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2016年12月20日 (火)

障害の不思議

今週のJRAはラストを飾る3日間開催。金曜日には先陣を切って中山大障害が行われる。サナシオンの離脱は残念だとしても、連覇を目指すアップトゥデイトと春のグランドジャンプを制したオジュウチョウサンが直接対決が実現。役者は揃った。

それにしても今更ながら思うところがある。アップトゥデイトの父・クロフネといえば、スリープレスナイトやカレンチャンの父。どちらかといえば短距離志向の種牡馬として世間には認知されている。なのにアップトゥデイトのように4000mを越えるレースで活躍する子が出るのだから不思議ではないか。実際、アップトゥデイトにしても、当初はダートのマイル前後を使われていた。全日本2歳優駿では1番人気に推されている。

Upto 

これを「血統の不思議」とするかどうかは意見の分かれるところであろう。私はむしろ「障害の不思議」と考える。ブランディスが中山大障害と中山グランドジャンプの双方を制しているのが、その最たる例。短距離種牡馬の代表格とも言うべきサクラバクシンオーの産駒が日本最長距離のレースを勝つなんて、障害ならではと思い込むしかあるまい。

2002年の中山大障害の覇者ギルデッドエージの父・ティンバーカントリーは、アドマイヤドンやヒシアトラスの父として知られる。マイル前後のダートで活躍する産駒が多く、やはり長距離で活躍するイメージはない。なのにいざ障害となれば、そんなイメージは一変する。ギルデッドエージは後続を2秒近くも千切り捨てる圧勝だった。

Gilded 

手綱を取ったのはニュージーランドから短期免許で来日していたロシェル・ロケット騎手。さすがは、2000~01年シーズンの同国障害リーディングで、男を向こうに回してチャンピオンになった女傑である。

Gilded1 

女性騎手がJRA重賞を勝った例は空前にして絶後だが、そもそもJRA史上、障害レースで勝利を挙げた女性騎手自体が、ロケット騎手ただひとりではあるまいか。過去には板倉真由子騎手や西原玲奈騎手が障害レースに騎乗したことはあった。また、フランスのマドレーヌ騎手が障害の国際騎手交流レースで来日し、ゴーカイに乗って2着となったことはある。それでも勝利した例となると、正直私の記憶にはない。この年の冬から春にかけて、ロケット騎手はギルデッドエージとのコンビで3勝をマークした。

女性騎手が障害レースに乗ることを不安視する声は今も昔も変わりない。ロケット騎手が活躍したこの年の夏、西原騎手が障害レースで落馬。腰と右足の計4か所を骨折する重傷を負ったことも、そんな声を後押ししていたように思う。しかし、だからといって「女性騎手は障害に乗るべきではない」と決めつけてしまうわけにはいくまい。ロケット騎手のパワフルな手綱さばきや、サクラバクシンオーやクロフネの血が障害の舞台で花咲くシーンを見る度、我々は障害の不思議を思う。それが障害レースに惹かれる理由のひとつかもしれない。

 

***** 2016/12/20 *****

 

 

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