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2016年12月31日 (土)

大晦日のラーメン

大井競馬場では年末恒例のラーメンイベントを実施中。しかし、毎年のことながら食べる暇がつくれず、最終日すなわち今日にまとめ食いすることになる。大晦日に食べる麺は、なにも年越しそばだけとは限らない。

Tck 

まずは信州鶏白湯『気むずかし家』。

Kimuzukashi 

続いて自家製熟成麺「吉岡」。昨年も食べたが、このビジュアルを見ると、どうしても行列に並んでしまう。

Yoshioka 

胃袋的にはあと一杯が限度。行列も増えてきた。さあ、ラスト一杯をどこにするか。

Pinapple 

行列も少ないことだしココにしよう。味はともかく、こういう機会でもなければこのようなラーメンを口にすることは一生あるまい。西荻窪の『パパパパパイン』のパイナップルラーメン(塩)。

Pine 

美味しい塩ラーメンに、缶詰めのパイナップルをドカンと投入した味を想像してもらえるだろうか。「隠し味」などという控えめな存在ではない。聞けばダシとパイナップルの割合は3:1だそうだ。ペンパイナポーアポーペンくらいの存在感がある。賛否はあろうが、少なくともその勇気には我々も見習うべき点があるかもしれない。みんなと同じことをやっていては100万馬券など夢のまた夢。平然と常識に逆らう気概が欲しい。

そんなこんなで東京2歳優駿牝馬。

3番手で1コーナーに入ったピンクドッグウッドが、向こう正面から早めの仕掛ける。3コーナーで早くも先頭に立つと、そのまま圧倒的1番人気アップトゥユーの追撃を押さえて押し切ってみせた。

2sai 

3着にはアンジュジョリーが最後方から追い込んだ。上位3頭の現在の所属こそ愛知・川崎・浦和だが、例によって3頭とも道営デビュー。道営出身馬の表彰台独占は昨年に続いてのこと。こうなると、簡単にはこの流れは止まるまい。

―――てな具合に、大晦日のエントリには毎年同じことを書いているような気がするが、最近はそれに安堵感を覚えるようになってきた。今年もどうにか凌ぎ切った。考えようによってはたいへんな達成である。長く競馬を続けるのは、実はそれほど簡単なことではない。それをさりげなく教えてくれるのが、東京2歳優駿牝馬とラーメンなのであろう。

それでは皆様、よいお年を。

 

***** 2016/12/31 *****

 

 

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2016年12月30日 (金)

ディープ産駒が重賞“初制覇”

昨日の喧騒が嘘のような佇まいの大井競馬場はご覧の晴天。まもなく東京シンデレラマイルが行われる。

Rappa 

人気はトーセンセラヴィ。単勝オッズも2倍を切っている。なにせ前走がGⅠで、JRAの強豪相手に3着と健闘してみせた。それが初重賞なのだから恐るべし。そこで負かしたトロワボヌールが、クイーン賞でリンダリンダやノットオーソリティをぶっちぎって勝っているのだから、穴党の私をもってしても評価を下げる理由が見当たらない。あるとすれば「油断」くらいか。

今年のクラシックホース2頭も顔を揃えた。思えば、モダンウーマンとリンダリンダの「道営ワンツーフィニッシュ」で決まった東京2歳優駿牝馬は昨年の大晦日のこと。あれから1年。同じ季節に同じ舞台なら、思わぬ快走があってもおかしくない。

レースは外目の2、3番手につけたトーセンセラヴィが4角を回って先頭。大井1600mは内回り。そのまま押し切るか―――。そう思った矢先、外からリンダリンダ、内からモダンウーマン、3歳馬2頭がトーセンセラヴィ目掛けて襲い掛かってきた。

驚いたのはそこから。内と外から並ばれたトーセンセラヴィが、ゴール寸前で再びもうひと伸び。なんとクビほど差し返したところがゴールである。なんという底力か。これが初めての重賞勝ちとはとても思えぬ。

Mori 

ディープインパクト産駒が南関東重賞を勝ったのは、初めてのことであろう。かつてテムジンがサンタアニタトロフィーで2着になったことはあるが、勝った例となると、少なくとも私の記憶にはない。

それもそのはず。そもそもディープ産駒の南関在籍頭数自体が少ない。むろんダート適性もあろう。JRAであれだけ重賞を勝ちまくっているのに、ダート重賞となるとボレアスのレパードSくらいではないか。ともあれトーセンセラヴィは、南関東の歴史に新たな1頁を刻んだ

トーセンセラヴィがダートでここまで強いのは、お母さんのおかげであろう。皆さんご存知トーセンジョウオーのこと。スカーレットインクへと遡る母系にはヴァーミリアンを筆頭にダートの猛者がずらりと居並ぶ。そこにディープインパクトのスケールが加わった。その素質が完全開花したのだとすれば展望は明るい。次走は母が惜敗したTCK女王杯。そして大目標はJBCレディスクラシック。来年の牝馬ダートグレード戦線が楽しみになった。

 

***** 2016/12/30 *****

 

 

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2016年12月29日 (木)

最後の思い出に

「ルメールになりましたね。期待大」

昼前に届いた一本のショートメールが乗り替りを知らせてくれた。今日の大井9Rの「SEGAスターホース賞」。そこに出走する私の愛馬ポップレーベルのヤネが、森泰斗騎手からクリストフ・ルメール騎手に変更となったのである。

「おお!」

その出馬表を見て思わず声が出た。むろん森泰斗騎手が悪いというのではない。悪いはずがない。なにせ南関リーディング独走中のトップジョッキーである。それでも、次走が東京大賞典当日のレースと知った私は「最後の思い出にルメールが乗ってくれないかなぁ」と周囲につぶやいていた。

「最後の思い出」というのは誤解を生むかもしれない。でも、南関東に移籍してちょうど20戦を消化したが、いまだ勝ち星はゼロ。2歳時に重賞・ブリーダーズゴールドジュニアカップを制した面影は消えうせた。たまに2着や3着に突っ込んで周囲を沸かせてくれるのはいいが、それでも勝利がほしい。そう思いつつ、3歳が過ぎ、4歳が過ぎ、そしてついに5歳でも最後のレースを迎えてしまった。

ただ、私自身が彼への期待を失ったわけではない。そこは誤解しないでほしい。私個人は待つのには慣れている。しかもポップレーベルのお父さんは、あのカンパニー。8歳秋にしてGⅠを連勝したレジェンドではないか。6歳になる来年こそ本格化の年―――。そう固く信じている。

だが、クラブの馬である以上、私の思いひとつでどうにでもなるというわけにはいかない。最近は、ちょっと不振が続くと、山元やセグチではなく、すぐに「楽天」に出されてしまうから、一戦一戦に緊張感が生まれる。いつ最後になってもおかしくはない。つまり、そういうことである。

さあ、肝心のレースであるが、若干の出負けから中団につけ、3コーナーから仕掛けて先頭との差を詰めようとしたが、思うように伸びることができず、結果10着に終わった。

Pop1 

有馬記念よりも枠順に左右されるという大井1400の8枠。しかも前残りの馬場状態は、さすがに辛かった。が、それを差し引いてもこの着順はいただけない。グランプリジョッキーを以てしても勝利を掴むことはできなかったが、今回の敗因は贔屓目抜きに見ても馬側にあろう。つまり、このクラスでは力が足りないのである。C級に降格する次走が、とても大事なレースになりそうな気配が漂う。

Pop 

ちなみに、森泰斗騎手は「腰痛」とのこと。明日のシンデレラマイルでは圧倒的人気のトーセンジョウオーの手綱を取ることになっている。大丈夫だろうか? ポップレーベルの次走ではお世話になると思います。お大事に。乗り替わりにはしゃいだ非礼をお許し願いたい。

 

***** 2016/12/29 *****

 

 

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2016年12月28日 (水)

ラブリーな種牡馬に

ちょうど1週間前の12月21日。有馬記念を4日後に控え、盛り上がりを見せる競馬面の片隅にひっそりと書かれていたとある引退馬の記事を目にして、思わず目を疑った。

なんとラブリーデイが引退だという。

香港カップは4着のあとは三木ホースランドパークで検疫に入っていた。少なくとも、それまでに陣営から引退の「い」の字も発せられてはいなかったはず。むしろ来年の現役続行を示唆するコメントさえ出ていたではないか。

馬体に不安が出たとも考えにくい。ならば、急に良い話が飛び込んできたということか。ともあれ、あの香港カップがラストランとなった日本馬は、モーリス、エイシンヒカリの2頭だけではなかったということになる。そうとわかっていれば、もう少し見方が違ったというファンはゼロではあるまい。ファンの印象に残りにくい現役生活の幕切れ。そんなに熱心に応援していわけではない私でも、どことなくさびしい。

Lovely_2 

それにしても最後まで地味な印象が拭い切れない一頭だった。昨年は中山金杯から始まり、京都記念、鳴尾記念、宝塚記念、京都大賞典、天皇賞(秋)と重賞6勝をマーク。負かした相手も、ロゴタイプ、ハープスター、キズナ、ゴールドシップ、エイシンヒカリと錚々たる顔ぶれが並ぶ。世が世なら年度代表馬に選ばれていたとしてもおかしくない。しかしながら、Lavely(=愛らしい、愛おしい)というその名とは裏腹に、キズナやゴールドシップのように熱狂的な寵愛を受けることは、ついになかった。

今年は一転して6戦未勝利。つくづく引退のタイミングを見極めるのは難しい。尻すぼみの引退になってしまった感は否めないが、オファーがあっただけでもヨシとしよう。入厩先となるブリーダーズスタリオンステーションは、もとからいたローズキングダムに加え、この夏に引退したリオンディーズが仲間入りしたかと思ったら、つい先日は社台スタリオンからベルシャザールが移動してきたばかりだという。そこにラブリーデイが加わって、キングカメハメハ系種牡馬が一気に4頭の大所帯となった。それだけニーズがあるということ。ラブリーデイの母の父はダンスインザダークだから、サンデーサイレンスの3×4をつくりやすいというメリットもある。

やはり先日引退が決まったホッコータルマエは、新冠の優駿スタリオンステーションに入厩するが、ここでも今年からタイセイレジェンドとトゥザワールドが新種牡馬として活躍していた。さらに、社台スタリオンステーションにはロードカナロアとルーラーシップの2トップに加え、ドゥラメンテが満を持してスタッドインする。来春の新種牡馬は「キングカメハメハ系」が話題のひとつとなることは、間違いあるまい。

この春、ロードカナロアとルーラーシップが種付けした牝馬は2頭合わせて500頭を超えた。キングカメハメハ系種牡馬のニーズは年を追うごとに強まっている。もちろんお父さんのキングカメハメハ本人もまだまだ健在。ラブリーデイのライバルは多いが、生産者の皆さんから愛される種牡馬になってほしい。

 

***** 2016/12/28 *****

 

 

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2016年12月27日 (火)

連携プレー

今年、初めて日本国内でも馬券が発売された凱旋門賞。ダービー馬の誇りを背負って世界に挑んだマカヒキは14着に敗れたわけが、さてその優勝馬を覚えておいでだろうか。

勝ったのはファウンド。馬券発売だけでなくTV地上波による中継もあったから、そのレースぶりに衝撃を覚えたファンもいたに違いない。ファウンドと同じオブライエン厩舎のハイランドリールとオーダーオブセントジョージにレースを引っ張らせ、最後はオーダーオブセントジョージに最内の進路を譲らせた上で、そこを一気に突き抜けてみせた。

連携プレーが日常的な欧州競馬でも、ここまできれいに決まるのは珍しい。なにせ、その3頭で1~3着独占である。今年の凱旋門賞は「チームオブライエンの勝利」として讃えられた。

