはそれを怒っている。JRAはファンの「心のカレンダー」や、ささやかな暮れの儀式などに、思いが及ぶことはないのだろうか。

 

***** 2017/01/21 *****

 

 

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