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2016年12月22日 (木)

街角のカジノ

昨日の続き。

統合型リゾート施設整備推進法(以下「IR法」)が成立したからといって、ただちにカジノがあちこちにできるわけではない。IR法は、その施行後1年以内をめどに政府が具体策を定めた実施法案を提出することを求めたもの。カジノ合法化への作業はむしろこれからが本番だ。

それでも巷は先を急ぐ。「カジノができたらパチンコ業界はいったいどうなるか―――?」。そんな疑問の声も少なくない。

プレイヤーの9割以上が玉を換金しているパチンコは、間違いなく日本独自のカジノ施設である。建前上は「遊戯」ということになっているが、それは「自衛隊は軍隊ではない」と言い張るのと同じ理屈。どうも日本人は、現実とかけ離れた建前を主張し続けることに慣れている。

ともあれ、景品買取は立派な犯罪である。ひと昔前は、買取所もパチンコ店からほどよく離れた目立たぬ場所にひっそりと営業していたものだ。なのに昨今では、パチンコ店の隣で堂々と買い取りをしていたりして驚かされる。法律的には違法だが、政策的には合法。そんな曖昧な状況がいつしか既成事実化し、パチンコ店の実質的なカジノ化を推し進めているのであろう。

カジノ合法化の議論においては、パチンコ換金合法問題を避けて通ることはできまい。換金合法化はパチンコ業界のクリーン化のためにも必要だと訴える国会議員もいる。

だが、換金を認めれば、その瞬間に国内に数万の合法カジノが誕生することになり、新たなカジノ建設の意味が薄れかねない。そのため、カジノをパチンコと明確に区分けし、前者のみにお墨付きを与えるという検討もされている。だが、先ほどの自衛隊の喩えを使えば、現在の自衛隊とは別に新たな軍隊を創設するようなもの。そんなことが可能なのだろうか?―――それが巷の素朴な疑問である。

たとえば、「カジノ=外国人旅行客専用。パチンコ=日本人専用」という棲み分けをするならば、それも可能であろう。だが、カジノに国内の所得再配分機能を期待する以上、それではカジノ建設の意味がない。

Pachi 

カジノ実現への最大のハードルが、既存の「カジノ」であることを認識している人は存外少ない。かつて中央競馬と地方競馬という二重構造を生んでしまった競馬界の歴史に、なんとなく近いものを感じる。

(この項終わり)

 

***** 2016/12/22 *****

 

 

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