レース後の解説や観戦記には「日本の遠征馬もペースメーカーを用意すべきだ」「複数頭のチームで遠征してはどうか」という論調が多かったように思う。なかにはペースメーカーを認めない日本の競馬を批判する記事もあった。だから日本馬はいつまでたっても凱旋門賞を勝てないのだ―――と。

Arima 

あれから2か月半が経ち、今度は有馬記念を「サトノ軍団の組織力」「フランス人ジョッキー同士の連携プレー」と回顧する記事が目立っている。どちらかと言えば、その内容はネガティブであろう。武豊騎手が敗因を問われて「あのワンプレーだけがね」とコメントしたことが大きく影響していることは想像に難くない。有馬記念2周目の3角手前、サトノノブレスがフランス語で何やら叫びながらキタサンブラックを突くように仕掛けあがり、その進路をサトノダイヤモンドに譲ったという、そのシーンである。

そもそも、サトノノブレスがキタサンブラックを負かしに行くということは、半ば公言されていたこと。各メディアもそれを前提にした予想を展開していた。サンスポの佐藤洋一郎氏などは、「同一馬主、同一厩舎の複数頭出しは、欧米のように“カップル”(馬券上も獲得賞金上も複数頭を“1頭”として扱う)にすべき」と有馬当日の紙上で訴えている。

それを読んでいた私が実際に有馬記念のレースを見て得た感想は、「言うほどじゃねぇな」というものだった。「連携プレー」と呼ぶほどのものではない。やろうと思えば、もっとやれたはず。現にキタサンブラックは差のない2着に粘ったではないか。いや、サトノダイヤモンドの末脚次第では勝っていたかもしれない。もっとすごいことをするのではないか?―――そんな私の期待(?)は多少裏切られた感がある。

【日本中央競馬会競馬施行規程】

第81条 競走に勝利を得る意志がないのに馬を出させてはならない。

第138条 次の各号のいずれかに該当する馬主、調教師、騎手、調教助手、騎手候補又は厩務員は、本会の行う競馬に関与することを禁止し、又は停止する。
(8) 競走について利益を得、又は他人に得させるため馬の全能力発揮させなかった者

日本の競馬でおおっぴらに連携プレーが認められないのは、これらの規程に抵触するからであるわけだが、2周目の3角と言えば、誰もが知る有馬記念の勝負所。そこで前を行く有力馬のペースを上げさせるのは、勝つために避けて通れぬ道であろう。むしろ、あそこで誰も動くことなく、黙ってキタサンブラックの押し切りを許していたら、他のすべての騎手が上記規程に抵触しかねない。

増加の一途をたどる外国人騎手同士が、ツルんで不公正な騎乗をしているのでは?という疑念を抱いた人も少ならずいるようだ。しかし、私の印象は多少異なる。むしろ外国人騎手が来る前の方が露骨だった。「××騎手がハナを奪ったら誰も競りかけない」とか「○○騎手が声を掛けたら進路を開ける」という不文律があった時代がある。当時は騎手の徒弟制度が花盛り。ファンもそれを踏まえて予想を繰り広げていた。それが馬券テクニックのひとつだったのである。あの当時を知っているファンからすれば、シュミノー騎手の御法など屁でもあるまい。

サトノダイヤモンドもキタサンブラックも来年の凱旋門賞挑戦を口にしたが、果たして「連携プレー」を採用する気はあるのだろうか。向こうはそれが当然のお国柄。だが、有力馬をちょっとばかり突いたくらいで騒ぐ今の日本競馬に、チームプレーはどうも馴染まないような気がする。慣れぬことはしない方が良いかもしれない。

 

***** 2016/12/27 *****

 

 

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2016年12月26日 (月)

年の瀬競馬が始まった

「これが東日本での今年最後の競馬です!」

昨日の中山最終11Rのハッピーエンドカップの発走直前、場内の実況アナがそう紹介した。

まだこの後に阪神の最終レースが控えていることを意識してのセリフだろうが、「今年最後の競馬」はちょっとおかしい。だって地方公営競馬は大晦日まで休みなしですからね。それなら「JRAの競馬」だろうが、そこまで言うとちょっとくどい。

「てぇことはナニかい? JRA以外は競馬じゃない、ってぇコトか?!」

私がそう怒鳴りそうになったその時、実況アナが言い直した。

「さあ、これが中山競馬場で行われる今年最後の競馬です」

まあ間違ってはいない。でも“年の瀬感”は若干そぎ落とされた。言葉選びは難しい。そういう意味において、私はアナに同情する。

ともあれ、有馬記念は終わっても今年の競馬は終わりではない。大井は今日から恒例の年末開催。息つく間もなく大晦日まで競馬漬けの日々が続く。今日の注目は2鞍行われた新馬戦。最初のレースは1番人気のジェミニライブラがスタートからハナを奪うと、一気呵成に逃げ切った。

2r 

父のサウスヴィグラスは、2016年の南関東リーディングサイアー。勝利数は2位ゴールドアリュールに50勝以上をつける独走状態で、獲得賞金でもゴールドアリュールに1億8千万円の差ならトップ確定であろう。大晦日の東京2歳優駿牝馬にもサウスヴィグラス産駒が多数出走を予定している。

3r 

もうひとつの新馬戦を勝ったのは、シニスターミニスター産駒のミッドホエール。今年のシニスターミニスターの南関東サイアーランキングは13位だが、過去5年で194位→109位→33位→25位→23位と、着実に上昇している点は見逃せない。来年のベストテン入りも見えた。

Sinister 

ところで、3号スタンド跡地にできた広場の一角には、こんな仮設スタンドが設置されている。

Stand 

東京都絡みの施設で「仮設スタンド」と聞けば色をなす人も出てきそうだが、これは東京五輪ではなく東京大賞典を意識したもの。くどいようだが、「今年最後のGⅠレース」にしても、有馬記念ではなく東京大賞典ですからね。有馬記念やジャパンカップと同じ、国際セリ名簿基準委員会(ICSC)が格付した、正真正銘の国際GⅠである。

そんな東京大賞典を3日後に控えた大井は、明日以降も大晦日まで5日間、全60レースを取り揃えて、皆さんのご来場をお待ちしています。「ラーメン&餃子フェス」も絶賛開催中。ぜひ、お越しを。

 

***** 2016/12/26 *****

 

 

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2016年12月25日 (日)

屈指の名勝負

今年も有馬記念の日がやってきた。だが、今日の中山にはもうひとつ見るべき争いがある。そう、戸崎圭太騎手とC.ルメール騎手によるリーディングジョッキー争い。戸崎185勝、ルメール184勝。稀に見るハイレベルのリーディングジョッキー争いの結末は、開催最終日にまでもつれ込んでいる。こうなったら朝イチの未勝利戦から目が離せない。

1Rは圧倒的1番人気を背負った戸崎騎手が5馬身差の楽勝だった。これで2勝差。

2Rは逃げた1番人気の戸崎騎手にルメール騎手が4角手前で並びかける執念を見せたが、それが仇となって逆に失速。戸崎騎手の方は別馬の強襲をハナ差凌いで連勝を飾った。これで3勝差である。

その後、ルメール騎手も1番人気馬の手綱を取るのだが、なぜか今日は惜敗ばかり。どうしても勝ち切れない。3勝差のまま迎えた8Rも2番人気で5着。この瞬間、戸崎騎手の2年連続のリーディングジョッキーが確定した。ルメール騎手が残る3レースを全て勝っても187勝で戸崎騎手を上回ることはない。勝利数が同じなら、2着の回数で戸崎騎手が上回る。

「もう、気持ちが切れちゃったのかな?」

思わずそんなことを口走ってしまった。1日に6勝も8勝もしていたあの魔術師のような手綱捌きは、今日に限っては、すっかりなりを潜めてしまったように思えたからである。

だが、そこから2鞍の彼はまるで別人だった。レイデオロでホープフルSを鮮やかに勝つと、返す刀で、有馬記念では逃げ込みを図るキタサンブラックを、最後の1完歩で差し切ってしまったのである。

Arima 

いや、そもそも直線でいったんはゴールドアクターが前に出ていた。それをキタサンブラックは差し返したのである。春の天皇賞でも見せたあの必殺技。その間、サトノダイヤモンドは2頭から一瞬置かれかけた。だが、ルメール騎手はそんな2頭のやり合いをつぶさに見ていたのだろう。

彼の「必殺技」は既に繰り出された。2回目はない―――。

それを見越して一気に詰め寄ったのだから凄い。馬体を併せずに、やや離れた進路を取ったのも周到に思える。やはり彼は魔術師だった。同時に、私の不明を強く恥じよう。彼は乗る前から気持ちを切らしてしまうような騎手ではないのである。

ルメール騎手は、デビューからサトノダイヤモンドの手綱を手放したことがない。クラシックの直前には難しい選択を迫られ、ダービーでは悔しい思いもした。だからこそ、彼がサトノダイヤモンドにかける思いは、私ごときが想像するよりもはるかに大きいのであろう。たとえば、リーディングジョッキーの座などは軽く凌ぐのかもしれない。なるほど、それを思えばインタビューでの彼の涙も頷ける。

リーディング争いも、有馬記念も、どちらも史上屈指の名勝負が繰り広げられた2016年だった。来るべき2017年も、見る者の魂を揺さぶるような競馬を期待したい。

 

***** 2016/12/25 *****

 

 

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2016年12月24日 (土)

50勝の大台へ

今年のJRAもあと1日を残すのみ。今年も様々な記録が誕生した。戸崎圭太騎手の「重賞レース10戦連続連対」。ルメール騎手は「騎乗機会10連続連対」。変わったところでは、鈴木慶太騎手が6年3か月12日ぶりに1着ゴールを果たし「最長勝利間隔記録」を更新している。

Tosaki 

さらに今年は川田将雅騎手と戸崎圭太騎手とミルコ・デムーロ騎手の3人が、「50勝」を達成した。いったい何の50勝か? そう、それは通算重賞勝利数。戸崎騎手とデムーロ騎手は同日の福島と中京でそれぞれ達成。川田騎手にいたっては日本ダービーが節目の勝利になった。重賞50勝は、長く第一線で活躍している証。武豊騎手の数字を見ればキリがないが、さらにひとつでも多く積み重ねて欲しい。

Kawada 

明日はもっと驚くべき「重賞50勝」が達成されるかもしれない。それは生産馬による重賞年間50勝。「通算」ではなく「年間」というところがミソである。むろん挑むのはノーザンファームで、今年の重賞勝利数は現時点で49。これだけでも相当凄い。過去最多だった昨年の37勝を既に大きく上回っている。1年間に行われるJRAの重賞は合計138レースしかないのに、そのうちの50レースをひとつの牧場の生産馬が勝ったとなれば前代未聞の記録と言わざるを得ない。

有馬記念にはフルゲート16頭に対し、その半分に相当する8頭の生産馬を送り込む。この頭数も2014年の7頭を上回る有馬記念史上最多。50勝の大台到達は有馬記念の可能性もある。

そうなると気になるのは、同じグループであり、またライバルでもある社台ファームの存在であろう。今年の重賞勝ちは昨年よりひとつ少ない13勝。ノーザンファームに大きく水を開けられてしまっている。だが、昨年はひとつも勝てなかったJRAのGⅠレースを、今年は既に6勝しているのだから中身は濃い。しかも有馬を勝てばノーザンの7勝に並ぶ。社台ファームの生産馬はと出馬表を探して見れば、サウンズオブアースただ1頭。それでも、孤軍奮闘してくれそうな予感はある。

もしサウンズオブアースが勝ったら、ノーザンファームの年間重賞50勝は達成されず終いか―――?

