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2016年12月 1日 (木)

再会の街

千葉の富里は「馬の街」である。最近は「スイカの街」としても売り出そうとしているようだけど、「馬の街」であることに変わりはない。

なにせ富里市に事務所を構える「千葉県両総馬匹農業協同組合」の代表理事は、あの吉田照哉氏。牧場めぐりでお世話になる「競走馬のふるさと案内所」の「千葉連絡センター」もここにある。生産牧場は減ったが、競走馬の育成牧場はまだまだ健在。その流れで市内には乗馬クラブの数も多い。

Cozima 

先日はそんな乗馬クラブをいくつか回っていた。そのうちの一軒にレストランが併設されている。その名も『クッチーナ・トキオネーゼ・コジマ 』。どうやらイタリアンのお店らしい。ふんじゃあ、お昼はスパゲティにでもするか。そんな気軽な気持ちでお店に入ったら、あまりに本格的な雰囲気にちょっと驚いた。

Potato 

カラスミのパスタを注文すると、サービスでジャガイモのパンが付いてくる。その美味いこと。そのまま食べても美味いが、「デュカ」というヘーゼルナッツやコリアンダーやクミンやゴマが浮いたオリーブオイルで食べても美味い。これは普通の店ではないゾ。緊張と期待が入り混じる中、パスタがやってきた。

Pasta 

パウダー状のカラスミから立ち上る潮の香り。野菜が持つシンプルな甘さ。それらが混然一体となって奏でる濃厚な旨味をまとったパスタ。これが美味くないはずがない。あっという間に平らげてコーヒーをひと口。テラスのすぐ下では乗馬のレッスンが始まった。これほど贅沢な午後というのも、なかなかあるまい。実に甘やかな時間が流れてゆく。

Horse 

聞けばシェフは、1999年頃から南青山の名店『青山アクアパッツァ』の料理長をしばらく務められていた人物だという。だとしたら私は一度お会いしている。骨董通り沿いの小さなギャラリーで個展を開いた私は、その打ち上げパーティーで『青山アクアパッツァ』を使わせていただいた。その時、シェフも挨拶に見えたはずである。高級店の料理長だというのに、それを感じさせぬ人柄。そんな印象があったから、今日まで忘れずにいた。思わぬところで思わぬ再会。人生は捨てたものではない。店の隣にはポニーが2頭放牧されている。

Pony 

店を出て次の乗馬クラブへ行くと、なんと今度は見知った“馬”がいたではないか。

Skipjack1 

スキップジャックは2005年の京王杯2歳Sの勝ち馬。個人的な縁があり、しょっちゅう放牧中の牧場を訪れては撮影していた一頭だ。

Skipjack2 

当時はヤンチャで周囲を困らせてばかりいたのに、聞けば今ではお客さんを乗せることもあるという。10年ぶりに再会できたと思ったら、ヤツはすっかり大人になっちまってた―――なんてのも再会の常。それでも、かつて会った人や馬の活躍を知ることは大きな喜びに違いない。富里は「馬の街」ではあるのだけど、その日の私に限っては「再会の街」でもあった。

 

***** 2016/12/01 *****

 

 

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