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2016年11月10日 (木)

女王陛下のレース

「京都ではディープインパクト産駒にやられてしまう」

先日行われたブリーダーズカップ・フィリー&メアターフに出走し、11着と敗れたヌーヴォレコルトを管理する斎藤誠調教師の言葉である。もともと強い海外志向を持つトレーナーであり、ヌーヴォレコルト自身もこの春は香港に遠征していた。だが、芝の中距離を得意とする同馬にとって、秋は国内にエリザベス女王杯というGⅠが用意されている。それなのに、なぜ敢えて米国遠征に踏み切ったのか―――?

それに対する師の答えが、冒頭の言葉だ。

たしかにエリザベス女王杯は2年続けてディープインパクト産駒が優勝している。しかも2年続けてその2着に敗れたのは、他でもないヌーヴォレコルト。その事実を思えば「ディープインパクト産駒にやられてしまう」という気持ちも分らなくはない。先月の秋華賞も菊花賞もディープ産駒が勝った。京都のディープ産駒はたしかに強い。マリアライト、ミッキークイーン、タッチングスピーチ。今年のエリザベス女王杯でも、3頭のディープ産駒が人気を集めることは間違いなかろう。

エリザベス女王杯は、1975年のエリザベス女王陛下の来日をきっかけに創設された。

我が国の競馬が英国の競馬を手本として発展してきたことは周知の通り。陛下の来日スケジュールに京都観光が含まれていることを知ったJRAは、京都競馬場で来日記念レースを開催し女王陛下によるご観戦を実現させるべく奔走するも、結果的に京都競馬場への来場は叶わなかった。理由は「スケジュール多忙のため」とされたが、実際には警備上の問題であったらしい。なにせ大の競馬好きでも知られる女王陛下のことである。競馬と聞けばスケジュールなど平気で変えてしまったに違いない。

陛下のご臨席は賜ることができなかったが、来日記念レースは予定通り行われた。この年の5月10日、3回京都開催5日目の京都9レース「エリザベス女王御来日記念」は、準オープンクラスによる芝2000mハンデ戦。5歳牝馬のユウダンサーズが、福永洋一騎手の巧みな手綱捌きで逃げ切っている。

そのレース結果を伝え聞いた女王陛下が、「勝ち馬の写真と優勝カップのレプリカをもらいたい」と希望された。後日JRAが、写真を届けに英国大使館を訪ねたところ、応対した公使から「これを機に、毎年女王杯レースを実施されてはどうか」と予想外の提案を受ける。話はとんとん拍子に進み、翌年のエリザベス女王杯創設へと相成った。エリザベス女王杯の創設には、実は福永祐一騎手のお父さんが多少関わっている。

ちなみに、この前年の英1000ギニーと仏オークスの優勝馬ハイクレアは、エリザベス女王陛下の自家生産馬&所有馬として知られるが、もっと分かりやすいところではディープインパクトの3代母であろう。日本における歴史的名馬の血統には、実はエリザベス女王陛下が強く関わっている。

だとすれば、エリザベス女王杯でディープインパクト産駒が無類の強さを発揮するのも当然か。おっと、ディープインパクトの全兄弟ブラックタイドの3代母も、当然ながらハイクレア。日曜のレースではアスカビレンも無視できない。

Asuka 

 

***** 2016/11/10 *****

 

 

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