いやいや、たぶんその前のホープフルSで達成されるでしょう(笑)。こちらはGⅡに昇格して3年目。過去2回はいずれもノーザンファームの生産馬が勝っている。今年も群を抜くラインナップで3連覇は目前だ。

 

***** 2016/12/24 *****

 

 

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2016年12月23日 (金)

宮崎の底力

昨日の話。

所用で江戸川橋に足を運んだついでに、前から気になっていたうどん屋さんに立ち寄ってみた。

Hatsu1 

それがこちらの『はつとみ』さん。宮崎の釜揚げうどんを都内で味わえる貴重な店として、うどん好きの間では知らぬ者はいない―――かどうかは知らないが、近隣のオフィスで働く方々の間から人気を集めていることは間違いなさそうだ。13時を過ぎているというのにテーブルは満席。わずかにカウンターに空席が残されているだけだった。

注文はもちろん釜揚げうどん。むろん大盛り。

Hatsu2 

桶の中のうどんは真っ白でツヤツヤ。中太の麺には独特のねじれが入り、ところどころ微妙に太さにバラつきがある。手打ちならではであろう。しかしいちばんの特徴はそのフワフワの食感。「これぞ宮崎!」と膝を打ちたくなる。

かつて宮崎競馬場があった宮崎県は、多くのホースマンを輩出してきた。なかでも宮崎県出身の調教師は名伯楽が多い。

池江泰郎、音無秀孝、小原伊佐美、坂口正則、二分久男、野元昭、橋口弘次郎、布施正、安田伊佐夫、矢野照正、山内研二、吉永忍。

宮崎県出身の調教師を五十音順にざっと並べてみたが、その全員がGⅠトレーナーであることに驚かされる。宮崎県には馬を強くする秘伝のレシピの言い伝えでもあるのだろうか。あるいはこのフワフワの釜揚げうどんを食べることで、馬を見る目が養われるのかもしれない。ならば私も食べなければ。

Hatsu3 

麺の柔らかさもさることながら、このダシ汁の美味さはどう表現すればよいのか。つけ汁だから当然味は濃い目。だが、しょっぱさよりも、カツオやシイタケのダシと思われる旨味が上回ってくどさを感じさせない。さらにたっぷりの刻みネギと生姜がうどんの甘さを際立たせる。これは美味い。宮崎の底力を思い知らされた。こうなったら、明日の阪神カップは音無厩舎のミッキーアイルで勝負だ。

 

***** 2016/12/23 *****

 

 

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2016年12月22日 (木)

街角のカジノ

昨日の続き。

統合型リゾート施設整備推進法(以下「IR法」)が成立したからといって、ただちにカジノがあちこちにできるわけではない。IR法は、その施行後1年以内をめどに政府が具体策を定めた実施法案を提出することを求めたもの。カジノ合法化への作業はむしろこれからが本番だ。

それでも巷は先を急ぐ。「カジノができたらパチンコ業界はいったいどうなるか―――?」。そんな疑問の声も少なくない。

プレイヤーの9割以上が玉を換金しているパチンコは、間違いなく日本独自のカジノ施設である。建前上は「遊戯」ということになっているが、それは「自衛隊は軍隊ではない」と言い張るのと同じ理屈。どうも日本人は、現実とかけ離れた建前を主張し続けることに慣れている。

ともあれ、景品買取は立派な犯罪である。ひと昔前は、買取所もパチンコ店からほどよく離れた目立たぬ場所にひっそりと営業していたものだ。なのに昨今では、パチンコ店の隣で堂々と買い取りをしていたりして驚かされる。法律的には違法だが、政策的には合法。そんな曖昧な状況がいつしか既成事実化し、パチンコ店の実質的なカジノ化を推し進めているのであろう。

カジノ合法化の議論においては、パチンコ換金合法問題を避けて通ることはできまい。換金合法化はパチンコ業界のクリーン化のためにも必要だと訴える国会議員もいる。

だが、換金を認めれば、その瞬間に国内に数万の合法カジノが誕生することになり、新たなカジノ建設の意味が薄れかねない。そのため、カジノをパチンコと明確に区分けし、前者のみにお墨付きを与えるという検討もされている。だが、先ほどの自衛隊の喩えを使えば、現在の自衛隊とは別に新たな軍隊を創設するようなもの。そんなことが可能なのだろうか?―――それが巷の素朴な疑問である。

たとえば、「カジノ=外国人旅行客専用。パチンコ=日本人専用」という棲み分けをするならば、それも可能であろう。だが、カジノに国内の所得再配分機能を期待する以上、それではカジノ建設の意味がない。

Pachi 

カジノ実現への最大のハードルが、既存の「カジノ」であることを認識している人は存外少ない。かつて中央競馬と地方競馬という二重構造を生んでしまった競馬界の歴史に、なんとなく近いものを感じる。

(この項終わり)

 

***** 2016/12/22 *****

 

 

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2016年12月21日 (水)

統合型リゾートはどこに

カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備推進法案の修正案が15日未明の衆院本会議で自民党や日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。

日本維新の会は、夢洲(ゆめしま)へのカジノ誘致策を進める大阪府の松井一郎知事が代表を務めている。「夢洲カジノ構想」は、かつて橋下徹氏が大阪府知事に当選して以来、一貫して訴え続けてきた。いわば日本維新の会の悲願だ。

夢洲は大阪湾に浮かぶ人工島で、その広大な土地に住民はいない。

大阪市の第3セクタービル「大阪ワールドトレードセンター(WTC)」への大阪府庁舎移転を後押しするための議論の中で、「コンベンション機能を強化するには、カジノが重要な視点になる」と、橋下氏自らが提案したのがその発端だったはず。だから、国際会議場や高級ホテル、そしてカジノを含む「統合型リゾート」なのである。

それ以前にも、大阪では経営難に悩む関西国際空港が集客のためにカジノ誘致を真剣に検討したことがあった。さすがに無理と分かって、巨大パチンコセンターや場外馬券売り場の誘致に方針転換したが、「イメージダウンに繋がりかねない」として、最終的には英会話教室などに落ち着いたという経緯がある。集客という視点だけでは、カジノもパチンコも英会話教室も同じということか。

ただ、欧米においては都市部にカジノがある例というのは、実はほとんどない。ニューヨークでもパリでも、カジノがあるのは100キロ以上離れた郊外だし、ハンブルグやモスクワの市内にあった巨大カジノはことごとく閉鎖された。唯一の例外はロンドンだが、この国のカジノはソシアルクラブであるから多少毛色が異なる。

そんな欧米とは違って、アジア各国の大都市にはカジノがある。だが、それは外国人旅行者専用であることが多い。なぜか。そのような国においては、カジノの目的が外貨獲得にあるためだ。橋下氏は「高所得者に遊んでいただき、そのお金を中低所得者にまわしたい」として、その目的を国内の所得再配分に据えていたはず。両者の見据える目的は一致しない。

Casino 

果たして夢洲にカジノは実現するか。仮に実現したとして、成功に導くことができるのか。競馬にまったく縁のないの話とも言い切れぬ。今後の議論から目が離せない。

(明日付に続く)

 

***** 2016/12/21 *****

 

 

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2016年12月20日 (火)

障害の不思議

今週のJRAはラストを飾る3日間開催。金曜日には先陣を切って中山大障害が行われる。サナシオンの離脱は残念だとしても、連覇を目指すアップトゥデイトと春のグランドジャンプを制したオジュウチョウサンが直接対決が実現。役者は揃った。

それにしても今更ながら思うところがある。アップトゥデイトの父・クロフネといえば、スリープレスナイトやカレンチャンの父。どちらかといえば短距離志向の種牡馬として世間には認知されている。なのにアップトゥデイトのように4000mを越えるレースで活躍する子が出るのだから不思議ではないか。実際、アップトゥデイトにしても、当初はダートのマイル前後を使われていた。全日本2歳優駿では1番人気に推されている。

Upto 

これを「血統の不思議」とするかどうかは意見の分かれるところであろう。私はむしろ「障害の不思議」と考える。ブランディスが中山大障害と中山グランドジャンプの双方を制しているのが、その最たる例。短距離種牡馬の代表格とも言うべきサクラバクシンオーの産駒が日本最長距離のレースを勝つなんて、障害ならではと思い込むしかあるまい。

2002年の中山大障害の覇者ギルデッドエージの父・ティンバーカントリーは、アドマイヤドンやヒシアトラスの父として知られる。マイル前後のダートで活躍する産駒が多く、やはり長距離で活躍するイメージはない。なのにいざ障害となれば、そんなイメージは一変する。ギルデッドエージは後続を2秒近くも千切り捨てる圧勝だった。

Gilded 

手綱を取ったのはニュージーランドから短期免許で来日していたロシェル・ロケット騎手。さすがは、2000~01年シーズンの同国障害リーディングで、男を向こうに回してチャンピオンになった女傑である。

Gilded1 

女性騎手がJRA重賞を勝った例は空前にして絶後だが、そもそもJRA史上、障害レースで勝利を挙げた女性騎手自体が、ロケット騎手ただひとりではあるまいか。過去には板倉真由子騎手や西原玲奈騎手が障害レースに騎乗したことはあった。また、フランスのマドレーヌ騎手が障害の国際騎手交流レースで来日し、ゴーカイに乗って2着となったことはある。それでも勝利した例となると、正直私の記憶にはない。この年の冬から春にかけて、ロケット騎手はギルデッドエージとのコンビで3勝をマークした。

女性騎手が障害レースに乗ることを不安視する声は今も昔も変わりない。ロケット騎手が活躍したこの年の夏、西原騎手が障害レースで落馬。腰と右足の計4か所を骨折する重傷を負ったことも、そんな声を後押ししていたように思う。しかし、だからといって「女性騎手は障害に乗るべきではない」と決めつけてしまうわけにはいくまい。ロケット騎手のパワフルな手綱さばきや、サクラバクシンオーやクロフネの血が障害の舞台で花咲くシーンを見る度、我々は障害の不思議を思う。それが障害レースに惹かれる理由のひとつかもしれない。

 

***** 2016/12/20 *****

 

 

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2016年12月19日 (月)

鬼が笑う

暮れの中山の名物レース・ディセンバーSは、1番人気のツクバアズマオーが豪快な差し切り勝ちを収めた。道中はずっと外、外を回りながら、それでも最後は相手をまとめてねじ伏せる完勝劇。重賞で揉まれてきた経験はダテではない。

Tsukuba 

ツクバアズマオーはステイゴールド産駒の5歳馬で、これが通算6勝目。そのうち4勝が中山だから、抜群の相性を誇る。中山の芝を得意とする種牡馬は、ネオユニヴァース~ヴィクトワールピサだけとは限らない。ステイゴールドも然り。なにせ産駒は有馬記念に7年連続して出走して4勝(2着1回、3着2回)の成績を誇る。特に冬の中山にめっぽう強い。

一方ですぐにテンションが上がってしまうことが、ステイゴールド産駒のアキレス腱でもある。これにはツクバアズマオーとて例外ではいられない。彼は26戦ものキャリアを誇りながら、中京以西への輸送経験を持たないのである。しかも同じ関東圏であっても、中山では(4,2,2,4)であるのに対し、東京では(0,0,0,3)と明暗が分かれる。美浦からの輸送距離の差。そして厩舎から装鞍所までが遠いことも“東京苦手”に繋がっているらしい。陣営もレース選択には苦労しそうだ。

次走は中1週で中山金杯を予定しているとのこと。ならば、その次はAJCCだろうか。間隔が詰まるなんて言ってはいられない。中山で使える番組があるうちに使っておきたい。

ただ、ディセンバーSと中山金杯を連勝した馬がいないのも事実。1988年にディセンバーSがオープン特別となって以降、ディセンバーSの優勝馬28頭のうち12頭が次走に金杯を選択したが、その成績は(0,1,3,8)である。ほぼ同じコースで立て続けに行われるレースなのに、その相関は意外にも薄い。

