« 平日の場外 | トップページ | 大宮競馬場を探して »

2017年1月17日 (火)

初ダートの試練

東海Sにラストインパクトが登録してきた。重賞3勝。ジャパンカップ2着にドバイシーマクラシック3着。その輝かしいキャリアの30戦はすべて芝である。ならばAJCCでも良さそうなものだ。なんて言ってたら、デニムアンドルビーもフェブラリーSに向かうと言い出した。ダートへの挑戦が話題になるのはこの季節の風物詩だか、ジャパンカップの2着馬が相次いでとなると、さすがに珍しい。

Denimu 

最近では競走馬の大半がダートOKの血統背景を持つ。加えて芝でも、ダートでも、そしてオールウェザーでも、コースを問わず常に最高のパフォーマンスを繰り出す馬こそ、真のチャンピオンだとするのが世界の共通認識になりつつある。そんな潮流に沿ったものだと思えば、ラストインパクトやデニムアンドルビーの挑戦も、決して無謀とは言えない。特にフェブラリーSに関して言えば、これまでも毎年のように芝の重賞ウイナーたちが、ダート初挑戦になるにもかかわらず挑み続けてきた。

だがその一方で、フェブラリーSでダート初挑戦の馬が勝利を収めたことがないことも、動かしようのない事実なのである。いくら芝で活躍していたとしても、いきなりダートのGⅠ級を相手に、勝ち負けするのは簡単ではない。

2013 カレンブラックヒル 15着
2012 グランプリボス   12着
2010 ローレルゲレイロ   7着
   リーチザクラウン  10着
   レッドスパーダ   12着
   スーパーホーネット 15着
2009 ダイワスカーレット  回避
2008 ヴィクトリー    15着
2007 オレハマッテルゼ  16着
2001 トゥザヴィクトリー  3着
2000 シンボリインディ   9着
   キングヘイロー   13着
1999 ビッグサンデー    9着
1998 ブレーブテンダー  11着
   イナズマタカオー  16着
1997 マイネルブリッジ  12着

1991年のこのレース(当時はハンデGⅢ)を勝ったナリタハヤブサは、今となっては伝説的な「ダートの鬼」。60.5キロを背負いながらダート1600mの日本レコード1分34秒5をたたき出したことでも知られる。だが、実は4歳秋まではずっと芝路線を歩んでいたことをご存じだろうか。ダート初挑戦は4歳冬のウインターS。それも6番人気と低評価だった。しかし、いきなりレコードタイムで重賞初制覇を飾ると、返す刀で続くフェブラリーHでもレコード勝ちを納めてしまう。

クロフネが東京ダート1600mを1分33秒3という芝並みのコースレコードで独走したのも、エスポワールシチーが小倉ダート1700mで後続を7馬身も千切り捨てて圧勝したのも、両者にしてみれば初ダートの一戦。のちにダートのチャンピオンにまで昇り詰めるような馬は、初めてのダート戦でいきなりその能力の片鱗を見せてきた。

彼らの「初ダート」のシーンを振り返るとき、ダートのチャンピオンたる資質を秘めていたにもかかわらず、その適性が試されることのないまま「普通に強い馬」として引退していった強豪馬の存在を考えないわけにいかない。もし、ダイワスカーレットのフェブラリーS出走が実現していたら、歴史的な圧勝劇を演じていたかもしれないし、エルコンドルパサーがダート路線を突き進んでいたら、世界チャンピオンになっていた可能性だってあるのである。

Silent 

リーディング独走中のディープインパクト産駒がダート重賞をほとんど勝てていないことは先日も触れた通り。だが、デニムアンドルビーの母系を見ればダートの猛者がずらりと並ぶ。伯父のサイレントディールは初ダートの武蔵野Sを勝ち、叔母のトゥザヴィクトリーは初ダートのフェブラリーSで3着している。この一族は、「初ダート」のハードルをさほど苦にしない。今年のフェブラリーSでは、初ダートでの優勝がついに果たされるだろうか。

 

***** 2017/01/17 *****

 

 

|

« 平日の場外 | トップページ | 大宮競馬場を探して »

競馬」カテゴリの記事

コメント

まだダートグレードが制定される前のことですね。
スーパーダートダービーの2着シンコウウインディはともかく、優勝がサンライフテイオーというのも衝撃でした。騎手・三郎さんの最後のビッグタイトルではなかったですかね。懐かしいですhappy01

投稿: 店主 | 2017年1月18日 (水) 08時08分

皐月賞馬イシノサンデーがスーパーダートダービーからダービーGPを走った時も、クラシックホースがダートレースに出るなんて的な話題になりましたよね。鞍上が石崎父も当時は画期的でした。

投稿: プレチケ | 2017年1月18日 (水) 06時49分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 平日の場外 | トップページ | 大宮競馬場を探して »