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2016年12月19日 (月)

鬼が笑う

暮れの中山の名物レース・ディセンバーSは、1番人気のツクバアズマオーが豪快な差し切り勝ちを収めた。道中はずっと外、外を回りながら、それでも最後は相手をまとめてねじ伏せる完勝劇。重賞で揉まれてきた経験はダテではない。

Tsukuba 

ツクバアズマオーはステイゴールド産駒の5歳馬で、これが通算6勝目。そのうち4勝が中山だから、抜群の相性を誇る。中山の芝を得意とする種牡馬は、ネオユニヴァース~ヴィクトワールピサだけとは限らない。ステイゴールドも然り。なにせ産駒は有馬記念に7年連続して出走して4勝(2着1回、3着2回)の成績を誇る。特に冬の中山にめっぽう強い。

一方ですぐにテンションが上がってしまうことが、ステイゴールド産駒のアキレス腱でもある。これにはツクバアズマオーとて例外ではいられない。彼は26戦ものキャリアを誇りながら、中京以西への輸送経験を持たないのである。しかも同じ関東圏であっても、中山では(4,2,2,4)であるのに対し、東京では(0,0,0,3)と明暗が分かれる。美浦からの輸送距離の差。そして厩舎から装鞍所までが遠いことも“東京苦手”に繋がっているらしい。陣営もレース選択には苦労しそうだ。

次走は中1週で中山金杯を予定しているとのこと。ならば、その次はAJCCだろうか。間隔が詰まるなんて言ってはいられない。中山で使える番組があるうちに使っておきたい。

ただ、ディセンバーSと中山金杯を連勝した馬がいないのも事実。1988年にディセンバーSがオープン特別となって以降、ディセンバーSの優勝馬28頭のうち12頭が次走に金杯を選択したが、その成績は(0,1,3,8)である。ほぼ同じコースで立て続けに行われるレースなのに、その相関は意外にも薄い。

これには金杯がハンデ戦であることも少なからず影響していよう。2007年のディセンバーSを勝ったサイレントプライドは、次走を年明けの中山金杯に定めるが、発表されたハンディキャップはなんと57キロ。オープン4勝のエアシェイディと同斤で、重賞ウイナーのブラックタイドやフサイチホウオーの56キロよりも重いのである。これには国枝調教師も呆れていた。なにせサイレントプライドは、ディセンバーSで初めてのオープン勝ちを飾ったばかりである。結果6着も仕方あるまい。このようにディセンバーSを勝った勢いが、思いがけぬハンデに押し止められてしまうことはある。

それならむしろディセンバーSでは負けているくらいの方が良いのかもしれない。事実、ディセンバーSで負けた馬が金杯で巻き返したという例が、過去に何度もある。有馬記念の前から金杯の心配をしているようでは鬼に笑われそうだが、果たしてツクバアズマオーは鬼門を打ち破ることができるだろうか。

 

***** 2016/12/19 *****

 

 

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