これには金杯がハンデ戦であることも少なからず影響していよう。2007年のディセンバーSを勝ったサイレントプライドは、次走を年明けの中山金杯に定めるが、発表されたハンディキャップはなんと57キロ。オープン4勝のエアシェイディと同斤で、重賞ウイナーのブラックタイドやフサイチホウオーの56キロよりも重いのである。これには国枝調教師も呆れていた。なにせサイレントプライドは、ディセンバーSで初めてのオープン勝ちを飾ったばかりである。結果6着も仕方あるまい。このようにディセンバーSを勝った勢いが、思いがけぬハンデに押し止められてしまうことはある。

それならむしろディセンバーSでは負けているくらいの方が良いのかもしれない。事実、ディセンバーSで負けた馬が金杯で巻き返したという例が、過去に何度もある。有馬記念の前から金杯の心配をしているようでは鬼に笑われそうだが、果たしてツクバアズマオーは鬼門を打ち破ることができるだろうか。

 

***** 2016/12/19 *****

 

 

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2016年12月18日 (日)

牝馬が紡ぐ伝説

ベストダンスが3戦目の競馬を迎えた。ダンスパートナー最後の子に武豊騎手が乗ると話題になった新馬戦が7着。そして2戦目が8着。舞台が中山に変わってどうか―――? と、その走りに注目したのだが、後方から差を詰めただけの13着に終わった。残念だが、今はこうした一戦一戦を糧にしてほしい。

Bestdance 

勝ったのはヴィクトワールピサ産駒のアンネリース。ヴィクトワールピサ自身もそうだったが、その産駒も中山の芝を得意としている。ヴィクトワールピサ産駒はJRAの芝で47勝を挙げているが、うち11勝が中山でのもの。その相性の良さは一目瞭然であろう。

ちなみにベストダンスの父ワークフォースは、ヴィクトワールピサと種牡馬同期。だが、その産駒はJRA芝コースで25勝しているのに、実は中山で勝ったことはまだない。種牡馬にも競馬場ごとに得手不得手がある。戸田先生、次は東京まで待ちましょう!

今日の中山にはダンスパートナーの子がもう一頭出ていた。つまりベストダンスのお兄さんですね。ディセンバーSに出走していたロンギングダンサーがそう。強敵相手の毎日王冠で4着という成績から穴人気に推されたが、後方のまま11着に終わっている。中山2勝のロンギングダンサーだが、やはり東京や新潟と言った直線の長いコースの方がフィーリングが合っているような気がしてならない。

Longing 

ディセンバーSが終われば、いよいよ阪神で朝日杯が行われる。馬券での取り捨てはさておき、衆目の一致はミスエルテで間違いあるまい。朝日杯で牝馬が1番人気になった時点において、既に歴史的な出来事なのである。

ところで、今から21年前。1995年の菊花賞の1番人気が誰だったか、覚えておいでだろうか?

このレースを勝ったマヤノトップガンではない。ダービー馬のタヤスツヨシでもない。そう、1番人気はダンスパートナーだった。

「牝馬の出走は18年ぶり」と騒がれたのは今回の朝日杯と同じ。だが、出るだけなら獲得賞金があればどうにでもなる。凄いのは彼女が並み居る牡馬を押しのけて1番人気の支持を集めたこと。菊花賞のダンスパートナーも、朝日杯のミスエルテも、この時点で既に伝説となった。

ダンスパートナーが“出たとこ勝ち”のエリザベス女王杯ではなく、敢えて牡馬相手の菊花賞を選んだことにはいくつか理由がある。そのうちの一つがダービーとの時計比較。タヤスツヨシが勝ったダービーの勝ち時計が2分27秒3なのに対し、ダンスパートナーのオークスは2分26秒7。同じ良馬場でありながら、ダービーよりコンマ6秒も早かった。

牝馬を牡馬にぶつけるには時計の裏付けが欠かせない。ミスエルテがファンタジーSでマークした上がり3ハロンの33秒6は朝日杯のメンバー中最速タイ。芝1400mの持ち時計も2番目に早い。なら勝負になる。幸いなことに現在の朝日杯は、その出走条件において牝馬の出走を拒んではいない。

4着という結果にがっかりしている人は多いかもしれないが、あれだけイレ込んで、しかも初めて馬群に揉まる競馬を強いられながらの4着なら立派ではないか。この経験は決して無駄にはなるまい。馬にも陣営にも拍手を送ろう。

 

***** 2016/12/18 *****

 

 

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2016年12月17日 (土)

日本馬大活躍の一方で

日曜に行われた香港のGⅠ4レースの馬券売上が、思ったほど伸びなかったことが話題になっている。

 ヴァーズ:4億8756万900円
 スプリント:5億5326万200円
 マイル:8億9661万8800円
 カップ:18億8326万6900円

ちなみに、これまでの海外馬券発売の売上金額はこうだ。

 凱旋門賞:41億8599万5100円
 メルボルンC:6億9737万1200円
 BCフィリー&メアターフ:8億596万3400円

海外馬券の発売が開始されて4レース目。ついに日本馬が払い戻しの対象となった香港ヴァーズなのに、その売上はこれまでの最低記録をマークしてしまった。ちなみに、GⅠレースの中でも売上が少ない方とされる日曜の阪神JFは、それでも114億9596万6800万円を売り上げているし、中山のGⅢカペラSにしても25億2136万円。ヴァーズの売上は同じ日の阪神2レースの2歳未勝利戦の売上、5億4千万円にも及ばない。

大方の予想はまったく逆だった。発走時刻が日曜の朝4時43分で、発売も深夜だったBCフィリー&メアターフでさえ8億。メルボルンCは平日昼間の開催で、即PAT会員のみが購入可能。しかも発売時間も約6時間と短かったが、それでも売上は7億に近い。香港の国際レースは日曜の午後の発走。しかも例年日本馬が活躍することで知られ、ファンの注目度も高い。4レースの合計売上が凱旋門賞を越えることはもちろん、ひょっとしたら阪神JFをも上回るのではないか―――?

そんな一部の期待は見事に裏切られた。このブログでは、あらゆる投票ごとを読み切ることは難しいとさんざん訴えているが、馬券購入だって立派な投票行為。人の行動を完璧に予想することなどできない。

とはいえしかるべき反省は必要。だからみんな原因を考えている。なかでも多いのは「忙し過ぎではないか」というもの。ヴァーズにせよマイルにせよ、日本のメインレースの発走時刻に近く、多くのファンはそれどころではなかった。ヴァーズ、スプリント、マイル、カップとレースが進むにつれ、尻上りに売上が伸びているのがその証左だという。

「生中継がなかったからでは?」という声も少なくない。ヴァーズとスプリントの発走時刻は、ちょうど阪神の10R、11Rと重なっていたため、グリーンチャンネルにせよラジオにせよ阪神のレースが終わってから香港のレース映像や音声を流さざるを得なかった。それがファンの購買意欲を削いだというのである。レース映像を待つ間に、ツイッターなどでレース結果が分かってしまうのは確かに興醒め。それなら目の前の阪神に集中した方が楽しい。

なるほど、いずれも頷ける説だが、私の思いは別のところにある。それは「オッズが見合わないことに、多くのファンが気づいてしまった」のではないかという懸念である。サトノクラウンが大金星を挙げたヴァーズの配当を見てほしい。現地香港ではサトノクラウンの単勝は7番人気で配当は20倍。大手ブックメーカーのコーラル社でも6番人気タイの17倍である。ところが、JRAでは4番人気の11.4倍。「大金星!」と騒がれた割にはあまりにも低い。

日本人同士で馬券を買えば、こうなることは最初から分かりきっていた。今回、予想より売上が少なかったのは、日本の馬が勝つ、あるいは馬券の対象になると思ったファンが多かったためではないか。実際、3頭の日本馬が馬券に絡んだ。さらにスプリントを勝ったエアロヴェロシティにしても、昨年の高松宮記念の覇者である。そうなるとJRAで買うのはオッズ的に損だ。ならば、現地観戦の友達に馬券を頼んだ方が良い。いや、こうなったら、自分が現地に行ってやろうか―――。

Logo 

実際、香港まで遠征した日本のファンは例年より多かったと聞く。私も現地入りする知人にロゴタイプの単複の購入を頼んだ。だから、あの出遅れは私の馬券のせい。伏してお詫びする。ともあれ、熱心なビッグプレイヤーがこぞって現地入りしてしまったことも、JRAの売上が伸び悩んだことにわずかなりとも影響しているかもしれない。

 

***** 2016/12/17 *****

 

 

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2016年12月16日 (金)

餃子の街カワサキ

全日本2歳優駿が行われた当日のこと。川崎駅に降り立つなり、「さあ、何を食うべか?」とひとしきり考えた。

時計の針は19時に迫りつつある。ゆっくり食べてる時間はない。行列に並ぶなどはなおのこと。まっ先に脳裏を過ぎったメニューは「餃子」である。そういえば最近食べてないなぁ。ならば駅前の『天龍』か。だが、あそこはいつも混雑している。待たされるうちにレースが始まってしまっては、元も子もない。

―――で、結局は『吉野家』にしてしまった。いま振り返れば、「ザ・無難」とも言うべき選択である。

問題はその直後に起きた。競馬場に入る直前の信号で、とある競馬ジャーナリストの方とばったり遭遇。すると挨拶もそこそこに、こうおっしゃったのである。

「たったいま、天龍で餃子食べてきました」

さらにこうも付け加えた。

「店もすいてたので待たずに入れました」

がびーん!coldsweats02

思わず膝から崩れ落ちそうになったが、そこでグッと踏みとどまった自分を褒めてあげたい。吉野家に向かうにせよ、『天龍』の前を通らなかったのは明らかな失態である。いや、餃子を諦めた時点で、『天龍』の前を通るのはやめようと決めてしまった自分がそこにいなかったか。これは一種の逃避行動である。最近の私はこれが少なくない。歳のせいかもしれないが、何をするにも、無難へ無難へと流れされてしまう。

他人と話している最中に膝から崩れ落ちなかったことは偉いが、逃げたことは決して褒められたことではあるまい。ひとは食べたいと思ったものを食べるべき。身体が発するシグナルをないがしろにしてはいけない。そのための努力は惜しむべきではないのだ。

―――なんてたいそうなことにまで思いが及んでしまったので、今日は川崎の餃子をハシゴした。

Santsuru 

まず一軒目は川崎でも高い人気を誇る中華料理店の『三鶴』。創業は1946年。70年という長い歴史に裏打ちされた料理はどれも美味いと評判だ。

Santsuru2 

ここの餃子はとにかく皮が美味い。自家製でモチモチした食感だけに留まらず、なんとも言えない旨みをたたえている。その秘密は餡を包んでから焼く前に、いったん蒸すことにあるそうだ。そうすることによって、餡の旨味を皮が吸って美味さが増すらしい。なるほど。その餡にしても、敢えて粗めに刻まれたキャベツの食感と甘みが際立つ。ちなみにニンニクは使っていない。

二軒目は仲見世通りの『太陸』。こちらも創業1961年と歴史は古い。

Tairiku1 

この店は植物油を使っているため、あっさりいただけるのが特徴。だから2軒目にちょうど良い。これならいくらでも食べられそうな気がする。むろん美味さでは前述の店に負けてない。

Tairiku2 

川崎は、宇都宮や浜松などと並び、餃子による街おこしに取り組む全国10市の「全国餃子サミット(G10)」のメンバーでもある。上記の2軒以外にも、『天龍』や『成喜』を筆頭に美味しい餃子を出すお店はいくらでもある。川崎競馬は今日を以って今年の開催を終了。来るべき2017年は、みなさんも川崎競馬と餃子をセットで楽しんでください。

 

***** 2016/12/16 *****

 

 

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2016年12月15日 (木)

