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2016年11月16日 (水)

夜うどん

府中界隈の讃岐うどん店というと競馬場へのアクセスの良さからどうしても府中本町の『厨』ばかりに足を運ぶことになるのだけど、『厨』がオープンする2年前までは、隣町の分倍河原に暖簾を掲げる『喜三郎』に足繁く通っていた。もしこの店が東京競馬場の界隈にあったならば、競馬開催時におけるランチ事情は激変していたであろう。少なくとも私に限って言えば、これは誇張ではない。

こないだチラッと書いたが、たいていの店ではオーストラリア産ベースの小麦粉を使っている中にあって、こちらでは北海道産100%の粉にこだわり続けている。釜たま一杯600円と、やや値が張るのは、そういう事情にもよる。

だが、そのぶんうどんは美味い。

Kama 

温泉玉子を崩し、醤油を少なめにかけ回してから、一気にうどんを掻き混ぜる。もわっと立ち上がる湯気から溢れ出る小麦の香りの、そのなんと芳しいことか。北海道産の小麦だと思うと、その香りがいっそう親密に感じられるのである。

湯気が収まるのを待って、うどんをひと口。麺にはほんのりと薄い塩味がついていて、醤油は少なめで十分。聞けば、海水から精製した自然海塩を使っているそうだ。塩はうどんのコシを生み出す原動力にもなるが、あまり多いと風味に角が立つ。その絶妙なバランスを舌で感じ、しかるのちに痛快な喉越しを味わう。まさに至福の瞬間である。

Chochin 

こちらには夜うどんの楽しみもある。つまりおつまみも充実している。双璧はジャコ天とイリコのかき揚げ。この2点は外せない。

ジャコ天の原料は瀬戸内で「ハランボ」の別名で知られるスズキ科の小魚「ホタルジャコ」。それを骨ごとすり身にして揚げる。適度に脂が乗っていながら、さっぱりした味わい。なにより弾力のある身と、かすかに感じられる小骨の食感がたまらない。

Jako 

イリコは関東で言う「煮干し」のこと。うどんのダシには欠かせないが、天ぷらにしても美味しい。その身は思いのほか柔らかく、サクッと噛めば旨味が口の中に広がる。なにせそれ自体が旨味の塊である。

Iriko 

酒を飲んだあとの〆は肉うどん。普段は釜たまやぶっかけうどんを好む私とて、飲んだあとは汁物が恋しくなるもの。イリコが香る温かいダシが胃に染みる。いやぁ、ホッとしますね。おでんや湯豆腐の始まるこれからの季節が、『喜三郎』の真骨頂かもしれない。

Niku 

 

***** 2016/11/16 *****

 

 

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