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2016年12月25日 (日)

屈指の名勝負

今年も有馬記念の日がやってきた。だが、今日の中山にはもうひとつ見るべき争いがある。そう、戸崎圭太騎手とC.ルメール騎手によるリーディングジョッキー争い。戸崎185勝、ルメール184勝。稀に見るハイレベルのリーディングジョッキー争いの結末は、開催最終日にまでもつれ込んでいる。こうなったら朝イチの未勝利戦から目が離せない。

1Rは圧倒的1番人気を背負った戸崎騎手が5馬身差の楽勝だった。これで2勝差。

2Rは逃げた1番人気の戸崎騎手にルメール騎手が4角手前で並びかける執念を見せたが、それが仇となって逆に失速。戸崎騎手の方は別馬の強襲をハナ差凌いで連勝を飾った。これで3勝差である。

その後、ルメール騎手も1番人気馬の手綱を取るのだが、なぜか今日は惜敗ばかり。どうしても勝ち切れない。3勝差のまま迎えた8Rも2番人気で5着。この瞬間、戸崎騎手の2年連続のリーディングジョッキーが確定した。ルメール騎手が残る3レースを全て勝っても187勝で戸崎騎手を上回ることはない。勝利数が同じなら、2着の回数で戸崎騎手が上回る。

「もう、気持ちが切れちゃったのかな?」

思わずそんなことを口走ってしまった。1日に6勝も8勝もしていたあの魔術師のような手綱捌きは、今日に限っては、すっかりなりを潜めてしまったように思えたからである。

だが、そこから2鞍の彼はまるで別人だった。レイデオロでホープフルSを鮮やかに勝つと、返す刀で、有馬記念では逃げ込みを図るキタサンブラックを、最後の1完歩で差し切ってしまったのである。

Arima 

いや、そもそも直線でいったんはゴールドアクターが前に出ていた。それをキタサンブラックは差し返したのである。春の天皇賞でも見せたあの必殺技。その間、サトノダイヤモンドは2頭から一瞬置かれかけた。だが、ルメール騎手はそんな2頭のやり合いをつぶさに見ていたのだろう。

彼の「必殺技」は既に繰り出された。2回目はない―――。

それを見越して一気に詰め寄ったのだから凄い。馬体を併せずに、やや離れた進路を取ったのも周到に思える。やはり彼は魔術師だった。同時に、私の不明を強く恥じよう。彼は乗る前から気持ちを切らしてしまうような騎手ではないのである。

ルメール騎手は、デビューからサトノダイヤモンドの手綱を手放したことがない。クラシックの直前には難しい選択を迫られ、ダービーでは悔しい思いもした。だからこそ、彼がサトノダイヤモンドにかける思いは、私ごときが想像するよりもはるかに大きいのであろう。たとえば、リーディングジョッキーの座などは軽く凌ぐのかもしれない。なるほど、それを思えばインタビューでの彼の涙も頷ける。

リーディング争いも、有馬記念も、どちらも史上屈指の名勝負が繰り広げられた2016年だった。来るべき2017年も、見る者の魂を揺さぶるような競馬を期待したい。

 

***** 2016/12/25 *****

 

 

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