天才ジョッキー逝く

英国往年の名騎手ウォルター・スウィンバーン氏が、この月曜日に亡くなったと聞かされた。55歳はまだ若い。なにせ「私よりちょっと上」と思っていた人物である。てんかんを患っていたことは知っているが、それが関係しているのだろうか。

彼が騎乗した名馬を思いつくまま挙げてみる。

シャーガー、オールアロング、シャリーフダンサー、シャーラスタニ、ドユーン、サイエダディ、ホーリング、ロイヤルアプローズ、ラムタラ、アントレプレナー、ピルサドスキー……等々。

年代の古い順に並べたつもりだが、間違っているかもしれない。また、この馬が抜けてるぞ!という指摘もあろう。ともあれ時代を彩った名馬たちばかり。中でも一頭を挙げろといわれれば、やはりシャーガーをおいてほかにあるまい。1981年のエプソムダービーを10馬身差のレコード勝ち。その当時、スウィンバーン騎手は若干19歳だった。

ここで私事を披露することをお許し願いたい。私が初めて英国で訪れた競馬場はチェスター競馬場だった。ロンドンから特急に揺られること2時間あまり。中世の趣を色濃く残すチェスターの、その街はずれを流れるディー川の河川敷に開かれたチェスター競馬場は、現存する世界最古の競馬場でもある。

近代競馬の総本山たる英国の競馬場を巡るにあたり、もっとも歴史のある土地を真っ先に訪問することが、正しい競馬ファンの姿だと思った―――わけではない。訪れた当時はそんな歴史のことなど、これっぽっちも知らなかった。わざわざそこを訪れた理由は、その日たまたま開催していたこと。そしてもうひとつ。その日たまたまスウィンバーン騎手がそこで騎乗していたからだった。

目当てのレースは2歳の新馬戦である。4頭立て。サドラーズウェルズの産駒。ニアルカスファミリーの服色。さらにスウィンバーンの手綱。これだけ条件がそろえば、圧倒的1番人気に支持されたのも頷ける。実際、彼は人気に応えて楽勝した。この馬こそ翌春の英2000ギニーを勝つことになるアントレプレナーなのだが、当時はそんなことまで気にしていた覚えはない。遠路はるばるやってきた英国の競馬場で、スウィンバーンが勝つシーンを見ることができた。それでじゅうぶん。私にとって彼はそんな存在だったのである。

Swinburn 

ただ、この当時から彼は減量でずいぶん苦労していたと聞く。2004年には騎手を引退。調教師に転身したが、2011年には厩舎もたたんでいた。当時まだ50歳。調教師引退の理由を「経済的なもの」と聞いて、私が一抹の寂しさを覚えたことは言うまでもない。レース前半は長手綱でじっくり抑え、勝負どころからびっしり馬を追う。チェスターで見たスウィンバーン騎手は、クラシカルな英国式騎乗方法を体現する、まさに生けるレジェンドだった。合掌。

 

***** 2016/12/15 *****

 

 

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2016年12月14日 (水)

無敗の2歳女王が続々と

朝日杯を牝馬のミスエルテが勝てば、阪神JFのソウルスターリングと並んで無敗の2歳女王が2頭並び立つ―――。昨日そんなことを書いたばかりだが、その朝日杯が始まる前に早くも2頭目となる無敗の2歳女王が誕生してしまった。

Kawasaki01 

さきほど川崎競馬場で行われたばかりの全日本2歳優駿を勝ったリエノテソーロは、スペイツタウン(Speightstown)産駒の2歳牝馬。4戦4勝でGⅠを勝ったのだから、まぎれもない無敗の2歳女王である。

父のスペイツタウンはBCスプリントなどを勝ち、エクリプス賞の最優秀短距離馬にも輝いた名スプリンター。種牡馬としても多くの活躍馬を送り出し、日本でもクラスターカップを勝ったドスライスなどを輩出している。リエノテソーロはその父譲りの豊かなスピードを武器に、新馬、オープン特別、そしてGⅢと1200m戦ばかりを使われて3連勝。今回は距離延長、初めての左回り、牡馬一線級との対戦、そして苦手とされる当日輸送と、「ハードル」と呼ぶには高すぎる課題がいくつも立ちはだかっていたのに、見事にクリアしてみせたから凄い。

Kawasaki02 

彼女がJRAの最優秀2歳牝馬に選出される可能性が低いことはわかっているが、それでも地方を根城にする者としてはせめて同じ土俵には上げてあげたい。

現時点での最有力候補ソウルスターリングは3戦3勝で重賞はGⅠがひとつ。仮にミスエルテが朝日杯を勝ったとしても、同じく3戦3勝で重賞はGⅢとGⅠがひとつずつということになる。一方、リエノテソーロはGⅢとGⅠを勝った上で4戦4勝である。数字だけなら上。それをよりどころに、何票か集めてくれないものだろうか。

まあ、そんなことより、競馬ファンが真面目に気にすべきは彼女の今後の進路であろう。デビュー2戦の競馬を見れば、芝がまるっきりダメということでもあるまい。すでに獲得賞金もクリア。距離にも不安はない。桜花賞出走への障壁は見当たらないように思える。

無敗のまま2歳GⅠを制した3頭もの牝馬が桜花賞で激突―――。むろん空前の出来事に違いない。がぜん朝日杯の行方が気になってきた。だが、競馬ファンが仮定の話で盛り上がると、期待通りに進まないことの方が多いのも事実。ここは泰然自若の姿勢こそが肝要であろう。

 

***** 2016/12/14 *****

 

 

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2016年12月13日 (火)

2頭の女王誕生なるか

朝日杯フューチュリティステークスは阪神競馬場での実施となってまだ3年目だが、前身の朝日杯3歳Sから数えれば今年で68回目の老舗重賞。JRAの数あるレースの中でも、戦後に登場した重賞としては3番目に古い。

Asahi 

かつて2歳(当時表記では「3歳」)のチャンピオン決定戦は、朝日杯3歳Sと阪神3歳Sの東西に分かれて実施されていた。牡馬も牝馬もない。モーリスの4代母メジロボサツやオークス馬のテンモンなど、過去に朝日杯を勝った牝馬は7頭。牡馬混合当時の阪神3歳Sでもやはり牝馬が7勝の記録を残している。

東西で別々に行われていた牡牝混合の2歳チャンピオン決定戦が、牡と牝の東西統一王座決定戦に変わったのは1991年のこと。だが、その番組改編において、朝日杯の出走条件に「牡馬・セン馬」の一文が加わったことは強調されるべきであろう。この年を境に牝馬は朝日杯から締め出されてしまったのである。

「牝馬限定戦」というのは普通に存在するが、「牡馬限定戦」というのは珍しい。ともあれ、91年から03年までの13年間、牝馬の朝日杯出走は認められなかった。

牝馬には阪神JFが用意されている。牡馬は皐月賞が行われる競馬場を、牝馬も桜花賞と同じコースを経験しておきなさい―――。

それが番組改編側の「配慮」だった。しかもよりによって、初年度の優勝馬がミホノブルボンとニシノフラワーだったものだから、その配慮は動かし難いものとなる。

おそらく、輸送が苦手な関東馬や、1週でも長く間隔を空けたいという陣営への「配慮」はなかったのであろう。今年、ミスエルテが牝馬ながら朝日杯に挑戦すると話題になっているが、牝馬の挑戦を珍しいものにしたのは、番組屋の「配慮」にほかならない。

最後に牝馬が勝った1980年の朝日杯には、3頭の牝馬が出走していた。豪快に追い込んだテンモンが1着、逃げたヘーゼルブロンドが3着に粘り、キンセイパワーは11着に敗れたが、総じてみれば悪い成績ではあるまい。故障のため出走は実現しなかったが、前哨戦の京成杯3歳Sでも、牝馬のタケノダイヤが勝っていた。

そもそも2歳時の牡馬と牝馬の力量差は少ないとされる。ファンもそれをよく知っているから、仮にミスエルテが1番人気になって勝ったところで、驚く必要はなかろう。いやそれどころか、もう一頭の牝馬・ビーカーリーとのワンツー・フィニッシュだって、絶対にないとは言い切れない。

私が興味を引かれるのは、そうなったあとのことである。ミスエルテが勝てば、最優秀2歳牝馬の投票が白熱することは間違いあるまい。なにせどちらも無敗の2歳チャンピオンである。強いのは西か東か。昔の競馬ファンは暮れになると、そんな議論を戦わせた。それが翌春のクラシックをなおいっそう熱いものとしたのである。

無敗の東西2歳女王が、桜花賞でついに激突―――。そんなクラシックを、久しぶりに見てみたい。そんな思いを抱くファンは、きっと私ひとりではあるまい。

 

***** 2016/12/13 *****

 

 

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2016年12月12日 (月)

記録にも、記憶にも

中山、中京、阪神のJRA3場に加え、水沢、金沢、高知の地方3場。さらに香港では日本馬が大挙出走と、昨日ほどネットによる馬券発売が盛り上がった日はおそらくあるまい。ネット投票をされる方は、重賞8鞍、うちGⅠが5鞍という豪華ラインナップの1日を楽しまれていたというのに、私が向かった先はこちら。

Wins 

ウインズ渋谷ですね。阪神JFとカペラSの馬券を慎ましく買って、この日の投票は終了。もし香港カップの馬券売ってたとしても、ラブリーデイ本命の私はどうせ当たらなかったのだから、ヨシとしよう。ただ、わざわざ場外にやって来たのはわけがある。毎年恒例となったカレンダーの配布日だったんですよ、昨日が。それ欲しさに、北風吹きすさぶ中、のこのこと渋谷までやってきたわけだ。

Calender 

もらったカレンダーをさっそくパラパラめくってみる。今年のコンセプトは「記録にも記憶にも残るGⅠレース」というものらしい。そのラインナップはというと。

 1月 ジェンティルドンナ(牝馬年間獲得賞金)
 2月 オルフェーヴル(3歳時年間獲得賞金)
 3月 テイエムオペラオー(年間獲得賞金)
 4月 アパパネ/サンテミリオン(GⅠでの1着同着)
 5月 シンボリルドルフ(GⅠ最多勝利)
 6月 ウオッカ(牝馬GⅠ最多勝利)
 7月 ディープインパクト(GⅠ単勝支持率)
 8月 カンパニー(最高齢GⅠ勝利)
 9月 クロフネ(芝とダートでG1制覇)
 10月 タップダンスシチー(GⅠ最大着差)
 11月 ブエナビスタ(牝馬生涯獲得賞金)
 12月 オグリキャップ(GⅠ最多連続出走)

錚々たる顔ぶれには違いないが、よく見るとやたらと「獲得賞金」にまつわる記録が多い。中でもオルフェーヴルの「3歳時」という縛りには、ちょっと無理がありやしないか。どうしてもオルフェーヴルをラインナップに加えたくて、無理やりひねり出した感がありあり。同じことはオグリキャップにも言える。両馬とも「記録より記憶に残る馬」の典型だったわけだから、担当者もきっと苦労されたことだろう。

そもそも「獲得賞金」という物差しはファンの目線から見えにくい。それならテイエムオペラオーは「史上初めて天皇賞、ジャパンC、有馬記念を完全制覇」や「史上初の天皇賞3連覇」など、賞金以外の記録もたくさん持っている。

Tm 

そんなことを考えながらカレンダーを眺めていると、「あれ? あの馬は?」という馬の存在が気になってきた。

まっ先に思い浮かんだのは、GⅠ最高体重優勝のヒシアケボノだが、上記の12頭を差し置いてこれをねじ込むには相当の勇気が必要であろう。ならばGⅠ史上最高配当3連単2070万5810円を記録した、2015年ヴィクトリアマイルのストレイトガールはどうだろう。馬券の記録はファンの目線にも近い。しかもストレイトガールは、牝馬の最高齢GⅠ勝利という記録も併せ持つ。

普通に考えれば、中363日という休養明けGⅠ優勝の最長記録を持つトウカイテイオーこそ、「記録にも記憶にも残る」に相応しいはず。だが、のちに別の意味で記憶に残る出来事が起きてしまったことは、彼(もちろん馬)にとって不運と言うほかはない。日本競馬史上最多となる19万6517人の観客を集めたダービーを逃げ切ったアイネスフウジンにしても、馬とは無関係なところでネガティヴなイメージがついてしまった。

このカレンダーに選ばれることは難しいだろうが、史上初の芦毛のダービー馬・ウイナーズサークルと、地方馬として史上初めてJRAのGⅠを制したメイセイオペラを個人的には挙げておきたい。両馬とも今年訃報が伝えられたばかり。「記録にも記憶にも」というくくりでも、その思いは人それぞれ。つまり12ヶ月ではとても足りないということであろう。

 

***** 2016/12/12 *****

 

 

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2016年12月11日 (日)

ルメール爆発

おととい、戸崎圭太騎手とC.ルメール騎手のリーディング争いが熾烈だと書いたばかりだが、早くも状況が変化してしまった。4勝差で迎えた今日は阪神競馬場で両者の直接対決。戸崎騎手11鞍に対し、ルメール騎手は8鞍で手綱を取る。果たして両者の差は縮まるのか―――?

