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2016年12月 5日 (月)

結婚式は馬だらけ

過日、結婚式ならびに披露宴の撮影を頼まれて、いそいそと目黒まで出かけた。

学生時代の友人や仕事仲間の結婚が一段落して十数年。なんと今回結婚するのは私の同級生の“娘”である。はぁ~。私もトシを取りましたね。生まれたばかりの当時を知っている子が結婚するというのは、親でなくともそれなりにショックを受けるものですよ。ストレイトガールやショウナンパンドラが繁殖入りするのとは、また違った感慨が……って、一緒にすると怒られそうだ。

とにかく結婚式という場は久しぶり。若いころならば、とにかく飲めるだけ飲んでおけとばかりに、シャンパンやワインをガブ飲みしてはひっくり返っていただろうが、このトシになればさすがにそうもいかない。おとなしく写真を撮るだけ。しかし、それであることに気付いた。

結婚披露宴では、やたらと馬にまつわる言葉が使われるのである。

まず、新郎新婦の紹介の中で「馬が合う」という言葉が出てきた。言うまでもなく、呼吸がぴったりで意気投合すること。馬と騎手との息が合わないと振り落される。これは分かりやすい。

Rakuba 

続いて挨拶に立ったオジさんが「馬には乗ってみよ。人には添うてみよ」と言った。何事も経験してみなければ本当のことはわからないという言葉。分かりもせずに文句を言ったりしてはいけないという戒めである。ただ、たしかに馬に乗ったことがあるとないとでは人生違うと思う。ぜひ夫婦で乗馬も楽しんでいただきたい。

しかるのちに乾杯と相成った。目の前には次々とご馳走が運ばれてくるのだが、この「馳走」という言葉も、もともとは「馬に乗って走り回る」という意味。客人に振る舞う食事のために、あちこち馬で走り回って食材を探す行為自体が本来の「ご馳走」だが、今ではもてなしの食事の方を指す。

御歓談の途中ではありますが、ここではなむけの言葉が送られる。この「はなむけ」の「はな」は花ではなく鼻。それも馬の鼻のこと。もともとは、馬に乗って旅立つ人を見送る際、馬の鼻をその人の進む方向に向けて祝福した習慣だが、なぜそれが結婚式での「贈る言葉」になったのかは知らない。

宴も終盤を迎えると、羽目を外す連中も出てくる。この「羽目」とは馬を御するために口に噛ませる馬具「馬銜(ハミ)」から転じた。じっさい「銜」という漢字は「ハメ」とも読ませる。ハミが外れた馬が暴れて手が付けられなくなることは、みなさんご存じの通り。それがいつの間にか、調子に乗って度を越すことを意味するようになった。

予定調和の(コラ!)演出も無事終わり、いよいよ宴はお開き。みなさん椅子の下の引き出物をお忘れなきよう……と司会者の方が心配する「引き出物」も実は馬絡みだということをご存じだろうか。

話は平安時代にさかのぼる。とある祝宴が終わった頃合いで一頭の馬が庭に引き出されてきた。なんと、その馬をお土産として客人に贈ったのだという。そんな故事から、お土産を意味する「引き出物」という言葉が生まれたらしい。いやあ、凄いですね。私にもお土産で馬をもらえないだろうか……などと思いつつ、帰宅して引き出物を広げてみると、そこには立派なハーツクライ1歳牡馬のカタログが!

―――なんてワケない(笑) 例によって削り節とバームクーヘン。ドイツでは祝い事にバームクーヘンが欠かせないらしい。しかしなぜドイツなのか? いつも不思議に思う。でも、バームクーヘンは美味しかったです。

 

***** 2016/12/05 *****

 

 

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コメント

ほぉーーー勉強になりました。

投稿: tsuyoshi | 2016年12月 6日 (火) 15時10分

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