と思っていたら、ルメール騎手が6勝の固め打ち。よもやのワンデーシックス達成である。戸崎騎手も最終レースを勝って一矢を報いたが、この時点でルメール騎手177勝に対し、戸崎騎手は176勝。ついにルメール騎手がトップに躍り出た。わずか1勝差とはいえ、夏以降どれだけ追い上げてもなかなか届かなかった首位の座が変わる。それだけでも注目に値しよう。開催5日間を残し、リーディング争いは俄然面白くなってきた。

しかも、ルメール騎手は昨年に続いて阪神JFを連覇。かつてのお手馬が香港で大金星を挙げたことなどはさておき、嬉しい週末だったに違いない。なにせ彼に阪神JF連覇をもたらせてくれた牝馬は、ほかでもないソウルスターリングなのである。

Soul 

GⅠ10勝の父フランケルばかりがクローズアップされるソウルスターリングだが、母のスタセリタの凄さも忘れてはならない。ディアヌ賞(仏オークス)を筆頭に、ヴェルメイユ賞、サンタラリ賞、ジャンロマネ賞、フラワーボールS、ビヴァリーデイSと仏米のGⅠを6勝もした歴史的名牝である。そのうちの3勝がルメール騎手とのコンビだった。

実は、ルメール騎手はリーディングジョッキーになったことがないばかりか、GⅠを勝たせてもらった牝馬の産駒に乗ってGⅠを勝ったことがなかったという。それを思い出深いスタセリタの子で成し遂げたのだから、これ以上の喜びはなかろう。

メモリアルはそれだけに留まらない。世界各地の競馬場で旋風を巻き起こしつつあるフランケル産駒の中にあって、ソウルスターリングは世界初のGⅠ馬となった。フランケルが種牡馬としても歴史にその名を残すとき、ソウルスターリングとルメールの名前も歴史に刻まれることになる。

珍しくディープインパクト産駒不在で行われたGⅠレースを、フランケルの産駒が圧勝した。これは何かの示唆なのか―――?

たったひとつのレースでそこまで考えるのは早計だろうが、来週の朝日杯をミスエルテが勝つようなら、そうも言ってられなくなろう。だが、好調ルメールがそれを阻止するかもしれない。朝日杯ではダンビュライトの手綱を取る予定だ。

 

***** 2016/12/11 *****

 

 

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2016年12月10日 (土)

ジャパンブリーディングホースショー

第8回ジャパンブリーディングホースショーを見んがため、師走の馬事公苑にやってきた。写真だけを見れば好天だが、いざ馬場に立てばとにかく北風が冷たい。

Grass 

この大会に参加できる馬は、内国産の乗用馬か元競走馬のみ。なお、元競走馬であれば外国産馬であっても構わない。特に第4競技の「ダーレージャパン杯」は元競走馬限定だから、その名を聞いたことのある馬ばかりが出てくる。だから普段の競技会では見かけないような観客の姿もちらほら。GⅠホースの登場が近づくと、現役時代からのファンとおぼしき人たちが馬場を取り囲み始める。私が見る限り、今日の1番人気はやはりこの馬だった。

Success1 

そう。サクセスブロッケンです。

Success 

彼が第2の現役生活で活躍することで、馬術に少しでも注目が集まれば、その功績は彼が獲得した3つのGⅠタイトルに勝るとも劣ることはあるまい。ある意味、この大会を象徴する1頭と言える。

Success2 

ちなみに、出場するGⅠホースはサクセスブロッケン1頭だけではありませんよ。

Recorut1 

上の写真が誰だかわかりますか? 2004年の朝日杯を勝ったマインルレコルトです。

Recorut_2 

こちらの高い飛越を披露しているのは……

Bashiken1 

2010年の中山大障害の覇者・バシケーン。この年の「最優秀障害馬」にも選ばれたタイトルホースだが、だからと言って馬術の世界では無敵とは限らない。そこが面白い。

Bashiken 

ほかにもこちらの馬は、

Mogu1 

その変わった馬名でファンの多かったモグモグパクパク。

Mogu 

他にもアブソリュートや、

Abu 

サイレントプライドといった重賞勝ち馬が次々と登場。まっとうな競馬ファンなら、こうして彼らが元気で活躍する姿にきっと心躍るであろう。彼らは今もこうして勝負の世界に身を置いて、チャレンジを続けている。

Silentpride 

場内実況のアナウンサーが、馬名、選手名だけでなく、血統、生産牧場、競走馬時代の所属厩舎や成績まで紹介してくれるのは、元競走馬の競技会ならでは。大会は明日の日曜日も行われるから、興味のある人はぜひ足を運んでいただきたい。こういう大会が盛り上がれば、いわゆる“競走馬あがり”の活躍の舞台は大きく広がる。

Sayonara 

ついでに最後の馬事公苑を楽しむのも悪くない。今月いっぱいで馬事公苑は東京五輪に向けた工事に入る。その姿を瞼に焼き付けておこう。

 

***** 2016/12/10 *****

 

 

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2016年12月 9日 (金)

チャンピオンジョッキー

師走の声を聞いて気になるのは年賀状の準備や年度代表馬の行方だけではない。JRAのリーディングジョッキー争いもいよいよ佳境に突入。現時点で首位に立つのは3年連続リーディングを狙う戸崎圭太騎手で173勝。初のリーディングを目指すクリストフ・ルメール騎手が169勝でそれを追う。残りは7日間もあるから、4勝差など無きに等しい。決着は最終日までもつれるだろう。

Torowa 

実は年明けのJRA賞で表彰される「最多勝利騎手賞」は、リーディングジョッキーとは別のタイトル。こちらはJRAでの勝利数に加え、JRA所属場で挙げた地方や海外の勝ち星を加えた数字で争う。ルメール騎手は先日の船橋クイーン賞を勝って172勝としたが、それでも首位の戸崎騎手は181勝だから、その差は9もある。こちらはもはや大勢が決したか。ただ、あらゆる騎手が目指すのはあくまでもリーディング首位の座。すなわち「チャンピオンジョッキー」の称号である。

それにしても今年のリーディング争いはレベルが高い。戸崎騎手の173勝にせよ、ルメール騎手の169勝にせよ、例年ならじゅうぶんリーディングジョッキーに手が届く数字だ。どちらが勝つにせよ、過去10年の最多勝利数を上回ることは間違いない。

【過去10年のリーディング1位・2位】

 2015年 131(戸崎) 121(福永)
 2014年 146(戸崎) 136(岩田)
 2013年 131(福永) 120(川田)
 2012年 131(浜中) 123(蛯名)
 2011年 133(福永) 131(岩田)
 2010年 120(横山) 118(内田)
 2009年 146(内田) 140(武豊)
 2008年 143(武豊) 123(内田)
 2007年 156(武豊) 145(岩田)
 2006年 178(武豊) 127(藤田)

ルメール騎手が母国フランスでもチャンピオンジョッキーの座についたことがないと聞けば、意外に思われるだろうか。そういう意味では今年はチャンス。夏場には戸崎騎手から20勝以上の差をつけられていたはずなのに、いつの間にか射程圏内にまで忍び寄っていた。11月6日の東京競馬場では1日8勝の離れ業を演じている。実は勝率で比較すれば戸崎騎手0.193に対し、ルメール騎手は0.232。最終的に勝敗を分けるのは、騎乗数かもしれない。

逆に戸崎騎手がこのまま逃げ切れば、3年連続のリーディング獲得。去年は、ルメール騎手やデムーロ騎手が春からのJRA参戦だったことに助けられたとする声もあったが、今年は堂々と1年間勝負しての数字だから自慢していい。そうなると最終的な勝利数も気になってくる。200勝の大台に乗せるには、あと7日間で27勝が必要だが……うーむ、ちょっと厳しいですかね。そう思うと、武豊騎手が2005年に達成した212勝の大記録は、つくづくすごい。

Keita 

ただ、戸崎騎手にしても固め打ちができないわけではない。思い出されるのは一昨年の有馬記念当日。あと1勝すればリーディングジョッキー確定という震えるシチュエーションで、なんと騎乗機会5連勝の離れ業である。チャンピオンジョッキーを争うような人は、やはりどこか常人離れしている。さあ、今年のJRA競馬も残り3週。名手たちの卓越した手綱捌きにも注目だ。

 

***** 2016/12/09 *****

 

 

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2016年12月 8日 (木)

クライマックスはまだ

師走の声を聞いて気になるのは年賀状の準備だけではない。正当な競馬ファンなら、年度代表馬を始めとしたJRA賞の行方が気になってくる頃合であろう。

今年行われたJRAのGⅠ(JGⅠを含む)20レースのうち、現段階で2勝以上をあげているのはキタサンブラックただ1頭。そういう意味では年度代表馬にもっとも近い位置にいるわけだが、海外を含めればモーリスも2勝である。今週末の香港カップをモーリスが勝つようなら、2年連続年度代表馬の栄誉も見えてくるかもしれない。

今年は2歳馬のタイトル投票に波乱があるかもしれない。なにせ朝日杯FSにミスエルテが出る。これまでなら阪神JFを勝った馬が文句なく最優秀2歳牝馬だった。だが、仮にミスエルテが朝日杯を勝つようなことになれば、いったいどうなるのだろうか。それはすなわち、最優秀2歳牡馬の選出にもかかわる。どうせなら、そんな事態になってくれないだろうか。そのとき記者たちがどのような投票行動に出るのかを見てみたい。

それより、私が気を揉むのは例によって「最優秀ダート馬」のタイトルである。

JRAのGⅠだけならモーニンとサウンドトゥルーが1勝ずつ。だが、地方のダートグレードを含めればコパノリッキーが3勝(かしわ記念、帝王賞、マイルCS南部杯)もしている。だが、なぜかこれが評価されない。一昨年などは、かしわ記念、帝王賞、JBCクラシック、東京大賞典を勝ったホッコータルマエを差し置いて、GⅠはJCダート1勝のみのベルシャザールがタイトルをさらってしまった。「JRA賞」の名前はダテではない。

なにせ、有馬記念が終わった時点でさっさと投票してしまう記者が少なくないのである。そういう人たちは東京大賞典を選考の対象にはしていない。多忙を極める年末のこの時期、JRAの事務方にしても早い方が嬉しいとばかりに、ほいほいと投票用紙を受け取ってしまう。なかには「地方のダートグレードは「GⅠ」ではなく「JpnⅠ」だから考えなくていいんだよ」と言う人も。だが、東京大賞典はれっきとした「国際GⅠ」。それを知らぬ人が投票をしていること自体がおかしい。

そもそも、すべてのタイトルホースを12月に決めなければならないものだろうか。

我が国で行われるダートの国際GⅠは、チャンピオンズC、東京大賞典、フェブラリーSの3鞍。これらは12月から2月の3か月間に集中して行われる。ならば、最優秀ダートのタイトルを決めるのは3月にすれば良いのではないか?

Feb 

ほかのタイトルと選考期間がズレてはいろいろと都合が悪いこともあろう。でも、同じことは最優秀障害馬のタイトルでも言える。春先のビッグレースから暮れのビッグレースまでの間隔が開きすぎて、見ている側としては両者が繋がらないのである。

春にタイトルを決めて、翌年の正月に年度代表馬といっしょに表彰してはどうだろう。いろんな問題が起きることは承知。しかし、春にクライマックスを迎える競馬があっても良いではないか。ダートや障害のトップシーズンを冬から春に据えたのは、ほかならぬJRA自身なのだから。

 

***** 2016/12/08 *****

 

 

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2016年12月 7日 (水)

もういくつ寝ると

ぼちぼち年賀状の準備に追われる時期が近づいてきた。

きたるべき年の干支が申だろうが酉だろうが、私の送る年賀状はひたすら馬の写真を使っているから、片面(メインとなる面)は印刷で楽をしている。だが、もう片面、すなわち宛先は手書きを宗とし、決して「筆まめ」のお世話になったりすることはなかった―――数年前までは。

言い訳をさせてもらえば、その年の暮れは多忙を極めたのである。とても手書きで年賀状を書いている時間はない。不義理を承知で年賀状を出すこと自体をやめようかと思った。いや、それならまだ宛名を印刷してでも出した方が良かろう。こうして、私もついに「筆まめ」に手を出してしまった。

するとラクなのである。これまで数日間を要していた宛名書きが、1時間もかからない。空いた時間を有馬記念や東京大賞典の検討に充てることもできる。みなさんがこれを使う理由が良く分かった。

ただ、今年の初め。とある人物から「年賀状が2通届いたよ」と聞かされた。「筆まめ」住所録のメンテミスである。まさか……と不安に思い、パソコン内の住所録をあらためて精査したら、もうひとり、年賀状を2通送ってしまったと思われる人物を発見した。いや、恥ずかしい。恥ずかしい上に、2枚分のはがき代を損した。

これは機械任せにしていた自分の責任である。それで思い直した。今年は宛名くらいは手書きに戻そうか……と。

大量の文字を手書きで書く機会なんて、いまや年賀状くらいしかあるまい。世のデジタル化に抗う姿勢を示したいという思いもあった。手書きなら「あれ? このヒト、さっきも書いたよな」と気づくものである。だいたい、空いた時間で検討を重ねた有馬記念の馬券にしても、まるで当たらないのである。それじゃあ時間とハガキの無駄遣いじゃないか。

ただし、まだ宛先書きの作業に入るには早い。今は写真選びに時間をかける時季。馬主、生産者、騎手、調教師の皆さんには、できることなら関係馬が勝ったシーンを使った1枚を贈ってあげたい。だから師走の私は、重賞よりも、まず年賀状に使う写真が決まっていない人の関係馬が出るレースを優先にスケジュールを組むことになる。

世のデジタル化に抗い続ける私とて、さすがにカメラはデジタル化しているので、特に暮れの大井開催の写真が年賀状に使えるようになった。これについてはデジタル化の大きな利点として、私としてもその功を認めざるを得ない。暮れに挙げた1勝というのは、ことさら嬉しいものらしく、先方にもたいそう喜ばれるのである。

Kane 

来るべき年末の大井開催では、私の関係馬が大挙して勝ちまくることを願ってやまない。

 

***** 2016/12/07 *****

 

 

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2016年12月 6日 (火)

越谷葱音頭

おととい日曜のこと、野暮用で春日部を訪れたついでに、かねてからの宿題であった越谷のうどん専門店『うちだや』に足を運ぶ機会を得た。

Uchida 

越谷在住の知人に何度も勧められていたのだが、なにぶん越谷に行く用事がない。店の営業時間が昼の4時間のみ(11時~15時)という制約もあった。今回、春日部から中山競馬場に向かう途中に無理やりねじ込んではみたものの、たまたま来店が日曜の正午になってしまったのは私としては珍しいが仕方があるまい。当然のごとく店内は満席。やむなく店外で待つ羽目になった。

Nobori 

店は旧日光街道に面している。そこに掲げられた「越谷ねぎ」の幟を眺めながら待つこと10分、ようやくの入店を果たしてメニューを眺めると、メニューのトップには「肉ねぎうどん」とある。さらに、店内の壁には「かも葱焼き」の品書きがあちこちに貼られており、おまけにこんな歌まで出ていると知っていたく驚いた。

Ondo 

越谷は古くからネギの名産地として知られる。なにせ、江戸時代から続くブランド葱「千住ネギ」の生産地は、千住ではなくここ越谷。千住ネギの「千住」は、産地のことではなく千住河原町の市場を通ったことを指す。―――という知識は、先日大井競馬場で開催されていた「全国ねぎサミット」で知った。あのイベントにも「越谷ねぎ」が出展していたのである。

私が注文したのは「鴨汁うどん」。むろん越谷ねぎが使われている。湯気が凄い。

Kamojiru 

麺は太めの平打ち。「武蔵野うどん」を謳うわりには真っ白だ。埼玉県産の粉しか使わないというこだわりようである。

Udon 

滑らかなのど越しは国内産小麦ならではであろう。小麦の味そのものに欠ける感があるのは仕方ない。そのぶんを濃い目のツユが補ってくれる。このねじれが入った独特の平打ちもツユの絡み具合まで考えたものかもしれない。いや、そうでもないかもしれない。どちらにせよ、門別のいずみ食堂のそばを思わせる食感はクセになりそうだ。葱もトロりとして甘い。大盛では正直足りない。

偶然かもしれないが、店内には中高年の女性客の姿が目立つ。私の後に並んだお客さんも、おばさんのグループだった。ある意味、それが味の証であろう。そんなことを思いつつ、南越谷駅まで旧日光街道を歩き、中山競馬場に到着。ふと思い立って、ひとりのジョッキーの単勝馬券をベタベタと買ってみた。

Baken 

そう、内田博幸騎手です。理由はもちろん「うちだや」で美味しいうどんを食べたばかりだから。でも全部はずれた。残念。まあ、この手の遊び馬券は当たらなくて当然ですよね。とはいえ、ラニあたりには、うっすら期待していたんだけどなぁ……(笑)

 

***** 2016/12/06 *****

 

 

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2016年12月 5日 (月)

結婚式は馬だらけ

過日、結婚式ならびに披露宴の撮影を頼まれて、いそいそと目黒まで出かけた。

学生時代の友人や仕事仲間の結婚が一段落して十数年。なんと今回結婚するのは私の同級生の“娘”である。はぁ~。私もトシを取りましたね。生まれたばかりの当時を知っている子が結婚するというのは、親でなくともそれなりにショックを受けるものですよ。ストレイトガールやショウナンパンドラが繁殖入りするのとは、また違った感慨が……って、一緒にすると怒られそうだ。

とにかく結婚式という場は久しぶり。若いころならば、とにかく飲めるだけ飲んでおけとばかりに、シャンパンやワインをガブ飲みしてはひっくり返っていただろうが、このトシになればさすがにそうもいかない。おとなしく写真を撮るだけ。しかし、それであることに気付いた。

結婚披露宴では、やたらと馬にまつわる言葉が使われるのである。

まず、新郎新婦の紹介の中で「馬が合う」という言葉が出てきた。言うまでもなく、呼吸がぴったりで意気投合すること。馬と騎手との息が合わないと振り落される。これは分かりやすい。

Rakuba 

続いて挨拶に立ったオジさんが「馬には乗ってみよ。人には添うてみよ」と言った。何事も経験してみなければ本当のことはわからないという言葉。分かりもせずに文句を言ったりしてはいけないという戒めである。ただ、たしかに馬に乗ったことがあるとないとでは人生違うと思う。ぜひ夫婦で乗馬も楽しんでいただきたい。

しかるのちに乾杯と相成った。目の前には次々とご馳走が運ばれてくるのだが、この「馳走」という言葉も、もともとは「馬に乗って走り回る」という意味。客人に振る舞う食事のために、あちこち馬で走り回って食材を探す行為自体が本来の「ご馳走」だが、今ではもてなしの食事の方を指す。

御歓談の途中ではありますが、ここではなむけの言葉が送られる。この「はなむけ」の「はな」は花ではなく鼻。それも馬の鼻のこと。もともとは、馬に乗って旅立つ人を見送る際、馬の鼻をその人の進む方向に向けて祝福した習慣だが、なぜそれが結婚式での「贈る言葉」になったのかは知らない。

宴も終盤を迎えると、羽目を外す連中も出てくる。この「羽目」とは馬を御するために口に噛ませる馬具「馬銜(ハミ)」から転じた。じっさい「銜」という漢字は「ハメ」とも読ませる。ハミが外れた馬が暴れて手が付けられなくなることは、みなさんご存じの通り。それがいつの間にか、調子に乗って度を越すことを意味するようになった。

予定調和の(コラ!)演出も無事終わり、いよいよ宴はお開き。みなさん椅子の下の引き出物をお忘れなきよう……と司会者の方が心配する「引き出物」も実は馬絡みだということをご存じだろうか。

話は平安時代にさかのぼる。とある祝宴が終わった頃合いで一頭の馬が庭に引き出されてきた。なんと、その馬をお土産として客人に贈ったのだという。そんな故事から、お土産を意味する「引き出物」という言葉が生まれたらしい。いやあ、凄いですね。私にもお土産で馬をもらえないだろうか……などと思いつつ、帰宅して引き出物を広げてみると、そこには立派なハーツクライ1歳牡馬のカタログが!

―――なんてワケない(笑) 例によって削り節とバームクーヘン。ドイツでは祝い事にバームクーヘンが欠かせないらしい。しかしなぜドイツなのか? いつも不思議に思う。でも、バームクーヘンは美味しかったです。

 

***** 2016/12/05 *****

 

 

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2016年12月 4日 (日)

名牝の子はつらいよ

この一週間は毎日のように大井競馬場に足を運んだ。

Ooi 

月曜から金曜までの5日間に加え、その前の土曜に行われた「お客様感謝デー」にも顔を出していたのだから、日曜以外はずっと大井に行っていたことになる。その日曜にしてもジャパンカップに行ってたわけだから、競馬場通いを休んだわけではない。驚くべきは、その間に馬券が的中したという記憶がいっさいないこと。ざっと30レースほどに手を出したと思われるが、すべて外れた。こんなことで正月を迎えられるのだろうか。今から不安で仕方ない。

馬券は外れたが嬉しいレースはあった。金曜の大井2レースは、3歳馬によるマイル戦。このレースをハナ差で制したダイワウィズミーは、あの女傑・ダイワスカーレットの娘である。9戦目での嬉しい初勝利となった。

Daiwa 

父はキングカメハメハ。大井でデビューするような血筋ではない。ほかの兄弟姉妹同様、彼女もJRAでデビューを果たした。2歳秋の東京競馬場での芝1400m戦。牝馬としては王道であろう。鞍上は戸崎圭太騎手。もちろん1番人気。しかし中団追走のまま、特に見せ場もないまま6着に敗れた。

以来、JRAで7戦を消化するも、ついに勝てぬまま3歳未勝利戦は終了。捲土重来を期して大井に移籍して、ようやく掴んだ初勝利である。周囲が思っていたより時間はかかったに違いないが、それでも嬉しくないということはあるまい。少なくとも私は嬉しい。

今日の中山のメイン・北総Sにダイワレジェンドの姿があった。御存じダイワウィズミーの全兄。ダイワスカーレット産駒の中では出世頭でもある。

Legend 

しかし、レースではしんがり負けを喫してしまった。競馬だからこんなこともある。だが、背後の客からこんな声が聞こえてきたではないか。

「ダイワスカーレットの子って走らねぇよなぁ」

私は思わず自分の耳を疑った。JRAで4勝もしている馬に「走らない」とはなにごとだ。

Arima 

つまりはお母さんが偉大過ぎるのであろう。12戦8勝。うちGⅠ4勝。3着以下に負けたことはない。牝馬ながら有馬記念にも勝っている。こんな成績と比較されてしまっては、子供たちもたまったものではあるまい。私ですら気の毒に思う。ウオッカの子が思うように走らない背景にも、似たような事情が隠れていやしないか。生まれながらに背負わされた期待と宿命が、ハンデとなって彼ら彼女らに重くのしかかっているように見える。名牝の子は、ことさら温かい眼差しで見守りたい。

 

***** 2016/12/04 *****

 

 

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2016年12月 3日 (土)

変わりゆく引退式

チャンピオンズカップを回避し、急遽引退が発表されたホッコータルマエが、東京大賞典当日に行う予定だった引退式も取りやめることになった。我が国競馬史上最多となるGⅠレース10勝の大記録を成し遂げた名馬は、ファンに直接別れを告げることなく、北海道に旅立ってしまう。

Hokko 

今回は実現しなかったが、レースを走った直後に引退式というケースが最近では主流になりつつある。昨年のゴールドシップの盛大な引退式も、まだ記憶に新しい。

ラストラン直後の引退式が初めて行われたのは1997年。スプリンターズSを最後に現役引退が決まっていたタイキシャトルの引退式を、当日の中山最終レース終了後に行ったのが先鞭である。前代未聞の引退レース当日の引退式は、厩舎サイドの強い希望で実現の運びとなった。タイキシャトルを管理する藤沢和雄調教師が、「本当に頑張ってきた馬だから、競走生活を全うした後はすみやかに牧場へ帰してやりたい」と話していたことを思い出す。

それまでの引退式といえば、引退レースを走り終えていったん帰厩し、別の日にあらためて馬運車に揺られて満員の観客が待ち受ける競馬場に連れてこられるのが普通だった。もし、セレモニーの中で騎手を乗せて馬を走らせる場合は、それに備えた追い切りまで課す必要もある。現役を終えた名馬に対して余計な負担を強いいてしまう―――。そんな指摘は、当時から競馬サークルの内外から寄せられていた。

藤沢調教師が提唱した引退レース当日の引退式いうスタイルは、当時は「異例」と報じられた。しかしそうした報道に対して、「今後はこのスタイルが一般化するだろう」とも藤沢師は語っている。そして今現在、実際にその言葉の通りになりつつあるわけだから、師の慧眼には恐縮させられるほかはない。

競馬主催者にしてみれば、別の日にファンを呼んでもらえた方がありがたいだろう。それまで引退式といえば、1月の実施が相場だった。特に目玉となるレースもなく、来場者が激減する冬枯れの競馬場にファンを呼ぶ材料が減ってしまうのは辛いだろうが、とはいえレース後の引退式を支持する声はファンの間でも高いという。

ちなみにJRAにおける「引退式対象馬」には一定の基準がある。

 ①GⅠ(JpnⅠ)競走の勝ち馬
 ②重賞5勝以上(牝馬、障害馬は4勝以上)
 ③上記以外でJRAに顕著な貢献をしたと認められる馬

①は説明の必要はないだろう。②の条件を満たして引退式を行うケースは稀だが、GⅠ戦線で名脇役として息の長い活躍をしたダイワテキサスが、この条件に基づいて引退式を実施したケースがある。毎日の調教でダイワテキサスの背に跨っていたという牧原由貴子騎手が、引退式の手綱を取ったことでも話題になった。

引退式実施の要件を満たしながら、実際に式が行われない馬が多いのは「馬主の遠慮」や「不慮の故障」などさまざまあるが、やはりもっとも多い理由には「馬への負担」が挙げられるという。実際、「引退式は不要」と考えている馬主や調教師は多い。藤沢和雄調教師も、かつてはそのように考えていたフシがあった。だからこそ、「レース後の実施」というアイディアが出たのだと推測する。

Tarumae 

JRA所属馬でありながら大井競馬場で引退式を行う―――。

そんなホッコータルマエの引退式が仮に実現すれば、やはり過去に前例のない出来事だった。実現の機会が失われてしまったことは残念だが、なにより馬が主役の引退式である。人間の都合や思いだけで、馬に負担をかけるべきではない。そんな案が出ただけでも画期的だった。そう思うことにして、ホッコータルマエの跡を継ぐ名馬の出現を待つことにしよう。

 

***** 2016/12/03 *****

 

 

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2016年12月 2日 (金)

三里塚へ

富里周辺の牧場や乗馬クラブをぐるぐる回って走るうち、とある交差点の信号機に備え付けられた地名表示板に目が留まった。

三里塚―――。

その地名に抱く印象は世代ごとに大きく異なるはずだ。馬と桜の御料牧場から、流血の反対闘争を経て、成田空港へ。時代の流れに大きく翻弄されてきた土地である。私が某国立大学に入学した頃には既に闘争は下火になっていたが、それでもキャンパス内にはヘルメットにサングラス姿の連中がウロウロしていた。倉庫が突然燃えたりすることも。だが、先輩は特に驚きもせず「セクトの連中の仕業だ」とだけ呟いた。

構内では「集え!三里塚へ!」という看板をよく目にした。別の先輩は「あのテニスサークルに入ると三里塚に連れていかれるから気を付けろ」と言う。以来、「三里塚は怖いところ」というイメージが染みついてしまった。三里塚界隈にお住まいの方にはたいへん失礼な話である。己の無知と不明をお詫びするしかない。ただ、今回、期せずして赤信号で停止した交差点の地名が目に飛び込んできた時、ついドキッとしてしまったことも事実。ここがあの三里塚か。

交差点を北上すると、左手にマロニエの並木が茂る風情ある公園が見えてくる。立派な門から並木道を進むと、その奥にあるのは御料牧場記念館。かつてこの地に広大な敷地を有し、成田空港開港と共に那須に移転した下総御料牧場の名残だ。

Goryo1 

1875年に大久保利通が開設した国営の下総牧羊場、取香種畜場がその前身。のちに宮内省に移管され、昭和天皇をはじめ多くの皇族が訪れ、乗馬を楽しまれた。何より我が国における競走馬生産の原点でもある。種牡馬トウヌヌソルやダイオライトが繋養され、輩出したダービー馬は実に6頭。いま私が立っているこの敷地も、かつては皇族ら一部の要人しか立ち入りを許されない場所だった。

Goryo2 

記念館は入場無料。スリッパに履き替えて、パンフレットを手に取ると、どこからともなくオジさんが現れて、解説を始めた。これは何年前のこのあたりの風景です。これは昔使われていた鞍です。これは江戸時代に野馬を追いかけて捕まえる時に使った集落の幟です。実物です。これは、んー、とにかく古い馬具です―――。等々。

そして、戦後に外交官を招いて御料牧場で開かれた食事会の光景を写したという写真の前で、オジさんが「今でこそジンギスカンは北海道の名物料理ですが、その発祥はここ三里塚にあるとも言えるのです」と熱く語り始めた。羊を焼いて食べる風習はあちこちにあったが、あの独特のタレを考案したのが、この御料牧場だという。ふーむ。そうなんですか。写真にはたしかにジンギスカン鍋が写っているが、残念ながらタレの味までは伝わってこない。

目を引かれたのはヒサトモのブロンズ像。当時、ダービー優勝を果たした馬主はこうした記念のブロンズ像を作成し、関係各所に贈呈したのだそうだ。その費用はダービー優勝金額に匹敵するほどだったいう。しかしもちろん金額などは問題ではない。

「現代のクオカードですね」

そう言ってみたが、オジさんには何のことか分らなかったようだ。

建物を出ると一体の銅像が鎮座していた。牝系の礎として今なおその名が語られるビューチフルドリーマーやフローリスカップなどの繁殖牝馬の輸入に携わった新山荘輔。彼はこ御料牧場の第5代牧場長でもあった。さっきのオジさんは「たいへんな篤志家」とおっしゃるが、我々にとっては「日本馬産界の父」に違いない。

Goryo3 

その銅像を見ていたら、私の抱いていた三里塚の印象が、まるで違うものに変わっていることに気付いた。現地に来なければ分らないものがあるのは当然だが、現地に来なければ変われないものもあるのである。勉強になった。成田界隈にはジンギスカンの専門店があるらしいから、こうなったらそれも一度食べてみなければなるまい。

 

***** 2016/12/02 *****

 

 

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2016年12月 1日 (木)

再会の街

千葉の富里は「馬の街」である。最近は「スイカの街」としても売り出そうとしているようだけど、「馬の街」であることに変わりはない。

なにせ富里市に事務所を構える「千葉県両総馬匹農業協同組合」の代表理事は、あの吉田照哉氏。牧場めぐりでお世話になる「競走馬のふるさと案内所」の「千葉連絡センター」もここにある。生産牧場は減ったが、競走馬の育成牧場はまだまだ健在。その流れで市内には乗馬クラブの数も多い。

Cozima 

先日はそんな乗馬クラブをいくつか回っていた。そのうちの一軒にレストランが併設されている。その名も『クッチーナ・トキオネーゼ・コジマ 』。どうやらイタリアンのお店らしい。ふんじゃあ、お昼はスパゲティにでもするか。そんな気軽な気持ちでお店に入ったら、あまりに本格的な雰囲気にちょっと驚いた。

Potato 

カラスミのパスタを注文すると、サービスでジャガイモのパンが付いてくる。その美味いこと。そのまま食べても美味いが、「デュカ」というヘーゼルナッツやコリアンダーやクミンやゴマが浮いたオリーブオイルで食べても美味い。これは普通の店ではないゾ。緊張と期待が入り混じる中、パスタがやってきた。

Pasta 

パウダー状のカラスミから立ち上る潮の香り。野菜が持つシンプルな甘さ。それらが混然一体となって奏でる濃厚な旨味をまとったパスタ。これが美味くないはずがない。あっという間に平らげてコーヒーをひと口。テラスのすぐ下では乗馬のレッスンが始まった。これほど贅沢な午後というのも、なかなかあるまい。実に甘やかな時間が流れてゆく。

Horse 

聞けばシェフは、1999年頃から南青山の名店『青山アクアパッツァ』の料理長をしばらく務められていた人物だという。だとしたら私は一度お会いしている。骨董通り沿いの小さなギャラリーで個展を開いた私は、その打ち上げパーティーで『青山アクアパッツァ』を使わせていただいた。その時、シェフも挨拶に見えたはずである。高級店の料理長だというのに、それを感じさせぬ人柄。そんな印象があったから、今日まで忘れずにいた。思わぬところで思わぬ再会。人生は捨てたものではない。店の隣にはポニーが2頭放牧されている。

Pony 

店を出て次の乗馬クラブへ行くと、なんと今度は見知った“馬”がいたではないか。

Skipjack1 

スキップジャックは2005年の京王杯2歳Sの勝ち馬。個人的な縁があり、しょっちゅう放牧中の牧場を訪れては撮影していた一頭だ。

Skipjack2 

当時はヤンチャで周囲を困らせてばかりいたのに、聞けば今ではお客さんを乗せることもあるという。10年ぶりに再会できたと思ったら、ヤツはすっかり大人になっちまってた―――なんてのも再会の常。それでも、かつて会った人や馬の活躍を知ることは大きな喜びに違いない。富里は「馬の街」ではあるのだけど、その日の私に限っては「再会の街」でもあった。

 

***** 2016/12/01 *****

 

 

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